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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2017年12月号掲載

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Member:如月愛海 ましろ 一十三四 咎憐无

Interviewer:吉羽 さおり

-3rdアルバム『Egoistic Eat Issues』が全体を通して感情のうねりを持った作品であって、アルバムの制作の背景でもいろんな感情が混じり合っていたと思うんです。そこに続く作品として、こういうぜん君。らしい曲がポンと生まれてきたのは、なんだか気持ちよかったんですよね。

如月愛海:たしかにそうですね。アルバムは強気だったし、内容的にも泥沼な感じが多かったけど、こういう片想いの気持ちがまたスッと戻ってきたというか。

ましろ:めね(未来千代めね)が脱退して、この4人で新たに出すシングルとしては、ぼくたちらしいものを出したいなっていう、きっとそういうのもあったと思うんです。

如月愛海:毎度思いますが、作詞のGESSHI類さんが書く歌詞は、"なんでこんなの思いつくの?"という、遊び心がふんだんに盛り込まれてるんですよね。その遊び心で、"シェイクスピア"というフレーズとかが出てくるのもそうですけど、複雑な内容の話もあって、ふわっと入れているけど、実は深い意味が要所、要所であるので。もしかしたらこれはこういう意味合いで入れているのかなって思うと、本当はちょっと泥沼(笑)。

ましろ:あとポップな曲調で、歌詞割りも細かくされているので。よく聴くと、4人それぞれらしい感じとか、"たぶんこういうことを言ってるんだろうな"っていうところもあるので、そこも汲み取ってもらえると面白いかなって思います。

-Aメロのロック調のパートの流れがいいんですよね。ストレートさが新鮮だなと思ったし、ヴォーカルのノリもよかったです。単純に歌、上手くなっていますもんね(笑)。

一十三四:はははは(笑)!

如月愛海:大きく書いておいてください、歌が上手くなったって(笑)。

-全員のスキルが上がってるから、気持ちよく聴けるし、ポップ性もストレートさも際立っているんだと思いますよ。そこにもぜん君。のタフさを感じました。

ましろ:嬉しい(笑)。

如月愛海:ちょっと落ち着いてきましたしね。いろんなことがあったけど、そのいろんなことを含めて、この間のアルバムの曲が歌えて。だけど、ぜん君。らしさは忘れたくないから、ちょっとだけ初期のころのぜん君。らしさもまた入っているのが「せきららららいおっと」なので。ぜん君。のコンセプトである"病みかわいいってなんだろう?"って、再定義するかのような形で。

-そうですね。

ましろ:「せきららららいおっと」も、2曲目の「Unknown Carnival」もなんですけど、これまでの全力で飛ばしてきた曲よりも、もう1回4人で地に足つけていきますよ、みたいな想いが出せた気がしてます。なので、新しく聴いてくれる人がいても、これがぜん君。の病みかわいい感じの曲だって、しっくりきてくれるんじゃないかと思います。

如月愛海:ダンスも結構できてきているんですけど、今までとはダンスも違うんですよね。今までも遊び心はあったけど、音とかに合わせた振りが多かったんです。でも、今回は音的に和の要素も入っているんですけど、ダンスはそういうのはフル無視です。

一十三四:音に縛られずに、自分たちがこの曲に乗せる気持ちと、意外性重視で。

咎憐无:漫画の1コマ1コマが展開するみたいな寸劇的な振りもあって、楽しい曲になってますね。

一十三四:ライヴで見たら、またびっくりするところがあるかもしれないので。ぜひライヴに来てほしいです。

-もう1曲「Unknown Carnival」ですが、これは新機軸となるソリッドで、かなりクールな曲に仕上がりましたね。

一十三四:そうですね。自分的にはめっちゃ歌うのに苦労しました。

咎憐无:サビの部分で、高音パートと低音パートで、ふたりずつで別れて歌うのは初めての曲で。

-全体的にメロディのキーが低い曲は、新しいのではないでしょうか?

ましろ:ぜん君。って、かっこいい曲もいっぱいやってきて、バンド・サウンドの曲とか、シャウトもいっぱいやってきたんですけど、この曲は、低めのキーだけを使うとか、メロのトーンが長いとか、落ち着いたかっこよさがあって。今まではぶっ飛ばしてきたので、新鮮味があります。各々がたくさん挑戦した曲になりました。

一十三四:そうだね。ぜん君。でのかっこいい系の曲は、勢いをつけてガッといく感じが多かったから、今回は、大人になったというか。"どっしりと背中を見せるぞ!"みたいな。

如月愛海:お父さんか。

ましろ:地に足つけてね(笑)。重心も低めで、確実に仕留めにいってます。

-これはましろさんが好きなタイプの曲じゃないですか? 声もハマっているし。

ましろ:好きですね。でもこれはぼくも苦戦しました。

咎憐无:いつもの歌い方と全然真逆だし、まったく違うのでびっくりしたけど。でもまっそん(ましろ)の声だってわかるのがすごいなって。

ましろ:結構ね、そこは狙ったの(笑)。

咎憐无:それは、レコーディング始まってすぐわかった。

ましろ:これまでもいろんな試行錯誤して歌ってきたんですけど、これもまたそういう(試行錯誤する)曲がきたなってわかったので。じゃあ、今までのかっこいいとはまた違う歌い方がしたいと思って。息強めで、ドスを利かせめでいきました。

一十三四:ドスが利いてるっていうことでは、作曲をしたsyvaさんから、"Unknown Carnival"っていうシャウト部分を、"これは、殺す気持ちで低いシャウトでいって"って言われたんです。いつもは高いシャウトが得意なので、めっちゃ練習しました。

-ええ、結構な低音シャウトですよね。

ましろ:発音もこれまで以上に気にしてたしね。そのあとに、とがれ(咎憐无)の"ぴよ"が入る(笑)。

咎憐无:最初に歌詞をもらったとき、"ぴよ"ってなんだ? って思って。"そのまま言えばいいんですか?"って聞いたら、"シャウトの跳ね返りみたいな感じだよ"って言われて、それは初めてやる感じだって思って(笑)。

ましろ:よくあるごつい感じと違って、とがれらしい"ぴよっぽい感じ"が出てる。

咎憐无:一応、台詞風の"ぴよ"と自分の中でのシャウト風の"ぴよ"を2パターン録って、それが合わさった感じになったので、良かったです(笑)。

如月愛海:これをとがれが言ってるってのは、あまり気づいてないかもしれない。

咎憐无:ライヴで気づいてほしいですね。