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INTERVIEW

Japanese

SAKANAMON

 

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Member:藤森 元生(Vo/Gt)

Interviewer:秦 理絵

-例えば「DAVID」とかは、どうやってテーマを決めたんですか? やたらノリのいい外国人に絡まれるっていう面白い設定ですよね。

この曲はなんとなく音のイメージから渋谷の曲にしようと思ったんですよね。で、もうすぐオリンピックだよなって思いついたんです。街に外国人が増えてきたら、声を掛けられたときに、すごく困るんですよ。僕は英語が全然ダメなので。日本人に話し掛けられるのも苦手なのに......。この曲の中では、僕は英語ができる体ですけど(笑)。

-途中で曲調がミュージカルっぽくなって、隕石が落ちてきますけど。

最終的には人類滅亡の曲にしました。

-どうしてこんなことになったんですか?

奇をてらいたくて。こんなに(曲が)もったいないことを誰もしないだろうなと思ったんですよ。DAVIDは不法入国者でビザがなくて、密漁船に乗って別の国に逃げていく、みたいな曲です。他にもオチは3パターンぐらい用意してましたね。

-他のオチはどういう内容だったんですか?

ひとつはDAVIDがスパイ活動をしてるっていうオチだったかな(笑)。

-藤森さんが曲を作るうえで、誰もやってないことっていうのはやっぱり大きなテーマだったりするんですか?

だと思います。そこはもうずっとそうだと思います。(他の人と)同じ土俵で戦いたくないんですよ。勝ち負けがはっきりするじゃないですか。そうすると、如実に自分のボロが出ちゃうんですよね。僕はそういうのから逃げてきた人間なんです。違うところで悠々とひとりで野放しにされていたいんですよ。みんなが切磋琢磨してるところで、自分はスキップしていたいというか。

-言い方がネガティヴに聞こえるけど、それが自分の戦い方だってことですよね。

まぁ、そうですね。それでも勝ち負けはつけられるかもしれないんですけど、他の人たちにないものを持っていられたら、それでいいんです。同じ土台で戦ってて、"あ、こっちの方がいいじゃん"ってなった瞬間に、僕の存在意義がなくなるから。"なんとかの劣化版"みたいになったら、もうやめるってなっちゃうので、自分たちが自分たちである理由を探して、なんとか生きてるって感じですね。

-そういう戦い方をしてきたSAKANAMONだけど、今回7曲目の「テヲフル (・・・MIX)」に関しては、ある意味、王道のバラードで勝負しようとしてますよね。

本当にそうなんですよ。これもいままでの下積みがあったからですね。9年間、奇をてらい続けてきて、誰もやってない隙間を探してきたけど、ふっと別の方を見たら、真ん中にめちゃくちゃ大きな穴があって。そこに片足を突っ込んでみたんです。それを最初にやってたら、SAKANAMONとしてはダメだったんでしょうけど。

-あえて王道に乗ってみて、どう感じました?

作ってて面白かったし、みんなが褒めてくれるから、意外とありなんだなと思いつつ、でもやりすぎないようにしようと思ってます。

-アルバムには森野さんが作った曲(「凡庸リアライズ」)が入っています。

2年前に出した『HOT ATE』(2016年リリース)っていうアルバムとか、その前にもインスト曲を作ってくれたことはあったんですけど、(今回の曲は)そこからの3曲目ですね。それこそ今回は僕が曲を作るのが厳しかったので、森野さんが恥ずかしそうに"作ったけど......"みたいに持ってきてくれて。

-森野さんも結構曲を書き溜めてるんですか?

コソコソやってくれてたみたいですね。でも、恥ずかしがり屋なんですよ。ありがたいことに、僕のことをすげぇリスペクトしてくれてるんです。自分で言うのもあれですけど(笑)。俺と同じネガティヴ仲間なので、"どうせ俺の曲なんて"みたいな気持ちがあるから、自分からはなかなか出してくれないんですけどね。

-歌詞は藤森さんがひとりで書いたんですか?

いや、今回はもう僕に書くことがなかったので、"ちょっと森野さん、なんとなく書いてよ"って言ったら、断片的なテーマをくれたんです。そこから何を言おうとしてるのかを汲み取って書いていきましたね。

-どんなものを汲み取りましたか?

例えばですね......歌詞でそのまんま使ったのは、"完成形目指していた"とか。自分の理想としてるものを作ろうとしてるのに、いざ目指してみたら、なかなかうまくいかないなっていう気持ちが、そのまま歌詞に出てる気がしたんですよね。