Japanese
Laughing Hick
Skream! マガジン 2023年10月号掲載
2023.08.26 @Shibuya Milkyway
Writer : 藤坂 綾 Photographer:TAMA
7月14日にデジタル・シングル『女だから』をリリースしたLaughing Hickが、盟友 YUTORI-SEDAIを招き、"夏だから"と題したレコ発企画をShibuya Milkywayにて開催。当日はソールド・アウトということで会場には溢れんばかりの人、人、人。Milkywayは開演前から熱気に包まれた。
まずはYUTORI-SEDAIからスタート。"あなたと最高の夏を作りに来ました"と「23×3」で幕を開け、"夏にぴったりの曲を"と「サマートリガー」へと続く。夏の暑さを吹き飛ばすかのようなポップなサウンドとは裏腹に、フロアの熱は徐々に増していく。MCではこの企画に呼んでくれたLaughing Hickへの感謝を述べ、"最高のバトンを渡せるように"との意気込みを語る。「もう一度好きになって」、「幸せにしたいんだ」をしっとり聴かせたあとは、再びこの日のライヴに出られた喜びを伝え、"音楽も人柄も全部カッコいい彼らを僕は心から愛してます"と言い「愛してるって」のカバーを披露、後半戦へと突入する。良質でキャッチーなメロディを会場中に響き渡らせ、ラストは「アイラブユーベイビー」。愛溢れる温かいパフォーマンスで、Laughing Hickへとバトンを繋いだ。
盟友からのバトンを受け登場したLaughing Hick。SEが流れ、大きな歓声のなか登場した3人の顔は、超がつくほどの笑顔。観ているこっちまで釣られ、超笑顔になってしまう。それぞれが定位置に着くと、「愛してるって」でスタートを切る。たいち(Dr)がフロアを煽り、間髪入れず「ホンネ」へと続く。初っ端からフル・スロットルの演奏に手を上げ応えるオーディエンス。"やろうぜ、渋谷!"と「Local Hero」、「Cuz」を立て続けに披露する。圧倒的な演奏力と色気すら感じるホリウチコウタの歌声。楽曲のクオリティの高さに加え、それぞれの魅力が余すことなく発揮されているというこの状況に、思わず息を呑む。
新旧織り交ぜたセットリストでライヴは進み、中盤戦へ差し掛かったところで、"めちゃくちゃ楽しいです!"と満面の笑顔であかり(Ba)が叫ぶとフロアからは拍手が。この夏のバンドの思い出を振り返り、数日前にSNSで告知された12月2日の自主企画を発表すると、ひと際大きな拍手と歓声に包まれる。ファンにとってもメンバーにとっても次のライヴが決まり、そこでまた会う約束ができるというのは何よりも嬉しく、そして心強いことでもある。終始笑顔で話す3人を観て、ライヴへ懸ける想いがどれほどのものであるかということを思い知る。
YUTORI-SEDAIへのリスペクトも込め、"最高のバトンを貰ったので、もっともっと最高の状態を見せたいし、俺らももっと見たいです。最低で最高なラヴ・ソングを"と「女だから」で中盤戦はスタート。続く「中指を立てて」ではホリウチが"声、聞かせてくれよ"とフロアを煽り、イヤモニを外しその声に耳を傾ける。そして、「カシスオレンジ」へ。歌い終わると再び12月2日の自主企画について触れ、その企画に合わせ、東名阪ツアーが開催されることを発表。嬉しい告知は止まらず、この秋にデジタル・シングルがリリースされることも明らかになる。そして"本邦初公開、聴いてください"と新曲「モノクロセカイ」を披露。今までの彼らにはないサウンドで、新たな世界を描く。その世界に浸ったあとは、"これからもきみに、あなたに届けられるように、歌を歌い続けるよ"と「ランプ」で飛ばし、"最高の時間をありがとうございました! 山梨県、Laughing Hickでした!"と「Bye-Hi」。自信に満ちた演奏と表情で幕を閉じた。
今のLaughing Hickの充実度はこの日のライヴを観れば一目瞭然。迷いなく、自分を信じる姿は何よりも輝く。"これからは僕は僕をもっと愛していく"(「ランプ」)――そう言って歩き出した3人の、より輝く姿とまた会える日が、待ち遠しくて仕方がない。
- 1