2018年に結成15周年を迎える鶴のアニバーサリー企画第1弾作品。新たな試みとして、数々のアーティストへの楽曲提供、プロデュースでも知られる磯貝サイモンを起用。「低気圧ボーイ」を聴くと、冒頭のギターの不穏なフレーズ、立ち込める雲のようなベース、荒れ狂う空を思わせるドラムと、曲のテーマを演奏で表現するのが本当に得意なバンドだなぁと再認識。クランチな歪みでかき鳴らすギターも新境地を感じさせる。3人の珠玉のコーラスが堪能できる「Keep On Music」、ピアノをバックに秋野温(うたギター)が優しく歌い上げる「真夜中のベイベー」、ミディアム・テンポのどっしりしたサウンドを聴かせる「北極星」など、聴きどころが多い。"ゴールではなくスタート"であることを宣言する力強いアルバム。
2013年に立ち上げた自主レーベル"Soul Mate Record"からリリースする2作目のアルバム。ゲスト・プレイヤーなどを一切入れずに3人だけでレコーディングされており、首尾一貫ソウル・マナーに則ったメリハリのあるアレンジで楽しませてくれる。ユーモアと愛に満ちた言葉と共に届けられる「U.F.O」、「LoveLoveLove」といったノリノリなディスコ・サウンドがなぜこんなにも体に入ってくるのかというと、単純に"曲がいい"から。流行りの四つ打ちダンス・ロックとはそこに歴然とした差を感じるのだ。そのことを最も感じさせてくれるのが「Intro」に続く「Life is Party」。この"ゆったり感"は最高に心地良い。ロック・ミュージシャンを志す10代には、こういう作品をコピーすることで本物のロックを知ることができると思うのでオススメ。