表題曲のひとつ「突破口」はTVアニメ"ハイキュー!! TO THE TOP"のOPテーマ。もうそれだけでアツいロックであることは間違いないのだが、そんな想像を軽々と超えるほどの熱量をもって迫ってくる音と歌に、思わず身体が動き出す。歌詞にある"正面突破"を物語るかのようなどストレートなサウンドと、大サビのシンガロングが唸ってしまうほど気持ちいい。一転、同じシンガロングでも、「自慢になりたい」のそれから感じられるのは真心を束ねた花束のような優しさだ。"僕は あなたの 自慢になりたい"というとんでもない殺し文句を、これほどまでに説得力のある響きで表現できるのは、まさに渋谷龍太の歌声の賜物。いずれにしてもSUPER BEAVERにしか成しえない温度を孕んだ両A面シングルだ。
BUMP OF CHICKENやTacicaを彷彿とさせる空気を含んだようなヴォーカルと、テンポよく馴染みやすいメロディ。そして、"僕"と"キミ"によって構成される日常の物語。青春群像とでも呼べるよな、焦燥感や繋がりを求めてるもどかしさを感じることが出来る。5分あまりの物語の中で、彼ら自身、悲しみや不安に声をあがながら、その悲しいという感情を原動力に進でいく。だからこそ、優しさやぬくもり、そして未来の自分たちの姿を見据えようともがく姿は、私たちに突き刺さるのだ。そして、暖かなぬくもりを見失い、身動きが取れず蹲ってしまった私たちに、手を差し伸べ背中を押してくれる。未来の自分自身に姿を捉えることができた今、SUPERBEAVER の進む道、そして歩んできた道は、確かな足取りに満ちている。
所属事務所移籍後初となる音源。そこに彼らは、ここから再び走り始める決意をしっかりと刻み込んだ。シンガロング/コーラスを擁した「理想像」で、込み上げてくる思いを力強く叫ぶPON(Vo/Gt)の歌声は、いつにも増してエモーショナルで、いつも以上に4人の姿が目に浮かんでくる躍動的なバンド・アンサンブルは、アップテンポなものだけでなく、壮大なスロー・ナンバー「朝が来る前に」でも、生々しく胸に迫ってくる。ユニークなリフレインが一瞬で耳から離れなくなる(けど、歌詞の内容は"超"がつくほどエモい)「けんけんぱ」や、「Don't you say」のような肩の力を抜いた曲もありつつ、決して"壊れることのない"自分たちの意志、そして音楽への情熱をまっすぐに燃やしている。
3月にメジャー1stフル・アルバム『Life is beautiful』をリリースしたばかりのラックライフが、早くもニュー・シングル『リフレイン』を完成させた。TVアニメ"最遊記RELOAD BLAST"のED主題歌となる表題曲「リフレイン」は、ダンサブルなロック・ナンバー。アニメに寄り添いながらも、その歌詞では全曲のソングライティングを手掛けるヴォーカル PONが、曲作りの中で感じる葛藤をありのままに綴っている。常に誰かの幸せを願うラックライフには珍しい、負の感情を纏ったマイナー調の楽曲がバンドの新たな魅力を引き出した。表題曲で歌われる"世界を変える"というまっすぐなメッセージが、カップリングの「存在証明」と「sweet my life」の2曲にも貫かれるというコンセプチュアルな性格の今作は、いまのバンドの攻めのモードを表している気がする。