Japanese
2014年01月号掲載
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自分の人生の中で、今まで出会ったすべての人に会いたい。そして愛する人にはキスをして、抱きしめて、嫌いな奴はぶん殴って、その後やっぱり無理やりにでも抱きしめてやりたい。そして警察に捕まって終身刑で牢屋に入れられて、その牢獄の中で抱きしめた人たちの匂いや感触を思い出しながら、死ぬまで生きたい。このアルバムを覆うインダストリアルやエレクトロも食い散らかした狂騒的なビートとノイズは人間という牢獄そのもので、その中にある美しいメロディと言葉は、牢獄の中で浮かべる笑顔と涙のようだ。9年間、ずっと待ってたわけじゃない。このアルバムを聴いて、何かを思い出したわけじゃない。ただ、"生きている"という事実だけが僕にも銀杏BOYZにもあった、それだけのこと。本当に、それだけのことなんだよ。(天野 史彬)