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INTERVIEW

Japanese

シナリオアート

2016年07月号掲載

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Member:ハヤシコウスケ(Gt/Vo/Prog)

Interviewer:石角 友香

自分の中にあるドロドロした感情や満たされない思いを吐き出し切って、さらに光のあるところへ上昇していくような作品だった前作『dumping swimmer』。そしてこのアルバムの楽曲がライヴで披露されるころには、負の感情より楽曲の力強さやメンバーのプレイヤビリティに前向きな感覚を持つに至っていた。ひとつ大きな壁を壊した今のシナリオアートから届いた新作は、1stシングルとなる"エポックパレード"と銘打たれたタイトルも示唆するとおりの新機軸。ここから始まる新しいフェーズについてハヤシコウスケに訊く。

-もうワンマン・ツアー(※6~7月に開催の"シナリオアート ワンマンツアー2016 [Scene #2]-シンカイヘ-")は始まってるんですよね。現状どうですか?

今、2本終わったところで(※取材日は6月7日)、わりといい感じに試行錯誤しながら回ってますね。今までと全然違うような感じのライヴになっていて、結構、作り込んだライヴ・ショーという雰囲気ですね。

-満を持してのワンマン・ツアーですもんね。ところで3月10日に赤坂BLITZにて行った"[Chapter #11]-ハグレヒツジハトウキョウニ-"はすごいライヴでした。意味があるというか、(Dr/Vo/ハットリ)クミコさんが最後に「ホシドケイ」(2015年リリースのKANA-BOONとのスプリット・シングル『talking / ナナヒツジ』初回生産限定B収録曲)をひとりで歌ったところで号泣しましたし。あのアンコールはあの日しかやってないんですか?

そうですね。

-いろんなことに対して落とし前をつけた印象がありました。

はい。『dumping swimmer』(2016年3月リリースのミニ・アルバム)からのライヴだったので"浄化"というか、自分たち的には区切りをつけてやれた感じはしますね。

-クミコさんのパブリック・イメージは"元気な人"なので、去年、そこまで追い込まれていたことに余計にビックリしたんですけど。(※心身のバランスを崩して実家にこもっていた時期があり、曲もまったく書けなくなっていたときに、唯一書けたのが「ホシドケイ」)

まっすぐ体当たりしていくからこそなんですよね。何事に対してもズルができないというか。真面目すぎるんですよね。

-みんな真面目でしょ?

(笑)うん。クソ真面目ですね。

-やらなきゃいけないことだったのかもしれないけど、彼女がひとりでステージに出て行ったとき、ふたりはどう見てたのかな?と。

あれを歌うこととか、あれを作ることが彼女にとって"救い"やったんで、見守ってました。

-いいライヴでしたね。

ありがとうございます。

-あのライヴもあり、『dumping swimmer』も出たあとなので、今回のシングル『エポックパレード』にすごく腹落ち感があるんですけど、何より驚いたのは"1stシングル"だということなんですよ。

そうなんですよ(笑)。シングルを1枚も出してなかったという。けど、新たな冒険の始まりをイメージして作ったんで、1stシングルでよかったなと逆に思いますね。

-この「エポックパレード」(Track.1)自体はいつごろできた曲なんですか?

『dumping swimmer』をリリースしたあとですね。

-じゃあ本当に『dumping swimmer』を作ったあとの心境なんですね。

そうですね。一度、負の感情を吐き出して、まっさらになって。その次に"自分たちはどういうものを表現していくのか"というところでした。あのライヴで、一度、清算できたような感じがあったので、せっかくやから新しい自分たちに向かって、"また旅を始めようじゃないか"という気持ちでできた曲ですね。

-イントロが聴こえた段階で、ホーンの音などにすごく人肌感があって、バンドというより"音楽隊"的な曲だなと思いました。

はい。この曲自体がいろんな人のおかげでできた曲でもあるなと思って。ここに至るまで支えてくれたスタッフであったり、家族であったり、友人であったり。それに楽曲そのものも管楽器隊やストリングス隊、プロデューサー、エンジニアと、自分たちだけじゃなくて、みんなで作ったイメージがすごく強いんです。みんなを引き連れて、また新たな旅をするイメージがありますね。