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INTERVIEW

Japanese

ゲスの極み乙女。

2014年04月号掲載

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Member:川谷 絵音(Vo/Gt/Syn)

Interviewer:沖 さやこ

-indigo la Endが深く深く音を掘っていくならば、ゲスの極み乙女。は音も含めて拡張していく活動をしている気がします。

今回indigoがバンド・シーンに入っていこうとする作品だったんですけど、ゲスは前作(※2013年12月リリースの2ndミニ・アルバム『踊れないなら、ゲスになってしまえよ』)でバンド・シーンに入っていったことで辟易していったところもあって。

-"辟易"とは。

最近のバンド・シーンは四つ打ちもハイハット全部オープンだし、テンポも大体同じだし、曲が全く入ってこない。"四つ打ちだから盛り上がる"というのを決定づけられて辟易したというか、そのシーンにいる必要は全然ないなと思って、そこから抜け出そうとした作品でもあって。だからバンド・シーンという固定されたものではなく、広い意味でのJ-POPというか、音楽。もっと広く人に聴いてもらえる作品を作ろうという意味での今作です。ゲスはぶっちゃけなんでもできるんで、キャラの間口があるので音楽性が深くても入ってくれる人が多いし。いろいろ開拓することはできると思ってます。

-でもゲスも"四つ打ち"は入れる。

俺らの四つ打ちは全然違うと思ってて。でも同じ括りになってしまうことには諦めているというか。聴いてる人は声が高い低いとか、そういうジャンル分けしかできない。indigoでは広い意味でのバンド・シーンを通過する一方で、今回のゲスの作品の曲はどれもテンポを大幅に落としたんです。

-そういうことで制作に関して窮屈さや憤りを感じることは?

俺はもうそれを1回通り越しちゃったんで、今は特にないですね。何が正しいのかはわかんないですけど......今のフェスだと四つ打ちでみんな同じような、リズムに突き動かされている。そういうんじゃなくて。toeや曽我部恵一さんのライヴに行って思ったりしたのは、大人が拳を突き上げる瞬間というか、心が動かされる瞬間というか――大人が楽しめる音楽。広い意味で心を打たれる音楽というか、俺が好きな音楽はそういうものなので、自分が聴いていて楽しい音楽がやりたいな。俺が好きなことをやるというか。メンバーがどう思っているかはわからないですけど。でも"もっと媚び媚びな曲を作ろうよ"と言うようなメンバーだったら俺は一緒にやらないと思うし。だから普通にみんなも同じようなことを思っているんじゃないかなと思いますね。

-ゲスのほうがindigoよりも直接的な表現ですが、これは敢えてですか?

そういう決まりはないんですけど、今回は2nd出して思ったことを結構ストレートに書いてしまったんで、ストレートな歌詞が多いかなとは思いますけど。2ndに関しては後悔もあるので。四つ打ちのバンド・シーンに対して敢えて四つ打ちで対抗して"自分たちは違う"というエゴがあったんですけど、実際問題歓迎されてしまったので。そういう意味での葛藤はありましたね。プリミティヴなところではみんな気付いているとは思うんですよ。気付いているからゲスがウケているんだとも思うし"これは何か違う"と思っている人も少なからずいるし。だから1stが出た頃に伊集院光さんがラジオで流してくれたりとか、大人のリスナーもゲスに来てくれるのもあるんで。......あるんですけど、(四つ打ちのバンド・シーンから)歓迎された部分もある。それを自分たちのなかで噛み砕いて別のものを作りたい。