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INTERVIEW

Japanese

少年がミルク

2017年02月号掲載

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1stミニ・アルバム『KYOKUTO参番地セピア座』から約5ヶ月。少年がミルクが2ndミニ・アルバム『GYUNYU革命』をリリースする。今作もまた、少年がミルクならではの審美眼や、独自のシャッター・スピードで切り取ったグロテスクだけれどもどこか美しくもある感情の形が、言葉として刻み込まれた。それがポップなサウンドとチャイルディッシュな歌でなんなく聴き手の心に入り込んでは、無鉄砲に大暴れしていく。一見とても愛らしくラッピングされながらも、前作以上にヘヴィであり、彼女を形作った思いも閉じ込めているアルバムだ。そんな今作の背景を訊いた。

-少年がミルクとして最初のミニ・アルバム『KYOKUTO参番地セピア座』をリリースしてから、今作に向かうまでに自分としてはどう消化していったんでしょうか。

出してみないとわからないタイプなので。『KYOKUTO参番地セピア座』は出してみて、特に自分が久しぶりに音楽業界に復帰するという思いがありました。自分的には、音楽業界に対しての歌だったので(笑)。そこはひとつ、正解だったなって思います。リード曲の「セピア座の乱」はあまり個人的な日常は入れずに書いたし、既存の曲もあったので、やっと始まったなぁくらいですかね。だから今回の方が楽しみでしたね。やっと今、全曲書いて録って出せるのが、どうなるんだろうって。

-そこは自分でも、今何が出るかなっていうのはあった。

そうですね。やっとこれで、どう見られるのかなって。楽しみなんです。

-今回も作曲をする水谷和樹さん(Gauche.)の曲ありきでスタートしたんですか。

そうですね。本当に、来たものに対してひたすら(歌詞を)書いて、という感じでしたね。

-水谷さんは、今作ではよりいろんな曲を書いてきていますね。

かなり悩んでいるみたいです(笑)。

-どう捉えているんでしょうね、少年がミルクというアーティストへ書く曲を。

そこは話をしてないんですよ(笑)。例えば今回でも歌詞が乗って、声が乗ったものをもらって聴いて、"よかったね"っていう話をするくらいで。特にはないんです。どういうものをっていうところは、お互いに深入りしなくて。

-化学反応だけを楽しむという。

そうですね(笑)。今回嬉しかったのが、和樹さんも、いつも録りをやってくれるエンジニアの人も、"いつもよりも超えてきた"とか、"超えてこられたから、次どうしようかすごく悩んだ"とか、"この詞に負けない曲をって悩んだ"って言ってくれて。それがすごくいいな、どんどん攻めたいなって思ったんです(笑)。

-その攻めたいというのはよくわかります。今回はより、自分のことや見えているものをリアルに取り込んでいる歌詞だと思うんです。でもそれが、どんどん暗号化してるっていうか(笑)。それはきっとここにシンパシーを感じた人が読み解いていくような、そういう感覚があったんです。

あぁ(笑)。

-でも、ものすごくヒリヒリするし、怒りに湧いていたりもする。そういうのは感じるんですよね。

リアルさはちょっと出ましたね。届く曲も、前回よりもドラマチックさのあるものではなく、結構型にハマッたものとかも来たんです。その上で表現してみたらどうなるのかなとかも、やってみて。

-いわゆるロック・チューンもありますもんね。それをぶち壊していくような歌詞の世界観になってる。

今回はそういう作業がありました。

-その感じもあって、タイトルに"ダダイズム"(Track.3)っていう、秩序や常識を壊すという意味合いの言葉も出てるんですかね(笑)。

そうですね(笑)。でも結局、私はいわゆる王道のロック・チューンとか、そういう音楽の歴史とかを知らないし、今あるロック・チューンとかもそんなに聴き込んだりしてないので、逆に面白いなと思ったんです。そんなに考えすぎずにぶち壊すっていう。