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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2021年06月号掲載

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Member:如月愛海 征之丞十五時 甘福氐 喑 もとちか襲 雫ふふ メイユイメイ 个喆

Interviewer:吉羽 さおり

新メンバーが加わった5人体制、そしてゆくえしれずつれづれからふたりのメンバーが加わった7人体制で47都道府県ツアー"re:voke tour for 47"を回ったと思いきや、早くも5月からは2周目となる47都道府県ツアー"Sicutie & Stupid Tour 2021"がスタート、と相変わらずフルスロットルな"ぜんぶ君のせいだ。"。そして、今回のツアーに合わせるように、再録アルバムの第2弾、全15曲収録の『Q.E.D.bi』がリリースとなる。ライヴ定番の曲に加えて、今回はより7人の歌が冴えるエモーショナルな曲や、多面的な面白さが光る曲、ぜん君。史の中での名曲たちが、7人でアップデートされ、且つ歴史を継いでいく作品になっている。コロナ禍でありつつ、充実したツアーを終え、新たに進み出した今と今作への思いを訊いた。

-これまでの再録アルバムはライヴ曲などが中心でしたが、今回の『Q.E.D.bi』では、あまりライヴでは披露しないような曲も収録されていますね。

如月愛海:結構ライヴでやっていなかった曲もありますね。一番やっていないのは「Folia Therapy」なんですけど。最近またよくやるようになった「Teardust」とか、昨年の活動休止前にちょっとやった曲も増えてきているので。どちらかというと、ライヴでめっちゃ使う曲というよりは、ぜん君。(ぜんぶ君のせいだ。)のクセの部分が出てきているかなという感じですね。

-「Teardust」も7人の声で再構築されて、改めていい曲だなって思いました。

メイユイメイ:「Teardust」はむちゃくちゃ人気だよね。

甘福氐 喑:好きな患い(※ファンの呼称)さんが多い気がする。

如月愛海:最初に「Teardust」を出したとき(2019年リリースのシングル『ぜんぶ僕のせいだ。』収録)は、特にひとりひとりが歌うパートがより長くなってきた頃の曲で。それが今回は、ひとりからふたりになったり、ちょっとずつ人数が増えていくような構成にもなっていたりして、重厚感が増しているので。「Teardust」ってスッと聴けるような曲だけど、今回は聴き手に"残していく"感覚は増えたなと思います。

-「ROMANTICISM」なども久々に。

メイユイメイ:最近はライヴでは結構やってるんですよね。

如月愛海:「ROMANTICISM」は昨年の5人体制になったときもやっていて、そのときに多分Twitterか何かに書いた気がするんですけど、幼稚園みたいな感じだったんですよね(笑)。「トロイメライミー」(2017年リリースの3rdフル・アルバム『Egoistic Eat Issues』収録曲)とか「せきららららいおっと」(2017年リリースの5thシングル表題曲)とか、「トナリコレアラタ」(2018年リリースの6thシングル表題曲)とか、元気で、かわいい系のラインの曲はなんていうか──

もとちか襲:お遊戯会感が強いみたいな。

如月愛海:それはそれですごくキラキラしていたんですけど、そこにこてちゃん(个喆)が入ってメイ(メイユイメイ)が加わって、いい意味でねっとりとした部分が出てきて(笑)。こてちゃんがちょっと大人びて歌うときに、低めのキーで歌うことがあるんですけど、あの感じを歌詞によってちょっとずつ出してくるんですよね。7人体制になってまたそういう変化が出てきて。やっぱり人が変わったり、増えたりすることで、また曲も変わるんだなって思って。かわいい曲のほうがそういうのがわかりやすいですね。

-それぞれの声色の特色が出ますね。

如月愛海:やっていて楽しいんですよね。とにかく「ROMANTICISM」はメイの声の伸びの部分を聴いてほしいです。

メイユイメイ:「ROMANTICISM」とか「わがまま新生Hominina」とかはめっちゃかわいく歌おうと思って、頑張っていたんですけど。そしたらディレクションをしてくれるsyvaさんに、"普通すぎてつまんない"、"メイじゃない"って言われて。もっとクセを出しなよって言うので、いつも通りのメイになってしまって(笑)。いつも通りの、ちょっとねっとりしたかわい子ぶってるメイでした。

雫ふふ:かわいかったよ。

如月愛海:新しい一面が出てきたんじゃない?

-个喆さんの大人っぽい感じというのは意識的にやっているんですか。

个喆:そんなに出そうとはしてないんですけどね(笑)。でも歌詞によっては、かわいすぎるのはちがうかなって。

メイユイメイ:个喆って結構ガツンと立つ声をしているから、ゆくえしれずつれづれの頃から自分だけ飛び抜けてガツンとしているのを気にしていたりしたんです。でも、ぜん君。に入ってから、みんなの声に合わせることを意識してるなっていうのは今回のアルバムでも感じますね。ここはしっとりでとか、実はめっちゃ考えて歌ってると思います。

个喆:へへへ(笑)。

-襲さんはどうですか、今回のレコーディングで意識したことや、歌のディレクションで大変だったことはありましたか。

もとちか襲:自分の場合は、言われる前に歌い終わってすぐ"リズム感が"とか"ちょっと早かった"とか、先に喋ってましたね。それでsyvaさんが、"たしかにね"っていう感じで、そこでアドバイスを貰って。なので、私がひとりで騒いでいる感じに付き合ってもらっているレコーディングです(笑)。

如月愛海:襲は真剣にやりすぎて、のぼせて鼻血出してました。

もとちか襲:そうだ! 忘れてた。とにかく真剣にマイクと歌詞を必死に見ながらやっていて、気づいたら鼻血が出てて。愛海と一緒の日にレコーディングだったんですけど、ちょっと......。

如月愛海:いったん、交代交代ってなって。

征之丞十五時:それだけ集中してたんだね(笑)。

もとちか襲:1回だけ、ティッシュを鼻に入れたまま歌いました。

メイユイメイ:ちなみに鼻に詰めたままに歌った曲は?

もとちか襲:「ShitEndプラシーボ」だったかな?

メイユイメイ:いいじゃん、もがき苦しんでいる歌だから(笑)。

−(笑)十五時さんは、これまで歌ってきた曲をさらに7人で歌うということでの変化や、ライヴで歌ってきたことでの変化はありましたか。

征之丞十五時:ありました。今回の再録で"ここのキー出るの?"って言われたところがあって、"1回歌ってみて?"っていう感じでやってみたら、出るじゃんってなって。十五時も最初は不安だったんですけど、ライヴの本数を重ねてきて自然に出るようになっていたんですよね。あぁ、ちゃんとやってこれたんだなって。今回のレコーディングいい意味で裏切ることもできたなって思ったのとか。あとは、十五時が加入した頃に歌ってきた曲、例えば「Teardust」とかは今までは、前のメンバーの声が脳内再生されていたんですけど。この7人でのバージョンが、違和感なく自分の中に入ってくるくらいしっくりきていて。自分が切り替えられたんだなって思ってます。

-47都道府県ツアーを回ってきて、この5月から2周目の47都道府県ツアーにも突入してと鍛え上げてきてますし。それぞれの向上心がちゃんと反映された結果ですよね。

如月愛海:この環境は本当にありがたいなって思います。ライヴがなかったらもっとできなかったことがたくさんあったと思うので。

征之丞十五時:走り続けるしかないしね。ぜん君。は一生走り続けるグループだから。

如月愛海:あとはもう、これだけライヴをやっていると勝手に鍛えられていくじゃないですけど、みんな自然とできるようになっていくんですよね。きっとお家でコツコツやるだけだと難しいというか、それこそ鼻血も出ちゃうと思うから。

もとちか襲:そうだね(笑)。

如月愛海:みんなが切磋琢磨しているほうがいいのかな。

-頭でっかちになりすぎないこと、ライヴという場で身体に染み込ませていくのが一番結果が出るんでしょうね。甘福氐さんは、今回のレコーディングはどうでしたか。

甘福氐 喑:結構自由に録らせてもらっていると思います。ただ言われるのは、ねち(甘福氐)は言葉を単語、単語で切っちゃうのがクセで。息づかいとかも下手くそなんですよね。ブレスも歌の感情や表現の一部じゃないですか。今回のレコーディングではそこを意識しようと思いました。「Teardust」とかは歌い出しが自分なんですけど、静かなところからいきなり"エフェクト滲む"って歌い出す曲で。その息づかいが大事だなと思って、めちゃくちゃ緊張しながら録りましたね。自分の中では、一番気合を入れて録った曲かもしれないです。