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INTERVIEW

Japanese

BLUE ENCOUNT × Skream! × バイトル

2017年05月号掲載

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Member:田邊 駿一(Vo/Gt) 江口 雄也(Gt) 辻村 勇太(Ba) 高村 佳秀(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

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-先ほども少し話に出ましたが、いろんな経験で今タメになっていることや、バイトを通して学んだことはありましたか。

田邊:それこそコンビニから始まり、いろんなことをやってわかるのは、効率がいいかどうかだよね?

江口:たしかにね。

田邊:いろんな仕事で培った、その場でしかわからない効率の良し悪しがあって。簡単に言うと、コンビニで言えば商品を入れる袋の大きさを計算するとか、高校生のときなんて絶対できないですよ。列が並んだときに、テンパってしまったりする、そこで余計に間違っちゃったりとか。そういう小さいところもそうですし、撤収とか解体の仕事にしても、怒られないようにいかにスマートにやるかとかね。迷惑をかけない、いい抜き方も大事だと思うんですよね。本人のポテンシャルに合った仕事のやり方とかもあるし。そういうのが今、大人になって活きてますね。

高村:これ、えぐっちゃん(江口)に話したときにまったく共感してもらえなかったんですけど。僕、渋谷のセブン-イレブンでバイトしてたんです。高校生のときも地元熊本のセブン-イレブンでバイトしてたから、セブン-イレブンのバイトは手慣れたもんだと思っていて。いざ渋谷のセブン-イレブンの面接が受かって、1日目、2日目と何事もなく、3日目もいつもどおり接客していたんですよ。いろいろわかっているから、適当ではないんですけど、流していたんですよね。そしたら、始まって3時間後くらいに店長さんに呼び出されて。"面接のときにお前の顔を見て、こいつは本当に音楽を一生懸命頑張っているキラキラした奴なんだと思って、俺は雇ったんだ"と。

辻村:ほうほう。

高村:"なのに、バイトのときの態度はなんなんだ"と。"バイトも本気でやれない奴が音楽で飯食っていくなんて、できねぇぞ"って、1時間くらい説教されて。やることやってるし、別によくね? って感覚でやってたんですけど、言われてなるほどと思ったんですよね。音楽をやることを支えているバイトをおろそかにして、音楽を成り立たせるのは無理だなと、衝撃を受けて。これは心を入れ替えなきゃと思って、次のバイトのときから180度変わったくらい、ハキハキと"いらっしゃいませ!"って言ったり、テキパキ仕事をし始めたりして。3日後くらいに店長から、"やっぱりお前はそれができる男と信じてた"と。

辻村:あっついねぇ。

高村:お前のことが気に入ったから、これからも一緒にやってくれって、3年くらいバイトしましたね。いざ、メジャー・デビューが決まってバイトを辞めるとなったときに店長さんが、"もしメジャーでダメになったら、いつでも戻ってこい。そしたら店長にしてやるから"って。"思い切ってメジャーでやってこい"って送り出してくれたんですよ。

田邊:退路を断てよ!

江口:で、俺が共感しなかったところって、どこ?

高村:この話だよ。バイトを一生懸命やれない奴が音楽はやれないって話をえぐっちゃんに話したら、そうじゃないと思うよ? って。

江口:それ、俺がクソ野郎だな(笑)。

高村:でも、そのときのえぐっちゃんの意見もなるほどと思ったんですよ。さっきの効率の話じゃないけど、やるべきところはしっかりやって、抜くところは抜くっていうのが、えぐっちゃんの持論なんです。それも正しいと思うんですよね。そのやるべきところが、ちゃんとやれていればね。でも店長さんから見て俺は、すべてを全力でやらないとできない奴だっていう見方だったと思うんだよね。

田邊:うん、性格ですよね。

-辻村さんは、これは今に活きてるなっていうのはありますか。

辻村:根性ですね。建築の仕事で、きついときに歯を食いしばってやることができてたので。ゴリゴリに働いてたとび職の人とかも現場に来て、熱中症になって吐きながら帰っていっちゃうときがあるんですよ。きつすぎてね。

田邊:プロでもそうなるんだ。

辻村:そうなると、人が足りなくなって。午前中までにこの壁材を1,000枚、何階に運ぶとかを3人でやるんですけど。ひとり帰っても、ふたりでそれを午前中に終えなきゃいけないんですね。だからもう、手もパンパンになって真っ赤に腫れながらも、やってて。中には、トラックが着いて、積んである壁材を見ただけで吐いて帰っちゃう子もいるんですよ。"こんだけあんの!?"ってメンタルやられちゃって。

田邊:すごいね......。

辻村:毎回アドベンチャーしてる感じですよね。自分は頑張って2枚とか運んでも、先輩は6枚とか運んでて。俺、いる意味なくないすか? って全否定されている感じもありますし。でもそういうところで働いていたので、物事に挑戦するのが怖くなくなりましたね。

田邊:このころ、ガタイよかったよね。

江口:めちゃくちゃガタイよかったし、めちゃくちゃ色黒だった。俺1回言いましたもん、それはさすがに黒すぎると。

辻村:写真だけ見たら、黒すぎて目が見えないんですよ(笑)。

江口:白シャツ着てるとひとりオセロみたいになってて、裏返ってしまうっていうね。

辻村:裏返らんわ。

-肉体労働を経験したのは、辻村さんと江口さんくらいですか。

江口:僕は最後の1回だけですね。それまでは、肉体労働はしてなくて。

辻村:あれ、ポスティング(※ポストに配布物を投函する仕事のこと)は?

江口:ポスティングは秒速で辞めました。ラクだと思ってやったんですけど。

辻村:根性ねぇなと思ったもん(笑)。

江口:めちゃくちゃきついんだよ。1,000枚とか2,000枚チラシを持って、ずーっと歩きっぱなしで。これが何よりもきつくて。

田邊:ポスティングは新入社員さんの新人研修でもやるところがあるからね。それくらい、試されるんだと思う。

江口:僕がバイトで養われたのは、店長の人といかに仲良くなるかっていうことですね。

田邊:ちょっとイヤラシイけどね。

江口:でも大事なんですよ。目をつけられて、イヤな感じに思われてしまったら、何をやるにしても得することがひとつもないので。そこでちゃんと気に入ってもらえるかは、今も昔の経験が活きてるかな。

田邊:今もね、ソニーさんにやってるもんね(※ゴマをする)。

江口:首の皮一枚のところ、これでやってるからね(笑)。