Overseas
2014年10月号掲載
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チルウェイヴ以降のシーンに現れ、インディーR&Bの隆盛やディスコ・リヴァイバルの先駆者的立ち位置にいながらも、しかしどこにも属さないし属せない孤立無援の花――ロンドン出身のプロデューサー/ミュージシャンであるKINDNESSことAdam Bainbridgeの存在を乱暴にレジュメすると、こんな感じだろうか。本作は2012年にリリースされた1stアルバムに続く2ndアルバム。ディスコやR&Bだけでなくファンクにジャズ、ポストロックの要素も取り入れた、曲によって様々な表情を見せる繊細なサウンド・メイク。さらにRobyn、Kelela、Dev Hynesなど、今をときめく才能を招集した豪華なゲストたち。そのすべてを繋ぎとめるのは、KINDNESSが描く"ソング"の美しさにある。まるで彼の自室に招かれ向き合っているような、とても親密で静謐な世界観。傑作。(天野 史彬)
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