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INTERVIEW

Japanese

BIG UP! HOW TO【ライヴハウス編】

 

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stella:桑山 玲奈(Vo/Key) 谷崎 有香(Gt) 野崎 菜央(Ba) 水澤 恵(Dr)
下北沢LIVEHOLIC:今中 哲郎(店長)
取材/構成:岡本 貴之 Photo by ゆうばひかり

野崎:音響や照明はライヴハウスのスタッフさんがやってくれるんですか?

今中:そうです。だいたいのライヴハウスは、基本的にはライヴハウスのスタッフが照明、PAなどの技術的なことをやってくれます。ただ、もっとこだわりがあって音的なことや照明も自分たちが連れてきたスタッフでやりたい、という人もいますね。それは"乗り込み"と呼ばれているんですけど、乗り込みのPAさん、照明さんをアーティストが連れてきて、その人たちがオペレートすることもあります。

野崎:例えば、ヴォーカルのリバーブをもっとかけてください、とか照明は暖色系で、とかリクエストもできるんですか。

今中:もちろん、できます。だいたいライヴハウスに出るときには、要望のリストを提出してもらうことになっていますので、そこに曲名と曲順、"この曲はこの照明の色で"とか書いてもらえれば、ある程度要望に沿った形でライヴのときに照明をつけていますよ。また、LIVEHOLICには大きなミラーボールがあるのですが、これも回すことができます。タイミングを言ってもらうとか、もしくは照明さんが"ここは回すところだな"って感じるところで(笑)自動的に回す場合もありますし。もちろん、"イメージに合わないのでミラーボールは絶対回さないでください"っていうのも言ってもらうこともできます。

桑山:ヴォーカルの音色を変えてもらうこともできますか?

今中:もちろんできます。本番に入ってイメージと違うといけないので、本番の前にはリハーサルが必ずあります。そのために要望を書いて伝えてもらっているんです。"この曲はこういう曲なんだ"って思い描いているものを伝えてもらった方が、PAや照明の人もやりやすいと思います。ライヴ本番になって、自分たちは青のイメージなのに照明が赤だったりすると、観た感じのイメージがまったく違いますし、曲自体もお客さんは違う印象で捉えてしまうと思うので。自分たちの思い描いたとおりのライヴがしたいのであれば、細かく書いてもらった方がいいと思います。"照明さんにお任せ"って書いてくれる人もいて(笑)、それはそれで、その照明さんのイメージでやってはくれますけど、こだわりがあるところは書いた方がいいですね。

水澤:ライヴハウスって、だいたい毎日イベントをやってるんですか?

今中:毎日ずっとやっていると機材とかが消耗していくので、メンテナンスの日もありますけど、イベントは基本的に毎日やってますね。

野崎:バンド以外のイベントもあるんですか?

今中:LIVEHOLICは基本的にバンドのライヴがほとんどですが、場所によってはお笑いのライヴとか、演劇みたいなものをやったりとかもしているみたいですね。時代もかなり変わってきて、面白いことを発信していきたいというライヴハウスも多いので、バンドのライヴ以外にも相談は受けるということは、LIVEHOLICでもしています。

桑山:お店にバンドのフライヤーを置かせてもらうこともできるんですか?

今中:フライヤーは配り方にいくつか方法があるんです。ひとつはライヴを観に来た人たちに受付のところで手渡しする"折り込み"と呼ばれるフライヤーがあるんですけど、それはライヴハウスに"このフライヤーを折り込んでください"って言ってくれれば、受付のところでその日のライヴに来たお客さんに手渡しできます。他には"置きフライヤー"ですね。通り掛ったお客さんが自分で取るものです。うちの場合は、置きフライヤーのスペースは設けてないんですけど、LIVEHOLICの系列店で同じビルの中にある、音楽好きな人が集まるロック・バー"Music Bar ROCKAHOLIC -Shimokitazawa-"にフライヤーを置くスペースがありますので、そこに置いてもらってます。

水澤:自分たちのライヴを撮影とか録音してもらうことはできますか?

今中:それもライヴハウスによりけりだと思うんですけど、基本的にどこのライヴハウスも撮影とか録音はしています。下北沢LIVEHOLICもしていますよ。

野崎:下北沢LIVEHOLICは激ロックエンタテインメントがやっているということですが、Skream!、激ロックに取り上げてもらうこともできるのでしょうか。

今中:バンド主催でイベントをやりたい、というときには、Skream!、激ロックに"何月何日にイベント開催"という内容でニュースを出すなど、プロモーションをすることができるので、そこはLIVEHOLICの強みになっています。

桑山:ライヴハウスに出演するときに知っておいた方がいいルールやマナーってありますか?

今中:これはどこのライヴハウスでも共通して言えることだと思いますが、機材はみんなで共有して使っているものなので、ギター・アンプにしてもドラム・セットにしても、上に乗っちゃう人とかがいるんですけど、それで壊れてしまったらそのあとの人たちは演奏できなくなってしまうので、機材は大切に扱ってほしいですね。それは注意事項としてバンドさんに事前に説明させてもらってます。盛り上げようとしてやる気持ちはわかるんですけど、そこは節度を持ってやってもらいたいですね。

水澤:ドラムのスネアとかペダルって、何種類か用意されているものなんですか?

今中:うちはスネア、ペダルはひとつずつですね。どこもたぶんそうだと思います。スネア、ペダルはバンドが持ち込む率が一番高いです。自分の慣れたものでやりたいという人が多いですからね。

野崎:ライヴハウスの方から見て、"このバンドはライヴが上手いな"って思うときはどんなときですか?

今中:単純に、演奏が上手いバンドって最近多いですし、それもいいバンドだと思う基準にはなるんですけど、僕個人としては、ライヴ全体を通してお客さんを盛り上げるためにパフォーマンスを作り上げているバンドはいいバンドだと思います。1曲1曲をCDと同じように完璧にこなすバンドもいいとは思うんですけど、そこはせっかくのライヴなので、ライヴの動きや途中のMCで曲と曲を繋ぐことでさらに次の曲を盛り上げるっていうのも大事だと感じるので。幕が上がって最後の曲が終わるまで、エンターテイメント、ライヴのパフォーマンスでお客さんを楽しませるバンドがいいバンドだと思います。そういうバンドには何回も出てほしいと思うので、声を掛けることも多いです。LIVEHOLICではライヴが終わったあとに打ち上げで乾杯をするので、そういうときにバンドに"このバンドと対バンしたら絶対面白くなるので"とか、声を掛けることはありますね。

~ライヴハウスに出てみたいバンドの方へ~

今中:まだ自信がなくて、"上手く演奏できるかな"、"お客さん来るかな"って心配をしているバンドもたくさんいると思うんですけど、スタジオで練習して自分たちだけで曲を作って演奏しているより、自分たちが"あんまり良くなかったな"と思っていてもお客さんはすごく喜んでくれるとか、ライヴハウスに出てみないとわからないことがいろいろあるので、それを感じ取ってもらうのが、バンドにとってすごく成長に繋がると思います。一度ぜひ、ライヴハウスに出演して体感してもらいたいので、勇気を持ってライヴハウスに出てみてください。