Japanese
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札幌出身の3ピースが約2年のインターバルを経て3曲入りEPをリリース。ソングライターのヤハラシュン(Vo/Gt)が、"歌詞を大事にした楽曲を作りたい"と再確認したうえで制作にあたり、重病を抱える女性とそれを見守る男性を取り巻く1本のストーリーを、「病室の蝉」では男性視点、「手紙」では女性視点で綴っている。それぞれの視点を通して物語が構築されていく様子は、まるで映画のよう。サウンド面もストーリーを際立たせる手法が取られ、ピアノやストリングスといった煌びやかな上モノもその世界観を底上げしている。その2曲を経て聴くからこそ、最後にバンドがこれまで歌ってきた人生哲学が詰め込まれた「なみだ」も引き立つという、わずか3曲ながらに、非常に作品性の高いEPに仕上がった。(沖 さやこ)