Overseas
2018年02月号掲載
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英国紳士的なシニシズムとユーモア、00年代初期のダンス・ロックを象徴するFFによる約4年半ぶりのアルバム。タイトル・チューンが先行配信され、白昼夢的なサウンドスケープと微妙な90年代のテクノ/ハウス的なビートの融合に驚かされたが、バンドが"過去のFRANZは忘れてほしい"というほど別物になったわけじゃないことがアルバムで明確になった。というのも基本にはミニマムなポスト・パンク的なビートがどの曲にも存在し、そこにエキゾティシズムを掛け合わせた「Lazy Boy」、エコーがかかったサイケデリックなオルガンが特徴的な「Finally」など、上モノにはエレクトロを通過した浮遊感やサイケ感がある。派手に踊らせるアルバムではないが、英国ならではの陰とオペラ風な物語性は健在なのだ。(石角 友香)
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