WHITE ASH 剛の「音楽通になりたい」vol.5
2015年07月号掲載
Vol:5 梅雨について考える
このコラムを書いている現在は、ジメジメとした梅雨の季節真っ只中である。
先日産まれた姪の為に、乳幼児向けの子守唄アプリをダウンロードしたら、そのほとんどが雨の音に似たものであった。
梅雨と聞くと約7割以上の人たちが嫌悪感を抱くというのも頷ける程、
その成分の半分は倦怠感で出来ているといっても過言ではない。
もはやバファリンの様に優しさがどうこうしてくれる訳もなく、
包み込まれた陰湿な副作用と共にこの季節を何とかやり遂げなければならないのである。
この季節をうまく利用出来る手はないものか......
そんな事をふと考えながら物思いにふけっていた。
そもそも人が活発に動けるのもそうでないのも、
実は気圧の高低で左右されているらしく、梅雨のように低気圧が続けば続く程、常に寝る前のようなお休み状態が一日中続いてしまうというわけで、
雨というものがそもそもの原因ではないらしいのだ。
むしろ子宮の音に似たこの雨の音は、人が心地良く感じ得る要素を持っているはずで、
雨の音が不快なのではなく、
雨の日にさらされている事に対しての不快感なのだと思っている。
しかし、寝る前のような身体がリラックスし過ぎていて動きたくない状態、
身体の内側から常時そんな状態にあるという事は、
逆を言えば心地良いものを普段よりも心地良く感じる事が出来る状態にあるといった事でもあると言えないだろうか。
考え方ひとつで、
心地良い音楽に浸る事に最高に適した季節にも、
心地良い恋愛をしたい人に最高に適した季節にもなり得るのである。
抗うよりも身を任せてみたら、
もしかしたらより素敵な梅雨ライフを過ごせるかもしれない。
まぁ、梅雨だからあっという間なのだけれど......
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