DISC REVIEW
K
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KEYTALK
DON'T STOP THE MUSIC
移籍第1弾アルバムを幕開けるのは「DE'DEVIL DANCER」。この曲で思い起こすのは、最強のライヴ・チューンとしてバンドのスケールを大きくした「MONSTER DANCE」。あの曲のリリースから5年を経て、タフに進化をした今のKEYTALKが爆裂なダンス・チューンを描いたらどうなるかというのが冒頭の曲だ。同曲を筆頭にスマートなアレンジ力に磨きをかけて、EDMからロカビリー、彼らならではの躁的でカオスなサウンドからグッド・メロディのキャッチーさまで、多彩なエッセンスをKEYTALK節として昇華した12曲。4人のキャラクターを生かして曲を書き、曲の物語や力を最大限にするアイディアを重ね、テクニカルな面でも緻密なこだわりを感じる。ライヴでどう化けていくか楽しみ。
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KEYTALK
BUBBLE-GUM MAGIC
結成10周年にしてレーベルを移籍。新たな一歩を印象づけるのに十分なシングルが到着した。表題曲は、首藤義勝(Vo/Ba)のソングライターとしての新生面が発揮された、早めのポップ・ファンク・チューン。ソウルのフレーズを散りばめながら、サビではEDM以降のポップスのニュアンスを汲むメロディやコーラス、さらに間奏では小野武正(Gt/MC/Cho)のソロが炸裂するという情報量の多さ。しかも4人の音で構築するダンス・ミュージックであることに彼ららしいバンドの意地と矜持も。一方の「海」は寺中友将(Vo/Gt)お得意のスケール感のある爽快なバラード。ピアノとアコギを映えさせ、以前より隙間の多いアレンジが歌を際立たせている。聴き応えと浸透力の高さ、新しい音像を両立させた快作。
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KEYTALK
Cheers!
清涼飲料水、しかも盛夏のリリースというと、ポップ・ソングの王道感がひとつの系譜としてあるが、今の時代の"それ"をKEYTALKが体現してくれた。アレンジとプロデュースにJ-POPのヒット・メーカーである蔦谷好位置を迎えた「Cheers!」は、ポップ・パンクな曲調がシングル表題では新鮮な印象で、ごくさりげないアレンジで効果的に配置されたストリングスとの相性もいい。首藤義勝(Vo/Ba)の新鮮な曲作り、蔦谷の客観的な視点が功を奏した。c/wは寺中友将(Vo/Gt)の作詞作曲による赤十字運動月間ショートムービーのタイアップ曲「東京シネマ」。寺中十八番の美メロに一歩踏み込んだ歌詞の表現も加わって、ニュートラルに前を向かせてくれるロック・ナンバーに。2曲ともストレートなテーマを昇華していて力強い。
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KEYTALK
Rainbow
アゲアゲのパーティー・ナンバーに替わる、KEYTALKの新しい武器が満載の5thアルバム。グッと生感やソリッドさが増した『ロトカ・ヴォルテラ』以降の質感を感じながらも、小野武正(Gt/MC/Cho)のジャズ、フュージョンという背景を感じる「nayuta」や、これまで以上にAOR路線に振り切った首藤義勝(Vo/Ba)作の「雨宿り」、ロー・ギアなのに速い体感が新鮮な寺中友将(Vo/Gt)作の「ミッドナイトハイウェイ」、ライヴで活躍しそうな八木優樹(Dr/Cho)作の「テキーラキラー」など、1曲1曲の存在感や濃度が高い。その中で、異なる音像だからこそ既発シングルの良さも改めてわかるという、なかなか練られた構成だ。全12曲を通して聴いてこそわかる、虹のようなKEYTALKの多様性を味わってほしい。
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KEYTALK
ロトカ・ヴォルテラ
KEYTALK、2018年一発目のシングル。アッパーで攻める彼らの常道でありながら、恋愛における、食うか食われるか? 的なスリリングな瞬間をほのめかした歌詞や、それを引き立てるダークで速い曲調が新鮮。ストレートにかっこいいだけで済まないのがKEYTALKならではの危うい曲自体のアップデートに繋がっていて、度重なるリズム・チェンジ、エクストリームなギター・アレンジ、そして歌謡としての強度を誇るメロディという過積載っぷりにニヤついてしまう。もう1曲の「アオイウタ」は"音楽と旅が大好きだ #KEYTALKとANA旅キャンペーン"CFソング。まさに今すぐ旅したくなる開放感溢れる1曲。さりげない転調や寺中友将(Vo/Gt)のR&Bシンガー顔負けのスムーズなヴォーカルも心地よさを増幅する。
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KEYTALK
セツナユメミシ
前作「黄昏シンフォニー」に続き、今のKEYTALKが考える"普遍性"が、お馴染みの和なメロディやギター・リフ、親しみやすい歌メロに集約されている感があるタイトル・チューン「セツナユメミシ」は首藤義勝(Vo/Ba)作の楽曲。ただもちろん聴きやすさの中にもアウトロ前の転調や、歌メロの裏で情景を描く小野武正(Gt/MC/Cho)のフレージングの細かさは過去最強かも。そしてこのシングル、メンバー全員の曲が収録されているのもアルバム以降のモードを知る絶好の手がかりで、ニュー・レイヴを再解釈したような小野作の楽曲、最もぶっ飛んだアート・ロック且つ真っ青で複雑なメロディを持つ八木優樹(Dr/Cho)作の楽曲の底知れない白昼夢感と不気味さには唖然。最後は素直でフォーキーな巨匠ナンバーで安定の締めくくりという、ボリューミーな1枚。
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KEYTALK
黄昏シンフォニー
KEYTALKにとって、初のドラマ主題歌の書き下ろしとなった「黄昏シンフォニー」。彼らとも共通する愛や生(性)へ関心の薄い、いわゆる"ゆとり/さとり世代"がいきなり赤ん坊と対峙し、自分の中にある未知の感情や行動に出会うというストーリーを今回のソングライターである寺中友将(Vo/Gt)はかなり汲んでいる。無垢な命と向き合い原点に戻る感覚、同時に自分はもう子供ではないという若干の寂しさや覚悟を"黄昏"に託しているように聞こえるからだ。ドラマと切り離しても彼らには珍しい速すぎない8ビートや歌い上げすぎないツイン・ヴォーカルですんなり歌詞が入る。首藤義勝(Vo/Ba)作の「F.A.T」はおしゃれ16ビートに陥ることなく必殺のフックと小野武正(Gt/MC/Cho)のリフで意表を突く。2曲とも曲作り功者KEYTALKが考える"いい曲"の新次元。
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KEYTALK
PARADISE
「スターリングスター」から「ASTRO」に至るシングルでKEYTALKらしさを前面に出しつつ、同時に4人全員が作詞作曲した楽曲を収録するようになった現在のKEYTALKの楽曲のポテンシャルと、それをほぼ人力で演奏してしまうスキルの高さに驚嘆と笑いが自然に起こってしまう、会心の4thフル・アルバム。EDMが一瞬表れる首藤作のオープニング・ナンバー「Summer Venus」、小野のジャズ、フュージョン寄りの知識がジェットコースター級の展開を見せる「森羅万象」、一瞬で通り過ぎる八木作のデスメタル風「HOROBIRO」、寺中が洋楽シーンと符合するメロディで新生面を見せる「story」など、4人4様のアルバム曲が痛快。ポップだが、未知のアレンジ、アンサンブルで新境地を切り拓く姿勢に拍手したい。
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KEYTALK
ASTRO
少々の懐かしさも漂う歌謡としての強さのある歌始まりからして意表を突く、KEYTALKの10枚目のシングル。何より、不安の最中にある過去の自分に対して、強く思うことで未知の可能性を掴める、もっと言えば自分は自分を裏切らないだろうという未来からの手紙のような力強いメッセージが新鮮だ。前作の表題曲「Love me」から徐々にストレートになってきた首藤楽曲のさらなる変化でもあり、これまで彼らのシャイネスゆえか前面に出してこなかった意思表明とも取れる。2分台のショート・チューンに8ビートも四つ打ちもスカも盛り込んで疾走する、とにかく熱い1曲。カップリングはインディーズ時代からの人気曲「amy」のライヴ音源を収録。従来のスタジオ・テイクとは異なるライヴならではの首藤、寺中のヴォーカルが聴きどころ。
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KEYTALK
Love me
KEYTALKのシングル表題曲としては珍しい、ちょっとアップ気味のミディアム・テンポが新鮮な「Love me」。16ビートながら、さらっとポップに聴かせる音像が首藤義勝(Vo/Ba)作曲ナンバーらしい。そんな中でもゴリッとした感触の、小野武正(Gt/MC/Cho)のカッティングがロック・バンドのダンス・チューンとして個性を際立たせている。カップリングの寺中友将(Vo/Gt)作曲、歌詞は寺中と八木優樹(Dr/Cho)の共作である「SAMURAI REVOLUTION」は、"バンド戦国時代"など一瞬シリアスなバンド・シーンからの現状報告に思えて、語り口調やアレンジによって少々時代劇風のニュアンスも醸し、飛び道具っぽいユニークな1曲に仕上がっている印象も。「金木犀」は、アッパーな四つ打ちにハードなコード感、歌メロの裏を行く小野のギター・フレーズ、そしてエンディングの唐突ささえも小野らしい。
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KEYTALK
KTEP COMPLETE
KEYTALKのインディーズ時代の限定盤4作品、いわゆる"KTEPシリーズ"には、現在のライヴでもピーク・ポイントにくるキラー・チューンが満載。だが、今は入手困難で高値がついている状況に朗報! というわけで全曲をコンプリートしたアルバムをリリース。そりゃ「MABOROSHI SUMMER」も「祭りやろう」も「太陽系リフレイン」もCDで持っときたいでしょ! しかもお蔵入りになっていた「MABOROSHI SUMMER」の別バージョン、DVDにもこれまた廃盤になった"SUGAR TITLE TOUR DVD"、"オムスターの逆襲DVD"を収録。メジャー・デビュー以降や最近ファンになった人へのプレゼント的な企画でもあるが、KEYTALKの楽曲構造のオリジナリティ、レコーディングの工夫の跡が聴こえてくる大事な記録でもある。
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KEYTALK
MATSURI BAYASHI
2ヶ月連続リリースのシングルはKEYTALKの音楽的なレンジと演奏者としての攻めの姿勢を感じる、メンバー各々が作詞作曲した4曲を収録。寺中作の表題曲は彼お得意の"お祭り系"の中でも突出した太いファンクネスとスピード感が融合。爽快感の中に洋楽インディーなコーラスが映える首藤作の「boys & girls」、驚きのジャズ/フュージョン・テイストをものにした八木作の「wasted」は、KEYTALK史上最も大人なナンバーかも。そして前作収録の「KARAKURI夢ドキュメント」と連作めいた小野作「赤いサイコロのMAYAKASHI」。ぜひその繋がりも意識して聴いてみてほしい。それにしてもゲームのステージをクリアするような軽快さで、その実、曲のハードルを上げていく4人は逞しいのか、ドMなのか?(褒めてます)
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KEYTALK
HELLO WONDERLAND
四者四様の"KEYTALKのロック感"はいい意味で見事なまでにバラバラで、それだけにこのバンドの武器の多さも再認識させられる。首藤作のタイトル・チューンは80年代のサザンオールスターズばりの歌謡感と相対する演奏のタフさがキャッチーであるし、ファストなスカ調の小野作品は最も今のバンドの状態を示唆する歌詞が、彼のナイーヴな感受性の発見にも。作詞にもチャレンジした八木作品は、珍しく"ロックな二枚目"タイプの疾走する8ビートが激しく新鮮。一部リズム・チェンジする部分がむしろスタンダードに聴こえるのがKEYTALK節が定着した証か。ラストは寺中作の2ビート・メインのラウド/ミクスチャー系。エフェクト・ヴォイスで歌われる歌詞に意味を求めない怪作。クアトロAサイド・シングルと受け止めたい濃厚さ。
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KEYTALK
スターリングスター
フロント3人が曲を作れる強みはもちろん、『HOT!』から、フックありまくりでメロも残る首藤、美メロの巨匠(寺中)、シュールでエッジ立ちまくりの小野という役割分担が、この1年の経験を経て変化したことを感じるシングルだ。お互いの得意分野がよりKEYTALKとしての個性になって堂々と鳴らされる。それを最も象徴しているのが、大人になって自分のいる場所も自覚し、だからこそそこから見る夢について歌う「スターリングスター」の説得力。輝度の高いサウンドと上昇するサビが美しくも切ない。また、KEYTALKの作曲マナーも何気に綴られている「鏡花水月」のめくるめく展開、ピアノのアレンジが印象的な「summer end」。3曲とも曲ごとの色と言葉が鮮烈だ。
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KEYTALK
HOT!
退屈なロックもあれば、思いっきり尖ったJ-POPもある。呼び方なんてどうでもいい、とにかくまだ世の中に存在しないポップ・ミュージックを作るのだ。というKEYTALKのオリジナリティがグッと進化したメジャー2ndアルバム。いきなり1曲目から首藤(作詞作曲も)の脱力ラップで始まり怒涛の展開を見せる「YURAMEKI SUMMER」、歌を聴かせつつ低音の迫力も増した寺中作の「グローブ」、アブストラクトなビート感を人力で昇華した小野作の「Human Feedback」、最もこれまでのKEYTALKっぽいリズムを持つ八木作曲「キュビズム」には、小野のちょっとシニカルで歌詞的なものを超越する言葉が乗っているのも痛快だ。ハードな曲でもバラード寄りでも全体的に音像が豊かになったことも新鮮な聴感をもたらす。
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KEYTALK
FLAVOR FLAVOR
ぶっとい16ビートのイントロからガラリと景色が変わるサビ始まりと、どこか90年代以前の歌謡曲を思わせるメロディ。年齢を問わず甘酸っぱい思いが胸をよぎりそうな、KEYTALKが放つより広いフィールドを目指すタイトル・チューン「FLAVOR FLAVOR」。本格的な春の声もまだ聴こえないが、早くも夏が待ち遠しくなるほど季節感や温度のある楽曲だ。新たな王道を目指した首藤の同曲を始め、小野が幾何学的なフレーズを封印し、 ひたすらリフとコードで押しまくる(作詞・作曲も小野)「ナンバーブレイン」、寺中の美メロ体質が全面的に表出した「Stand By Me」では、同時にシンセやオルガンのアレンジが曲の輝度を上げ、彼ら流のシンセJ-POPワールドを表現。ジャンルが細分化された時代の中で普遍性に挑戦した1枚。
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KEYTALK
MONSTER DANCE
トライバルかつお囃子を思わせるビートから、往年のアイドル歌謡的なアレンジ、UKインディーぽい3連のソリッドなギター・リフ、サンバのリズムとエキゾチックなシタールの音......とおよそ世界のダンス、お祭り騒ぎが4分半にめくるめく速度で展開するタイトル曲の強烈さ。首藤のサザン好きが垣間見られる歌詞もニヤリとさせられる。一転、キラキラのキーボード・サウンドがJ-POPという呼称以前の日本のポップスを思い出させる「エンドロール」では寺中のセンスが炸裂。KEYTALKの作曲能力、エクストリームなアレンジ・センスが堪能できる前半2曲に続き、これまでを踏襲した「FREEDOM」、血液型シリーズ(?)第3弾「O型」の4曲を収録。さらに遠くまでKEYTALKの存在が届きそうなシングルだ。
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KEYTALK
OVERTONE
変拍子、転調、美メロ、そしてマスロック、メタル、ジャズ、フュージョン、ポップスという物理とジャンルが交錯しつつギリギリのバランスで成立するKEYTALKの男の子チックな世界観はそのままに、1曲ごとの強度が増したモンスター的な2ndアルバム。特に首藤義勝のソングライターとしての覚醒は凄まじく、「バミューダアンドロメダ」や「MURASAKI」に登場する一歩間違えると気持ち悪ささえある転調やマイナー・メロディと、妖しさ満載な歌詞は物理的なスリルのネクスト・レヴェルを見せる。また、エディットのセンスが冴えまくる小野武正の「BEAM」のテクノ的な痛快さ、美メロの王道を行く寺中友将の「メロディ」、初めて曲が収録された八木優樹の「YGB」も聴きどころ。脳と肉体を直撃する13曲。
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KEYTALK
パラレル
2ndシングルとなる本作は、プロデューサーにNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮。ももいろクローバーZやBABYMETAL、上坂すみれらの作品の作曲編曲も手がける)を迎え、彼の提案により一発録りに挑んだ新曲2曲を収録。ギター・サウンドの太さやリズムの臨場感は表題曲の「パラレル」「サイクル」ともにグッと増した印象。「パラレル」は4つ打ちから8ビート、レゲエ・ビートへとめまぐるしく変化するリズムも通して演奏していることで、流れの良さと勢いが加速。「サイクル」は寺中のラップ調の早口ヴォーカルが新鮮だ。また、通常盤には昨年11月17日のLIQUIDROOMのライヴから「UNITY」を収録。初回限定盤にはなんと7曲を収録! 現場感に胸躍る。
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KEYTALK
コースター
攻めのキャッチーでリスナーをフック・アップするKEYTALKが放つメジャーからの第1弾シングル。タイトルになっている「コースター」は四つ打ちとトリッキーなギターはもちろん、寺中と首藤の異なる声質かつどちらも伸びやかなヴォーカルが交互に登場するスピード感も聴きどころ。小野のギターが暴れまくる「スポットライト」、90年代のロック寄りの、J-POPにも似た王道感のあるメロディ・ラインが、同世代、同系列、いや、他の世代にもなかなかないスケール感の「Winter March」はライヴキッズ以外にもぜひ聴いてもらいたい逸品。一転、幾何学的なギター・リフと踊れるビートに時折挟まれるシンコペーションや、歌とベースのユニゾンなど、アレンジも演奏も痛快な「OSAKA SUNTAN」の新曲4曲を大盤振舞い。
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KEYTALK
ONE SHOT WONDER
the cabsにも在籍の首藤義勝(Vo/Ba)と寺中友将(Vo/Gt)のツイン・ヴォーカルとALASKA JAMなど様々なバンドでギターを弾く小野武正(Gt)、そして八木優樹(Dr)からなる4人組バンドKEYTALKが待望の1stフル・アルバムがリリース。彼らの武器である超絶キャッチーなギター・ロック・サウンド、先を読めない展開は更に進化をしている。Track.3「fiction escape」の疾走感溢れる軽快で陽気なポップ・チューンからTrack.7「茜色」のホロリとさせるバラード、そしてまさにJ-POPの真骨頂とも言えるキャッチーなメロディを料理したTrack.11「summer tail」。2009年に結成してからKEYTALKファンが首を長くして待ちわびた1stフル・アルバムは期待を裏切らない超絶キャッチーな作品だ。
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KEYTALK
KTEP2
CDを再生した瞬間から“これは……!”と唸らずにはいられないキラー・チューンが詰め込まれた攻めの2000枚限定マキシ・シングル! 凝ったマニアック性と大衆の心もグッと掴みそうなキャッチーなメロディの絶妙なところをついてくるバランス感覚はさすが。かゆいところに手が届くような“こんな曲たちを待ってた!”と声高らかに叫びたくなる快作。Track.1「MABOROSHI SUMMER」はアッと驚くような予想もつかない展開がクセになり、気になるワードが詰め込まれた初っ端からぶちかましている1曲。ポップにもロックにも全速力で駆け抜けていくジェット・コースターのような全4曲にKEYTALKというバンドの多面性と底力を見た。
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Kidori Kidori
OUTSIDE
フル・アルバム『! [雨だれ]』で日本語詞と郷愁感を全編に漂わせたKidori Kidoriの新たな一歩は、そうしたサウンド・プロダクトへの挑戦も踏まえた、もはやマッシュ(Vo/Gt)の血肉化した音楽的な背景が素直に立ち上がる曲が揃う。特にTHE SMITHSやTHE STONE ROSES的なギター・サウンドがかけがえのない美しさを放つTrack.1「アウトサイダー」はアルバムを象徴する。また、会場限定で発売していたTrack.2「タイムセール」はアッパーだがどこか儚く、ファンク色の濃いTrack.3「モノクロ」は乾いた16ビートのギター・カッティングと、いい違和感のあるリフ、そして黄昏感のあるコーラスのバランスが絶妙。異なるタイプの5曲だがどこで聴いてもいい意味で心をざわつかせる"とある純粋な想い"が共通して喚起される。
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Kidori Kidori
フィールソーグッド e.p.
全編日本語詞にシフトした3rdアルバム『! [雨だれ]』から1年を経てリリースされる4曲入りEP。アルバムでシフトした、音数を研ぎ澄ませたサウンド・プロダクションのムードはありつつ、タイトル・チューンは久々にアッパー。それでもサビでふわっと気分が転換するような転調をあえて行うあたりに新鮮さが。カップリングの3曲がすべて異なる音像を持っているのも聴きどころで、Track.2「ハッピーアワー」の脱力感、そしてくるりの大名曲「東京」をカバーするという、意気込みの必要そうなアプローチを抑制の効いたヴォーカルと空間を圧するシューゲイズ・サウンドの渦で埋め尽くすバランス感覚も絶妙。もう1曲のカバーはマッシュ(Vo/Gt)が敬愛する細野晴臣の名盤『はらいそ』から「東京ラッシュ」を。
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Kidori Kidori
! [雨だれ]
好きなことをやるためにいる場所でも、好きな人がいようと、楽しい夜があろうとも、どうにもよそ者の気分で明けていく空を見てしまう自分がいる――このアルバムのテーマである"サウダージ=郷愁"とは単なるセンチメンタリズムではない。サポートにライヴもともにしてきた藤原寛(Ba/ex-andymori)を迎え、3ピース・バンドらしいシンプルさと吟味し尽くしたサウンドが、先に書いたような心情を鮮やかなシーンとして立体化する。3拍子で60sのソウルのコーラス・グループっぽいリズム、シティ・ポップなコード感という大発明すら自然に聴こえる「なんだかもう」、マッシュの一大ルーツである細野晴臣イズムが垣間見える「コラソン」、雨を表現した音像がリアルである種サイケデリックな「!」などポップかつ体験的な10曲。
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Kidori Kidori
El Urbano
都会をテーマとして作られたオリジナル3曲と洋楽カバー3曲が収められたEP。初の日本語詞が聴けるリード・トラック「ホームパーティ」は冒頭のギター、ドラムの音が鳴り出した瞬間にグッと前のめりになるキャッチーな楽曲。"さぁホームパーティをしよう"と連呼するわかりやすいサビが賑やかなリズムと絡み合って彼らにしか出せない独特の昂揚感を醸し出している。こちらも初めてとなる洋楽カバーはパンキッシュな「Take Me Home, Country Roads」を始め、それぞれオリジナルと異なるアレンジが聴きどころ。なんだかデカいサングラスをかけて踊りたくなる傑作ディスコ・ナンバー「記号の街」のどこかオールド・スクールな味わいも最高。なんとなく、クリスタル!
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Kidori Kidori
El Blanco 2
大阪から東京へ拠点を移した直後に起きたメンバーの脱退を乗り越え、前に進むべく完成させた2ndミニ・アルバム。幼馴染の3人で結成されたKidori Kidoriにとって、音楽を続けていく上で脱退は大きな困難だっただろうことはリスナーにも容易に想像できるものの、作品自体には湿っぽさや後ろ向きな感情は一切感じさせず、キャッチーなメロディと輪郭のクッキリとした肉厚なサウンドで躍動感豊かに楽しませてくれる。前作『El Blanco』のタイトル曲を収録していたり、「Zombie Shooting」の歌詞に次曲のタイトル「Mass Murder」を登場させるあたり、2人の音楽マニアぶりが伺えて思わずニヤリとしてしまう。唯一の日本語詞「テキーラと熱帯夜」の70年代お茶の間サウンド的な音像も意外で面白い。
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Kidori Kidori
El Blanco
キドリキドリからKidori Kidoriへと改名しての1stミニ・アルバム。歌詞やその歌声の奥底を聴けば、このバンドの表現の根底にある怒りや苛立ちを明確に感じ取ることができる。だが、スカやアフロビートも飲み込んだ多彩なリズムと、アッパーなポップネスと独特の叙情感を称えたメロディが組み合わさったこの性急なギター・ロックには、そんな一見ネガティヴなエモーションでさえ、聴き手の胸の中にすんなりと響かせてしまうような不思議で危険な魅力がある。社会や他人を睨み"お前ら、わかってんのかよ?"とでも言いたげな不遜な態度を取りつつも、自分たちを取り巻く問題を何とかして振りほどこう、解決しようとする生真面目さが、このバンドのキャッチーさに繋がっているのだろう。期待大のアンチヒーローである。
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Kidori Kidori
La Primera
UKロック、プログレ、USインディーなどの要素を凄まじい速さの処理速度で消化し続ける関西在住のキドリキドリの2ndアルバム。今作もフィジカル的な熱さとは一線を引いた、ニヒルなエモーションに溢れる、音楽的IQの高さを感じる作品。リード・トラックである「NUKE?」では彼らなりに原発問題を肯定するでも否定するでもなく問題提起し、続く「Hug Me」はWEEZERの匂いのするキドリキドリ的なパワー・ポップ・アプローチ。そしてこの作品のもう1つのキーとなる楽曲である壮大なロック・バラード作品である「This Ocean Is Killing Me」は彼らの底知れぬポテンシャルを感じさせるが、正直このバンドのポテンシャルはまだこんなものじゃないと思っている。
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Kidori Kidori
El Primero
08年結成、大阪を拠点に活動する、全員が21歳のスリー・ピース・バンド、キドリキドリの1stフル・アルバム。"さようなら洋楽コンプレックス"なんて気合いの入った言葉を掲げているだけあり、不穏な幕開けを飾る冒頭曲「The Song Of New Age Rock'n'Roll」からそのタイトルのごとく、まさに"New Age Rock'n'Roll"とはなんたるかという勢いが炸裂している。前半の重量感のあるパワフルなナンバーから、最後にようやく息をつくように終わるラスト・ナンバーまで一気に走り抜けていく。彼らは"英日折衷"という欲張りなコンセプトを掲げているのだが、その音楽の基盤はあくまでも海の向こうの色が強い。このバンドも、現在その台頭が著しい"洋楽の世代"と言われる若者たちであるということなのだろうか。
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KIDS
回遊記 -Round About-
2012、13年のSUMMER SONIC連続出演、今年2月より開催した東名阪ワンマン・ツアーも大成功を収めたKIDSがリリースする初のフル・アルバム。いきものがかりなどを手掛ける本間昭光、amazarashiらを手掛けるデワヨシアキ、そしてsacraのベーシスト足土 貴英をプロデューサーに迎え制作された今作は、ギター・ロックの要素が強かったこれまでと比べ、何かが弾けたように音楽性の幅がグッと広がり自由度が増した印象。奥野涼(Vo/Gt)のハスキー・ヴォイスが可愛らしいラヴ・ソングと見事にマッチした「愛してるよ」や、"切な系妄想ソング"を突き詰めた「幼なじみ」など、ポップからエレクトロ、壮大なバラードまで、彼らの引き出しの多さを感じられる11曲を収録。キングコング西野が手掛けたジャケットも独特で印象的だ。
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KIDS
奇跡の軌跡
関西を中心に活動し、ライヴ・パフォーマンスに定評のある奈良県出身、平均年齢22歳の4人組バンド。全国20ヶ所以上でライヴ・ツアーを行い、ファンから支持が高かった曲が今作には収録されている。心地よい疾走感とグルーヴ感のある楽曲はデビューしたばかりのバンドとは思えないほど完成度が高い。そして、少しハスキーな奥野(Vo/Gt)の声は伸びやかで真っ直ぐで、その言葉は驚くほどすんなりと胸に入り込む。それは、優しさだったり切なさだったり希望だったり、20代の等身大の気持ちだ。特にTrack.3の「四季」は女性視点の切ない気持ちが歌いあげられ、男性なのに何故こんなに分かっているのかと複雑な気持ちになるほどである。その繊細な感性で紡がれた言葉は、世代性別を問わずリスナーの心に届くに違いない。
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KIDS IN GLASS HOUSES
In Gold Blood
イギリスはサウス・ウェールズ、カーディフ出身のロック・バンド、KIDS IN GLASS HOUSESの3rdアルバム。前作『Dirt』からたった1年という驚きのスピードで届けられたこのアルバムは前作と同じくJason Perryのプロデュースによるものだが、今までとはひと味違う。彼らが元々持つ爽やかさは残しつつもサウンドの厚みがぐっと増し、フロントマンのAled Phillipの伸びやかな声が耳に残る楽曲が並ぶ。 「Only The Brave Die Free」や「Annie May」は、夏の夕暮れに屋外フェスの会場で聴いてみたいと思わせるような華やかなナンバーだ。今まで彼らに魅了されていたロック・キッズ達は勿論のこと、少し落ち着いた大人も聴ける成熟したロック・アルバムに仕上がっている。
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kiki vivi lily
Tasty
これまでの活動の成果を踏まえ、そんなにポップに盛りつけずに、素材の良さ(=楽曲そのものの魅力)や気を張らない自然体を見せたかったという2ndフル・アルバム。その結果、荒田 洸(WONK/Dr)とMELRAWをサウンド・プロデューサーに迎えながら、ソウル・ミュージックとヒップホップをバックボーンに曲を作る彼女は今回、スウィートでポップなだけにとどまらないクールな魅力を手に入れた。さらに持ち前の尖った感性もぐっと前に出てきた印象も。プロデューサー/ギタリストのShin Sakiuraと初顔合わせとなる「Yum Yum」にはラッパーのIttoが参加。その他にもレゲエの「You Were Mine」他、初挑戦と言える曲が多めに収録されているところに変化を恐れずに求める姿勢が窺える。
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Brandon Flowers
The Desired Effect
THE KILLERSのフロントマン、Brandon Flowersが、5年ぶりとなるソロ・アルバム『The Desired Effect』をリリース。MADONNAやVAMPIRE WEEKENDらのプロデュースを手掛けるAriel Rechtshaidとの共同制作となった今作は、Bruce HornsbyやTony Levinら豪華ゲスト陣も参加している。煌びやかで安定したサウンドのうえには彼の伸びやかな歌声がよく映え、『The Desired Effect』(=望み通りの効果)の名の通り、彼が描く夢や理想を音楽化したようなポジティヴで聴き心地のいい楽曲が連なっている。シンフォニックな響きはまどろむ日差しのような優美さを携えており、ステレオから流して全身で浴びたくなるような包容力のある快作。
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killing Boy
killing Boy
ART-SCHOOLの木下理樹と、03年にART-SCHOOLを脱退し、現在はストレイテナー等で活躍する日向秀和からなるユニットkilling Boy。約7年の時を経てこの2人が新プロジェクトを立ち上げるということは、既存バンドでは出来ないことを行うに違いないと思っていたが、まさしくそうだった。シューゲイズとブレンドされたアフリカン・リズム。凍て付くような世界で感じる確かな人のぬくもり。音の空間に漂う危険で不穏な匂いに気付けば堕ちていた。歌詞も自由度が高く、押韻の目立つ「1989」はまさにリズムのために作られたものだろう。個性溢れるメンバーを迎え入れ、幕を開けた木下と日向の大実験。音への探求を止めないミュージック・ジャンキーの挑戦は始まったばかりだ。
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KILLING JOKE
MMXII
Jaz Coleman率いるインダストリアル・へヴィ・ロック・バンドKILLING JOKE の通算14作目となる新作。後追いで彼らを知った筆者は、90年代の彼らの音楽――つまり、テクノを取り入れたハードコアに居心地悪さを感じ、聴けなかったクチなのだが、27年ぶりにオリジナル・メンバーが再結集し、セルフ・プロデュースで制作された前作は時代にマッチしたゴリゴリでエモーショナル、かつメロディの極まった良作だった。そんな『宣戦布告』より2年ぶりとなる今作は前作を踏襲し、タイトルが表すように2012年版にアップデートした内容。エレクトロニカを少々取り入れている部分が少し玉に傷(決して小手先ではないが)。いやはや、何よりこのパワー。ヴォーカルの伸びやかさったら。後追いでも間に合うよ!
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THE KILLS
Ash & Ice
THE DEAD WEATHERのヴォーカルとしての活躍でも知られるAlison MosshartとJamie Hinceによるロンドンの男女ロック・デュオ THE KILLSが前作『Blood Pressures』から約5年ぶりとなる新作をリリース。NYのスタジオ"Electric Lady Studios"でレコーディングされたという今作はTrack.1「Doing It To Death」でいきなりピコピコ・サウンドが聴こえて面食らったが、すぐにリバーヴがかかった太いディストーション・ギターが登場して従来のガレージ・サウンドが健在であることを教えてくれる。どっしりとしたリズムでブルージーに粘っこく聴かせるTrack.2「Heart Of A Dog」、Track.5「Days Of Why And How」と、キャッチーで踊れるTrack.3「Hard Habit To Break」、Track.4「Bitter Fruit」が聴きどころ。ピアノとアコギで歌われるバラードのTrack.9「That Love」もいい。そしてジャケットも最高。
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KINDNESS
Otherness
チルウェイヴ以降のシーンに現れ、インディーR&Bの隆盛やディスコ・リヴァイバルの先駆者的立ち位置にいながらも、しかしどこにも属さないし属せない孤立無援の花――ロンドン出身のプロデューサー/ミュージシャンであるKINDNESSことAdam Bainbridgeの存在を乱暴にレジュメすると、こんな感じだろうか。本作は2012年にリリースされた1stアルバムに続く2ndアルバム。ディスコやR&Bだけでなくファンクにジャズ、ポストロックの要素も取り入れた、曲によって様々な表情を見せる繊細なサウンド・メイク。さらにRobyn、Kelela、Dev Hynesなど、今をときめく才能を招集した豪華なゲストたち。そのすべてを繋ぎとめるのは、KINDNESSが描く"ソング"の美しさにある。まるで彼の自室に招かれ向き合っているような、とても親密で静謐な世界観。傑作。
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KING BROTHERS
wasteland / 荒野
"西宮の大統領"Keizo(Vo/Gt)と"狂犬"Marya(Gt/Scream)率いる兵庫西宮のKING BROTHERS。アメリカから逆輸入デビューし今年20周年を迎えた彼らは、Zony(Dr)を仲間に入れ、再びベースレスの3ピースとなり、約8年ぶりの新作を産み落とす。ただの一瞬ではなく、半端ないエネルギーを押し込めた特濃の10曲26分に付けられたタイトルは"wasteland / 荒野"。20年経ってもなお、怒って、荒れ果てた地で"足りない"と爆音で抗う。とはいえ、どうせギターをジャカジャカ鳴らしてバスドラを高速で踏みまくるんでしょ? なんて戯言はKeizoのブルース・ハープで幕を開ける爽快な表題曲で一蹴。「No! No! No!」の歌詞カードに殴り書きされた手書きの叫びもグッとくる。地元ライヴでは名物だった第13代西宮市長も参加。
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