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Japanese

Skream!×MUSE音楽院公開講座

2016年10月号掲載

Skream!×MUSE音楽院公開講座

メンバー:hozzy(Vo) 田中 ユウイチ(Gt) 藤森 真一(Ba) 渡辺 拓郎(Dr)
インタビュアー:渡邉 徹也

-ちなみに、打ち上げで最後まで残ってるのはどなたが多いですか?

渡辺:俺かユウイチじゃないかな?

hozzy:そうだね。

田中:で、毎回最初に帰るのがモーリー(藤森)って決まってるから。

藤森:なんかわかんないですけど、メンバーがだんだん壊れていくんですよ(笑)。そうやってテンションが上がってるのを見ると、あまのじゃくな性格で逆に冷めて"じゃ、帰ろっかな"みたいな(笑)。

渡辺:打ち上げで数年に1回、モーリーが化けるときがあって。その瞬間だけ、この3人の"どうする? これ、ヤバいぞ"っていう空気で、引き具合がハンパじゃないです(笑)。

hozzy:めっちゃ面白いですよ、キてるときの藤森は。ウニを投げたりするんですよ(笑)。俺はそのとき現場にいなかったんですけど、拓郎の手に刺さったんです。

渡辺:ここ(手)に刺さったんですよ! ウニの殻が!

藤森:ごめんね、ごめんね? あんまり記憶がないんだよな......。

田中:相当思いっきり投げてましたからね。そのあと拓郎をカーペットでぐるぐる巻きにして、巻き寿司みたいにしてましたよ(笑)。それくらいのことはしてます。

-(笑)そして今回、新レーベルを立ち上げてから初のアルバム『Luno』を聴かせていただいたんですが、非常にストーリー性があり、素晴らしいアルバムに仕上がっているなと。全11曲収録で、リード曲がTrack.1「ボトルシップ」ですが、曲順はすんなりと決まったのでしょうか?

渡辺:早かったですね、今までの中でも。

藤森:11曲っていうのは、結構前から自然と決まっていて。曲順はひとり1パターン作ってきて、みんなで共有してから話し合いをしました。そのときに気づいたんですけど、"ほとんどみんな(意見が)一緒だ!"っていう。なので、細かいところだけちょっと調整して、すぐに"じゃあこれでいこうか"って決まった気がします。

-収録曲の中で、最初にできた曲はどれなんですか?

hozzy:「ボトルシップ」はすごく早かったですね。

藤森:たしか、渋公(※2015年3月13日開催の"aobozu TOUR 2015 ~時計仕掛けのミシン~ at 渋谷公会堂")をやったころにはあったんだよな。『ココーノ』(2014年リリースの7thアルバム)っていう前作のアルバムを作ったあとすぐにできた曲だったと思います。メンバーにデモを送ったときに、拓郎がものすごいテンションで"来たー! 新境地!"って返事をくれたのを未だに覚えてます。

渡辺:内容は覚えてないけど、あれはすごく良かったっていうのは覚えてます(笑)。

-逆に一番時間がかかった曲はどれですか?

hozzy:あんまり時間がかかった曲はないですね。いつもは"まず何やろう?"とか、"あぁ、次はどうしようかなー"っていう思考が入ってくるんですけど、もうアルバムを7枚も作ってるんで(笑)。今回は制作に取り掛かるまでにリセットされた部分があったんで、すごくフレッシュな感じでやれました。"フレッシュ"ってオジサンが言うのもアレなんですけど(笑)。

藤森:それはデカいですね。リード・シングルの中に、「降車ボタンを押さなかったら」(Track.6/2015年8月リリースのシングル表題曲)があって、hozzyが書いた"すげえことなんて もうあんまない気もする"っていう歌詞があるんですけど、そこにすごく共感したんですよ。バンドとして、例えば"武道館でライヴをやる"みたいな大きなことじゃなくても、こんなにテンションが上がるすげぇことってあるんだなって。そのテンションで書けたっていうのが、hozzyが言うフレッシュさなんじゃないかなと。

hozzy:やっぱり、バンドは楽しくないとダメだなって(笑)。楽しいっていうのと、あとは一応仕事じゃないですか。でも、楽しいのって音楽を作ることだけじゃなくて、ほんとちっちゃなことなんだけど、自分たちがどれだけ自由度高くできるかっていうことかなって。そういうのがやっぱバンドっぽいなと思ったんです。

-今作の曲順では、曲のタイトルにそれぞれ繋がっている部分があるそうで。

hozzy:5曲目が"すべてが終わった夜に"、6曲目が"降車ボタンを押さなかったら"、7曲目が"魔法以上が宿ってゆく"っていうタイトルなんですけど。去年、「降車ボタンを押さなかったら」をシングルとしてリリースして、そのあと「魔法以上が宿ってゆく」っていう曲を作って、これでも文章になるっちゃなるんですけど、たいしたことじゃないなと。そのあと何気なくアルバムの曲を作っていたときに、たまたま1曲に"すべてが終わった夜に"ってタイトルをつけたんですよ。そしたら、これはさすがに繋がるぞと思って。"すべてが終わった夜に、降車ボタンを押さなかったら、魔法以上が宿ってゆく"ってタイトルになって"やべぇ!"と思って(笑)。

藤森:自然とね。

hozzy:全然狙ってなかったんですけど、今の自分たちの状況にもすごく合ってるし。今回、インタビューをしていただいたときに、無意識な部分って意識してやってるところより膨大な分量があるなと思って。だから今、身を投じてる環境もすごく大事だと思うし、その部分が出たのかなと。すごく前向きな状態でアルバム制作に取り組めたのも、こういう曲順で流れが繋がっているのがわかったときにちょっと怖いなって思いました(笑)。

藤森:ほんとに紙一重で、「降車ボタンを押さなかったら」の仮タイトルが"降車ボタンはまだ押せない"だったんですよ。この曲は、タイトルを決定のギリギリでhozzyが変えたいって言いだした曲だったので、変えたことで続く言葉になったんです。だから、そのへんの感覚的なものがhozzyの中にあったんじゃないかなって。今回思ったのは、意識と無意識って、共通してバンドを長くやってるからこそ無意識の部分の繋がりが大きいし、確実に意識より無意識の部分の方が大きいなと。ミラクルは確かにあるなって、バンドを長くやっていてよかったなって思う出来事でした。