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INTERVIEW

Japanese

ASIAN KUNG-FU GENERATION

2010年06月号掲載

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Member:喜多 建介(Gt&Vo)、後藤 正文(Vo&Gt)、山田 貴洋(B&Vo)、伊地知 潔(Dr)

Interviewer:佐々木 健治


-分かりました。では『マジックディスク』というタイトル・トラックについて、この曲にどういう意味を込められているんでしょうか。

後藤:新しいムードのきっかけになるような魔法であったらいいなという気持ちは凄くこめましたね。僕らの仕事はそういうものだと思うし。その「マジックディスク」の最後のライン「特に名前のない喜びを集めて/いまひとつ抑揚の無い日々に魔法をしかけて」っていう。それだなっていう。その二つのラインで完璧だし「俺はその為だけに音を鳴らす!」って感じだから。アルバムの意志としては、素晴らしいなっていう。これが何かしらの魔法になりますようにっていうね。

-じゃあ、この曲はフォーマットとしてのCDと言うよりは、音楽そのものを指しているわけですね。

後藤:うん。そうだね。いろいろな聴かれ方があると思うし。でも、俺たちはCDでアルバムを作るって決めて作ったから。アナログも出すけれど、アルバムを作るっていうことには、パッケージを含めて、意味を込めて神経を注いでやっていますけどね。聴いてくれる人達が、熱狂してくれたり、喜んでくれたりすることが大事だから。でも、俺たちにとっては、CDだったりレコードだったりすることって意味があることなんじゃないかという気がする。その音楽を入れた入れ物が回転していることには、意味があるのかなって。

−それは物としての価値だったり、思い入れとも違う意味ですか?

後藤:何と言うか、音楽が回転していることに対して、俺がただロマンを感じているだけだと思う。考えてみれば、データでもハードディスクが回転したりしているから。データになって飛び出していっても、人と人を繋いでグルグル回転していっているイメージもあるし、物理的な回転だけじゃなくて、いろんな形でグルグル回るんじゃないかな。これから先、CDとか物としての回転はなくなるかもしれないけれど、そういう回転が残ればいいと思う。世代から世代でもいいし。今だったら、50、60年代からいろんな年代の音楽のアーカイヴがあるじゃないですか。ライブラリもネット上に充実しているし、そういうのはいいよね。あとは、データでも俺はやっぱり肉体性が必要だと思うから。データでも実体として感じる事ができるっていう。ちょっと言葉にするのは難しいんだけど、大丈夫だと思うんだよね。

-フォーマットが何であっても、残る物は残ると。

後藤:データにしろ何にしろ、いいものは絶対に残りますからね。