Japanese
2019.10.19
SHE'S
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"SHE'S UNION Tour 2019"
10月19日(土)山形 ミュージック昭和Session
OPEN 17:00 / START 17:30
w/ パスピエ
[チケット]
前売 ¥3,800
[問い合わせ]
NorthRoadMusic 022-256-1000
VENUE INFORMATION
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Shepherd
SHE'Sが1年7ヶ月ぶり、6枚目のフル・アルバム『Shepherd』をリリース。本アルバムには、バンドにとって初のアニメーション映画への書き下ろしとなった楽曲「Blue Thermal」をはじめ、TBS系"王様のブランチ"テーマ・ソング(2022年4~9月)「Grow Old With Me」、軽快なカントリー調に仕上げたリード曲「Boat on a Lake」、打ち込みと生音が絡み合うアグレッシヴなピアノ・ロック「Raided」など、全11曲が収録される。また本作に収められた新曲は、全楽曲のソングライティングを担う井上竜馬(Vo/Key)がパウロ・コエーリョによる小説"アルケミスト 夢を旅した少年"から着想を得て制作されたようで、コンセプト・アルバムの趣もある意欲作になっている。
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SHE'S
SHE'S in BUDOKAN
'22年2月の日本武道館公演の模様を収めた、SHE'S初のライヴ映像作品。SHE'S 10年の軌跡と言うべき音楽的に豊かな楽曲群を表現する心のこもったバンドの演奏、そしてメンバーに"声を出してないはずやのに一緒に歌っているような感覚です。聞こえてくる。そんな感じがする"と言わしめた観客がともに作り上げたあの日の温かな空気が、純度高くパッケージングされている。メンバーが終始いい表情をしているのがたまらない。弦楽カルテット+ホーン隊含む11名編成で届けた22曲をMC含めノーカットで収録。結成10周年の集大成と呼ぶに相応しいライヴの模様をしっかりと記録したファン必携のアイテムだ。完全数量限定盤にはドキュメンタリー映像や全31曲のMVも収録。
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SHE'S
Blue Thermal
"ブルーサーマル"とは上昇気流の意味。航空部をテーマにしたアニメ映画"ブルーサーマル"の主題歌&挿入歌を収録した、2022年第1弾シングルだ。主題歌「Blue Thermal」は、まさに青く澄み切る大空が似合うブラス・バンドに乗せて、痛みを抱えながらも夢に向かう熱い想いが綴られる。"パーフェクトブルー"、"雲"、"気流"などアニメの世界観に寄り添ったワードを散りばめながら、そこにはバンド自身の在り方もくっきりと重なる。一方、挿入歌「Beautiful Bird」はホーリーなハーモニーで紡ぐ静謐なバラード。"君"の存在が"僕"を未来へと導くという歌詞は、これまでSHE'Sが多くの楽曲で歌ってきたテーマにも通じる。初の武道館ワンマンを経たSHE'Sの11周年の幕開けとなる1枚。
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SHE'S
Amulet
4thアルバム『Tragicomedy』に引き続き、傑作アルバムの到着だ。バンドの10年が詰まった「追い風」を発端に彩り豊かに展開する構成は、未来への広がりを感じさせるもの。ジャンルレスでいたいという考えを持つバンドだけに幅広いアプローチには納得だが、加えて、どんな人も完璧じゃない、しかしそれこそが個性だと謳う「Imperfect」でゴスペルを取り入れるなど、音と言葉がさらに密接な関係を結ぶようになった。ひとりでいる人に語り掛けるようなピアノの独奏から始まり、誰しもが抱える欠落を肯定する今作のタイトルは、"Amulet"=お守り。海外インディー・ポップ・シーンと共鳴する軽やかな音像、真摯な目線から綴られた言葉は、日々の灯となってくれる。
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SHE'S
追い風
"生きていく者だけに吹く 追い風"。そんな力強いフレーズが、痛みを背負いながらも懸命に生きる私たちの背中を押すSHE'Sのニュー・シングル。寂寥感を孕んだエレクトロな音の粒が、やがて華やかに開放されていく美しいサウンド・アプローチは、今年結成10周年を迎えるバンドがこれまで積み重ねてきたものが凝縮された1曲になった。ドラマ"青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-"の主題歌の書き下ろしだが、"いかに生きるか"を主軸にしたテーマはバンドとの親和性も高い。カップリングの新機軸となった味わい深いバラード「Mirai」、ステイホーム期間にファンと共に完成させたカントリー・ソング「In Your Room」も含めて、先の見えない未来に優しく光を照らすような3曲。
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SHE'S
Tragicomedy
ソングライターの井上竜馬(Key/Gt/Vo)が"心"そのものと向き合うなかで生まれた楽曲を収録し、"悲喜劇"の意味を持つタイトルを冠した4thアルバム。井上が直感的に制作したという楽曲たちは、これまでバンドが続けてきたジャンルレスなサウンド・アプローチにおける挑戦がさらに磨き上げた精鋭揃いだ。バンドの生演奏にプログラミングとストリングスを巧みに取り入れた楽曲や、ブラック・ミュージックの匂いをブレンドさせた楽曲などの2020年代的ミクスチャー・サウンド、トラックメーカー的アプローチなど自由でユーモアに富んだ音楽たちは、4人の感情や人間性と深く密接な関係にある。キャリアを重ねたことで得た成熟と純粋さを兼ね揃えた作品。来年の10周年を目前に、バンドの未来を切り開く気概に溢れている。
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SHE'S
Tricolor EP
3ヶ月連続リリースのデジタル・シングル3曲を含む全4曲収録のシングル。ヴァイオリン、ギター、リズムで作り出すラテン感のあるサウンドが特徴的な挑戦性の高い「Masquerade」、SHE'Sの真骨頂とも言うべきピアノ・ロックの中でもぬくもりと優しさに満ちた「Letter」、力強さと気品を持ち合わせたスケール感のあるエモーショナル・ナンバー「Your Song」と、SHE'Sがこれまで追求してきた大きな3つの特色を明確に示した楽曲が揃っている。3曲共通して生き方や人との向き合い方にフォーカスしたメッセージ性の強い言葉が並んだことで、より歌の力も増した。バンドの核心を感じられる組曲的作品に仕上がっている。
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SHE'S
Now & Then
2枚のシングルを経て完成させた"Now(=今)"と"Then(=あの時)"がテーマの3rdフル・アルバム。本作では、これまで彼らがチャレンジしてきたバラエティ豊かなピアノ・ロックに加え、「歓びの陽」とは異なる解釈でプログラミングやエレクトロ・テイストを取り入れた楽曲、アコギのリフを効果的に生かしたソウル・ナンバー、アルバム・アレンジが施された「月は美しく」など、様々なジャンルが持つポップネスを十二分に生かしている。インディーズ時代からスケールの大きな音作りを続け、メジャー・デビュー以降は様々な音楽性を積極的に取り入れながら、自分たちの音楽の可能性を広げ続けてきたSHE'Sの、ひとつの金字塔的作品と言っていい。より高みを目指す4人の健やかな音色を体感できる。
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SHE'S
The Everglow
約3ヶ月ぶりにリリースされるシングルは、挑戦的な楽曲が多かった前作と打って変わり、バンドの原点をパワーアップさせた3曲が揃った。表題曲はバンドの特色のひとつであるピアノとストリングスが描く華やかさと、バンドの力強さを掛け合わせた、ピアノ・ロックの進化版。サビのメッセージや湧き上がる想いを丁寧にサウンドにも落とし込んでいる。c/wの「Come Back」はソングライター、井上竜馬(Key/Gt/Vo)の憧れの存在であるELLEGARDENへのリスペクトを込めた楽曲で、「月は美しく」はジャズ・テイストのアプローチが新しい。3曲に共通しているのは堂々としつつもどこか肩の力が抜けたような軽やかさがあること。聴いたあとに残る幸福感もまた、「The Everglow」が歌う"永遠の輝き"なのかもしれない。
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SHE'S
歓びの陽
昨年、フル・アルバム2枚とミニ・アルバム1枚という脅威のペースでリリースを続けてきたSHE'Sが、約2年ぶりとなるシングルを完成。agehaspringsの百田留衣がプロデュースしたTrack.1は、打ち込みのトラックを大胆に取り入れ、"哀しみも傷跡もそのままでいい、無駄じゃない"と過去を肯定したうえで寄り添ってくれる、大きな温もりが感じられる1曲だ。Track.2はTVアニメ"アンゴルモア元寇合戦記"のEDテーマ。闘志を奮い立たせるような力強いビートとドラマチックなストリングスから幕を開け、サビでパッと開けるような明るいコード感が気持ちいい。Track.3は井上竜馬の歌唱とピアノ、そしてコーラスのみというシンプルな構成。優しくしなやかでのびのびとした歌声が、心地いい余韻を残してくれる。
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SHE'S
Wandering
今年2作目となるメジャー2ndフル・アルバムは、初の外部プロデューサーとして片寄明人(GREAT3/Vo/Gt)を、ゲスト・ミュージシャンとしてストリングス隊とホーン隊を招くだけでなく、マスタリングはBob DylanやBon Iverなどを手掛け、グラミー賞ノミネート経験もあるエンジニア Greg Calbiが担当という、ロック且つスタイリッシュな音像を作るには完璧と言っていいほどの布陣で制作された。もともと大きなスケールを持つ楽曲を作ることに長けているバンドだが、今回は勢いで突き抜けると言うよりはどっしりと構えたうえでパワーを発揮するサウンドスケープが際立つ。歌詞世界も過去2作と比較しても格段に視野が広がった。特に最後を飾る「Home」は、追い風が吹く彼らに最適な華やかさだ。
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SHE'S
Awakening
1stフル・アルバム『プルーストと花束』から5ヶ月という驚異のスピードでリリースされる7曲入りミニ・アルバム。初夏を意識して作ったという楽曲はどれも軽快なニュアンスが強く、太陽の光が似合うものが多い。エモーショナルな音像に横ノリのリズムを入れた楽曲や、軽やかなミディアム・ナンバーなどからもバンドも新しい季節を迎えていることがわかる。歌詞もTrack.2を筆頭に強い決意に加え大いなる自信が刻まれ、もっと前に進んでいくという意志がこれまで以上に強く表れたものになった。今回は珍しくコンセプトありきでの制作ではなかったらしいが、だからこそワンマン・ツアーで確かな手応えを感じ、上京し環境が変化したというリアルタイムのSHE'Sが太い軸になったアルバムを作ることができたのだろう。
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SHE'S
プルーストと花束
バンド史上初のフル・アルバム。タイトルにある"プルースト"とは"プルースト効果"のことで、とあるきっかけで無意識下の記憶が蘇ることを言う。コンセプチュアルな制作を得意とするソングライター/フロントマンの井上竜馬(Key/Gt/Vo)だが、今作はメロディの断片や歌詞の中の一言に導かれながら、記憶の中に眠っていた光景を蘇らせてひとつの曲にする、という試みの制作だったそうだ。シンセ、ホーンなどを入れた楽曲も見られ、ポップ・パンク×ピアノ・ロックという音楽性はさらに拡張。もちろん元来の音楽性を追求した楽曲もあり、Track.8はポジティヴなメッセージを堂々とまっすぐ届け、Track.10は美しく雄大な音像が眩しい。すべての曲にもっと大きく羽ばたこうとする意志を感じさせる。
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SHE'S
Tonight / Stars
6月にメジャー・デビューした大阪の4人組ピアノ・ロック・バンドが早くも2ndシングルをリリース。Track.1は"どれだけつらい過去も悲しい現実も、生きていないとそれを癒す歓びは待っていない。小さくなってしまったロウソクの灯りをどうか今夜も灯したままでいてほしい"という願いが宿る、静かでありながら確かな強さやポジティヴィティを感じさせるミディアム・ナンバー。煌びやかなピアノも夜空を彷彿とさせる。Track.2は初の書き下ろしドラマ主題歌。メジャー・デビューをしてさらなる高みを果敢に目指すバンドの姿が重なる、まさしくピアノ・ロック・バンドを体現する楽曲だ。ハードな側面を見せるTrack.3もピアノだけでなくオルガンを用いるなど、音色豊かで力強い。
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SHE'S
Morning Glow
メンバー全員1992年生まれの次世代ピアノ・ロック・バンド、SHE'Sのメジャー・デビュー・シングル。コンセプトは"過去、現在、未来"で、実体験をもとに綴られている。彼らのピアノ・ロックはポップ・パンクの音像とキャッチーなメロディと、クラシック・ピアノの融合。Track.1はそこに優雅なストリングスが入り、雄大な日の出のイメージを豊かに描いている。詞世界に重きを置いた音作りゆえに、すべての曲に情景が浮かび、ドラマ性も高い。海外のボーイズ・グループを彷彿とさせるTrack.2は都会的なポップスで、未来へ向かって飛び込んでいくという気持ちを歌ったTrack.3はライヴ映えすること間違いなしのパンク・ナンバー。これまでのリスナーも新しいリスナーも虜にする新章のプロローグだ。
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SHE'S
She'll be fine
井上竜馬(Key/Vo)をセンターに据えた大阪出身のピアノ・ロック・バンド、SHE'Sの3rdミニ・アルバム。エッジの効いたロック・サウンドとピアノの繊細且つ煌びやかな音色、そしてそれぞれの高い演奏力と表現力が相まって、壮大なファンタジーの幕開けのようなワクワク感を与えてくれる今作。Track.1の重厚なストリングスとメロディのキャッチ―さや、Track.3の増幅していくバンドのグルーヴ感、Track.6の突き抜けるサビの痛快さなど、サウンド面だけでも伝えたいことは山ほどあるが、何といってもTrack.7に込められた強い想いを感じで欲しい。彼らがここまで辿り着いた理由、そして彼らがこれからも奏でる理由。ひと言ひと言を大切に歌う井上の真っ直ぐな思いは、届かないわけがない。間違いなく次世代のシーンを担う彼らの渾身の1枚は、一聴の価値あり。
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パスピエ
more humor
パスピエというバンドの探求心は結成10年を越えてなお尽きない。『&DNA』からは約2年半ぶり、ドラマーの脱退を乗り越えて、新たなバンドのあり方を模索してきたパスピエの新体制後初となる5thアルバム。ダウナーなオルタナティヴR&Bに、包容力のあるメロディを乗せたリード曲「ONE」をはじめ、今作は、エレクトロなアプローチと生のバンド・アレンジとが、溶け合うように融合した革新的な1枚になった。"良し悪し見極めながらどこまでも繋いで行こう"と優しく手を差し伸べる「始まりはいつも」のように、大胡田なつき(Vo)が紡ぐ言葉にはこれまで以上の訴求力があるが、一方で数え歌のような「BTB」やまさかの1文字だけのタイトルの1曲「だ」など、パスピエならではのユーモアも健在。
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パスピエ
ネオンと虎
昨年のメンバー脱退を経て、『OTONARIさん』に続き、パスピエがおよそ半年ぶりにリリースするミニ・アルバム。タイトル"ネオンと虎"は、都会的で煌びやかな"ネオン"と、野性的で力強さの象徴でもある"虎"という相反するふたつのものを組み合わせた大胡田なつき(Vo)のセンスが光る。ドラムレスや打ち込みによる楽曲制作にもトライした前作から一転、スタジオ・ワークを中心に、一発録りでレコーディングしたという楽曲(「恐るべき真実」)も含む今作は、ニュー・ウェーヴやプログレ色を強く打ち出し、"バンド・パスピエ"とは何によって成り立っているのかを再確認するような1枚になった。早口で韻を踏みながら次々に展開していく「マッカメッカ」は、いまのパスピエが辿り着いた最高地点。
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パスピエ
OTONARIさん
今年5月にドラマーの脱退が発表されたパスピエが4人体制で完成させた初のミニ・アルバム。サポート・ドラムにBOBOと佐藤謙介を迎えたほか、ドラムレスな状況を逆手にとった打ち込みの楽曲も収録するなど、バンド最大のピンチをクリエイティヴな刺激に変えて、バンドのニュー・モードを提示する。"インターハイ2017"読売新聞CMタイアップとなった疾走感溢れる先行配信曲「あかつき」や、スリリングなバンド・サウンドに"これからも進み続ける"という意志を滲ませた「音の鳴る方へ」のほか、打ち込みによるリズム・アプローチにダウナーな世界観をのせた「(dis)communication」や「ポオトレイト」など、バンドの新機軸となる楽曲も収録。4人のパスピエの決意が込められたリスタート作。
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パスピエ
&DNA
バンドとは、それを構成するメンバーの貪欲な探求心さえあれば、どこまでも進化する可能性があることを教えてくれる。パスピエが5周年イヤーの決定盤としてリリースする4枚目のアルバム『&DNA』は、そんな痛快で希望に満ちた作品だ。初期パスピエのミニマムな質感と、バンド躍進期に獲得したダイナミクスの融合、さらに今作で初めて散りばめられたアコースティック・サウンドへのアプローチ。2016年にリリースした3枚のシングル表題曲を軸に、バンドがこれまでに積み重ねてきた揺るぎない世界観を、大胆に押し広げる意欲が随所に刻まれている。何より今まで以上にメンバーのルーツを大切にした作風から伝わる、肩の力が抜けたムードが良い。7曲目「マイ・フィクション」以降、次々に表情を変える新たな一面には、聴くほどにパスピエの深い部分へ導かれていくような快感があった。
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パスピエ
メーデー
メジャー・デビュー5周年を迎えるパスピエの7thシングルはバキバキのシンセサイザーがリードするアップ・テンポのナンバー。突然のテンポ・チェンジ、めまぐるしく変わる展開に、"あー面倒だ"と"アーメン神よ"、"あーメンソール"という言葉遊び、キャッチーなサビの爆発力まで、耳に残るエッセンスを詰め込んだ華々しい楽曲はアニバーサリーを祝福するに相応しい。極限まで広げたダイナミクスが収束するラストに至るまで演出過剰なパスピエ劇場は、もはやパスピエがジャンルの融合で語られる存在ではなく、バンド自体がジャンルだということを改めて感じた。カップリングの「月暈」は切ないメロディにクラシカルなピアノと歪んだギターが顔を覗かせるポップ・ナンバー。英語で"Moon Halo"と書く"月暈"をモチーフにして"ハロー ハロー"と繰り返す歌詞も大胡田なつき(Vo)らしい。
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パスピエ
永すぎた春 / ハイパーリアリスト
パスピエが改めてバンドの自己紹介をする年と位置づけた2016年の第2弾となる両A面シングル『永すぎた春 / ハイパーリアリスト』。バンドの真骨頂とも言える艶やかな和のテイストで作り上げた「永すぎた春」は、大胡田なつき(Vo)が日本人らしい繊細な感性で"人生の短い春"を儚く綴った。「ハイパーリアリスト」はゲーム音楽のようなシンセサイザーの音色が印象的なポップ・ソング。カップリングに収録された躍動感のあるロック・ナンバー「REM」も含めて、大胡田の"活字"愛が溢れる今作には、ジャケット写真に歌詞の一部がデザインされていることにも注目してほしい。シンガー・ソングライター倉橋ヨエコの名曲「今日も雨」のカバーはパスピエ流に解釈された湿めり気を帯びたアレンジがいい。
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パスピエ
MATATABISTEP / あの青と青と青
去年のアルバム『演出家出演』でその存在感を大きく知らしめたパスピエのニュー・シングルは、キャッチーでレイヴィなシンセのリフレインが印象的なダンス・チューン「MATATABISTEP」と、スケール感のある流麗なメロディが印象的な摩訶不思議ニュー・ウェイヴ・ポップ・チューン「あの青と青と青」の両A面。どちらもそれぞれの音楽的方向性をパロディかと思うほど極端に突き詰めているし、アレンジは秀逸、根本にあるソングライティングは驚くほど端正。このバンドの音楽的秀才っぷりを見せつけているにも関わらず、曲そのものの鳴りは驚くほどに歪でヒリヒリしている。ここには確実に"怒り"の感情がある。その怒りが何に向けられているか。僕はきっと今のこの国のポップ・シーンに向けられているんじゃないかと思う。
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