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INTERVIEW

Japanese

藍坊主 × 勝又 悠

2016年11月号掲載

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2015年リリースの藍坊主のシングル曲「魔法以上が宿ってゆく」のMVや、アルバム『ハナミドリ』の再現ツアー"OTOMOTO~ハナミドリームをもう一度~"のツアー・ドキュメンタリー(最新アルバム『Luno』に収録)などを撮った、映画監督"勝又 悠"。その勝又監督の新作短編映画"何の話をしているの"では、主題歌はもちろん内容も藍坊主のことを散りばめたストーリーで、ユニーク且つ物語性の高い作品になっている。両者の出会いは最近だが、出身地も近く、青春期の原風景が近いものがあるのか、互いに刺激し合いながら作品を生み出す間柄になっているということで、その蜜月をひもといてもらった。

藍坊主:hozzy(Vo) 田中 ユウイチ(Gt) 藤森 真一(Ba) 渡辺 拓郎(Dr)
勝又 悠
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 川村 隼也

-そもそも勝又さんと藍坊主が知り合ったきっかけは?

田中:もともと勝又さんは俺と拓郎が通ってた高校のひとつ上の先輩なんです。僕らはバンドとしてデビューするのが早かったので、意識してくれていたらしいんですけど。勝又さんが映画監督をやっているというのは、知らなかったんですよね。実際に一緒に仕事するようになったのが、去年かな?

藤森:去年の年末だね。地元・小田原の大先輩で、僕の高校の先輩でもあるんですが――阿藤快さんに、藍坊主のメジャー1枚目のシングル曲「ウズラ」(2005年リリース)のMVに出演していただいたのがきっかけで、個人的にもお会いしたりしていたんです。で、阿藤さんが昨年末に残念ながら亡くなってしまって。告別式に藍坊主のマネージャーも行っていまして、そこでマネージャーと勝又さんが会ったんです。

-実際に会ったのは最近とはいえ、ゆかりがあったんですね。

藤森:そうですね。勝又さんは映画監督だったので、阿藤さんとも知り合いだったし、勝又さんの作品にも出ていたので。阿藤さんが繋げてくれた縁というか。

-高校時代に接点はなかったんですか。

田中&渡辺:なかったです。

田中:でも最初に会ったときに、"あ、見たことある"と思って。

藤森:高校時代目立ってたという話は聞いてたからね(笑)。

田中:ヤンキーだよ、ヤンキー。僕は、ヤンキー怖いって思いながら3年間暮らしていたので(笑)。

渡辺:どうりで接点がないわけだよね(笑)。

勝又:はははは(笑)。

田中:高校時代、文化祭の後夜祭は生徒主催でバンドが演奏したりして盛り上がるんですよ。そういうところではだいたいヤンキーが暴れ回っているんですけど、勝又さんはその中にいました。俺らはステージに立って演奏しているから、覚えてたんですよね。なんかあそこらへん、こえぇって。

勝又:僕もそのとき、おそらくユウイチは見ていたと思うんですよね。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTをコピーしてるバンドがいて、荒れ狂うように(ギターを)弾いていた奴がいて──

田中:高校のころから(笑)。

勝又:それでなんとなくの印象はあったんです。でもそれが、藍坊主のユウイチと一致するのには時間がかかったかな。

-そこが結びついてから、藍坊主の作品を聴くようになったんですか?

勝又:もともとファンなんですよ、藍坊主の。曲はずっと聴いていたんです。

-勝又さんとしては、藍坊主のどんなところが良かったんでしょう?

勝又:本人たちを前に、恥ずかしいね(笑)。

田中:でも言ってほしいなぁ。

勝又:いい意味で、田舎臭いところ。曲を聴いていると、星が見えるというか。それが地元の空なんですよね。みんなのキャラもすごく好きだし。

-同じ景色を見て育っている感覚ですかね。

藤森:勝又さんの作品を観ても、それは思います。この景色、あぁわかるわかるっていう。

hozzy:匂いがするんですよ。田んぼみたいな(笑)。

-勝又さんは、今年の4月より行われた藍坊主の3rdアルバム『ハナミドリ』(2006年リリース)の再現ツアー"OTOMOTO~ハナミドリームをもう一度~"も一緒に回って、その模様はドキュメント映像として最新作『Luno』(2016年9月リリースの8thアルバム)にも収録されました。ツアーを共に回るというのは何がきっかけだったんですか。

田中:最初に勝又さんと一緒に仕事をしようとなったのが、「魔法以上が宿ってゆく」(2015年リリースの17thシングル表題曲)のMVで。それを撮り終えてからも、ライヴに来るときに毎回カメラを持ってきてくれて。それも、バンド演奏だけじゃなくて、hozzyの弾き語りとか、そういう僕らが露出するところにも来てくれるようになったんです。

勝又:本当に、勝手に行ってたんです(笑)。

hozzy:お願いしてなかったんだけど。普通に"行っていい?"って言うから、お客さんとして観に来てくれるのかなと思ったら、いつもカメラ持ってて。いろいろ話していくうちに、ドキュメントとか撮るのはどう? って話になって。そこから、いつも一緒にいるようになりました(笑)。今年はかなり行動を共にした感じだよね。