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10/12-14開催の野外音楽フェス"TOKYO ISLAND 2024"、第4弾出演アーティストで⼤森靖⼦、the telephones、スサシ、"androp ISLAND Session"等6組発表
2024.09.06 12:00
東京 お台場地区から車で約15分という便利な場所に生まれた広大な公園"海の森公園(森づくりエリア)"にて開催する音楽フェス"TOKYO ISLAND 2024"が、第4弾出演アーティストを出演⽇とともに発表した。
今回発表されたのは合計6組。10⽉12⽇はG over、MAZZEL。10⽉13⽇は大森靖⼦、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、the telephones。10⽉14⽇は"androp 15th Anniversary day"のスペシャル企画として"androp ISLAND Session"を発表。これにて合計35組が出演⽇とともに発表されたことになる。
そして、今年もプレイベント"草刈って乾杯!"を9⽉14⽇に開催。共に草刈りをしたり公園内を⾒学し、最後は乾杯と共に懇親会を⾏う恒例のパーティーだ。参加費は無料、9⽉12⽇までの先着受付となるため、早めにチェックをして参加してほしい。
■「TOKYO ISLAND」キャプテン ⿅野 淳によるメッセージ
3 度⽬の TOKYO ISLAND、いよいよ開催まで 1 ヶ⽉強となりました。
第4弾出演アーティスト発表として新たに 6 組のアーティストを告知させていただきます。
初回以来の 3 ⽇間開催、そして最終⽇は androp の 15 周年を祝い合う初めてのコラボレート開催という挑戦をしましたが、おかげさまでこんなにも幅広い最⾼のアーティストに集まってもらうフェスになりました。3 ⽇間、合計 36 組のアーティスト達が、今年のアイランドで最⾼のライヴを響かせてくれます。どうか⼼と⾝体をガバッと開きまくって楽しん
でください。
ちなみに最終⽇の追加アーティストの「androp ISLAND Session」って何? と思われることと思います。これは通常のバンドセットでライヴをする androp の時間とは別に、androp が伴奏を務めながら様々なゲストヴォーカルが登場する、この⽇この時間だけの 2 度と体験できないスペシャルなライヴのことです。フェスならではの開放感をもって androp の周年を彼ら⾃⾝と共に祝い合いたいと提案をしましたが、バンドも、そして素晴らしいゲストヴォーカリストの⽅々も快諾してくれました。すでに⼀度リハーサルを⾏ったそうですが、もう本当に今から楽しみが⽌まりません。
15 年間様々な経験と様々な⾳楽的な挑戦を続け、数多くのアーティストに楽曲提供を続ける内澤くんをはじめ、様々なアーティスト達とのセッションライヴ&レコーディングを⾏うようになったメンバーの真髄が発揮されるセッションになることと思います。盛り上がりましょうね。
次はいよいよ 3 ⽇間のタイムテーブルを発表します。近いうちに発表します。そこで同時に androp ISLAND Session のゲストヴォーカルの発表も⾏います。うわーって、びっくりしますよ。
広⼤な海の森公園予定地(いよいよ来春に開園予定です!)は急ピッチで整備が整いはじめていて、過去の開催よりもだいぶ過ごしやすくなりました。このフェスのライヴ以外の名物である数多くのアトラクションや企画を、今回も⾏います。
沢⼭の⼦供から⼤⼈までがみんな楽しめる「ワークショップ」
去年から⾏っている、名曲に合わせて打ち上げる「⾳楽花⽕」
思いっきり⾛り回ったり遊び回れる遊具を⽤意した「あそビバ」
今年は開園直前スペシャルとして無料で⾏う「キャンプ(焚き⽕や BBQ もできます!)」
恐⻯たちが潜む!?森の中を乗り物に乗ってガイドと共に進む「恐⻯探検ツアー」
VIVA LA ROCK でも⼤好評、⼦供も⼤⼈もティラノでランランランな「ティラノサウルスレース」
楽しく優雅に⾃分を磨いてみましょう!「ヨガ体験」
ペットと⼀緒に遊びにきて下さい、「ペットランド(ドッグランのようなスペースです)」が待ってます。
フェス飯街もありますが、今回は⾃分なりに考え抜き、ある「コンセプトご飯」を提供することにしました。フェス飯としては斬新、だけど極めて⽇常的なご飯を⽤意します。
タイムテーブルの発表時に、各種ワークショップの詳細、およびフェス飯出店の詳細も発表します。この辺りのことも含めて全てをクイックにみんなに共有していただくために、アプリをこのタイミングからリリースしました。まだチケットを購⼊していない⽅も含め、ご興味ある⽅はどうかインストールしてください。
【iOS】https://apps.apple.com/us/app/id1618358146
【Android】https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.tokyoisland
⾳楽の新しい楽園を⽣み出したい。ファミリーや友達同⼠で⼀⽇中楽しんで過ごせる時間を⽣み出したい。都会のオアシスのような巨⼤で便利な場所にある公園にて体験できる特別な何かを描きたい。東京の新しい可能性や開放感を描きたいーー。この国においてフェスは⽇常になりましたが、その⽇常を超える「⾮⽇常ではなく超⽇常」を、TOKYO ISLANDは夢⾒て始めました。まだまだ道半ばの中での 3 度⽬の開催になりますが、どうかこの夢を⼀緒に描き上げてほしいと⼼から願い、全⼒で準備&開催します。
10 ⽉ 12 ⽇、13 ⽇、14 ⽇、未だ通常は誰も⼊れない「海の森公園」にて TOKYO ISLAND 2024 はあなたを待っています。
そうそう、10 ⽉を前にして恒例のプレイベント「草刈って乾杯!」を 9 ⽉ 14 ⽇に会場にて⾏います。海の森公園ってどんな? と思われる⽅など、是⾮⼀度体験ください。これ、楽しいですよ。ご家族でお越しのパパとママが草を刈っている間は僕がお⼦さんと遊んでますので、安⼼ください。
イープラス:https://eplus.jp/tokyoisland-pre/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/tokyoisland-pre/
⿅野 淳(TOKYO ISLAND キャプテン)
▼イベント情報
"東京都海の森倶楽部会員事業 TOKYO ISLAND 2024"
10月12日(土)、13日(日)、14日(月・祝)海の森公園 森づくりエリア
開場 9:00 / 開演 11:00予定
■出演アーティスト
10月12日:KANA-BOON / G over [NEW] / 四星球 / SCANDAL / BIGMAMA / BREIMEN / Base Ball Bear / THE BAWDIES / MAZZEL [NEW] / 森 大翔 / Lucky Kilimanjaro / WATWING
10月13日:打首獄門同好会 / 大森靖⼦ [NEW] / ZAZEN BOYS / シシド・カフカ directs el tempo / SPARK!!SOUND!!SHOW!! [NEW] / the telephones [NEW] / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / Mr.FanTastiC / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY and more
10月14日"androp 15th Anniversary day":androp / ACIDMAN / キタニタツヤ / 9mm Parabellum Bullet / Saucy Dog / SHE'S / ストレイテナー / BLUE ENCOUNT / UNISON SQUARE GARDEN / 凛として時雨 / wacci / androp ISLAND Session [NEW]
[チケット]
1日券 ¥12,000(税込)
2日券 ¥22,000(税込)
3日券 ¥30,000(税込)
■チケット先着受付中
イープラス|チケットぴあ
■WEBサイト:https://tokyoisland.tokyo
■X:@tokyoislandfes
■Instagram:@tokyoisland__official
■YouTube:https://www.youtube.com/@tokyoisland
■Facebook:https://www.facebook.com/tokyoislandfes
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圧倒的な独創性とエネルギーで身体と精神を揺さぶる、凄まじいアルバムが完成した。怒りや愛、渦巻くカオスな感情を、ロックにデジタル・ハードコア、ダンス・ミュージック、宗教音楽すらも取り込み、スサシの世界として聴き手に提示する。ただでさえ強烈な個性を放つバンドなのに、客演もアサミサエ(Wienners/Vo/Key/Sampler)、あやぺた(Dizzy Sunfist/Vo/Gt)、高岩 遼(SANABAGUN./Vo)と多彩で、それぞれが爆発のような化学反応を生んでいる。"音を樂しむ"と書いて"音樂"。本作のタイトルはそう名付けられた。いい作品を作るために、時にはバンドという形態にもとらわれず、時には客演を招き、独自のアートを創り出す。誰よりも音楽の力を信じ、音楽を楽しんでいるのは、スサシ自身なのかもしれない。(宮﨑 大樹)
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初の全国ワンマン・ツアーを完遂したスサシの新たな一手はBOOK仕様のシングルCD。サウンド、ヴィジュアル、ライヴ映像の全方位でスサシの世界観を表現する。音源として収録される新曲「HAPPY BIRTH DIE feat. 原田ちあき」は、2021年世界的なムーブメントになりそうなヒップホップ×トランスによるアバンギャルドなトラックに、イラストレーター 原田ちあきの声をサンプリングした不気味キュートなナンバー。楽器隊の演奏は一切ないが、かっこ良ければなんでもありなスサシならではの攻め方だ。Margtがデザインを手掛けた52Pに及ぶブックレットには悪ふざけとアートが交錯するカオティックな1冊に仕上がった。今作を見れば、スサシのすべてがわかる、はず。(秦 理絵)
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アニメ"アクダマドライブ"のOP曲、書き下ろしのニュー・シングル。推進力のあるビートと重低音、縦横無尽に飛び交う電子音が圧倒的な疾走感で駆け抜ける。スサシの真骨頂とも言えるデジタル・パンクがより洗練され、アニメとの相性の良さも感じさせる1曲。"悪"をテーマにしたアニメに寄り添い、歌詞には正義を強要する現代社会への疑問も滲ませた。カップリングには9月に配信リリースしたEP『スサ死 e.p.』収録の「ゆーれい」のリミックス「Yurei(stei remix)」を入れたほか、アートワークはPERIMETRON所属のクリエイティヴ・ユニット Margtが担当。あらゆるジャンルを蹂躙するだけでは飽き足らず、最先端のクリエイターと融合して、新たな"スサシの違和感"を提示する。(秦 理絵)
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鳴らす音楽は違うものの、その"ヤバさ"と"イマ感"は大いに共通するところがあるENTHとSPARK!!SOUND!!SHOW!!がタッグを組んだ5曲入りのスプリット・アルバム。2バンドの共作曲「#ワイタイスカッ」は、いつもはそれぞれのベクトルに向かっているエッジとユーモアが交差し、(歌詞も含めて)ぶっ飛んだ仕上がりになっている。他にも、お互いのメンバーをフィーチャーした楽曲あり、それぞれの新曲もあり。バチバチ戦うだけではない、楽しく慣れ合うだけでもない、危険物質の配合を変えながら次々と化学実験をやっちゃって、めくるめく新しい世界を差し出してくる、みたいな、昨今のロック・シーンでは貴重とも言えるスプリットならではの醍醐味が炸裂した1枚になっている。(高橋 美穂)
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ジャンル分け不問の変幻自在ロックで、全国のライヴハウスを席捲するスサシ。攻撃的なライヴ・アンセムに焦点を当てた前作アルバム『火花音楽匯演』から1年3ヶ月ぶりとなる新作は、"作品の統一感"という概念を一切取っ払った混然一体のキメラ的なアルバムになった。機関銃みたいな勢いで加速する「GODSPEED」を皮切りに、YUKITERO(空きっ腹に酒/Vo)やKAITO(Paledusk/Vo)と共にかのヒット曲をダーティにネタにした「ヘビーローテンション」、Creepy NutsのR-指定を招いたキャッチーな「Swinga!」に加えて、オルタナティヴR&Bまで包括。やりたい放題で駆け抜けた最後の最後に、バンドへの想いをストレートに託した「ソウルナンバー」で胸が熱くなる。(秦 理絵)
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ラウドロックを軸にしながら、ヒップホップやレゲエ、ニュー・ウェーヴなど、様々なジャンルを取り入れた、ポップでハードコアなロックを鳴らす4人組 SPARK!!SOUND!!SHOW!!による初のフル・アルバム。昨年3月にキーボードのタクマが加入して以降、より精力的な活動を見せている彼らは、Creepy Nutsの最新アルバム『クリープ・ショー』で自身の楽曲がサンプリングされるなど、ジャンルレスなアプローチが大きな注目を集めている。ヘヴィなダンス・ロックがやがて盆踊りの狂騒へと発展する「OEO」、トラップ・ミュージックと民謡を融合した「無愛愛」など、予測不能な音に翻弄される全11曲だが、開放的なサウンドに乗せた「アワーミュージック」が、音楽への愛情が溢れていて素晴らしい。(秦 理絵)
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バンド名からしてハイテンションなパリピ感がムンムンに伝わってくる大阪発の4人組バンド、SPARK!!SOUND!!SHOW!!。略して、スサシ。男女ツイン・ヴォーカルのスピーディなラップで駆け抜けるライヴ・チューン「ラクラクシット」が入り口だが、曲が進むにつれて、パンク、レゲエ、シティ・ポップ、メタルなど、次々に顔を出す雑多な音楽性は、まさにジャンルのブラックホール。都会的なサウンドにオシャレ気取りな若者をシニカルに綴った「urban kill」から、踊れるロックンロール「プールサイドスーサイド」、江戸の情緒をハイパーなパンク・チューンに仕立てた「GO YOU DIE~御用だ~」、甘いクリスマス・ソング「聖☆夜」に、電波系ファンキー・ポップ「Fat,go fast!」まで。常識外れの密度で攻める6曲は中毒性高し。 (秦 理絵)
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『cocoon』以来約3年9ヶ月ぶりのフル・アルバム。タイトル"effector"は、それぞれの曲がなんらかの効果をもたらし、聴く人の生活を変える役割として使われてほしいという想いから付けられた。「Moonlight」や「SuperCar」といった煌びやかでポジティヴな色の曲、ネガティヴな感情も露わにする「Know How」、チルで心地よい「Lonely」など全14曲。揺れ動く時代を生きるなかで誰かに言ってほしかった言葉、大切なことに気づかされる鋭い言葉もあり、希望に溢れた思いにも、誰にも言えずに抱えていた暗い気持ちにも寄り添い、心に響いてくる作品だ。革新的なサウンドで聴き手に衝撃を与え続けてきた近年のandropを総括する内容でもあり、2021年必聴の名盤と言っていいはず。(三木 あゆみ)
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前作『daily』から約2ヶ月ぶりのリリースとなる今作は、高橋一生と川口春奈のダブル主演映画"九月の恋と出会うまで"の主題歌を表題に据えたシングル。映画の登場人物たちのまっすぐな想いに背中を押されて完成させたという表題曲「Koi」は、一途な恋心をストレートに描き、大切な人への強い想いを歌い上げたドラマチックなラヴ・ソングだ。彼らがこれほど王道なラヴ・ソングを作るのは意外だったが、もし作るとしたらこんなふうに、どこまでも純粋で嘘偽りのない恋を映し出すのだろうと思っていた。カップリングの「For you」は、日本郵便"ゆうパック"のタイアップ・ソング。ダンサブルでエレクトロな横ノリの打ち込みサウンドは、常に挑戦を続ける彼らの最新型とも言えそうだ。(三木 あゆみ)
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デビュー10周年イヤーに突入したandropの新作。前シングル「Hikari」も含めた今作には、節目を迎えるに相応しい6曲が揃った。R&Bの雰囲気を感じられる「Blue Nude」とリラックスしたテンポのダンス・ナンバー「Saturday Night Apollo」は、これまでにない新機軸。ストレートな言葉を紡ぎ、切ない愛を揺れるブランコに重ねたバラード「Blanco」では、ノスタルジックなメロディに胸がきゅっと締めつけられる。アルバム最後に収録されたリード曲「Home」は、大切な人に向けて伝えたいことが詰まった温かい曲。タイトルのとおり、きっと聴く人の心の拠りどころになるだろう。全体的にBPMを抑え、よりメロディを強めた、心に染みる楽曲が並んだ傑作。(三木 あゆみ)
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表題曲は、フジテレビ系のメディカル・ヒューマン・ドラマ"グッド・ドクター"の主題歌。サウンドはピアノやストリングスが主体となって繊細さや彩りを表現し、ギター、ベース、ドラムは一歩下がったアレンジながらも、メリハリとダイナミクスをつけて楽曲に表情を与えている。透明度の高い内澤崇仁(Vo/Gt)の歌声は、ひとつひとつの歌詞を時に優しく時に力強く、そして大切に紡いでいく。暗いトンネルを進んだ先に見えるような希望を思わせる優しい"光"を描くこの曲は、感動的な人間ドラマを描き上げる"グッド・ドクター"との親和性もばっちりだ。c/wには、よりシンプルなアレンジで内澤の心地よい歌声をじっくりと味わえる表題曲の"piano TV ver."と、2018年6月に行われたライヴの音源を早くも収録。(大木 優美)
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2018年のリリース第1弾に相応しく、新たなサウンドを大胆にアピールするニュー・シングル。映画"伊藤くん A to E"の主題歌でもある表題曲は、演奏そのものは疾走感に満ちたものながら、シンセ・サウンドとダンス・ビートを加えたところにバンドの新たな方向性が感じられる。アンセミックに作り上げながらも、耳に刺激的な音色が、歌に込められた必死の想いをさらに強いものにしている。一方、c/wの「Ao」はホーンやグロッケンシュピールが賑やかに鳴るオーケストラルなポップ・ナンバー。初めの一歩を踏み出す勇気を華やかなサウンドが祝福。ここしばらく生音のバンド・サウンドを追求していたandropは、新たな挑戦に取り組み始めたようだ。この2曲がリスナーに期待させるものはかなり大きい。(山口 智男)
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話題のヒップホップ・ユニット、Creepy Nutsとandropがともに作り上げた(アンチ)サマー・アンセム。2016年10月にリリースした『blue』で人間のダーク・サイドに対峙したあのandropがと考えると、その振り幅に驚かされるが、レゲエに挑んだ「Sunrise Sunset」も含め、音楽的な収穫はかなり大きい。アンセミックなサビは彼ららしいと言えるものだが、R-指定によるラップ・パートはDJ松永にトラックメイキングを任せたことで、andropはこれまでにないファンキーな演奏にチャレンジ。映画"2001年宇宙の旅"で有名な「ツァラトゥストラはかく語りき」のフレーズをサンプリングするという初めての試みとともに、今回の収穫が今後の曲作りにどう反映されるかが楽しみだ。(山口 智男)
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前回のリリースから7ヶ月ぶりとなるニュー・シングル。その前作『blue』で人間のダーク・サイドと対峙することに振り切ったandropが、表題曲では再び煌めきに満ちた未来を歌い上げている。何かが大きく変わったわけではないが、それでもどこか新しいと感じられるのは、演奏から芯の強さが感じられるからだろうか。内澤崇仁(Vo/Gt)によるゆったりとした歌も聴きどころだ。その他、前へ前へと突き進む演奏が焦燥感を駆り立てる「Ryusei」(ギターがUKネオサイケっぽい!)、映画"君と100回目の恋"の挿入歌「BGM」(シングル・バージョン)も収録。弾き語りで始まるフォーキーなバラードと思わせ、バンド・サウンドが加わる「BGM」は、マーチ風の演奏が面白い。3曲共にギターがキラキラと鳴る。(山口 智男)
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第1章の完結編だった『androp』から1年2ヶ月。第2章のスタートを印象づけるため、意識的に変化を求めながら作ったという6曲を収録したアルバム。ポスト・ロック、ダブステップ、シューゲイザーといった海外の先鋭的なサウンドを、日本語のギター・ロックに取り入れるという意味では彼ららしいと言えるものの、これまであえて描いてこなかった闇や人間の黒い部分を抉り出したような歌詞に挑んだうえで、これまで以上にライヴを意識したサウンドを求めたせいか、ナイーヴなバンドというイメージも含め、バンドの印象はここからかなり変わっていきそうだ。しかし、それもandrop。変化したというよりは、これまで時折、見せながら隠し持っていた牙をさらに研ぎ澄ましてきたといった方が正しいかもしれない。(山口 智男)
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キラキラしたサウンドと爽やかなメロディの組み合わせが炭酸飲料のCMソングに相応しいTrack.1「Yeah! Yeah! Yeah!」でこれまで通りandropらしさを印象づけてからは意外性と驚きの連続の4thフル・アルバム。これまで避けてきたというリフを軸にしたアレンジやフュージョンの影響も取り入れながら、彼らがここでアピールしているのは、格段に幅が広がったandropらしさだ。音の作り方や音の録り方にこだわりながら、そこから浮かび上がる、ぐーんと骨太になったバンド・サウンドも聴きどころ。精力的にライヴを重ねてきた成果だろう。結果、打ち込みのサウンドの比重は減り、ラストの「You Make Me」もシンセをバキバキ鳴らしながらSKRILLEXも真っ青のダブステップ・サウンドに人力で挑む!(山口 智男)
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フジテレビ系のドラマ"ゴーストライター"の主題歌「Ghost」に「Answer」と表題曲の"strings version"をカップリングした7ヶ月ぶりのニュー・シングル。「Ghost」はアンセミックだった前作「Shout」から一転、ピアノのループとストリングスも使って、メランコリックに仕上げながらドラムの音色を強調した音作りがダブステップを思わせるなど、ありがちなバラードで終わらせないところがサウンド・メイキングにも意欲的に取り組んできたandropならでは。一方、「Answer」はandropが同時に生粋のライヴ・バンドでもあることをアピールするラウドロック・ナンバー。メンバー4人が取っ組み合うような激しい演奏は文句なしにかっこいい。両極端な2曲がバンドの魅力をダイナミックに描き出す聴き応え満点のシングルだ。 (山口 智男)
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1万人の大観衆を熱狂させた国立代々木競技場公演から約5ヶ月。andropが完成させた5thシングル。自分たちの音楽を、もっともっと多くの人たちに叫んででも届けたいという想いを、ギミックを使わずに生身のバンド・サウンドで表現した「Shout」「Run」「Alternative Summer」の計3曲を収録。TVドラマ"家族狩り"の主題歌でもある表題曲はアコースティック・ギターの弾き語りバラードと思わせ、バンド・サウンドに転じるアレンジが、よけいな音を削ぎ落としたうえで4人だけの音をストイックに追求したバンドの姿をダイナミックに描き出す。サンバ調のリズムが新しい「Run」、変拍子で観客をノセることに挑んだ「Alternative Summer」はともに新たなライヴ・アンセムの誕生を予感させる。(山口 智男)
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"これがandrop"とメンバーが胸を張る3rdフル・アルバム。ライヴ・アンセムの「Voice」、壮絶な想いを歌ったバラードの「Missing」といったシングルも収録。それらがエレクトロも使う現代のギター・ロック・バンドという従来のandrop像を印象づける一方で、ヘヴィ・ロック、シンセ・パンク、ジャンク・ロック、ジャズといった意外性の連続とも言える曲の数々がバンドの劇的な進化をアピールしている。そういう、ある意味過激な試みが決して内向きにならず、前作よりも前向きかつオープンマインドに感じられるのは、ライヴでファンのみんなと分かち合うことを意識した結果。ハイトーン・ヴォイスで歌うandrop節とも言える美しいメロディはもちろん健在。前作からわずか1年3ヶ月。彼らはものすごいスピードで進化を遂げている。(山口 智男)
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シングルにバラードを選ぶなんてちょっと意表を突かれた。しかし、考えてみれば、バラードも確かにandropの持ち味の1つ。美しいメロディと胸を締めつけるような歌の世界観を生かすことを考えた正攻法のアレンジながら、弾き語りがダイナミックなバンド・サウンドに変化する展開はまさにドラマチック。サビで聴かせる今にも壊れそうな心を表現したような内澤崇仁(Vo/Gt)のファルセットも聴きどころだ。因みに北川景子と深田恭子がW主演するホラー映画『ルームメイト』の主題歌でもある(ちょっと意外?!)。カップリングの「Melody」はエレクトロニックな音色も使ったトリッキーなアレンジを閃かせるandrop流ダンス・ナンバー。新たなライヴ・アンセムになりそうな予感。ぜひライヴで聴いてみたい。(山口 智男)
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androp史上最もアンセム度の高い名曲が誕生した。androp節を思わせながら、シンガロング必至の"オー、オー"というコーラスの効果なのか、どこまでもオープンな印象がある。高揚した気持ちが曲とともに大空へ舞い上がって行くような感覚が心地いい。ぜひ、これはライヴで聴いてみたい。だからって、単純にライヴのサウンドをスタジオで再現したわけではない。彼らがこれまで追求してきたダンサブルなサウンドとオーガニックなバンド・サウンドを巧みに掛け合わせ、アンセミックに昇華させた斬新なサウンド・プロダクションにも耳を傾けたい。カップリングの「UtaUtai no Karasu」はモダンなR&Bの影響も窺えるアコースティック・バラード。「Echo Boy」はアコギの弾き語りナンバー。「Voice」をはじめ、それぞれに違った魅力が楽しめる3曲が収録されている。(山口 智男)
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今年リリースした2枚のシングルの収録曲も含む全15曲を収録した2ndフル・アルバム。自分の音楽生命を賭けてもいいとメンバーが語る作品に対して、こんなふうに言うのはちょっと気が引けるのだが、2枚のシングルで印象づけた野心的なサウンド・アプローチをさらに推し進めたことを思わせる曲の数々を聴くことは、音楽ファンにとって至福以外の何物でもない。andropらしいナイーヴなギター・ロックとバラードに加わったニュー・ウェイヴやエレクトロニカの手法を使った曲は、コアな音楽ファンにもアピールするに違いない。その一方ではTHE BEATLESにまで遡ることができるパワー・ポップやアコースティック・ギターの弾き語りも披露。そういう多彩な曲をひとつのイメージにまとめる美しいメロディと歌声こそがandropの真骨頂。初回限定盤に付くLIVE DVDには今年3月31日に行われたワンマン・ライヴの映像が7曲収録されている。(山口 智男)
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前回の両A面シングルに続いて、シングルというフォーマットを、巧みに自分たちの表現の手段、あるいは一貫した流れに取り入れたことを窺わせるtriple A-side single。光の三原色というテーマの下、ダンス・ミュージックにアプローチしつつ、バンドが新たにアグレッシヴなサウンドを手に入れたことをアピールする「Boohoo」、疾走感が痛快な「AM0:40」、ノスタルジックなアコースティック・ナンバーの「Waltz」というそれぞれに印象的な3曲を収録。バンドの最新モードを表現した3曲とのことだが、劇的に進化を遂げているandropの一瞬を切り取った3曲と受け止めるべきなのだろう。ナイーヴな歌を支える思いの外、強靭なバンド・サウンドも大きな聴きどころだ。(山口 智男)
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昨年9月にリリースした1st full album『relight』が現在も売れつづけている4人組、andropによる2012年のリリース第1弾は、バンド初のシングルだ。浮遊感あふれるピアノをフィーチュアしたダンス・ナンバーの「World.Words.Lights.」とドラムが暴れまわるアグレッシヴなギター・ロック・ナンバーの「You」。印象があまりにも対照的な両A面扱いの2曲は、そもそもは1曲になるはずだったというところがおもしろい。そのせいか、くり返し聴いていると、全然違う2曲が1つに溶け合うような錯覚にとらわれる。同時リリースの1st DVD『LIVE DVD "angstrom 0.3 pm" @SHIBUYA-AX』は、昨年5月28日のSHIBUYA-AX公演を収録。映像と照明を駆使した彼らのライヴの魅力を堪能できる。演奏の熱気をストレートに伝える映像も見ごたえあり。(山口 智男)
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ライヴへの厳しい制限があった最中に会場限定CDを販売するなど、コロナ禍でも挑み続け"バカみたいに踊れる空間"を届けてきたテレフォンズの集大成的アルバムが完成。世の中のピリついたムードに反し、英語でのダラっとした会話から「Adventure Time」が始まると、次第に悩みや邪念は消え去り、ひたすら音楽に没頭しろと歌う「Feel bad」に後押しされ、気づけば何も考えずダンサブルなビートに身をゆだねている自分がいる。今までとはひと味違うサウンドがきらめく「Yellow Panda」やチャイナ感漂うクセの強い1曲「Whoa cha」など、中毒性抜群の楽曲が空っぽになった頭をぐるぐる回って離れない。息の詰まる日々から"Come on!!!"と誘い出し、非日常な世界へと導く渾身のダンス・ナンバー10曲。(中尾 佳奈)
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2018年よりライヴを中心に活動を再開していたthe telephonesが、約5年ぶりにリリースするフル・アルバム。今やそれぞれ他にも活動の場を持っている4人。全体的に曲の自由度が上がっている(「New Phase」は特に実験的)のは各々の度量が大きくなったからと思われるが、そのうえで、バンドの根底にあるUKロックからの影響が滲み出てきている点が興味深い。歌詞でも、プリミティヴな気持ちを大切にしつつ、新たな世界へ挑む姿勢が綴られている。それにしてもダンス・チューンをずっと演奏してきたバンドだけに、どの曲も気持ち良すぎるし、リズムのメリハリのつけ方がそこらのバンドとは全然違う。お家芸を正面切って披露する頼もしさも5年で腹を括れたからか。(蜂須賀 ちなみ)
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9月にはPOLYSICSとヨーロッパ・ツアーを行ったthe telephones。彼らと言えば"DISCO!!""踊れるロック"というイメージが真っ先に浮かぶが、基盤にあるのは踊れるロックの奥にあるUKロックからの影響だ。"DISCOの向こう側"へ我々を連れていってくれた彼らが今回突きつけてくれたのはバンドの根幹とも言えるその部分。曲名だけ見るとゴキゲンなナンバーだが、シリアスに鳴り響くシンセ、若干の倦怠感を醸し物悲しく鳴り響くギターは時折牙を剥き、空間を繋ぐベースもクールに響く。なのに思わず踊り出したくなる、歌い出したくなる、という美しい矛盾の手ほどきはまさしくDISCOを凌駕するスケール感だ。キャリアを重ねるごとに前進し続けるthe telephonesの現在位置を見せつける。(沖 さやこ)
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音楽への感謝という切実な思いを"踊るロック"に昇華していたテレフォンズが、いよいよ"踊るロック"からも自由になったことで、よりロックの自由を手に入れた。シングル以上にブッといグルーヴで聴かせる「Keep Your DISCO!!!」、AIR JAMリスナー世代若手代表的なファストな8ビート「Pa Pa Pa La Pa」、和テイストと汎アジアっぽいメロディの「Odoru〜朝が来ても〜」の新ヴァーション、はやりのシンセ・ポップの1枚上をいく「90's Drama Life」、そしてドラムのセイジの歌の初出しも嬉しい「Four Guys From Saitama City」などなど、メンバー4人の笑顔、バンドの状態の良さがダイレクトに伝わる全12曲。これまでの石毛の美意識が"泣きながら踊る"なら、今は"笑い泣きしながら踊る"イメージだ。 (石角 友香)
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the telephonesのフロント・マンにしてコンポーザーでもある石毛 輝の、前作から約1年半ぶりのセカンド・アルバムが完成した。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、ピアノ、シンセ等全てを手掛ける才能にも脱帽するが、何よりもメロディ・センスが素晴らしい。歌声は味付け程度に抑えられていて、主役はとにかく音。電子音と生楽器とのバランスが絶妙で、とても耳触りが良い。自ら録音したという自然音も随所で聴こえてきて、神秘的で癒しの効果を生み出している。クラシック・ミュージックのメロディの一節が流れてくるのも印象に残るが、あくまで楽曲の一部として上手く融合されているのがとても効果的だ。もっと聴いていたいと思わせるほどに良い意味であっさりと聴き終われるので、the telephonesが苦手という人にもぜひ聴いてほしい作品。(石塚 麻美)
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石毛輝といえば、髪を振り乱してつんざく高音のシャウト!the telephonesでは、フロアをかき乱す底抜けにハッピーなサウンドとは裏腹に、諦めや嫌世感を含んだ言葉を吐き捨てる。対照的に個人としての"石毛輝"による本作は、より柔和で主観的な内面が滲み出ている。トライバルなサウンドが広がる「Machu Pichu」に始まり、まさにタイトル通りの内省的な感情世界が展開されていく。キラキラとチープでアッパーなサウンドと、シンプルでアンニュイな作りの音がふわふわと重なり合い、明け透けに率直な歌詞が独特な厚みを生む。攻撃的で圧倒的な立ち振る舞いを見せるthe telephonesと、その影で守られてきたナイーブな少年の姿。the telrphonesで見せる闇と石毛輝の光。この二つは相反するようで、密接に結びついている。圧倒的なカリスマがふとした瞬間に見せる素顔。そこに人は惹かれるのだ。(山田 美央)
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とにかく「現時点でのthe telephones の持ち球全部見せました!」な豪華盤。ここには彼らが過去作で掲げてきたデカイ言葉の全てが当てはまる。「LoveとDISCO」があるし、「DANCE FLOOR MONSTERS」にも成り得る。何よりも、ナカコーの手によって彼らのロマンティックが全開となった『A.B.C.D.e.p.』でみせた、the telephones的涙線刺激ポイントが冴えまくっている。ここでいう涙線が刺激されるとは、疼くことであり、徐々に高ぶっていくということ。もうここにあるのは「CLASHED MIRROR BALL」という破壊的狂喜乱舞ではない。パンクの破壊力と常にマックスのテンションで、フロアを盛り上げ倒すだけではないのだ(勿論、彼らにはそれは不可欠であるが)。彼らはようやくミラーボールを回しだした。叫ぶのでなくシンガロングを、モッシュでもダイブでなくダンスを、ということ。(島根 希実)
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快進撃を続けるthe telephonesから元SUPERCARそしてご存知iLLとしても活躍するナカコー初プロデュースによるニューEPが届いた。本来のthe telephonesが持つアグレッシヴさやポップな感性はそのままに、サウンドがグッと引き締まっており且つとてもロマンティックな仕上がりだ。また音の輪郭がはっきりとしておりダンス・ミュージックとし捉えても完成度が高い。ナカコー初プロデュースという事も驚きだったが、この組み合わせは面白いしとてもいい化学反応を生み出したことに違いない。2009年もツアー、リリースと駆け抜けた彼らだがまだまだ勢いは止まらない。来月にはセルフ・プロデュースによるEPもリリース。この次作EPは生楽器を多用したものになるとのこと。こちらも楽しみだ。(遠藤 孝行)
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2008年、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、トップ・シーンまで駆け上がったTHE TELEPHONESがついにメジャー1stフルアルバムを発表。インディ時代の代表曲「Urban Disco」「HABANERO」を加えたこのアルバムは今年の日本のロック・シーンを代表する一枚になるだろう。ミラーボールとディスコをキーワードに、80'sシンセ・サウンドと切れのあるラウドなギターが暴れまわり、石毛輝のハイトーン・ヴォーカルは、シンプルだが、とても大切な言葉を僕たちに投げかける。凄まじい熱量が詰め込まれた、新たなポップ・スタンダード。Dance Floorを狂喜の笑顔で満たす「THE TELEPHONESの夏」がやってくる。(遠藤 孝行)
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メジャー・デビュー7周年を記念した初のセルフ・カバー・アルバム。様々な世代のアーティストへの提供曲だからこそ表現し得た、大森靖子の多彩なペルソナが飲み込める。敬愛する道重さゆみへの提供曲のカバーが最も多く、女性アスリートなど、著名な存在の何にシンパシーを感じるのかが綴られた「WHO IS BABY」ほか3曲。相坂優歌へ提供した「瞬間最大me」は、神聖かまってちゃんのの子(Vo/Gt)をゲストに迎えたハイパーポップがふたりらしい。提供曲でも女性、人間、愛、命という主題を突き詰めていることに驚嘆。また、昨今の時世を映すYouTube番組"街録ch-あなたの人生、教えてください"の主題歌に書き下ろした「Rude」の、荘厳なアレンジと歌唱に圧倒される。尊厳とは何かを自分の心に問う作品。(石角 友香)
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割れたり欠けたりした陶器などを接着し、継ぎ目を金で飾る修復方法を"金継ぎ"という。ばらばらになった気持ちや絆を痛みながらサヴァイヴする人に対し、もとあったものを生かしつつ前よりも美しくしたい、そんな想いで制作された本作。特に印象的だったのは英語詞(!)で先行配信された「NIGHT ON THE PLANET」(本作には日本語で収録)。大沢伸一(MONDO GROSSO)編曲によるシンセを軸とした壮大で重心の低い音作り、"夜のどん底"から遠い星を仰ぐような世界観に、憑りつかれる感覚を覚えた。心の澱を叩きつける声色のみならず、虚無感を孕んだファルセットの威力もすごい。さらに彼女を慕う橋本 愛が熱を持った歌で参加した「堕教師」も注目で、多様な作編曲陣のカラーも映えた渾身の作となった。(稲垣 遥)
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今年メジャー・デビュー5周年を迎えた大森靖子による5つの記念企画の第3弾。彼女の人生を変え、彼女を成型した道重さゆみに続いて、今回は峯田和伸(銀杏BOYZ)を迎えての「Re: Re: Love」。これは大森から峯田へのラヴ・レターでもあり、究極を言えば、歌う他に生きるすべのないふたりのアーティストの生き方を、このふたりにしかできない命の燃やし方で表明したロックンロールでもある。"運命の人によって生き延びた命"がこのタイトルの意味するところではないだろうか。c/wには、アニメ"ブラッククローバー"OPテーマで、ソリッド且つヒリヒリする感覚をキャッチーに落とし込んだ「JUSTadICE」、"推しに対する愛ってこんな感じでは?"と思しき弾き語り曲「めっかわ」を収録。(石角 友香)
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大森靖子の表現にはライヴと音源で乖離がある。"人間の業と性を炙り出す叫び"という根本は同じだが、それを全身全霊で体現するライヴと違い、音源の場合、世界を変革せんとする扇動者としての側面から、彼女はその叫びをかなり戦略的にまとめ上げている。メジャー進出以降、この乖離はより大きくなった。メジャー1stフルとなる本作において、彼女の本領が最も発揮される弾き語りの楽曲がほぼ封印されている点から見ても、それは明らかだ。彼女の才能があれば、その"役割"から降りることで、本作より数倍すさまじい音楽作品を作ることは可能だろう。いち音楽好きとして、そこに歯がゆさを感じていないと言えば嘘になる。しかし、僕は賭けたい。この時代に"本質"を背負おうとする、彼女の孤独な優しさに、賭けてみたい。(天野 史彬)
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圧倒的な熱量と圧力を持ったシンセ・ポップ・サウンドの「きゅるきゅる」、聴き手を翻弄するかのようにコロコロと曲調を変えていくアクロバティックな打ち込み主体の「私は面白い絶対面白いたぶん」、ヒリヒリとした生々しい弾き語りの「裏」。3曲全てにおいて、1音1音がはっきりとした自我を持った"個"であるかのようにぶつかり合い、擦れ合いながら歪なノイズとポップなメロディを奇跡的なバランスで構築している。そのすべてを統制する大森靖子の歌は相変わらず哀しみと怒りと自嘲と慈愛をない交ぜにした響きをもって耳に届く。すべてが混沌としながら、しかし迷いはない。このメジャー・デビュー・シングルで大森は、人々の感情の集積地としての"ポップ・ミュージック"の役割を受け入れながら、不敵な笑みを浮かべている。(天野 史彬)
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衝撃的な傑作1stから9ヶ月という短いスパンで放たれる2nd。大森個人の内面から漏れ出す自我が多彩な音楽性と様々な記号を触媒にして赤裸々にぶちまけられた1stに対し、本作にはひとつの大きな指針がある。それは極端に言えば"みんなの大森靖子"たらんとすること。本作で大森はその普遍的なソングライティングと独創的なストーリーテリングの才を駆使しながら様々な情景、心情を映し出す。ここにあるのは大森ひとりの歌ではなく、街の歌であり社会の歌であり、あなたの歌なのだ。前作同様エレクトロ、バンド、弾き語りと多ジャンルを横断するが、プロデュースを担当したカーネーションの直枝政広は大森の表現者としての獰猛な野生を見事に生かしながら、そこに洗練と鋭さを与えている。すべてが圧倒的。傑作と言い切る。(天野 史彬)