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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT × Skream! × バイトル

2017年05月号掲載

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Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

今年3月には自身最大規模となる幕張メッセでのワンマン・ライヴを成功させたBLUE ENCOUNT。順風満帆に見える彼らだが、インディーズでの活動の約10年間、様々なアルバイトをしながらバンド活動をしてきたという。ライヴのMCでもその下積み時代の話が語られることもあるが、その経験や時に苦汁をなめた体験があるからこそ、音楽や活動、ハングリー精神の源になっているのだという。面白おかしくも、いい話にホロリとする、実にこの4人らしいアルバイトの話を訊いた。

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-今日はみなさんのアルバイト経験をたっぷりとお聞きしたいと思っています。

田邊:嬉しいね、BLUE ENCOUNTとバイトは、隣り合わせですから。

辻村:いや。隣り合わせは良くねぇな(笑)。

-(笑)最後にアルバイトしていたのは、いつぐらいだったんですか。

田邊:僕は2013年までやってましたね。

高村:みんなそれくらいじゃない?

江口:俺が最後にやったバイトは、L'Arc~en~Cielの元旦ライヴのステージの解体で。

田邊:幕張メッセだよね。俺らがこの前ワンマンやったところと同じ。俺が最後にやったのは、ライヴハウスのチケットのもぎりとか雑務でした。

-みなさん、音楽やバンドに関連する仕事が多かったんですか?

辻村:バラバラですね。俺が最後にやっていたのは警備だし、その前は建築系の仕事で、朝7時から今日1日頑張ろうみたいな感じで。

高村:僕は、コンビニかネットカフェでしかバイトしたことないですね。

-高校生のときにBLUE ENCOUNTを結成して、そこからバイトもスタートした感じですか?

田邊:僕はその前からやってました。コンビニとかドン・キホーテの中にある100円均一でバイトしてたりとか。

-バイト経験の数としてはかなり多そうですね。

江口:みんなめっちゃ多いと思いますね。

辻村:俺はそんなに数はやってないんだよね、歴は長いってくらいで。

高村:僕も同じく。

-どうしても数が多くなってしまうのは、バンド活動との兼ね合いとか、時間の融通が効くかどうかが大きかったからですか。

田邊:バンドをやっていると特に、シフトにたくさん入れないのがネックで。その分、バイトの数を増やしておけば、どれかには入れるから。結局、"幽霊アルバイト"のときもありましたしね。掛け持ちは、多いときは6つくらいしてました。

辻村:週の計算が合わないだろ、それ(笑)。

田邊:最終的にタピオカドリンク専門店は、店長クラスにまでなりましたから。

辻村:あったね。その当時は、練習で深夜にスタジオに入っていたんですよ。朝から深夜のスタジオまでは時間が空いているので、そこで掛け持ちでバイトしたりとか。で、練習が終わったら、そのまま別のバイトに行ったりもしてましたし。合間を見つけては、バイトを入れてましたね。

-それ、ものすごい生活サイクルだったのでは。

高村:当時のインディーズのバンドマンたちは、みんなそうでしたからね。

辻村:俺らでも、根性ねぇなと思ってたくらいで。もっとエグいやり方をしてる人もいましたからね。そういう先輩たちを見ていると、俺らはまだまだだなとは思ってました。

田邊:なかなかだったけどね。朝までライヴの打ち上げして、そのまま仕事行きますっていうのもあったし。

-これは大変だった、過酷だったなというバイトはありましたか。

高村:僕、稼ぎたくて2つ掛け持ちでやっていたときは、1日の最長バイト時間が17時間くらいでしたね。深夜11時からネットカフェのバイトで。朝帰って昼まで寝て、コンビニのバイトに行って深夜までっていう。でも、その生活は3ヶ月くらいで破綻しました。深夜に働くのが、稼ぐのに一番効率が良かったんですけど、体調のこととか総合的に考えると、圧倒的にダメだなと思って。それに気づくのに、3ヶ月かかりました。

辻村:バカか(笑)。

田邊:バカじゃ。

辻村:僕は建築業だったので、朝は5時起きとかで。1日仕事して、そこから深夜練習に行ってたんですけど、もう疲れすぎちゃって。そのとき夏で、熱中症になりかけていたんです。そのまま練習してたら、演奏中に気持ち悪くなってきちゃって吐いたりして。でも、また次の日もバイトを入れていたから、電車の中で寝てすぐに仕事行って、という生活をずっとしてました。炎天下で扇風機とかもないですし、夏の建築業は思い出したくないですね。そこで根性はついたなとは思いますけど。

江口:深夜練習でベース弾きながら寝てましたからね。

辻村:バラードとかでベース入る前に、うとうとしていて。いよいよベース入るっていうところでも入らずに、寝てるっていう。

江口:気持ち良くなっちゃってね(笑)。

田邊:お前、覚えてないかもしれないけど、なんならインディーズの2枚目の、『HALO EFFECT』(2012年リリース)でバラードの本番録ってるときも寝てたからね。

辻村:え、「誰よりも。」のとき? 身体が追いついてなかったですね、あのときは。

江口:僕がきつかったのは、さっきも言ったんですけど、幕張メッセのステージ解体のバイトですね。あれが、今までで一番きつかった。イチから組み立てて、それをまたゼロにするまでバラさないといけないので、重いし、埃っぽいし、上の人には怒鳴られるし。

田邊:今、自分たちの現場で働いてくれている人たちに、すごく優しくなれるよね。

江口:苦労がわかるからね。そういう人たちに対して、感謝の気持ちを込めてやれるっていう意味では、1回経験してよかったなと思うんです。

田邊:僕はきつかったのはガソリンスタンド。特に、冬場のね。

辻村:水仕事だからね。

田邊:夏から冬にかけてやってたんですけど、夏は暑いし。家の近くのガソリンスタンドに先輩のコネで入れてもらったんですけど、近くと言っても歩いて15分くらいかかるんですよ。横浜のど田舎で、最寄駅も最寄りのバス停もなくて。2~3分出るの遅れたら、取り返しがつかないんですよね。めっちゃ怒られたこともありましたし。あとは、単純に夏は照り返しで暑いし──夏の洗車は最高なんですけど、冬場がもう大変で。でも、冬の洗車の方が多いんですよ。

辻村:冬は、みんな自分でしたくないからね。

田邊:年末年始は車の列ができるくらいで。それを全部やって終わったころには、バッキバキに指がひび割れていたりしたんです。手にいいわけがないからね、撥水効果のあるやつとかが。

-それで、ギターを弾くのはつらいですね。

田邊:その時期はもう、ギターなんて弾けなかったですね。