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LIVE REPORT
Japanese
Permanent vol.6
Skream! マガジン 2018年06月号掲載
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2018.04.13 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 蜂須賀 ちなみ
Skream!編集部がセレクトした若手アーティストが出演するライヴ・イベント"Permanent"。始動より1年を迎えた同シリーズの第6回が、4月13日に開催された。出演者は新進気鋭のバンド4組。メンバーのほとんどが20代前半だという。
トップバッターは京都の3ピース・バンド、Hakubiだ。女性ヴォーカルながらどこか少年性も感じられる片桐(Vo/Gt)の歌声にバンド・サウンドが重なっていき、曲数を重ねるごとにどんどん疾走感が増していくような構成。柔らかくて澄んでいてしかし鋭いこのバンドの音楽は、聴き手の心にスッと入り込んでは確かな爪痕を残していくようで、フロアにはじっとステージを見つめながら聴き入る人が多かった。結成からまだ1年強にもかかわらず注目を集めつつある現状に対して、"本当はライヴを観てくれる人に何か持って帰ってもらいたい"、"でもどうしても暗い曲しか書けない"と話していた片桐。そんな葛藤すらも託されたラストの「賽は投げられた」には、今だから鳴らせる儚さと美しさがあった。
全員一斉に何発か鳴らしたあと、"下北沢、拳上げられますか!? OK、あとは好きにやってください!"(ヤハラシュン/Vo/Gt)と「僕らの」からスタートした、北海道の3ピース・バンド、Mr.Nutsのステージ。前のめりにドライヴするサウンドに乗っかって"やりたいことやりに来たんだろ、ライヴハウスに!"と叫び歌う彼らのライヴは、青春パンクに通ずる熱さがあり、その熱血漢っぷりでオーディエンスを巻き込むまでにそう時間はかからず。そのうえふとした瞬間に、情緒のあるメロディが耳に飛び込んでくるのだから、なんというかズルいのだ。この日は全6曲のうち3曲が、当時まだリリース前だったミニ・アルバム『愛しき日々よ』からの新曲。バンドの現在地を打ち出す意欲的な内容だった。
続いては、宇都宮発の3ピース・バンド、Lucie,Tooの登場。まず初めに、挨拶代わりに「Lucky」を鳴らした。楔を打つようなドラムのビートと、ゴリゴリとグルーヴを作っていくベース・ライン。柔らかなヴォーカルはのどかにも聴こえる一方、どこまでも伸びていきそうな予感をも感じさせてくれるから不思議だ。シバハラナホ(Dr/Cho)による物販紹介="SPNT"(スーパーナホちゃんタイム)をはじめMCはゆるっとした雰囲気。しかしいざ演奏が始まれば、ライヴならではのアレンジで曲間をバンバン繋げ、40分で10曲も披露してしまうのだ。このサラッとしたストイックさが彼女たちの"等身大"なのだろう。このバンドが早くから多くの視線を惹きつけている理由がわかったような気がした。
そしてトリは東京府中発の4ピース・バンド、kobore。"おい、LIVEHOLIC! 疲れてんじゃないよ! せっかく退屈なところから抜け出してきたんだから!"と佐藤 赳(Gt/Vo)が投げ掛け、最初の4曲を一気に演奏した。自身のツアー真っ只中ということもあり、サウンドの熱量は抜群。また、"好きなHakubiの曲でも聞いて"、"好きなあいつに、Permanentに!"といった粋な歌詞替え、下北沢駅南口がなくなったことに関するMCのあとに披露された「僕の全部」など、この日ならではの場面もたくさんあった。終盤には佐藤がフロアへ乗り出し言葉を投げ掛けていたが、フロアに集まる人たちのことを決して他人事のように捉えはしない、人間臭い気持ちがこのバンドを突き動かしているように思える。アンコールで「ヨルノカタスミ」を演奏し終了――と思いきや、この日二度目の「爆音の鳴る場所で」をかき鳴らすラスト・シーンが痛快だった。
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Hakubi
throw
片桐(Vo/Gt)が紡ぐ真正直な言葉と、美しくリアルで切実な歌声。歌に乗せた想いや感情を丁寧になぞる、ヤスカワアル(Ba)、マツイユウキ(Dr)の構築する独創的な楽曲世界。バンドの振り幅を大きく広げた2ndフル・アルバム『Eye』を経ての今作は、"自分にしかできない表現"に立ち返った原点回帰的な気持ちと、ここまで培ったキャリアやスキルを存分に発揮した高い表現力から生まれた、Hakubiならではの世界観を堪能させてくれる。自分の言葉かのように深く胸に突き刺さる、片桐のパーソナル且つネガティヴなワード。誰にも言えない想いが音楽と共に昇華されて、少しだけ気持ちが楽になる。眠れない夜、今作にひとりどっぷり浸るのもいいが、「Decadance」、「Heart Beat」といったライヴ仕様の楽曲を生で体感するのもオススメです!(フジジュン)
救いを求める情景が鮮明な2ndフル・アルバム『Eye』と地続きにある印象のミニ・アルバム『throw』。しかし今作では自身を内省した先にある"空虚"への解像度がこれまで以上に高く、形容し難い感情を真正面からパワフルに歌い上げた全7曲が収録される。エモーショナルな片桐(Vo/Gt)のヴォーカルと感情を吐露する歌詞に加え、アップビートな疾走感溢れる「Heart Beat」やピアノ・アレンジが染みるバラード「拝啓」など、幅広いアプローチで構成された叙情的なサウンドは、孤独や焦燥を抱えた"心"そのものを映す。一人称ベースの詞世界が聴き手の心にも向き合うのは、心情を描いたテーマのみならず、バンドとして前進してきた過去があるからだろう。ふたつとない未来への舵を切っていくHakubiの原点回帰的アルバムとなりそうだ。
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Hakubi
Eye
昨年以降コンスタントにシングルを発表してきたHakubiが、それらを含むアルバムをリリース。内澤崇仁(androp/Vo/Gt)とタッグを組んだ経験も功を奏し、バンドの世界観が着実に構築されてきた印象だが、同時に聴き手へメッセージを届ける意志も滲むようになった。はやるテンポと鍵盤、言葉を捲し立てるヴォーカルが印象的な表題曲をはじめ、これまでにないHakubiを切り拓く新曲も存在感がある。そしてつぶやくような片桐の歌がグッと距離感を縮めると同時に、消え入りそうな"さよなら"が危うくてドキッとさせる「サイレンと東京」からラスト3曲で畳み掛けていく。無情な世界で傷ついていないふりをする自分に嫌気が差しながらも、"いつか"と微かな光を探す、リスナーと共に生きるバンドの姿勢を示す作品。
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Hakubi
結 ep
"夜中、あなたに寄り添う音楽"をコンセプトに活動中の京都発3ピース・ロック・バンド Hakubiが5枚目のEPをリリース。片桐(Vo/Gt)が一歩踏み出す決意を、今の自分自身へ喝を入れる気持ちで書いたという本作は、全3曲がそれぞれ違う色を持ち、新たなバンドの姿を見せてくれる1枚になっている。リード曲「22」は、前EP収録の「17」に続くバラード。17歳のときに書いた歌を手紙として受け取った22歳の彼女が綴った、等身大の想いのようにも思える。ドラマチックなピアノの音が加わった壮大なバンド・サウンドに乗る、片桐のまっすぐで美しい歌声が胸に刺さる1曲だ。そして新機軸な「Friday」とバンドの決意が窺えるライヴ・チューン「ハジマリ」も必聴。Hakubi第2章の幕開けも感じられる。
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Lucie,Too
CHIME
待望の全国流通盤は、ポップでキュートな"片想い盤"デビュー・ミニ・アルバム『LUCKY』と、ダウナーな面を押し出し大人な魅力も見せた前作『exlover』の、両方の旨みを絶妙に昇華した、また新たな一面を見せるものになった。リリース時期となる冷たい風が吹き始める季節に似合う、爽やかさと切なさが詰まった今作。2分台の楽曲が続き、55秒のショート・チューンで締めくくる作品には、粒立ちのいい音が詰まっていて耳に心地よい。また、カナダやアジアでのライヴやアメリカでのCMタイアップ、海外バンドの来日公演のサポート・アクトも務めてきた彼女たち。リード曲「あなたの光」のMVには海外からのコメントも多く、その活動ひとつひとつでしっかりファンを獲得していることが窺える。
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Lucie,Too
exlover
バンドのイメージを覆すダウナーな部分を前面に押し出した「最後の日」を初っ端に据えたところに、飛躍の2018年を経た3人の"まだこんなもんじゃない"という意志が窺えるEP。同曲では、淡々とした歌声がメランコリックな気持ちを印象づける。"もらったギターを返しに/一人で車を走らせて"という一節で、彼の存在の大きさや、つらい決意、都会から少し外れた景色を想像させるのもさすが。また、表題曲にも"サヨナラしたあの日"が出てきており、愛しい傷跡を守りながら走り出す様子が、今度は攻撃的でスピード感のある楽曲に映し出される。独特のメロディやアレンジが味わい深い他2曲含め、割りきれない想いをどこか連続的に描き、キュートなだけじゃないLucie,Tooを見せる1枚。
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Lucie,Too
LUCKY
宇都宮発、平均年齢20歳のガールズ・バンド Lucie,Tooの初の全国流通盤。ソングライティングを手掛けるヴォーカル Chisaのポップなメロディと、恋する女の子の一途な気持ちを等身大で綴る歌詞が印象的だが、そのサウンドは海外のインディー・ポップ、エモ、ポスト・ロックからの影響をさらりと盛り込んだ、一筋縄ではいかないユニークなアプローチだ。リード曲「Lucky」は"婚姻届けを出しに行くカップル"をテーマに、大好きな人と添い遂げようとする女性のピュアな心情を描かれているほか、ほぼ全曲が"あなたを独り占めしたい"女の子の気持ちにフィーチャーした今作は、メンバー曰く"片想い盤"。どの楽曲にも"音楽が大好き! バンドが大好き!"という気持ちが溢れたフレッシュな1枚。
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Mr.Nuts
なみだ e.p
札幌出身の3ピースが約2年のインターバルを経て3曲入りEPをリリース。ソングライターのヤハラシュン(Vo/Gt)が、"歌詞を大事にした楽曲を作りたい"と再確認したうえで制作にあたり、重病を抱える女性とそれを見守る男性を取り巻く1本のストーリーを、「病室の蝉」では男性視点、「手紙」では女性視点で綴っている。それぞれの視点を通して物語が構築されていく様子は、まるで映画のよう。サウンド面もストーリーを際立たせる手法が取られ、ピアノやストリングスといった煌びやかな上モノもその世界観を底上げしている。その2曲を経て聴くからこそ、最後にバンドがこれまで歌ってきた人生哲学が詰め込まれた「なみだ」も引き立つという、わずか3曲ながらに、非常に作品性の高いEPに仕上がった。
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Mr.Nuts
愛しき日々よ
"生活"をテーマに等身大のいまを歌う札幌発の3ピース・バンド Mr.Nutsが、メンバー・チェンジを経て新体制でリリースする初の全国流通盤。昨年7月にリリースした前作『20歳』では、若さゆえの衝動をエンジンにしたストレートな作風が印象的だったが、9ヶ月ぶりのリリースとなる今作『愛しき日々よ』は、出会いと別れのなかで波立つ自分自身の感情を丁寧に汲み上げる進化作になった。大切な人が遺した言葉とともに生きるいまを綴ったリード曲「いってらっしゃい」をはじめ、移りゆく心を斜めから歌う変化球「エキストラ」、アコースティックな響きに後悔の色を滲ませた「終わった」など、全6曲。平凡な日常にこそ見逃せないドラマがあることを、彼らの音楽は教えてくれる気がする。
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Mr.Nuts
20歳
"優しさも 醜さも 賢さも 不器用さもちょっと知って/僕は 20歳になりました"。何のてらいもないまっすぐな言葉でいまハタチを迎えたばかりの心情をありのままに綴ったタイトル・トラック「20歳」に代表されるように、Mr.Nutsが自身初のEPで表現するのは"ハタチといういまこの瞬間の想い"だけだ。あえて一点突破でこの1枚を完成させたことにバンドの強い意思を感じる。2015年に結成、札幌在住で活動する3ピース・バンド。メンバー全員がSUPER BEAVERに憧れているというとおり、シンプルだがパワフルなバンド・サウンドに乗せて放つ強いエネルギーを持った言葉が胸を打つ。歌詞カードを見なくとも言葉を聴き取ることのできるヤハラシュン(Vo/Gt)の歌唱と秀逸なメロディ。それらを武器に、いよいよMr.Nutsが全国区へと名乗りを上げる。
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kobore
HUG
切なさ混じる柔らかな春風のような、桜舞う季節にぴったりの爽やかなナンバーが並ぶ本作。ツー・ビートが爽快な「TONIGHT」で勢い良く駆け出すと、ストリングスがラストをドラマチックに彩る「もういちど生まれる」、ちとせみな(カネヨリマサル)とのツイン・ヴォーカルで魅せるkobore流シティ・ポップ「雨恋」では、アレンジャーを迎え新たな一面を見せる。そして「ひとりにしないでよね」で前作から続くキラキラとした瑞々しいサウンドを煌めかせると、最後は弾き語りとシンガロングが印象的な、ライヴハウスで聴きたい泥臭い青春ロック「この夜を抱きしめて」で締めくくった。暖かな季節の訪れに弾む心と、この曲たちをライヴで一緒に歌えることへのワクワク感がリンク。春のセンチメンタルな心も抱きしめたくなる温かさが心地いい。
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kobore
Purple
これまで全面に打ち出してきた泥臭いバンド・サウンドから一転、koboreのメジャー2ndアルバムは多彩な楽器の音色を取り入れた、キャッチーでポップな1枚に仕上がった。クラップの打ち込みに乗せて、安藤太一の奏でるギターが、水面に乱反射する光のように美しく煌めく「ジェリーフィッシュ」をはじめ、そこにあるのは勢いや衝動ではなく、一曲一曲に細やかな情景を描く緻密なサウンド・プロダクションだ。"大事なものだけ盗まれて"とコロナ禍の物憂げな心情を吐露するような「微睡」、あっと言う間に過ぎていったふたりの時間に"ありがとう"を歌う「彗星」など、ミディアム・テンポの佳曲が目立つ。アルバムを締めくくる田中そら(Ba)作曲のバラード「きらきら」は、混沌の時代に託す希望か。
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kobore
Orange
koboreの6曲入りEP『Orange』。これまでも楽曲やライヴを通して、自身の大事な想いを真摯に伝え続けてきた彼らだが、今作は特に日々を懸命に生きる人々の力になりそうな言葉が多い印象だ。先行公開された「夜空になりたくて」は、彼らの真骨頂と言える"夜"の匂いがするナンバーで、悩みや迷いを抱える聴き手に寄り添い、心の澱を流してくれるような温かさがある。そして、「灰になるまで」では"転びそうなら背中くらいは押したるわ"と、肩を組んで語り掛けてくれるような頼もしいワードに文字通り背中を押され、「SUNDAY」では"適当にやろうぜ"と、頑張りすぎな人の凝り固まった気持ちをほどくような優しさも見える。バンドの音楽に対する意志が窺える「OITEIKU」の疾走感も痛快だ。
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kobore
風景になって
ギター・ロックの王道とも言える"koboreらしさ"を研ぎ澄まし、同時に新しい挑戦もはっきり見える意欲作。そして、4年前に出したデモ音源収録の「当たり前の日々に」をメジャー・デビューのタイミングで再録すると決めていたというのはとびきり粋なストーリーだし、何よりその曲が今作の中で一切の違和感なくハマっていることが、彼らのインディーズ5年間の歩みと心意気をすべて表している。新生koboreの楽曲群を楽しむのはもちろんだが、個人的にはやはり収録曲のうち最後に制作した「ボクタチノアシタ」からの「当たり前の日々に」の流れに注力して聴いてみてほしい。何年経ってもどこに立っても、koboreはなんにも変わらない。そのことが手に取るようにわかるから。
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kobore
音楽の行方
精力的なツアーとライヴを重ねる府中発の4人組ギター・ロック・バンドの5曲入り1st EP。キャッチーな歌メロ、意志がまっすぐ伝わるストレートな歌詞、力いっぱいの演奏といった、彼らがもともと持っている旨味を生かした楽曲が揃った。表題曲は"自分らしさを失わず自分の音を鳴らそう"と少年少女へのエールを綴り、Track.2やTrack.3では何気ない平凡な日常の素晴らしさを歌う。ソングライターの佐藤 赳(Gt/Vo)の人生哲学が明確に前面に出た楽曲が多い中で、いい異彩を放つのがTrack.4。清涼感と憂いを併せ持つサウンドと、季節の移り変わりを背景にした感情の機微を昇華した歌詞が"躓いてもどこまでも行けるような気がした"と独り言のような一節を効果的に響かせている。
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kobore
零になって
バンド初のフル・アルバムは、過去にリリースした"夜の3部作"から各1曲と、2018年初夏から秋にかけて開催したツアー中に制作した新曲の計10曲を収録。3年のバンドのキャリアだけでなく、未来に向けて成長をしていく過程をそのままパッケージしたアルバムになった。新曲はコード感が豊かなものが多く、佐藤 赳(Gt/Vo)が零す感傷的な心情をより繊細且つ鮮明に描き出している。特に「ナイトワンダー」はバンドにとっても新しいアプローチ。落ち着いたテンポとギミックが効いたギターのリフレインでグルーヴを作り出し、細部まで凝られたフレージングも楽曲の世界に深みをもたらした。アルバムの頭からラストまで、koboreを軸としたオムニバス映画のように楽曲がリンクしていくのも趣深い。
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kobore
ヨル ヲ ムカエニ
1stミニ・アルバム『アケユク ヨル ニ』と1stシングル『アフレル』の流れを汲んで制作された2ndミニ・アルバム。夜明けを迎えたうえで夜に戻ってくるというタイトルのとおり、初期曲と新曲を収録したうえで、現段階でのkoboreの完成形を示す作品となった。着火力の高い約1分の楽曲で幕を開け、これまでのバンド人生を走馬灯のように見せる曲順もドラマチック。佐藤 赳(Gt/Vo)にとっての"音楽とは"が綴られている初期曲「テレキャスター」は、今の彼らがリアレンジしたことでさらに音も言葉もメッセージの威力を増したと言っていい。ラストを飾るタイトル・トラックは夜明けのイメージを与えるサウンドスケープが圧巻だ。衝動も余裕も併せ持つ彼らの音楽が世間を席巻するのは時間の問題かもしれない。
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kobore
アフレル
府中発の4ピース・ギター・ロック・バンド、koboreにとって初のシングル。3分弱のショート・チューン「君にとって」、ミディアム・バラード「僕の全部」、初期曲「声」の再録バージョンを収録。三者三様の3曲はバンドのポテンシャルを十分にアピールしてくれるが、全曲に共通しているのは、"koboreはなぜ歌うのか"に迫るような内容であること、そのメッセージを強調するためにシンプルな曲構成が採用されていること、そして歌詞の起伏を体現するようにドラマチックなサウンドが鳴らされていること。脇目も振らず、このバンドの核にある"伝える"という点を研ぎ澄ましてみせた今回のシングルは、ファンはもちろん、これからkoboreを知っていく人にもおすすめしたい作品だ。
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kobore
アケユク ヨル ニ
東京・府中発の4ピース・バンド、koboreにとって初の全国流通盤。"今を歌うバンド"としてのバンドの在り方をそのまま託した「幸せ」を1曲目に配置することによって、そのあとに続く曲で歌われるモヤモヤとした葛藤も、少しの意地や強がりも、拭えない情けなさも、全部ひっくるめて"幸せだ生きてる"と大きく肯定していく眩しさたるや。歌詞の内容は案外ポジティヴとは言いがたいが、爽快なほどに直球ストレートなギター・ロック・サウンドは後ろを振り返るためでなく、前に突き進むためだけに絶えず鳴らされている。平均年齢20歳の彼らが今しか鳴らせない音楽に真っ向から挑んでいる印象だが、このバンドはこれから、どのように歳を重ねていくのだろうか。キャンバスはまだ白い。
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