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"BRIT Awards"など各賞を受賞してきたUKきってのインディー・バンドでありつつ、ストイックなまでに曲に込める要素をひとつひとつ庭を歩きながら集めるようなスタンスは不変。前作『Relaxer』から約4年半ぶりとなる本作では空間を大きくとりつつ親密さのあるTrack.3もあれば、ドローン・ライクでメランコリックなギターが印象的な導入から、マンチェ・ビートっぽい身体が揺れるセクションに展開するTrack.2もあるし、エレクトロニックな荒野を歩いているなかで上昇するシーケンスに翻弄されるTrack.5もあれば、ダブステップにゴスペル感が融合したTrack.4もある。インディー・ロックの芯の部分と『In Rainbows』期のRADIOHEADが同居したような世間に迎合しない試行が堪能できる。
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ダブステップにフォークの要素を取り入れ自ら“フォーク・ステップ”と語るサウンドで話題の新人バンドが登場。全くのプロモーションなしで、デモ音源がSoundcloudで約半年間での再生回数が7万回を超えるなど異例の快挙を成し遂げている。フォークを基準としながらシンセ・ポップやヒップホップをも飲み込んだ彼らのサウンドは近年のRADIOHEAD等を彷彿とさせるが、同郷のWILD BEASTSの様なファルセット・ヴォイスやUSフォーク・シーンの影響を受けたであろう美しいコーラス・ワークやメロディなど、アルバムは実験的でありながらポップでどこか懐かしさがあり心地いい。FUJI ROCK FESTIVALでの来日も決定。このサウンドをどうライヴで表現するのかとても楽しみだ。
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月面のホテルをテーマにした前作『Tranquility Base Hotel & Casino』を経た、約4年ぶり7枚目のスタジオ・アルバム。きらびやかなストリングス、ファンキーなギターやコンガが踊るオーガニックなサウンドの上で、Alex Turnerがファルセットを多用した芳醇なヴォーカルを披露する、渋さと甘さ、レトロとモダンが調和した作品だ。余白を巧みに用いて緻密に計算された音像は豪華だが決して派手ではなく、工業製品のような、地に足のついた機能的な美しさを放っている。不穏なシンセ・ベースが響くTrack.3や、大々的なストリングスでクライマックスを飾るTrack.10といった楽曲の、いい意味での違和感も心地よい。上質な革靴のように、聴けば聴くほど身体になじんでくる作品だ。
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UKインディー・シーンで絶大な人気を誇り、"FUJI ROCK FESTIVAL"や"Hostess Club Weekender"への出演で日本でもお馴染みの6人組男女混合ロック・バンド、BRITISH SEA POWERの4年ぶりとなるフル・アルバム。今回はこれまで作品を発表してきたレーベル Rough Tradeを離れて自主レーベル Golden Chariotからのリリースとなり、レコーディング費用をクラウドファンディングで募って制作された12曲を収録している。情緒溢れる静かな歌い出しから徐々に盛り上がる「What You're Doing」に続くキラキラな楽曲「The Voice Of Ivy Lee」への流れが素晴らしく、思わずグッと身を乗り出してしまうほど気分を高揚させるあたりは、百戦錬磨のライヴ・バンドならでは。アルバムを携えての再来日に期待したくなる作品。
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ポップ・ミュージックという大海原を優雅に航海する、BRITISH SEA POWER。一貫した"文明と自然の調和"な文学性、英国伝統的なギター・サウンド、さらに敬意あるマーキュリー・プライズにノミネートされるなど、UKインディー・ロックの良心となる存在感を帯びた彼らから、約2年振り通算5枚目となる新作が届けられた。前作で大胆に取り入れたエレクトロ・サウンドは影を潜め、原点回帰のようなトラディショナル・ミュージック色が出されているが、モチーフとなるは昨年リリースされた6枚のEPシリーズ。トータル33曲もの音源から発展させたものが本作となったが、純粋にやりたいことをクリエイトする姿勢が垣間見える。聴き込めば、波間にたゆたうような心地良さが......。
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"FUJI ROCK FESTIVAL '18"に出演する英グラスゴーのエレポップ・トリオによる2年8ヶ月ぶりの3rdアルバム。R&Bやヒップホップに頼らず、自分たちのエレポップ・サウンドを貫いているところが、とにかく痛快にして、爽快。3人の迷いのなさは、ポップな曲調とは裏腹に切れ味鋭い演奏と紅一点シンガー、Lauren Mayberryの、どこまでも伸びていくようなヴォーカルにもしっかりと表れている。曲ごとに緩急をつけた全16曲。どの曲にもキャッチーなフックが効いているのは、プロデューサーに迎えた現代のポップ・マエストロ、Greg Kurstinとの共同作業によるところも大きいのだろう。"これまでで最もポップな作品"とLaurenは言っているが、まさにそのとおりの作品になっている。
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50万枚を超えるセールスを記録したというデビュー・アルバム『The Bones Of What You Believe』の成功を、バンドが真正面から受け止めていることを思わせる、とても気持ちのいい作品だ。女性シンガーを擁するグラスゴーの3人組、CHVRCHESが2年ぶりにリリースする2作目のアルバム。身上としているエレポップ・サウンドに大きな変化はないものの、メロディ、リズム、アレンジというベーシックな要素だけで訴えることができる作品を目指したというだけあって、バンドの芯にある魅力がより際立ってきた。これまで以上に多くのリスナーから歓迎されるに違いない。成功をプレッシャーに感じるどころか、自分たちが前に進む原動力にしているようなポジティヴなヴァイブが感じられるところが何とも痛快だ。
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異常にファンキーなトラックに乗っかって、ババーン☆と飛び出す、Lauren Mayberry(Vo)のキッチュさときたら堪らないよ!トラック・メイク出来る現代版BOYS TOWN GANGといった出で立ちの彼らは、キーボーディストの男が2人にディーヴァが1人という編成。因にグラスゴー出身である。ダブステップ、チルウェイヴ、ディスコを咀嚼してモダンなポップ・ミュージックに還元したトラックの上で、爽やかに薫る歌メロには確かにグラスゴーの夏風が吹く。この夏にはSUMMER SONICでの来日も予定されているが、照りつける太陽の下、エゲつなく下半身を刺激する低音をバックに、振り絞る様に歌うLaurenちゃんをみてると妙な気持ちになってきちゃうかも......へへ。
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THE XXが、都市の暖かな暗闇に生きる若者たちの代弁者だとすれば、Daughterはそんな彼らの祈りを体現する巫女だ。ロンドン出身のElena Tonra(Vo/Gt.)を中心として結成された3人組の奏でる内省的なサウンドは、フォーク・ロックとも広義の意味でのシューゲイザーとも形容出来るような、ある種の神々しさを纏っている。Elenaのパーソナルな経験を元にした歌詞は時折、個人的な信仰体験を匂わせながら、普遍的な若さ故の痛みを歌う。音楽フェスSXSWで注目を集め、イギリスの名門レーベル“4AD”との契約後、ようやく待望のデビュー・アルバムを発表! という位置付けの今作であるが、期待を裏切らない。FUJI ROCK FESTIVAL '13への出演も決まっており、聴くなら今だ。
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EDITORS は、2000年代初頭から続くリヴァイバル・ムーヴメントにその出自を見出すことができる。ソリッド且つタイトで、UK的な叙情を含んだJOY DIVISION直系のバンド・サウンドでこれまでに2作品が全英1位を獲得。トップ・バンドとしての地位を築き上げる彼らの5作目のアルバムがこの『In Dream』だ。今作では、ARCTIC MONKEYSからMY BLOODY VALENTINEまでを手掛けるAlan Moulderをミックスに起用し、どこか陰りのあるダークな音像のモダンなエレクトロを聴かせる。PASSION PITらUSエレポップ・シーンとの共振を感じさせつつも、今作の肝となるのは80'sニュー・ウェイヴのメランコリアや美意識の概念であろう。エレクトロに軸足を移した彼らのサウンドが、どこかNEW ORDERを思わせるのもやはり興味深い点だ。
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レッドブルをキメながら机に齧り付いて書き狂っているような、そんな呪われた職業を冠したバンド名とは裏腹(?)に、EDITORS、4枚目のアルバム『The Weight Of Your Love』は、ヘヴィで大きなスケール感をもつ作品だ。哀愁漂うフォーキーなメロディを主軸に据え、70~80年代のハード・ロックからの影響を感じさせるアレンジが、大仰なミュージカル風の歌唱やストリングス、ホーンなどの煌びやかなトッピングと相まって、アリーナ向きのビッグで重厚感のあるサウンドを生み出している。しかし、性急になりすぎず、あくまでも落ち着いたペースで物語を紡いで行くのが、EDITORSの流儀。夕方の高速道路を流しながら聴きたい、ロックを素直に鳴らした快作。
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FIDLARは、時に破天荒と評される。たしかにセルフ・タイトルを掲げた1stアルバムは、猥雑で荒々しいガレージ・パンクにひたすらドラッグやアルコールについての歌詞を載せるという、まさに勝手にしやがれと言わんばかりのパンク精神を地で行くものであった。しかし、前作から2年以上のインターバルを経て完成した『Too』の根底にあるのは、NO FUTURE的なパンク観ではない。ソングライターであるZac Carper自身も"大人になったのさ(笑)"と語る通り、ここでは現実に中指を立てつつも地に足のついたロックンロールをまっすぐに聴かせる。抑えきれないオルタナティヴな衝動を爆発させるTrack.2、どこかブリティッシュな香りを漂わすTrack.4やTrack.7、新たなポップ・センスの開花を感じさせるTrack.10など、2作目のジンクスをぶち破る気概を見せつける。
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2009年に結成されたLA出身の4人組ガレージ・パンク・バンド。メンバー全員がLAのスケートボード・シーンに所属しており、歌詞の内容もほとんどがドラッグやアルコール、スケートボードのことについて書かれている。今までに2枚のEPをリリースしており、満を持してのデビュー・アルバムが完成した。ピッチフォークでベスト・ニュー・トラックを獲得した先行シングル「Cheap Beer」のような勢いのある楽曲から、「Gimme Something」のような美しいメロディのミッド・テンポの楽曲まで幅が広くとても聴きやすい。アメリカン・ハードコア好きはもちろん、THE HIVESのようなガレージ・パンク等が好きなリスナーにもオススメしたい。
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ここ日本でも絶大な支持を得ているロック・バンド FRANZ FERDINANDが、キャリア初のベスト・アルバムをリリースした。ベスト盤というと、コアなファンからは軽視されがちだが、これは結成20年を越え、多くの世界的ヒット曲を持つ彼らの軌跡を次世代へと繋ぐ重要な作品だ。シンプルでノスタルジック、それでいて誰にもマネできない不思議な味のあるサウンド。誰でも一度は聴いたことのあるようなお馴染みのシングル曲や、ライヴを盛り上げた楽曲、ダンス・フロアやラジオでヘヴィ・ローテーションされてきた名曲の数々、そして"女の子が踊れるような音楽"を目指してきた彼らの、こだわりと普遍的なポップ・センスがアップデートされた新曲と、まさにすべてが詰まったアルバムになっている。
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英国紳士的なシニシズムとユーモア、00年代初期のダンス・ロックを象徴するFFによる約4年半ぶりのアルバム。タイトル・チューンが先行配信され、白昼夢的なサウンドスケープと微妙な90年代のテクノ/ハウス的なビートの融合に驚かされたが、バンドが"過去のFRANZは忘れてほしい"というほど別物になったわけじゃないことがアルバムで明確になった。というのも基本にはミニマムなポスト・パンク的なビートがどの曲にも存在し、そこにエキゾティシズムを掛け合わせた「Lazy Boy」、エコーがかかったサイケデリックなオルガンが特徴的な「Finally」など、上モノにはエレクトロを通過した浮遊感やサイケ感がある。派手に踊らせるアルバムではないが、英国ならではの陰とオペラ風な物語性は健在なのだ。
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全くの新人ながら、今年6月にNIKEの世界キャンペーン・ソングに抜擢され、7月にはCONVERSEのCMソングに。一体何者ぞ? 何と彼はスケートボーダーであり、スケート・ブランドHUFのクリエイティヴ・ディレクターだった経歴を持つ、音楽界の異端児なのだ。歌、作詞作曲、全ての楽器をひとりでこなす彼が作り出すミュージックは、ブルース、ガレージ・ロック、ソウル、フォークととにかく様々。音楽だけでなくスポーツは勿論、映画や写真、いろんなことに興味があって仕方ない!全部音楽の中に放り投げちゃえ!ってな感じで気張らず自由に音で遊んでいるようだ。手作り感のあるちょっとローファイなサウンドも、彼のキャラクターを身近に感じられる。音に合わせて巧みに表情を変えるヴォーカルにも注目。
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前作からわずか1年で新作をリリースしてしまうところに絶好調が窺える。THE SMITHS解散後、数々のプロジェクトやバンドに参加してきたUKロックが誇るカリスマ・ギタリスト。ソロ名義としては2作目となるこのアルバムには前作の延長上でツアーの熱気を反映させたロックンロールが満載。全編アップ・テンポで押し通したところが潔い。曲の出来とツアーを共にしてきたバンドのコンディションに自信があるから、あれこれやる必要がなかったんだろう。ポスト・パンク調のサウンドも彼の血肉となっているものだ。最も得意としていることをやっているだけにそこに迷いは微塵もない。ギタリストのソロと言うと、歌にオヤ?となることが多いが、Marrの溌剌としたヴォーカルも大きな聴きどころだ。
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PRIMAL SCREAMのメンバーとしても知られるBarrie Cadogan(Vo/Gt)率いるLITTLE BARRIEのニュー・アルバム。3年ぶり4作目となる今作は、前作『King Of The Waves』と比べると、『Shadow』の名のとおり、全体的にやや落ち着いたダークなサウンドが印象的だ。ポップさが絶妙にそぎ落とされたぶん、1960年代のブルースに影響を受けてきた彼らの人間味すら感じ取れそうな独特なグルーヴが生まれている。これからの寒い季節によく合う、体の芯から温めてくれるようなじっくりと味わいながら聴きたい1枚である。今年6月に来日してくれた彼らだが、本作を引っ提げての来日公演も期待したいところだ。
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待ってました、LITTELE BARRIE!"帰ってきたロックンロール"などと有触れた言葉を吐きたくはないが、穏やかながらも確かなサウンドで彼らが再びそのエンジンに点火したことは一目瞭然だ。疾走感あふれるドラムに、曲を牽引するギターと土台を支えるベース。そして、シンセやオルガンの音が彩りを添える。ブルージーでUKロック全開なサウンドを全面に感じさせながらも、都会的な表情も失ってはいない。無論、この4年間の間にライヴを重ねてきた彼らにとってもはやジャンルなど無意味だ。古くはTHE BEATLESからTHE DOORS、さらにはBLACK REBEL MOTORCYCLE CLUBなどが入り乱れたようなサウンドが方々から押し寄せる。そして、あらゆるサウンドを"ロック"という熱い思いに回帰させ、生々しい熱さを閉じ込めることに成功している。『King Of The Waves』--サウンドの中、満ち溢れた熱に溺れてしまってもいい。
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前々作『Gorilla Manor』が全米160位だったことを考えれば、前作『Hummingbird』の全米12位がいかに大きな飛躍だったかがわかるだろう。だがその反面、それが大きなプレッシャーにもなったようで、3年ぶりとなる新作は、周囲の期待を一旦忘れて、自分たちが聴きたい曲を作ったという。2010年代前半のUSインディー・シーンの空気を決定づけたバンドのひとつに数えられるロサンゼルスの5人組。彼らの存在を特徴づけていたトライバルなリズムやエスニックなフレーズには頼らず、ここでは曲そのものの魅力で勝負しようとしているようだ。それがUSシーンを代表するバンドに相応しいスケール・アップに繋がった。演奏のテンポを抑えながら、最後まで持続する緊迫感も大きな聴きどころだ。
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ロサンゼルスのシルヴァー・レイクを拠点に活動する5人組インディー・バンドLOCAL NATIVESの2ndアルバム。THE NATIONALのAaron Dessnerをプロデューサーに迎え、彼のスタジオでレコーディングされたという今作は、DIY精神をそのままに作り上げたデビュー作である前作『Gorilla Manor』よりも格段にその楽曲の持つ空気を研ぎ澄ましている。音に対して自由に何でもトライしたということもあり、サウンドの開放感と深みは増し、繊細なヴォーカルはよりその淡いラインを美しく映し出す。カラフルな印象が強かった前作に比べるとひとつひとつの色味は弱いかもしれないが、引き算により浮き彫りになった音像には大きな豊かさを感じることが出来る。まさしく"洗練"の1枚。
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LA出身のニューカマー。FUJI ROCK FESTIVALにも出演が決定し、某レコードショップでも猛プッシュされていたのでご存知の方も多いかも。海外では今年2月にリリースされ、全米ビルボードでニューアーティスト・チャート3位にランクインするなど海外メディアでも大注目の彼ら。スウィート・アコースティック・サウンドと呼ばれる様にフォーキーな音色と美しいコーラス・ワークが彼らの魅力。ヴォーカルが3人もいてライヴでは4人で迫力ある歌声を響かせる。今作はアフロ・ビートも取り入れ軽快で爽快感溢れるナンバーもあり、しっかりとトレンドを押さえた内容。透明感あるメロディもさることながら、切れのあるドラムも聴き所だ。
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アイスランドの雄MUMが、01年のデビュー作をリリースする以前、98年~00年の間に録り溜めていた未発表曲や入手困難なデモ・トラックなどを収めたレア音源集。本作を聴けばこのバンドの出発点も、BECKが体現したサンプリングという自由、もしくはPAVEMENTらが表現した価値観としてのローファイなど、90年代のポップ・ミュージックにおける音楽的革新なのだということがよくわかる。打ち込みのビートやサンプリング音、フルートやアコーディオンといった可愛らしい生楽器の音色など、あらゆる音が無邪気に飛び交っている初期楽曲たちの完成度はまだまだ高いとは言えない。だが、すべての楽曲から滲み出る音と戯れることに対する喜びと、メロディの端々から零れ落ちるメランコリーは、今と決して変わらない。
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母国アイスランドのみならず世界中で人気を博すドリーミー・ポップ・バンド「MUM」から素敵なアルバムが届けられた。今作で5枚目とは思えないほど伸びやかで開放感があり、喜びに溢れている。1stアルバム『Yesterday Was Dramatic Today is OK』のリリース時は世界的にハンド・メイドなエレクトロニカが注目されていた時期でもあり、当時は僕も夢中になった一人だった。ただその後はロックンロール・リバイバルもありこの手のサウンドをあまり聴かなくなってしまったのも事実。そして今はそれを激しく後悔している。メンバーの脱退、加入があり7人編成になってもMUM はMUM だった。生楽器の音色とささやかなエレクトロニクスが調和した理想的なポップ・ワールド。
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PALMA VIOLETSほど、リスナーの世代によって"懐かしいけどいいもの""まったく新鮮なもの"と印象が二分するバンドも珍しいと思う。目新しい要素の切り貼りより、ロックンロールの奇跡を今の自分の身体と精神を通して具現化する彼らは、真価を問われるこの2ndアルバムでも基本的に不変のスタンスをとっている。Chilli Jesson(Ba/Vo)は本作制作にあたってパンク前夜のレコードを聴き漁っていたと発言している通り、1stにあった、どこか所属レーベルの先輩THE SMITHSにも似た儚さや厭世観は影を潜め、THE RAMONESやJohnny Thundersにも通じる、放蕩者の自由やいい意味でのいい加減さを、ミディアム~スローな楽曲で堂々と鳴らしているのがいい。特にタイトル曲の"締めくくらない"物語性は今どき、稀少だ。
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英老舗レーベル、ラフ・トレードの共同経営者が1曲を聴いただけで即契約、デビュー前からNMEの表紙に抜擢など話題の、今UKで最もブレイクが期待されているロンドン出身の4人組バンドのデビュー・アルバムが到着。NMEの昨年の年間ベスト・トラックに選出された冒頭の「Best Of Friends」からラストまで、一気に駆け抜けていくような若さ溢れるエネルギッシュ且つとても英国的なロック・ナンバーが満載。オルガンの音が印象的でポップな彩りを添えているのも魅力的だ。楽曲に見合うようにライヴも相当エネルギッシュとの噂で、初来日となるHostess Club Weekenderでのライヴも大いに盛り上がったのではないだろうか。今後のロック・シーンの活性化のためにもビッグになってほしいバンドだ。
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全米No.1ヒットになった『...Like Clockwork』以来、4年ぶりとなる7thアルバムは、プロデューサーにMark Ronsonを迎えた話題作。自分たちのサウンドを再定義するというテーマがあったという。なるほど。たしかに前作は洗練を極めた印象があったが、洗練がグラマラスな作風に結実したその前作から一転、今回、ギターによるハード・ロッキンなリフを剥き出しにした彼ららしいロック・ナンバーが再び聴けることはポイントのひとつかもしれない。とはいえ、安易に原点に回帰せず、ディスコ・サウンドとして打ち出したり、ファンキーな味つけを加えたりしていることを考えると、Ronsonの起用も頷ける。一方で、グラマラスな円熟味は「Hideaway」のBryan Ferryばりのダンディズムに実っている。
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色彩を排したモノトーンのポスト・パンク/オルタナティヴ・サウンドで鮮烈な世界デビューを果たしてから早3年。"獰猛"をその名に掲げるライオット・ガールによる2作目となる今作。基本的には前作にあったシンプルで硬派なサウンドに磨きがかかった作品と言えるが、何かをひたすらに渇望するような狂おしさやストイックさは減退。ソリッドで鋭利というよりも、どこかグラマラスで妖しい響きがある。作品名に付せられた"Adore"という言葉や、作中で頻出する"Love"という単語、「When In Love」なんて曲まであることからも、何やらバンドにラディカルな変化があったことを窺わせてならない。そして2015年、傑作というべき2ndアルバムを生み落としたALABAMA SHAKESとの共振性を滲ませるのも気になるポイントだ。だがしかし、頑固一徹に前だけを鋭く見据えるその姿勢にはやはり痺れるほかない。
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ダークで、タイトな血の匂いのするサウンド。眼差しは鋭く、挑発的。ロンドンの4人組女性ポスト・パンク・バンド、SAVAGES。Pitchforkなど多くの音楽メディアからデビュー前にも関わらず既に手放しの賞賛を獲得した彼女たちが、遂に待望の1stアルバムをリリースする。彼女たちがこのアルバムでポスト・パンクという形式をとりながら対峙しているものは、"他者"そのものである。「Husband」において、それは"男(him)"という象徴的な形をとる。彼女たちはそれを手に入れることを強く望んでいる。そして、その欲望が楽曲のエネルギーとなりドライヴ感を生んでいる。しかし、彼女たちの乾きは恐らく癒えることはない。なぜならば、渇望こそがSAVAGESの音楽そのものであるからだ。
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前作『First Two Pages Of Frankenstein』と同セッション時に制作された"もうひとつの最新アルバム"。曲を作れなくなっていたというMatt Berninger(Vo)の心を壊れかけの車に喩えた、昨年リリースの「Weird Goodbyes Feat. Bon Iver」は待望のアルバム収録となった。またPhoebe Bridgersと再共演、さらにRosanne Cashが参加するなど今作もコラボが聴きどころに。「Space Invader」の後半、静寂から約3分かけてじっくりとボルテージを上げていく楽器陣のライヴ感も堪らない。そしてラストを飾るのは、8分近くに及ぶ「Smoke Detector」。キャリアを重ね、より自由に奏でられた至極のインディー・ロックを堪能してほしい。
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USインディー・シーンでもっとも愛されているバンドのひとつ、THE NATIONALの通算9作目となるアルバム。嫌味のないソフトなメロディと、透き通るように繊細なハーモニーなど、独特の儚げな響きにはあまりの美しさに胸がギュッと締めつけられる。また、インディー・ロック職人のこだわりが感じられる、耳に残るようなアナログ感のある音作りが、楽曲に深みを与えている。さらに、今作にはゲスト・アーティストとして、幅広い世代から愛されるポップ・アイコン Taylor Swiftや、インディー・ロック・シーンの新星 Phoebe Bridgers、過去にも共演しているSufjan Stevensといった、新旧の盟友たちが参加。多くのミュージシャンから敬愛されるTHE NATIONALならではの豪華な顔ぶれだ。
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2010年に全世界的なブレイクを果たした、ブルックリン発の兄弟バンド、THE NATIONAL、待望の6thアルバム。“危険が僕らを見つける”という神経症的なタイトルとは裏腹に、今作はリラックスして、開放的なサウンドを志向したとか。確かにここに収められた13曲はどれも非常に伸びやかで、構築されたタイトなバンド・サウンドというよりは、音を演奏すること自体を楽しんでいるように思える。ため息をつきながら歌っているような、諦観に満ちた歌声は、隠遁した老人のそれのようだ。どこまでいってもわかりあえない人間同士、それでもどうにかして希望を見つけ出したい、そんな彼らの想いが込められたこのアルバムは前作同様、多くの人々の共感を呼ぶだろう。
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世界的にロング・ヒットを記録した前作『Boxer』から3年、THE NATIONAL通算5枚目のニュー・アルバム。前作の抑制されたシリアスとも言える統一された雰囲気から一転今作はバラエティに跳んでいて、とてもドラマティックでエネルギッシュなアルバムになった。自身のスタジオでリラックスして作られた事も大きいのだろう。彼らの持つ美しくメランコリックなメロディは健在ながら高揚感のある曲も多い。2000年代最高の歌声とも言われるヴォーカルMatt Berningeの歌声もとても伸びやかで素晴らしい。そして外の雑音を物ともせず作り上げられた楽曲それぞれの凛とした佇まい。ブルックリンの最後の大物というその名に恥じない新たな傑作。
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"FUJI ROCK FESTIVAL '17"では、会場の雰囲気と彼らのキャリアとのケミストリーもあって、ベスト・アクトに挙げる人も多かったTHE XX。2月の単独来日公演を前に、メンバー自らが監修した日本のファン向けのリミックス集だ。Jamie xxが手掛けた「Reconsider」のどこまでも静謐な、エレクトロなのにむしろ現代においては自然に限りなく感覚のアンビエンス。ベース・ミュージック寄りの「Sunset」など、いずれも今時のスタンダードと呼べそうなサウンド・デザインだ。ミニマルでありつつふたりの声を大事にした、FOUR TETらしいリミックスの「VCR」、ビート使いが独特なPEARSON SOUNDによる「Fiction」などを経てJamie xxが再構築した名曲「On Hold」までの時間すべてが至福。
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FKA TWIGSやSBTRKTなど先鋭的なアーティストを輩出しているXL Recordings傘下の人気レーベル"Young Turks"の急先鋒、THE XXのメンバー兼プロデューサーでもあるJamie xxのソロ・デビュー・アルバム。インディー・ロックとダンス・シーンをつなぐ存在として、ソロ・ワークとしてはこれまでにAlicia Keys、Rihannaらをプロデュース、リミキサーとしてAdele、RADIOHEADなどを手掛けてきた彼の注目の作品はイケイケなクラブ・サウンド「SeeSaw (featuring Romy)」、ミニマルな「Obvs」など個人的嗜好がうかがえる多彩なダンス・トラックの他、先行両A面シングル「Girl」「Sleep Sound」ももちろん収録。THE XXファンのみならずクラブ・カルチャーを愛するリスナー必聴のアルバム。
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前2作がミュージック・シーンに衝撃を与えたロンドンの新世代ポスト・パンク4人組、THESE NEW PURITANS、3年ぶりとなる新作だ。暗黒という言葉がふさわしいその世界は変わらないものの、彼らのサウンドを特徴づけていた執拗なまでのビートは影を潜め、今回、アンサンブルの主役となるのはピアノとホーン。そのせいか、これまでその影響が指摘されてきたクラシックよりもジャズに近い印象もあるが、同時にゴス色も一気に増した。うめくようなヴォーカルに混じる子供の声。オルガンの執拗なリフレイン。魂を抜かれたような女性ヴォーカル。教会音楽を連想させる荘厳なコーラス……。怖い。これは怖すぎる!!犯罪映画やサスペンス映画よりもむしろオカルト映画のサントラにぴったりだ。
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2008年、『Beat Pyramid』で衝撃のデビューを飾ったTHESE NEW PURITANSのニュー・アルバム。あのつんのめった性急なビート感は、このコンセプチュアルな新作にはない。様々なスタイルを呑み込んだビート・ミュージックを基盤としているという出発地点は変わらないが、このアルバムでは『Beat Pyramid』とは全く異なるベクトルを描いている。徹底的に研ぎ澄まされたサウンド・プロダクションは、前作のある種の乱雑さ故に生まれたあの高揚感を生み出すのではなく、脳内に浸透するように響いてくる。驚くほど高性能な脳内トリップの為のビート・ミュージック。正直、いきなりこんなところへ辿り着くとは思ってもみなかったが、彼らの才能の奥深さを見せ付けられる快心作。
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2010年のデビュー時には、チルウェーヴ、エレクトロ・シーンのパイオニアとして注目を集めたTORO Y MOI。これまでにサイケやアンビエント、R&Bやファンク、ソウルなどを取り入れながらその音楽性を深く、広いものへと更新してきた。今作は約1年半ぶり6枚目のアルバムとなるが、ダンス/ディスコ・ミュージックを基調とした別名義、LES SINSでの活動の影響が色濃く反映されており、また先述した多岐に渡るジャンルを回遊しながらも、ダンサブルなシンセ・ポップでまとめ上げられた作品となっている。その中でも異彩を放っているのは、ダーク・アンビエントでアジアン・テイストな「Miss Me (Feat. ABRA)」。アルバムのアクセントとして機能し緊張感を与える楽曲だ。いい意味でらしくない今作の白眉。
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ロック~クラブ・ファンまで絶大な人気を誇り、単独での来日公演はもちろん、FUJI ROCK FESTIVALやTAICOCLUBなどへの出演も果たしているTORO Y MOIことChaz Bundickが新名義、"LES SINS"として始動させたダンス・プロジェクト。"Carpark"傘下に立ち上げた自身主宰のレーベル"Company Records"からリリースされる1stアルバムでは、ムーディなクラシック・ハウスからUKベース・ミュージック、グルーヴィ且つスモーキーなビートまで、ポップ・ミュージックのルーツを辿るかのように多彩な音楽性を繰り出している。TORO Y MOIの持つダンサブルな要素を突き詰め、彼の様々なモードを楽しむことができる作品。
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コロンビア出身のChaz Bundickによるソロ・プロジェクト、TORO Y MOI。彼の描く音はチル・アウトでありながらもアンビエントという枠では収まりきらない。極めて純度が高いにも関わらず、光が水面を通過した瞬間に屈折して見えるように、TOROY MOIの音像を正確につかむことは難しい。交わることのない音像を重ね合わせ、それぞれに意識が分断されてしまう居心地の悪さを生み出しているのだ。しかし、ふわふわとした浮遊感の空気の中、伸縮し破裂する音が誘発剤となり、不思議と中毒性の高い音楽に引き込まれていく。まるで、夢を体験している自分を観察する自分自身として認識しているあの奇妙な感覚のように、音楽の中に飲み込まれている自分を見ることになるだろう。THE MORNING BENDERSやVAMPIRE WEEKENDが快活な"昼"の音楽であるのに対し、TORO Y MOIのそれは夢に落ちる瞬間の無秩序で混沌とした"夜"の音楽だ。
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最新で最旬の新世代インディ・アーティストを詰め込んだ好企画盤。NEON INDIAN、WASHED OUT、YES GIANTESS、DUCKTAILS、TORO Y MOIなど、これからが楽しみなアーティストばかり。エレクトロ、インディ・ロック、ポップまで実験的なメロディとリズムを満喫できる1枚。個人的には、NY出身4人組THE AMPLIFETESの「It's My Life」のベースとエレクトロの挑戦的なリズムサウンドがクセになりそう。そしてスペインはマドリードを拠点とする4人組DELOREANの爽快感溢れるポップ・ナンバー「Deli」はなんとも清々しい。全体的に様々な音が沢山詰まっていて、おもちゃ箱をひっくり返したような感じだ。
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2022年には名盤『The Invisible Band』の再現ライヴで来日し、変わらぬ人気ぶりを示したTRAVIS。10作目のアルバムは、フロントマンのFran Healy(Vo/Gt)が生活の拠点を置くロサンゼルスをタイトルに掲げた作品となった。彼が通ったNYのバーを騒々しく偲ぶTrack.2「Raze The Bar」、別れた妻に捧げるTrack.3「Live It All Again」、友人との死別を反映し生きる意味を改めて見つめ直すTrack.5「Alive」などパーソナルな内容だが、彼ららしい美しいメロディと優しくも切ないアンサンブルに昇華されたメッセージは、リスナーの心にも染み入ることだろう。ラップ調のVoを取り入れたTrack.10「L.A. Times」や、DX版のアコースティック音源も妙味がある。
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アイルランドはダブリン出身の青年、Conor O'Brien率いるVILLAGERSの3rdアルバム。サウンドの基調となるのはオーセンティックなフォークだが、そこにエレクトロニカやポスト・ロックを昇華したアレンジを塗すことで、深く己の内面世界に入り込んでいくような静謐なサウンドを産み出している。その内省的な音から想起したのは、デビュー当初のBRIGHT EYES。VILLAGERSには当時のBRIGHT EYESほどの荒々しさはないが、しかし、自らの心の奥底を見つめる、その眼差しの鋭さと熱さには通じるものがある。その後、BRIGHT EYESの視線は外側へ、社会へと向かった。VILLAGERSはどうだろう。内側か外側か――どちらにせよ、その眼差しに"変革"への意志が宿ったとき、化けるのではないだろうか。
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デビュー・アルバムがUKインディー・チャート及びアイルランドで1位を獲得し、海外メディアで絶賛されたアイルランド出身のConor J. O'Brienを中心としたバンド、VILLAGERSの2ndアルバムが完成。ギター・サウンドを中心としたシンガー・ソングライター風のサウンドが主体にはなっているが、本作は彼が影響を受けたというエレクトロニック・サウンドが要になっており、曲のダイナミズムが前作よりも増している。パーカッションの使い方が巧みで、ストリングスのアレンジと共に壮大なサウンド・スケープを描いている。シンプルでナチュラルなサウンドとリズミカルなビートを打つエレクトロニックなサウンドがどちらも主張しすぎず自然に融合しており、美しくも悲しげなこのアルバムの素晴らしさを物語っている。
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プロデューサーにM.I.A.、Rihannaを手掛けたJohn Hillを起用という意外性や先行シングルがPitchforkのベスト・ニュー・トラック獲得など、リリース前から話題のローファイ・パンク・バンド、WAVVES 3年振りの4thアルバム。冒頭の「Sail To The Sun」からドリーミーなキラキラ・サウンドが飛び出したかと思いきやすぐさまそれを“冗談、冗談”と笑い飛ばすパンキッシュなベース・ラインが炸裂。淡々と頭の中を引っ掻くようなアコギが印象的な「Dog」、“わからない”と連呼する「Paranoid」、警官殺しをテーマとした「Cop」など、情緒不安定な歌詞と開き直った演奏の対比が面白い。アレンジに凝りながらもローファイな質感は変わらず、最後まで飽きさせずに聴かせる良作。
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極私的な解釈でスイマセン!このアルバムを聴いてるとバンド組みたくなるんです。テクもギミックもいらねぇよ!とにかく勢いで突っ走ってしまえ!ってヤンチャなノリ。でも根幹はピュアな音楽愛に満ちている感じ。わかる?古くはRAMONESとか、最近ではVIVIAN GIRLSとか、日本ではBLUE HEARTSとか。ちょっとでも理解してくれたら連絡ちょうだい!バンドやろうぜ!はいごめんなさい、本線に戻します。海外メディアも大絶賛のWAVVES登場です。ローファイ&ガレージな荒々しさが持ち味だが、なんと言っても一度耳にしたら忘れられない強烈なフックを持ったメロディが最高!ヴォーカルNathanくんの恋人はBEST COASTのBethanyちゃんらしいので、ともに日本デビューを祝したカップリング・ツアーでの来日なんか実現しないかなぁ……切望します!
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2014年に結成30周年を迎えたUSインディーのレジェンド・バンド、YO LA TENGOのニュー・アルバム。今作は従来のメンバー3人に加え、初期メンバーのひとりであるDave Schrammが参加して4人編成で制作されている。SFドラマ仕立てのMVも話題のTHE CURE「Friday I'm In Love」を始めとするカバー曲、「Deeper Into Movies」他オリジナル曲のセルフ・カバー、新曲2曲「Rickety」「Awhileaway」で構成された内容は、全体的にリラックス・ムードが漂う近年の彼らのライヴ・パフォーマンスを反映したアコースティックなもの。THE LOVIN' SPOONFUL「Butchie's Tune」、Hank Williams「I'm So Lonesome I Could Cry」といったカントリー曲のカバーが最高に心地良く、広い草原の中で寝転びながら時間を忘れて聴いていたくなる。来日公演の実現にも期待したい。
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日本でも根強い人気を誇るUSインディー・シーンのベテラン・バンドYO LA TENGOが1993年に発売した6枚目のアルバム『Painful』のバンド結成30周年を記念したデラックス・エディション。現在は廃盤となり入手困難なオリジナル・アルバム(Disc1)に加えデモやアコースティック、ライヴ・バージョンを収録したDISC2、さらに90年代初頭のレア音源全17曲のDLクーポン付きという、まさにファン垂涎の作品となっている。静寂とノイズが交差する楽曲たちは発売当時のグランジ・ムーブメントを懐古させつつも現代の音楽シーンの先鞭をつけているようにも聴こえる。より荒々しく聴こえる「Double Dare」のデモ・バージョン等を聴くことができ、マニアックなファンにはたまらないクリスマス・プレゼントだ。
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2012年11月には東京で"Q&Aセッション"という貴重なライヴを行った彼ら。リクエストでもなくファンとの対話からインスピレーションを得たオリジナルやカバーを演奏するなんて、やはり3人の音楽的造詣と愛情の深さを感じずにいられない。そのライヴでも披露されていた新曲も収録した14作目のスタジオ・アルバムは、初めてTORTOISEのJohn McEntire がプロデュースを担当。そのせいばかりではないだろうが、グッド・ミュージックを独自のサイケ、ノイズ、ドリーミー・ポップへと位相を転換する構造は不変でありつつ、サウンドスケープの質が豊饒な光のかたまりのような印象に変化。US郊外都市の光と影、荒涼とした中にある温かさという彼らの魅力を損なうことなく、同時に実験も行った新鮮な1枚。
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U Sインディ・シーンを牽引し続けるYO LA TENGO が、通算13 枚目となるフル・アルバム『Popular Songs』をリリースする。今作は、ネオアコ有り、THE DOORS直系のサイケ・ガレージ有り、ソウル有り、ドリーミー・ポップ有りと、相変わらずそのインスピレーションとクリエイティビティは留まることを知らない。そのどれもが「popular songs」と呼ぶにふさわしい普遍的なメロディを持つ美しい楽曲。そして、シンプルなアレンジでありながらも、豊かな膨らみを持つ音像は彼らにしか生み出せないものだ。この温もりに満ちた音の端々から滲み出る音楽への愛情と深い音楽的バックボーンこそ、彼らがこれだけ長きに渡って愛され続け、それに応え続けている原動力だ。これだけ安心して新作を待つことができるアーティストはそうそういないだろう。