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INTERVIEW

Japanese

BIG UP! HOW TO【スタジオ編】

 

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stella:桑山 玲奈(Vo/Key) 谷崎 有香(Gt) 野崎 菜央(Ba) 水澤: 恵(Dr)
サウンドスタジオノア 秋葉原店:室井 規亨(店長)
取材/構成:岡本 貴之 Photo by 上溝恭香

【谷崎有香 ギターのセッティング】

●ギター・アンプは"Roland JC-120"を使用。

室井:"JC-120"のマイキングは、中心というよりは、若干中心と端っこの中間くらいにマイクを立ててあげればいいと思います。マイクはアンプのネットに付くか付かないかくらいまで寄せちゃって大丈夫です。

谷崎:エフェクターで歪ませたりするときに注意することってありますか?

室井:真ん中を狙いすぎると、高音を拾いすぎてしまうことです。ギターはただでさえ高い音を出す楽器です。今回使う"SM57"というマイクも高音をよく拾うマイクなので、振動の丸みや低音を拾うには、極力アンプの近くにマイクを置いて、なおかつ中心から少しずらしてあげると、低音が響く効果があるんです。正直、こうした部分もエンジニアの好み、アーティストの好みによって変わってくると思います。それと音作りに関して言うと"JC-120"はプリアンプというのが2チャンネルそれぞれにあって、"チャンネル・リンク"という技を使えるんです。チャンネル1のLOWのアウトから2のHIGHのインプットにパッチ・ケーブルで繋ぐと、ふたつのプリアンプを同時に鳴らすことができて、音作りの幅が結構広がるのでおすすめですよ。

谷崎:知りませんでした! ありがとうございます。あと、いつも録音をするとギターの音が小さく入っちゃうんですけど、それもマイクの位置と関係があるんでしょうか。

室井:マイクによって特性も指向性も違うと思いますけど、例えばヴォーカル・マイクに"ゴッパー(SM58)"っていうのがあるんですけど、結構低音を拾うんですよ。なので、バスドラとかにも使えたりするんです。でも"SM57"は人の声よりも楽器を録る方が得意なマイクなので、マイクの種類としては"SM57"を使えば間違いないとは思います。あとは、ギターのマイキングは、今回ドラムのタムに使った"MD421"を使うこともあります。マイクを2本立てて、曲によって好きな方を使ってもいいと思います。いろんな環境を試してみると、ギターの音が入ってくる量も変わってくるかもしれないですね。

谷崎:わかりました。ありがとうございます。

マイク・ケーブルをマイク・パネルに繋ぎ、キュー・ボックスを置いてセッティング完了。



【桑山玲奈 ヴォーカル録りをセッティング】

最後に歌録りへ。NEUMANNのコンデンサー・マイクをセッティング。

桑山:マイクの前に立てる網状の機材はよく見ますけど、どうして付けるんですか?

室井:これは"ポップガード"といって、歌うときの破裂音(ポップ・ノイズ)をマイクに入らないようにしてくれる機材です。また、コンデンサー・マイクは高音をすごく拾うので、風の音も拾ってしまうんです。息が出たらそこからマイクに入るまでに分散してあげる役割も担っているので"ウインドスクリーン"と呼ばれることもあります。

桑山:マイクからどれくらいの距離で歌えばいいのでしょうか?

室井:コンデンサー・マイクは他のマイクと違って驚くほど音を拾うので、あまり近づきすぎなくても大丈夫です。よく"ポップガードから拳ひとつ分"がベストと言われることがありますが、あくまでも無難な距離なので曲や歌詞、声量によって千差万別です。なのでエンジニアとよく相談をしながらそれぞれに合った距離を作るのがいいと思います。

●桑山がヴォーカルをレコーディング。


こうして無事、セッティングからレコーディングまでを行うことができたstellaの4人。セッティングとレコーディング後の片づけは結構時間を要するので、そのあたりも念頭に置いて時間を使った方が良さそうだ。特にドラムはマイクを立てる本数が多いため、しっかり時間を確保して臨んでほしい。