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INTERVIEW

Japanese

シュレーディンガーの犬 × Laughing Hick

2023年10月号掲載

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シュレーディンガーの犬:ならく いち もな さりあ るるか
Laughing Hick:ホリウチコウタ(Vo/Gt) たいち(Dr) あかり(Ba)
Interviewer:山口 哲生 Photographer:川野晴都

-あかりさんとしては、食らいついた理由といいますか、Laughing Hickのどんなところがいいなと思ったんですか?

あかり:もともと自分は他でバンドをしていたんですけど、前から曲が好きだったので、声を掛けてもらったときに一緒にやってみたいなと思ったんです。そこからサポートしていく中で、ふたりの人柄も好きになってきて。そうなったときに......失礼な話になってしまうんですけど、もともとやっていたバンドよりも、こっちでバンドをやることにドキドキしてしまったんですよね。そういうことってあるじゃないですか。恋愛とかでもそういう話ってよくあると思うんですけど、自分のドキドキに従いたくなってしまったんです。それでもともと入っていたバンドをやめて、そこから2年ぐらいサポートさせていただいて、今年の1月にようやく正式メンバーになれて。だから音楽と人柄の両方に惚れてしまって、今という感じですね。

いち:すごい......!

ならく:2年は長いですよね。

いち:やめるのってめちゃくちゃ勇気入りますよね?

あかり:そうですね。どうなるのかもわからないのに、今いる場所を離れるのはすごく怖かったですし、その当時はラフィングと一緒にやっていけるぐらいの技量が自分にはなかったんですよね。でも、迷っている時間も正直なかったですし、これはやらなかったときの後悔よりも、やっての後悔だなと思って。当時やっていたバンドをやめて、100パーセントをぶつけることはわりと自分の中ではしんどかったですけど(苦笑)、いい経験でした。

いち:かっこいい。

あかり:たぶん、今の私が当時の自分を見たら止めてると思います(笑)。"絶対に無理だって!"って私も言っちゃうぐらい、結構難しかったと思いますね。でも、すごく良かったです。"女の子が入って、こういうふうに伝わった"と言ってもらえると、すごく甲斐があるので。

-音楽と人柄が良かったとのことでしたが、あかりさんから見てホリウチさんとたいちさんはどんなふたりだったんです?

あかり:たいちさんは太陽みたいな方ですね。

たいち:そうなんですか(照)?

あかり:はい(笑)。私がくじけそうになったときにポジティヴな言葉を掛けてくれて、"眩しい! 眩しすぎる!"みたいな。そのまっすぐさを見るたびに、自分も頑張ろうっていう気持ちにさせてくれるメンバーですね。ヴォーカルのコウタさんは、すごく面倒見がいいんですよ。わからないことがあったらわかるまでちゃんと教えてくれるし、まだメンバーになる前に私が音楽の理論を全然知らなかったときも、いつの間にか教えてくれていたりとか。歌詞がすごくリアルだし、すごくドロドロした恋愛を描いているから、もしかしてクズ男なんじゃないかなって思うかもしれないけど、実はめちゃくちゃ兄貴肌で......(イメージ的に)それはそれでどうなんだろう。

ホリウチ:うん。それもそれなんだよね(笑)。

たいち:ははははは(笑)。

あかり:(笑)音楽に関してはめちゃくちゃ真面目ですね。支えてくれるし、厳しい言葉もちゃんと掛けてくれるお兄さんです。私としては、ふたりに支えられてやってこれている感じがしますね。

-シュレ犬のメンバーの中で、兄貴肌というか面倒見のいい人っているんですか?

ならく:どうですかね......"ザ・お世話役"みたいな人はいないかも。

さりあ:強いて言うなら、いちちゃん。

るるか:うん。

いち:と、(お世話)されている人が言ってます。

さりあ&るるか:されてます(笑)。

いち:でも、外から見たら、お世話してるふうには見えないと思います。自分も子供で、一緒に戯れているようにしか見えないと思う。

もな:でも、(いちは)意外とお世話したがりじゃない?

いち:あぁ、したがりはしたがり。でも、見た目と性格のせいでお世話しているようには見えないし、お世話できているのかもわからない。もしかしたら逆にお世話されているのかも。"暇だから遊ぼう"ってよく言うし。

もな:いちはふたりのときとか、少人数のときにめっちゃお世話してくれる気がする。

ならく:たしかにそれはあるかも。

もな:みんなの前ではクソガキだけど、少人数のときにめっちゃ大人感出してこない?

いち:大人感!? お前にはもうお世話しないからな! たぶん、本当にただのおせっかいおばさんなんですよ。必要のないことをやるんです。

ならく:いや、必要なくはないよ。謎のときにしてくるけど。

-さりあさんとるるかさんはお世話してもらってる感があるんですか?

さりあ:自分が最年少で、みんなお姉さんだから、みんなにお世話されている感じがあるんですけど。いちちゃんはお世話しているというか、"遊ぼー"みたいに言ってくるから、こっちが遊んであげてる日もあります。

あかり:正直に言った(笑)。

さりあ:ちょっと早めにライヴが終わったときとか、"遊ぼうよー"って。

ならく:ここふたり(ならく、もな)はだいたい断るんですよ。でも、後輩ふたりは断れないから。

いち:えっ! 断れないから遊んでるの!?

さりあ:違う違う!

ならく:まぁ、お世話をする人はいないですね(笑)。

-ということですね(笑)。たいちさんみたいな明るく引っ張っていってくれる人というと?

いち:それもいない?

ならく:がっつりポジティヴはいないですね。強いて言えば、もなと私がポジティヴかもしれないけど、わりとみんな現実主義じゃない?

いち:"ポジティヴそう"なら言われるけど。勘違いされる。

ならく:一番ポジティヴじゃないもんね?

いち:うん。でも、ポジティヴじゃない人が入ってきてくれたので。

さりあ:(※無言で頷く)

いち:いつも不安しかないです。仕事したあとも、"さっきの言わなきゃ良かった"、"これしなきゃ良かった"とかめっちゃ言ってる。

さりあ:うん。私もずっとどうしようって思ってます。今もどうしようと思ってる。

ならく:喋ればいいんだよ(笑)。

-あかりさんみたいに思い切りのいい人というと?

いち:ならくさんかも。

ならく:そうかも。大きいことで言ったら引っ越しとか。

いち:いや、ライヴのときのあれでしょ、絶対。

ならく:いやいや、それはもう全然小さいよ。実家が東京なんですけど、お母さんとケンカした日に"あ、もういいや"と思って、次の日に不動産屋に行って、そのまま引っ越ししました。ライヴっていうのは、ステージ・ダイブってあるじゃないですか。アイドルでやるグループはあんまりいないんですけど、自分の好きなバンドのヴォーカルがそういうのをやるタイプで、幼少期から憧れがあったのでしてみました。で、落ちました。

あかり:あら(苦笑)。

ならく:ファンの人も慣れてないし、(ステージ・ダイブが)できるぐらい人がいる感じでもなかったので。でも楽しかったです。あかりさんもおっしゃってましたけど、やる後悔より、やらない後悔のほうがデカいと思って。

あかり:あぁ、そこは近いかもしれない。落ちたとしてもね?

ならく:そうです!

あかり:やったという過程が大事だから。