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"さよなら中野サンプラザ音楽祭"、5月から2ヶ月にわたり開催決定。第1弾出演者でサンボ×銀杏BOYZ、スタ☆レビ×怒髪天、テナー、オーサム、BRAHMANら発表
2023.02.02 12:00
5月1日から7月2日までの2ヶ月、東京 中野サンプラザにて50年の歴史の集大成となる音楽祭"さよなら中野サンプラザ音楽祭"が開催されることが決定。第1弾出演者が発表となった。
1973年の開業以来、国内外問わず数多くの様々なジャンルのアーティストたちがコンサートを開催してきた中野サンプラザ。同施設は、アーティストとファンの双方に"聖地"として深く愛されてきたが、開業50年の節目を迎える2023年7月、その歴史に幕を閉じる。深く印象に残る特徴的なホール大階段など、人々の思い出の詰まった"中野サンプラザ"はこれで見納め。そこで、50年の歴史の集大成として2023年5月~7月という異例の長期間にわたる"さよなら中野サンプラザ音楽祭"を開催。中野サンプラザにゆかりのあるアーティストをはじめ、各ジャンルのトップ・アーティストたちが中野に集結し、特別なコンサートを行う。
今回発表となったアーティストは、以下のとおり。
大橋彩香(5月4日)
May'n(5月5日)
Original Entertainment Paradise -おれパラ-(5月7日)
スターダスト☆レビュー×怒髪天(5月11日)
ストレイテナー(5月27日)
逢田梨香子(6月3日)
Awesome City Club(6月17日)
BRAHMAN(6月24日)
サンボマスター×銀杏BOYZ(6月25日)
今後も、豪華出演者のラインナップが続々発表予定。日本の音楽史に残るこの2ヶ月をお見逃しなく。
なお、開催に寄せて中野区長 酒井直人、(株)中野サンプラザ代表取締役社長 佐藤 章よりコメントが到着している。
■中野区長 酒井直人 コメント
私は、30年前、大学入学を機に中野に移り住み、以来、中野サンプラザを愛してきました。中野のランドマークとして、内外に発信し続けてきた中野サンプラザは、50年の節目で閉館となり、100年に1度といわれる中野駅周辺の再整備により、サンプラザのDNAを受け継ぐ新たな施設に生まれ変わります。
その未来に向けて、中野サンプラザの最後を締めくくるに相応しい音楽祭が開催されます。私もワクワクしています。素晴らしいアーティストたちにサンプラザで出逢うことができる唯一無二の機会をぜひお楽しみください。
■(株)中野サンプラザ代表取締役社 佐藤 章 コメント
中野サンプラザは1973年(昭和48年)に全国勤労青少年会館として開業し、以来50年にわたり中野のまちのランドマークとしてにぎわいと活力を創出してまいりました。
今般、2023年7月2日をもって開業から50年の節目でその終幕を迎えることとなりました。
長い歴史のフィナーレと未来へ続くスタートを、いつもの中野サンプラザらしく、お世話になった皆様とともに描くことができれば大変うれしく思います。
想いの詰まった『さよなら、中野サンプラザ音楽祭』にぜひご期待ください。
第1弾出演発表アーティストのチケットは、本日2月2日よりファンクラブ先行(抽選)とアーティスト先行(抽選)、2月22日よりさよなら中野サンプラザオフィシャル先行(抽選)、3月4日よりぴあプレリザーブ先行(抽選)がスタート。そのほかのチケット情報は"さよなら中野サンプラザ音楽祭"公式サイトを確認しよう。
▼イベント情報
"さよなら中野サンプラザ音楽祭"
5月1日(月)~7月2日(日)中野サンプラザ
■公演日/出演者
5月4日:大橋彩香
5月5日:May'n
5月7日:Original Entertainment Paradise -おれパラ-
5月11日:スターダスト☆レビュー×怒髪天
5月27日:ストレイテナー
6月3日:逢田梨香子
6月17日:Awesome City Club
6月24日:BRAHMAN
6月25日:サンボマスター×銀杏BOYZ
and more
[チケット]
■ファンクラブ先行(抽選)+アーティスト先行(抽選):~2月12日(日)23:59
■さよなら中野サンプラザオフィシャル先行 (抽選):2月22日(水)12:00~2月26日(日)23:59
■ぴあプレリザーブ先行(抽選):3月4日(土)12:00~3月12日(日)23:59
■各プレイガイド先行(抽選):3月13日(土)12:00~3月21日(火)23:59
■一般発売:4月1日(土)10:00~
https://w.pia.jp/t/sayonara-sunplaza/
公式サイト:https://sayonaranakanosunplaza.com
公式 Twitter:@sayonarasunpla
公式 Instagram:@sayonarasunpla
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「勿忘」のロング・ヒットに始まり、"NHK紅白歌合戦"初出場や日本レコード大賞"優秀作品賞"のほか、多くの音楽賞を受賞したAwesome City Clubの2021年。3rdアルバムのリリース後も、ドラマOPとなった爽快なまでにポップな「夏の午後はコバルト」などシングルを発表、11月より「you」など7作連続で楽曲配信するというアウトプットが続いた。そのいずれもがバンドの芳醇な季節を物語っている。深みを帯びながら、常にフレッシュなオーサム像を見せるひとつのパッケージが、このニュー・アルバム。atagi、PORINの声や歌のグルーヴでオーサム印になるからこその、Track.1でのダイナミズムや和的なTrack.9など、音楽的に自由度高く、クリエイティヴに遊んでいる印象で楽しい。(吉羽 さおり)
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前作『Grow apart』そして今作『Grower』と、オーサムは軽やかに音と戯れ、曲が芽生え構築していく過程を慈しみ、自分たちの音楽の可能性や、自由度の高さを楽しんでいる。生まれた曲が求めるままに、そしてその曲が美しく、高らかな音で闊歩していけるように育てている感覚だ。もちろん、3人が培ったセンスを生かしての子育てならぬ曲育てだから、都会的で様々なカルチャーを吸収したミクスチャー感があり、また同時にタッグを組んだアレンジャー陣の多彩なアイディアも備わっている。自由奔放だが、こだわりや奥行きは相当に深い。そんな贅沢なアルバムだ。映画のインスパイア・ソングとして広がりを見せる「勿忘」も、叙情的なメロディや歌が際立つが、繊細且つトリッキーなトラックとのマッチングの妙がある。(吉羽 さおり)
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デビュー5周年を迎えた新生Awesome City Clubのアルバム。連続配信された「アンビバレンス」、「ブルージー」、「バイタルサイン」で提示されたように、アルバムは新たな試みに満ち、同時に気負うことなく洗練された極上のポップスを生み出した。バンドだからできることよりも、この4人が想像し紡ぎ出す物語や音の世界観を大事に、自由度の高いアプローチで音楽と戯れている。エレクトロなら徹底してその手法でと、曲が持つプリミティヴな輝きを捉えた。音像的な変化はあるが、耳を刺激し、且つ肌になじむエアリーなポップさは不変。久保田真悟(Jazzin'park)、トオミヨウ、永野 亮(APOGEE)などの編曲者や、作詞のプロデュースでいしわたり淳治が参加し、贅を尽くしたアルバムだ。(吉羽 さおり)
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ベスト・アルバムを挟んで、男女ツイン・ヴォーカル擁する5人組が初めてリリースする全5曲収録のEP。"不完全でもいい、真ん中の熱いものを失わないで。忘れないで"というメッセージを、"胴体"を意味するタイトルに込めたという。そこにはテン年代のシティ・ポップを奏でる自分たちの"これがド真ん中!"という想いもあるのだろう。90年代のJ-POPに対するリスペクト(というか、再発見?)で、その他のシティ・ポップ勢に差をつけるACCサウンドは、より濃いものになると同時に70'sソウルの影響が窺えるTrack.4「燃える星」でさらなる広がりもアピールしている。新たなる展開の布石。スタジオ・ライヴを収録したメロウ且つムーディなバラード「エイリアンズ」が締めくくるラストもいい感じだ。(山口 智男)
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"Awesome City Tracks"シリーズの最終作である本作では、メンバー全員が作詞もしくは作曲を担当。その結果、2010年代のデュエット・ソング決定版=Track.1「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」を始め、"新しい、でもたしかにこの人たちにしかできない"挑戦が多い。明確なコンセプトを持つがゆえに他のバンドとはまた違う難しさを味わってきた彼らがこの境地に至ったことが嬉しいし、ラストの"ぶつかりあって 傷つけ合って それでも求め合って/未来は百花繚乱"(Track.7「Action!」)というフレーズには感動させられた。5人が手繰り寄せた"自由に生きろ"というメッセージは、日々の見えない鎖からあなたを解放してくれるはず。(蜂須賀 ちなみ)
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メンバーのセルフ・プロデュース曲の他、作詞にいしわたり淳治や高橋久美子、LEO今井、サウンド・プロデュースにOvallのShingo Suzukiとmabanuaが参加した曲を収録することにより、かゆいところに手が届くような、"ああ、たしかにこういうの聴いてみたかった!"と唸らされる曲ばかりが集結。共作曲には作家からこのバンドへの敬意がよく表れていて、大胆な革命が起きているというよりかは、もともとあったバンドの素質が他者との関わり合いによって目覚めたという印象だ。自らの音楽を"架空の街、Awesome Cityのサウンド・トラック"と位置づけてきた彼らが、その街を拡張し、人を巻き込み始めたイメージ。こうなると夢は膨らむばかりだろう。今後への期待も高まる。(蜂須賀 ちなみ)
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4月の1stアルバムに続き早くも2作目をリリース。"来るべきタイミングで来るべき種類の音が来る"というシーンが連続し、全7曲でなだらかな山を描くような展開に惚れぼれ。"Awesome City Clubとは?"という説明的役割が大きかった前作に対して、飛躍的に自由度が上がった印象である。そしてサウンドだけではなく、例えば「アウトサイダー」ではSNSをテーマに扱うなど、今まで語感重視だった詞のセレクトにも変化が垣間見えた。好奇心で以って変化を楽しむ彼らの姿勢がよく表れたオープンな作品。そのラストを飾る曲の名は「Lullaby ForTOKYO CITY」。5人が生み出した音楽は架空の街を飛び出して、私たちの街にもキラキラと舞い降りる。(蜂須賀 ちなみ)
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DEERHOOFやTAHITI 80といった海外アーティストとの共演を果たし、各所で注目を集めている5人組、Awesome City Club。これまでSoundCloudやYouTubeを使ってWEB上に音源を公開してきた彼らの、初のフィジカル作品とあって、聴く前から期待が膨らむばかり。わくわくしながら再生ボタンを押すと、洋楽的な譜割りに日本語を語呂よく織り交ぜた、スタイリッシュなシティ・ポップが流れ出す。かと思えば、これでもかというほどにキャッチーなJ-POPがひょこっと現れる。近年のシティ・ポップ・リバイバルとは一括りにできない、洗練されたアレンジ・センスは期待を裏切らないどころか、それ以上だ。架空の街"Awesome City"へと誘われるこの感覚を、ぜひ味わって欲しい。(奥村 小雪)
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昨年10月より、バンド結成20周年/メジャー・デビュー15周年のアニバーサリー・イヤーとして、リリースやツアーなど様々な形で精力的に発信してきたストレイテナー。そんな彼らが、7月より放送開始したTVアニメ"アンゴルモア元寇合戦記"のOPテーマを書き下ろした。その名も"Braver"。大陸の覇者であるモンゴル帝国の襲来に立ち向かう、対馬の兵士を描いた物語に相応しく、前向きで力強いナンバーだ。エモーショナルなピアノの旋律からは、根底にある悲哀や乗り越えてきた涙が見えるし、ズシリとくるリズム・パートは歩みを止めない勇気、あるいは命の音か。ホリエアツシ(Vo/Gt/Pf)が長崎出身ということもあり、同作と自身のバンドとしての闘いを重ね合わせた、その絶妙な化学反応が深い世界観を示している。(山本 真由)
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結成20周年、メジャー・デビュー15周年、現在の4人になって10年。閉塞感や同調圧力に押しつぶされそうな現在に、ニヒリズムの欠片もなく、人間の心根にある愛を呼び覚ますような作品を完成させたことに感謝したい。序盤、スローなBPMと選び抜かれた少ない音数の「Future Dance」、歌詞の符割りやビートにダブステップからのリファレンスを感じる「タイムリープ」などで新鮮なリズムへのアプローチを実感。暖かくて身近な恋愛や、他者への感情が瑞々しい「Boy Friend」、秦 基博との共作「灯り」や「もうすぐきみの名前を呼ぶ」の心洗われる響きも、今の彼らだからリラックスして表現できる内容なのかもしれない。キャリアを重ねるほど音楽的な自由を獲得し柔軟になる。日本のバンドが切り拓く新境地。(石角 友香)
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すでにiTunesチャート1位を獲得するなど、各所で高い評価を得ている本作。ASIANKUNG-FU GENERATION、ACIDMAN、THE BACK HORN、MONOEYESら、同世代で約20年をともに戦い抜いてきたバンドはオリジナルに近いアレンジで消化。また後輩であるgo!go!vanillasは定番曲「KILLER TUNE」をカントリー&ロカなニュアンスでガラッと変貌させ、原曲の持つ色気をヴォーカルの牧 達弥が表現しているのが頼もしいし、My Hair is Badもこれまた定番曲「REMINDER」のBPMを高速化し、Aメロの歌詞に椎木知仁(Gt/Vo)お得意の吐き出すような言葉の弾丸を歌詞として追加し、成立させているのも見事。テナーのファンであるほど、参加者の愛情を感じられる素晴らしい解釈の集合体だ。(石角 友香)
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結成18年目を迎えるストレイテナー、シングル4曲を含めた9枚目。アコースティック・アルバム、ベスト盤を経た前作『Behind The Scene』を踏まえ、辿り着いた今作は、"どんなアプローチでも自分の音楽になる"という自負を携えた、闇や悩みのない快活な曲が揃った。「原色」、「シーグラス」の冒頭2曲に代表される"ホリエ印"とも言える地底から突き上げるようなメロディには、現体制になって初のアルバムである『NEXUS』(2009年リリース)を思わせる全方位に向けた強度がある。一方で現代ディスコ・サウンドのフォーマットに則った「Alternative Dancer」や、ラストの「覚星」ではチルウェイヴ/ドリーム・ポップへの視座を見せるなど、新たな一面も十分だが、すべて日本のロック・バンドとして耐久性のあるサウンドへ帰着させている点が頼もしい。(峯 大貴)
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幕開きから新たなフェイズに思いっきり覚醒させられる。"悲しくも美しい世界"から"クソったれ新世界"(「Asshole New World」)の中をタフに生きる今のストレイテナーの狼煙が上がる。そして高いスキルとアンサンブルを高め、研ぎ澄ませながらも難解さを纏わないのはこのバンドの意志とも受け取れる。パッと聴き90年代から続くオルタナティヴ・バンドのベーシックなコード感やアレンジでありながら、そこここに未来を感じさせる高等戦術こそがストレイテナーの本懐なのだろう。「The World Record」など序盤で疾走し、架空の都市にワープするような曲群を経て、ホリエアツシのメロディのイマジネーションが際立つ「翌る日のピエロ」など聴き手の深いところへ降りてゆく楽曲まで。豊富になった語彙が紡ぐSF的な世界観にも注目。(石角 友香)
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このコンピの充実度は毎年計り知れないが、今回はASIANKUNG-FU GENERATIONの新曲「スタンダード」を聴くだけでも相当、価値ある1枚。ゴッチ自身が"これは先の都知事選についての歌"と明言しているが、何も変わらないと諦めたら非難の対象と同化してしまう。愚直なまでに続けること、そしてバンドのイメージを引き受けるとはどういうことか?まで応えた1曲だ。文字数の半分をAKG新曲に費やしてしまったが、今年はユニコーンやスカパラなどベテランから、KANA-BOON、グッドモーニングアメリカら新鋭、くるりやストレイテナーらAKG同世代まで縦横無尽な出演者が揃うわけで、このコンピも自ずとその厚みや充実感を体感できる。お得感で言えばくるりの未音源化楽曲や、ストレイテナーの新曲収録も嬉しい。(石角 友香)
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2013年にメジャー・デビュー10周年を記念して開催された47都道府県ツアー"21st CENTURY ROCK BAND TOUR"のライヴ&ドキュメンタリーDVD。メンバーが撮影した映像も多く含まれ、約7ヶ月に渡る全52公演の様子が2枚のディスクで堪能できる。ライヴ映像だけでなく楽屋やその土地土地での観光の様子、ツアーの合間に行われたMV撮影の様子なども収録しており、見ている側もバンドのクルーになり共に旅をしているような感覚だ。セミ・ファイナル新木場STUDIO COASTでの選りすぐりのライヴ映像は、熟練した硬派なパフォーマンスに魅了される。日本全国どの箇所でも4人を迎えたのは、満面の笑みのファンたち。バンドが強く愛され続けていることを再確認した。(沖 さやこ)
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デビュー10周年の全都道府県ツアーを折り返したストレイテナーから届いた新しい作品には、タイトルが意味する"輝き、まばゆさ"を、2013年の今、解釈した音像やテーマが溢れている。ギター・リフとベース・ラインがチェイスするイントロが、旅の最中にいるような「シンデレラソング」。未だ真夏の季節にあって厳冬の風に向かうような音像が彼ららしい。他にもテナー節炸裂なアンサンブルに、間接的な表現だが、まだ何も解決していない3.11以降の現実をなきものにしようとする風潮への怒りが滲む「SCARLET STARLET」、ホリエのトーキング・スタイルのヴォーカルや日向のスラップも新しい骨組みで構築され、架空の民族のトライヴァル・ミュージックを想起させる「BLACK DYED」など全5曲。タフに目を開けて空想するテナーの新境地。 (石角 友香)
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ストレイテナー初となるアコースティック・アルバム。2012年3月に行ったライヴ・レコーディング楽曲に加え、スタジオ録音の楽曲を収録している。テナーをずっと聴き続けてきたコアなファンはもちろん、そうではないライトなリスナーにも聴きやすいシンプルなアレンジに仕上がっている。アコースティックになって更に際立つのはやはり透き通って伸びやかなホリエアツシの歌声だ。わざわざ素晴らしい彼の声については特記しなくてもとも思うのだが、やっぱり聴いてしまったら書かずにはいられない。リリース順に並べられた楽曲。最前線で活動し続けてきたバンドだからこそのライヴ・レコーディングとは思えないほどのクオリティ。デビュー10周年を目前にして築き上げられた、もう1つのテナーの歴史を楽しんでほしい。(石井 理紗子)
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ライヴの定番曲をパッケージした2枚組アルバムをリリース。「ロクでナシ」や「労働CALLING」などこれぞ怒髪天! という曲が収録されている。なんといっても増子直純(Vo)の描く不器用な男の生き様を綴った歌詞が沁みる。年齢のことだったり、お金、仕事のことなどシビアでありながらリアルを歌い、それでも楽しく生きていくんだと、いつだって背中を押してくれている。こんなアツいおじさんがいる日本はまだまだ面白いと思う。文句なしのライヴ導入盤。まだライヴを観た事のない人はMCを含め体感必須です。さぁ、これを聴いてライヴ・ハウスに直行しましょう。(花塚 寿美礼)
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2010年、いきなりのワンマン2デイズで派手に幕を開けた怒髪天のニュー・シングル。アルバムを3月に控え、充実の歌を聴かせてくれる。ミドル・テンポの骨太ロックに合わせて、増子が朗々と歌い上げるダイナミックなナンバー。「ド真ん中節」というタイトルどおり、これまで怒髪天が発し続けてきたポジティヴなメッセージを、よりシンプルかつ明確に示した歌詞。しかし、シンプルなだけではなく、ひねったブレイクなど怒髪天らしいアレンジもまた面白い楽曲だ。カップリングには、怒髪天との交流も盛んなCM 界で名を馳せる箭内道彦作詞、作曲の「YOU DON'T KNOW」を収録。朴訥とした味わい深いフォーク・ナンバーに仕上がっている。男女二人の心境を交互に描き出す歌詞世界が琴線に触れる。こちらも、さすがの出来。(佐々木 健治)
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NHKの朝ドラ"ひよっこ"で名演技を披露し、世代を超えて名と顔を知らしめた峯田和伸。彼が率いる銀杏BOYZの最新シングルとなる今作で、彼は音楽においても老若男女を魅了する存在になり得るのではないだろうか。そう思えるほどポピュラリティを感じる名曲だ。『エンジェルベイビー』、『骨』に続く、"恋とロック"を軸とした3部作の締めくくりに位置づけられているが、"恋とロック"とは、彼の中で――遡ればGOING STEADY時代からあった軸と言えるわけで、その集大成にも感じられる壮大な甘さを味わえる。2曲目の「二十九、三十」は、クリープハイプのカバー。アレンジこそ違えど、クリープハイプと銀杏BOYZに通じるメンタリティのようなものが表れていて、ファミリー・ツリーを見ているような気持ちになる。(高橋 美穂)
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ロックンロールに人生を変えられて、今や中年の域に足を踏み入れた者として峯田和伸は覚悟を決めて、再びまっさらなバンド・サウンドで世界中にいるひとりぼっちの脳天を揺さぶろうとしている。これまでも録音物としては尋常じゃないバランスの音源を残してきた彼だが、今回の表題ではエレクトリック・ギターやシンバルの金属的なサウンドがシューゲイザーとは違う目的で、光る洪水のように聴く者を溺れさせる。この音こそが意思だ。Track.2「二回戦」はライヴ映像作品『愛地獄』に弾き語りで収録された「イラマチオ」のタイトルを変更したバンド・アレンジ曲。シティ・ポップ的ですらある野崎泰弘のエレピも、UCARY VALENTINEが差し込むノイズも音としては逆方向なのに、曲の純度を上げている。何度目かの新章到来だ。(石角 友香)
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自分の人生の中で、今まで出会ったすべての人に会いたい。そして愛する人にはキスをして、抱きしめて、嫌いな奴はぶん殴って、その後やっぱり無理やりにでも抱きしめてやりたい。そして警察に捕まって終身刑で牢屋に入れられて、その牢獄の中で抱きしめた人たちの匂いや感触を思い出しながら、死ぬまで生きたい。このアルバムを覆うインダストリアルやエレクトロも食い散らかした狂騒的なビートとノイズは人間という牢獄そのもので、その中にある美しいメロディと言葉は、牢獄の中で浮かべる笑顔と涙のようだ。9年間、ずっと待ってたわけじゃない。このアルバムを聴いて、何かを思い出したわけじゃない。ただ、"生きている"という事実だけが僕にも銀杏BOYZにもあった、それだけのこと。本当に、それだけのことなんだよ。(天野 史彬)