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INTERVIEW

Japanese

トンボコープ

2024年01月号掲載

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Member:雪村 りん(Gt/Vo) そらサンダー(Gt) 林 龍之介(Dr) でかそ(Ba)

Interviewer:高橋 美穂

一気に進むのも怖いんで、階段はちゃんと登っていきたい


-今の、DTMで楽曲の全体像を考えているというお話を聞いて納得したんですが、新曲の「独裁者」や、これまでリリースしてきた楽曲も、この4人だけの音にこだわっていないというか。結構いろんな音色を入れていますよね。

雪村:はい。そこは手段を選ばないというか、DTMがいじれるからこそ、ほかのバンドに勝てるところってたくさんあると思うので。そこは、変なプライドを捨てて、いろんなことにチャレンジしています。

-一見ポップなバンドに思えるトンボコープですが、"独裁者"って刺激的なタイトルですし、世界観も独特ですよね。これの原曲はどなたが作ったんですか?

雪村:これは僕です。"スター・ウォーズ"の世界観を表現したくて。"スター・ウォーズ"観ている人ならわかると思うんですが、ダース・ベイダーってもともとは恋愛をしていた人間で、それがいろいろあって悪者みたいになっちゃったんですけど、そういうのを自分の恋愛観と重ねて、いい感じにならないかな? って作った楽曲になります。

-映画や小説、ほかのアートからインスピレーションを受けることって多いんですか?

雪村:僕は受けたり受けなかったりなんですけど、林は小説や映画からインスピレーションを受けていると思います。

-林さん、今までどんな作品から影響を受けたのか教えてもらえますか?

林:うーん、(雪村のように)明確に"スター・ウォーズ"を観て書きました、というよりかは、すごく感覚的に摂取しているので、何かからっていうのはないんですけど。いわゆる名作と言われているような映画や小説は好きですね。その映画の時代背景とかから考え方として影響を受けるというか。そういう感じです。

-また「独裁者」のお話に戻りますが、ホーンやピアノの音色が聴こえる明るい曲調ですが、一方で描かれているのは盲目的な愛ですよね。その組み合わせも興味深いと思ったんですが、どうしてこうなったんでしょうか?

雪村:この曲は最初、サビから作っていて。サビは、メロディがいいからこのサウンドにしたっていう感じで。僕、基本的に歌詞から曲を作るんですけど、歌詞を見ながら、コードを弾きながらメロディを考えていて。だから特に深い意味があるわけではないですね。でも狂気じみた歌詞なので、狂気じみたサウンドだと、狂気じみただけの作品ができちゃうとは思って。そこはポップに落とし込んで、いろんな人が聴ける形にしました。

-ちょっとした違和感も楽しんでほしいっていう意図もあるんですか?

雪村:そうですね。あわよくば、そこがフックになってほしいという意図はちょっとあります。

-こういう癖のある歌詞の世界観は、雪村さん個人としてはお好きなんですか?

雪村:好きというよりは、人に覚えてもらいやすいというか。いい意味で普通から逸脱しているっていうのがいいなぁと思って。

-そこも人に聴いてもらうための工夫なんですね。じゃあ、この明るい曲調はみんなに聴いてもらうためなのか、それともみなさん自身の性格が出ているのか、どちらでしょうか?

雪村:僕が書く明るい曲は、人に聴いてもらおうとした結果ですね。林が書いた明るい曲は、林が根本的に明るいからだと思います(笑)。

-雪村さんご自身は、そこまでポジティヴな性格でもないというか(笑)。

雪村:はい、そうですね(笑)。

-すみません(笑)。では、みなさんは「独裁者」どう受け止めましたか?

林:一番最初に聴いたときに、めちゃくちゃいい曲だなって思って。ピアノが特徴的に入ってくるのもいいなと。トンボコープをもともと知ってくれている人は喜んでくれる曲だろうなって思いましたね。

そら:この曲はもともとSNSにサビだけ載せていたんですよ。そのときから印象はとても良くて。それからりんがフルで作って、デモが送られてきたのを聴いても、めちゃくちゃいいと思いました。

でかそ:サウンドもかわいい感じで、ポップで明るくて。歌詞もそういう感じかと思ったら"塞ぎこんで出会いを潰そう"って出てきて、そこでりんの気持ち悪さみたいな(笑)、かわいいだけじゃないところが見えて面白いなと思いましたね。ベースは基本、高いところにいるっていうか、あんまりずっしりさせるよりは重心が上にあるような感じで弾いていて。そこらへんは(楽曲に合うように)考えました。

-インタビューをやっている今現在(※取材は12月中旬)は[1st LIVE TOUR"むしのしらせ" 追加公演]を目前に控えていらっしゃいますね。大阪はブランデー戦記、東京はリュックと添い寝ごはんで対バンも強力ですし、どちらもソールド・アウトしているという。

雪村:これまでは先輩バンドに出てもらってリードしてもらったところもあったんですけど、今回はどちらのバンドのメンバーも同い年とか1歳違いとかで。今ホットなメンツが集められたんで、同世代で盛り上げたいなと思っていて。ただ、キャパはどんどん大きくなってきているので、かなりビビっています。

-大きなステージを目指しつつも、やっぱり新しいステップを踏むときにはビビるんですね(笑)。

林:全然ビビりまくっていますね。ツアー回るってなったら、そのツアーの終わりには次のツアーが想定されていて。"次ここでやろう"みたいな話になると、毎回"マジか!"、"大丈夫ですか!?"みたいなことは言っています。もちろん、アリーナやドームに行きたいとは思っているんですけど、好きなバンドがライヴハウスでライヴしているところも観てきたので、そこに自分たちも立つっていうことにあんまり現実味がなくて。それも、キャリアが短いことが原因だと思うんですけど、"立っちゃっていいんですか?"っていつも思います。一気に進むのも怖いんで、階段はちゃんと登っていきたいし。それで最終的にドームとかアリーナができればいいと思っています。

-"COUNTDOWN JAPAN 23/24"にも出るんですよね。

林:そうですね。夏に"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023"を観に行ったんですよ。それで"来年は出たいね"って話していたら、もう"CDJ(COUNTDOWN JAPAN)"が決まってしまって"えぇ!?"みたいな。でも、僕たちが目指している高みに辿り着いたときに聴いてくれるリスナーは"CDJ"にいるような人たちだと思うので、"こういうバンドがいますよ"っていう爪痕は残してきたいと思っています。

-しっかり爪痕を残して2024年に進めると思うのですが、引き続き楽しみなことが多そうですね。

林:たくさんあります。2024年は2月に東名阪のツアー[トンボコープ 2nd TOUR 2024 "METAMORPHOSE"]を回ることが決まっていて、東京が渋谷CLUB QUATTROで、過去最大規模のハコになります。それも楽しみですし、今まで大阪と東京だけでツアーを回ってきたんですけど、今回は名古屋もあるので。ツアーとして行けるのはいいことだなって思っていますし、この先はさらに公演数を増やして、行けていないところにも行きたいと思っています。

-作品もリリースしてくれますよね。

林:そうですね。ちょうど今、レコーディングとかたくさんやっているんですけど、今年を遥かに上回る(クオリティの)楽曲がすでにあって。2024年は、2023年よりも絶対に面白い年になると思っています。

RELEASE INFORMATION

トンボコープ
DIGITAL SINGLE
「独裁者」
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[SKID ZERO]
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