Japanese
2021.08.20
"FUJI ROCK FESTIVAL'21"
NAEBA SKI RESORT
"FUJI ROCK FESTIVAL'21"
8月20日(金)NAEBA SKI RESORT
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MUSIC VIDEO
Related DISC REVIEW
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MAN WITH A MISSION × milet
絆ノ奇跡 / コイコガレ
アニメ"「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編"のOP主題歌として、MAN WITH A MISSIONとmiletという異色タッグが実現した「絆ノ奇跡」。「コイコガレ」は同アニメのED主題歌であり、こちらは"鬼滅の刃"で「炎」(LiSA)や劇判などを手掛けてきた梶浦由記が作詞作曲を手掛け、マンウィズと共に編曲をしたスペシャルなタッグになっている。アニメの世界観を意識し和楽器のエッセンスを用いるなど、miletのヴォーカルとの掛け合いがドラマチックな「絆ノ奇跡」が迸るバンド・サウンドが軸になっているのに対して、「コイコガレ」の梶浦×マンウィズ×miletの掛け算は新鮮。ストリングスが先頭を走り、そこにギターやそれぞれのヴォーカルが有機的に絡む。エモーショナルでいて、先の読めない緊張感も並走するヒリヒリする爆発感が妙味だ。
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MAN WITH A MISSION
Break and Cross the Walls Ⅱ
昨年の『Break and Cross the Walls Ⅰ』と連作となる今回。この2作で、"対立"や"衝突"から"融和"、"調和"へという普遍的とも言えるテーマを音楽で表現し、スケール感のあるハイブリッドなロック・サウンドで打ち鳴らした。世界や社会を映した大きなものとしても、またひとりの人間が成長、成熟していく過程でも響く、様々な場面でしっかりと地に足をつけて歩んでいくことやその実感を味わわせてくれる内容だ。布袋寅泰とのコラボによる「Rock Kingdom」や映画主題歌「More Than Words」、アニメ主題歌「Blaze」他タイアップ曲もあるが、一貫して底通するものがある。バンドのこのブレなさが、曲やサウンドの底力にもなっている。そのスピリットを形にしたアルバムだ。
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MAN WITH A MISSION
Wolf Complete Works Ⅶ ~Merry-Go-Round Tour 2021~
2021年12月に横浜、名古屋、大阪の3都市で開催された、約2年ぶりとなるアリーナ・ツアーより、横浜アリーナ公演2日間を収録した映像集がこちら。初日と2日目、それぞれ17曲が収められ、大ボリュームで、初期の楽曲が中心となった初日と2013年から最新楽曲までが披露された2日目と、マンウィズのこれまでの歴史を振り返るような内容となっている。気合の入ったパフォーマンスや迫力のある演出だけでなく、ユーモアたっぷりの面白動画もしっかり収録。メンバーそれぞれを絶妙なアングル(笑)でとらえたカメラ・ワークで、様々な視点から楽しめるのは映像作品ならではだが、メンバーの高揚感からは再び動き出す世界へのポジティヴな感情も伝わるし、フロアの熱量も臨場感満載だ。
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MAN WITH A MISSION
Break and Cross the Walls I
約3年半ぶりのオリジナル・アルバムとなる今作は、2作連続リリースの第1弾。「Remember Me」や「Change the World」などの重厚感があってドラマチックな、これぞマンウィズという曲から、「yoake」やタイトル曲など新たな扉を開いてバンドのスケール感を広げていく曲など全14曲が収録された。そのサウンドスケープの原点にあるのは、初めてロックに触れたときの痺れるような感覚だろう。その身体を貫いた興奮や恍惚感を何度でも味わうように、音楽の探求や自己の探求がより深く続いている。爆裂なサウンドから、緻密なディテールを重ね描きこんだ小宇宙的サウンドなど、手法はそれぞれだが、音楽の中心にある衝動感や熱量に心を掴まれる内容になっている。続く作品への期待も高まる。
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MAN WITH A MISSION
Merry-Go-Round
士気が上がるような、あるいは唱えることで自分にエンジンをかけるようなポジティヴなシンガロングで始まる表題曲。Kamikaze Boy(Ba/Cho)とJean-Ken Johnny(Gt/Vo/Raps)による曲で、骨太なビートにベースが暴れまわるダイナミックなバンド・アンサンブルに、ストリングスがさらなる厚みを加えるサウンドが強力だ。メリーゴーランドから湧くのはポップなイメージだが、曲が進むごとにうねりを帯びて、そのパワーとグルーヴの遠心力で、途方もない場所に連れていくような曲になっている。昨年の3ヶ月連続シングルからのEP、そして6月にリリースしたシングルとハイペースで、良質な曲を作り上げてきている現在。その充実度に、先に見据えるだろう作品への期待が急角度で上がってくる。
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MAN WITH A MISSION
INTO THE DEEP
タイトル曲は、これまで何度かタッグを組んだ中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)と共同アレンジ。バンド・サウンドとテクノ、エレクトロ・ミュージックのミックスはマンウィズにとって新しいものではないが、今回はより有機的な融合を果たしていて、互いが衝突した爆発感をパッケージしたというより、継ぎ目なくシームレスで、新たな生き物の鼓動がある。五感を研ぎ澄ませた臨戦態勢で機を狙うような、スリリングな曲となっており、そのゾクゾクする緊張感が彼らのロック・ミュージックの地平をさらに切り拓く曲になりそうだ。全曲にタイアップがあり、ドラマチックな映画挿入歌「Perfect Clarity」、NHK「みんなのうた」に決定している「小さきものたち」とバンドの枠も広げるシングルになった。
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MAN WITH A MISSION
MAN WITH A "BEST" MISSION
結成10周年を記念した、メンバー選出によるベスト盤は、代表曲や、最新シングルから「Change the World」と「Rock Kingdom feat. 布袋寅泰」の全17曲を収録。2011年に発表されブレイクスルーのきっかけとなった「FLY AGAIN」や、ドラマ主題歌として広くリスナーを獲得した「Remember Me」、TAKUMA(10-FEET)をフィーチャーした「database」や中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)プロデュース曲「Hey Now」、その他ライヴでのキラーチューンが揃う。力のあるロック・バンドだと証明してきた10年。そして様々なジャンルを内包し、繊細さとダイナミズムを兼ね備えた王道たるロック・ミュージックを更新し続ける彼らの歩みが凝縮された1枚だ。
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MAN WITH A MISSION
MAN WITH A "B-SIDES & COVERS" MISSION
ドキュメンタリー映画の公開に始まり、アニバーサリー・イヤーの企画が目白押しのMAN WITH A MISSION。リリース3部作第1弾は、B面曲とカバー作品集。自身の映画主題歌で、大合唱に士気高まる新曲「The Victors」が1曲目を飾り、MR. BIGカバーや10-FEETのコラボ・アルバム収録曲、和田アキ子カバーなどと、シングルのカップリングならではのコアで、狼のバックボーンがより垣間見える曲が一堂に集まった。「ワビ・サビ・ワサビ」は哀愁が練りこまれた直球のパンクであり、FARのギタリスト Shaun Lopezとの「Mr. Bad Mouth」、「The Anthem」は鋭いエッジをモダンに昇華したポスト・ハードコアの香りが濃い。バンドの奥行きを知る1枚だ。
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MAN WITH A MISSION
MAN WITH A "REMIX" MISSION
結成10周年を記念した3部作第2弾のリミックス・アルバム。Jagz KoonerやSLUSHII、Ken Ishii、石野卓球らが手掛けた全12曲を収録。新たな曲としては、上田剛士(AA=)による「Take Me Under」と、"Hero's Anthem"と題した「FLY AGAIN」のニュー・リミックスが加わった。前者は、これぞAA=というアプローチでのっけからミニマルで攻撃的なデジタル・ノイズが鳴り響き、メロディを生かしながらも新次元の曲へ。また後者はコーラスやシンガロングをまとってライヴのボルテージを封じ込めたようなミックスに。キャッチーで、印象的なリフやフレーズ感といった武器が多い原曲だからこそ、素材としてのポテンシャルも高い。マンウィズの強みを再確認するリミックスだ。
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MAN WITH A MISSION
Remember Me
5thアルバムから1年を経た6月現在も、同作を引っ提げ国内外を巡るロング・ツアー中であるマンウィズ。後半は初のアリーナ・ツアーであり、地道に活動すること9年で本人たちも予想だにしなかった光景を目にしているという。そして今作「Remember Me」はフジテレビ月9ドラマの主題歌に決定である。いったいどこまで行くのだろう。希望に満ちて、高揚感とエネルギーに溢れたこのロック・チューンを聴けば、突き進む彼らの道になんの迷いもないことが伝わってくる。好きな音楽、マニアックな志向は変えることなく、そのスケールを大きくしていく気概が詰まった曲だ。先行配信された「Left Alive」、「FLY AGAIN 2019」なども収録され、アルバム以降の晴れやかな第一声となった。
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MAN WITH A MISSION
Chasing the Horizon
前作『The World's On Fire』からの深化を見せ、さらなる境地へと踏み込んだ5thアルバム。1曲目は、人間と人工知能の能力が逆転するシンギュラリティ(技術的特異点)を歌う「2045」。パワフルなビートで、新次元に恐れることなく自分の可能性を信じることが歌われる曲でアルバムは幕を開け、不穏なトーンのリフが印象的な「Broken People」へ雪崩れ込む。キッチュなガレージ・パンクと相反するインダストリアル・サウンドが衝突したようなこの曲があるかと思えば、美メロのバラード「Please Forgive Me」、そしてMWAMの王道をアップデートした「Break the Contradictions」など、音楽性は幅広く、その挑戦をしなやかなバンド感で昇華している。既発曲も作品の彩りとなっており、音の地平はどこまでも広い。
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MAN WITH A MISSION
WELCOME TO THE NEWWORLD
轟音ギターリフを中心に、ダンサブルなサウンドがグルーヴ! オープニングナンバーの「DON'T LOSE YOURSELF」からいきなり、高揚感がヤバいです。ロックテイストありパンキッシュあり、ポップなメロディーも聴かせるニクいワザも駆使しつつ、さらにデジタルサウンドも効果的に導入、etc......。様々な音楽性を旺盛に消化・吸収しているそのスタイルは、インタビューで本人も語っている"AIR JAM世代"が拓いた日本のロックシーンの新たな流れを受け継ぎ、それをさらに洗練させた形で表現しているかのよう。狼フェイスとおフザケ感満載な言動に、"オマエら何者やねん!?"とうさんくさげな視線を向けている方々も多いのではと思われますが......(笑)。相当ハイレベルな音楽知能がなければ、こんな作品は絶対に生み出せないはず! ヤバいです!
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OKAMOTO'S
この愛に敵うもんはない
戸塚慶文原作の人気漫画"アンデッドアンラック"がアニメ化、その第2クールのエンディング・テーマに書き下ろした「この愛に敵うもんはない」。原作のファンだというオカモトショウ(Vo)が、主人公ふたりがリアルの世界に生きていると想定して書いたという歌詞は、愛する相手の悲しみや苦しみすべてを引き受けるという、原作に通じるもの。特異なストーリーがストレートなラヴ・ソングを生む好例だ。ドライヴするユニークなギター・サウンドをフックに開かれたR&Rに落とし込んでいるのも、何周か回って十八番を堂々と鳴らしている印象。2曲目の「カーニバル」はオカモトコウキ(Gt)の作詞作曲。彼の作風には珍しいオーセンティックなフォーク・ロックで、ナチュラルな音像だが、知らないどこかを夢想しているような新鮮な1曲。
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OKAMOTO'S
Where Do We Go?
フィジカル・パッケージのシングルはなんと2016年の『BROTHER』以来となる本作は、人気漫画を原作とするTVアニメ"Dr.STONE"第3期エンディング・テーマとして書き下ろした新曲だ。作曲はアルバム『KNO WHERE』以降最強タッグになったオカモトショウ(Vo)とオカモトコウキ(Gt)で、彼らのレパートリーの中でもファンクとロック両方の旨味と哀愁を混交した世界観。いわば"レッチリDNA"をここまで極上のアンサンブルで落とし込めるバンドは、国内外を見渡してもいないのではないだろうか。石器時代から現代まで一気貫通する冒険譚に漂うスケール感と人間愛を、普遍的な人生の物語として歌詞に落とし込んだショウの歌は、奇しくも先の見えない現代とシンクロする。ライヴでもほぼそのままの音像なので現場でも確認してほしい1曲。
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OKAMOTO'S
Flowers
OKAMOTO'Sのコラボレーション・アルバムとはいったい? と妄想していたら、相手はメンバー。4人が曲のプロデューサーとなって自由にアイディアを出したことで、音楽的なキャラクターが明快に。「Gimme Some Truth」の90s UKロック~THE BEATLESを彷彿させる大展開、オカモトレイジ(Dr)とオカモトコウキ(Gt)作曲のアルバム・タイトル曲は、コウキの声に似合うネオアコっぽいメロとトリップ・ホップのビートやネタの差し込みが新鮮。ハマ・オカモト(Ba)のスラップが前面に出た「いつも、エンドレス」は、AOR歌謡的なアレンジに。他にもストレートすぎてこれまで着手していなかったコード進行も、腹の底からパワーが出そうな音像も、彷彿どころか"OASISじゃん!"な曲も、むしろ4人のバンド・サウンドが際立つ高度な仕上がり。
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オカモトコウキ(OKAMOTO'S)
時のぬけがら
時間をかけて紡ぎあげられたことが美しくきらめく音の粒から伝わる、約2年ぶりのアルバム。TAIKING(Suchmos)、澤 竜次(黒猫チェルシー)、マスダミズキ(miida)らとの音作りは、懐かしい要素をいかに新しく聴かせるかというレア・グルーヴ感があり、近年のシティ・ポップ・ムーヴメントにも通ずる。そしてそこに、とびきり人懐こい彼の声がベスト・マッチ。OKAMOTO'Sのギタリストのソロ作、といったイメージで聴くといい意味でひっくり返るに違いない新鮮な仕上がりだ。"喪失と時間"について描いた本作は、この2年のどこか空っぽに感じる心模様が素直に落とし込まれているが、実はそれってコロナ禍と関係なく存在していた感覚なのかも、と思わせられたりもした。心地よいうえに聴き応えも充分の名盤。
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OKAMOTO'S
Welcome My Friend
デビュー10周年というキャリアもあるが、彼らはTHE WHOらが編んできた物語性のあるロック・ミュージックを作れる数少ない日本のロック・バンドであることを改めて実感する。音数を整理したRED HOT CHILI PEPPERSのようなアンサンブルで生業について歌う表題曲にしろ、反復するビートに乗せ、世界で起こっている暴動を身近に感じながら、しかしこの国では起こらないであろう虚無感が滲む「Riot」にしろ、以前、彼らが『OPERA』で実現したことのさらに図太いやり口に感じられる。BRIAN SHINSEKAIがアレンジで参加している「MOTEL」のピアノもギターのどこか70年代風なムードも不穏且つ耳新しい。このEPは2020年のOKAMOTO'Sの全容のさわり且つ大事な伏線である予感がする。
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OKAMOTO'S
BOY
中学の同級生で結成し、10代でデビューした彼らは"BOY"というワードが似合いすぎるバンドだ。デビュー10年を経て客観的になれたからこそ冠することのできたタイトルだし、ある種象徴的。誰より早くロック・バンドでファンク的なグルーヴを導入した彼らだが、今作では「Dreaming Man」に代表される8ビートが圧倒的に多い。また、NHK「みんなのうた」に起用された「DOOR」でのTHE BEATLES的アレンジへの昇華も新鮮だし、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(Gt)を共同アレンジャーに迎えた「Dancing Boy」は珍しくU2からのリファレンスを感じられる作風。他にも00年代ヒップホップの匂いのミクスチャーなど、そのセンスの奥深さは音楽好きのタイム感とツボを突きまくる。
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OKAMOTO'S
NO MORE MUSIC
音楽は溢れているけれど一瞬で消費されてしまう、今の状況を象徴するテーマを打ち出した本作。"昨日の続きのようなすっきりしない今日"を歌うリード曲「90'S TOKYO BOYS」のファンク/ヒップホップを呑み込んだグルーヴ、ダルなギャングスタ・ムードの中でアイデンティティ崩壊寸前のメンタルを歌う「Cold Summer」、タイトルに反して本当はかけがえのないものとして存在し続ける音楽について歌う表題曲、ポップ・マエストロ 堂島孝平をプロデューサーに迎え、オカモトコウキ(Gt)のスウィートな資質がさらに押し出された「WENDY」、珍しくグランジーな「SAVE ME」など、どの曲も"いい加減ほんとのこと言えよ"的なヒリヒリ感が根っこにある。カラ元気はいらない、哀しみを認めて前へ進むためのハイブリッド・ロックの誕生だ。
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OKAMOTO'S
LIVE
アナログと配信のみの『BL-EP』にしろ、ライヴ音源とライヴ映像で構成された今回にしろ、今のOKAMOTO'Sは必然性のあるリリースしかしていない。それにしても日比谷野音のライヴからもう半年経過しているにもかかわらず、あの日最後に演奏され、熱狂と歓喜が爆発した「Dance With You」を聴くと、全県ツアーで獲得した自分たちの存在意義や、時代とリンクした手応え、彼らの信じるR&Rの強度に涙が出そうになる。およそ今のR&R、R&B、ファンクの美味しいところをすべて凝縮したようなOKAMOTO'Sのレパートリーの中でも、その振り幅を象徴するライヴ・テイク5曲と、ツアー中に制作した「ROCKY」のスタジオ・テイクからなるCD。Blu-rayは日比谷野音公演をコンプリート収録した永久保存版。
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OKAMOTO'S
BROTHER
楽曲の参照点としてTHE ROLLING STONESやらRED HOT CHILI PEPPERSや80'sのファンクがあるんじゃなくて、バンドの肉体性や精神にそうしたカッコいい洋楽の美学がもう根付いちゃっているのである、OKAMOTO'Sは。しかもカオスなまでに様々なジャンルを呑み込んだ怪作『OPERA』のあとの作品なわけで通り一遍のアレンジじゃない。でもパッと聴くにはゆるいぐらいな「BROTHER」の本物感。それにしてもオカモトショウが描く自身のアイデンティティに関わる英語詞のリアリティが泣ける「Lagoon」。日本語だとある種、ロック的なスタイルに着地しがちな彼の言葉が今回はグッと生々しく表現されたことも本作収録の「BROTHER」と「Lagoon」の大きな成果だろう。コウキ作の「なんかホーリー」は太いファンクに乗るスウィートさが絶妙なバランス。
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OKAMOTO'S
OPERA
シングル「Dance With Me」でショウが語る冒頭部分の怒気と切なさが混じったあの強烈なインパクトを信用したリスナーは、このアルバムでさらにOKAMOTO'Sというバンドが持つ迫力を知ることになるだろう。このロック・オペラのストーリーはこうだ。泥酔した主人公はカギとケータイとサイフをなくして、街を彷徨い、自分の内面でも彷徨い......自分にとって必要なものを探しながらさらに傷つく。のだが、これまでの彼らの文脈にない相当振り切ったテクノやヒップホップや往年のファンクやオルタナ要素が曲ごとに色濃く打ち出され、そのアレンジは時にコミカル、時に歌詞とともにシリアスに迫ってくる。まさに映画より小説より生々しい、だからこそ"ロック・オペラ"なのだろう。ここまで突き詰めた4人に感服。
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OKAMOTO'S
VXV
CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。
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OKAMOTO'S
Let It V
CDデビュー5周年にあたる2014年にリリースされるメジャー5thアルバム。"夢を殺して"というサビが強烈で、ある種アルバムの原動力となった、現状を越えていく意思がみなぎる「Kill Dreams」、くるりの岸田繁がプロデュースとアレンジで参加した、シンプルだがこれまでにない広がりを感じるR&R「HAPPY BIRTHDAY」、SOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビ、元晴、丈青が参加した2トーン・テイストの「Let's Go! Hurry Up!」、Phil Spectorや大滝詠一らへのオマージュ的なサウンドへの挑戦も新鮮なラストの「虹」までOKAMOTO'Sのルーツ・ミュージックへの造詣の深さが10年代のサウンドやポップネスへと昇華された全11曲。4つ打ちにアプローチした「JOY JOY JOY」もアルバムの中でさらに光っている。
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OKAMOTO'S
オカモトズに夢中
10 代にして、時代錯誤な匂い漂う音を生々しく響かせるOKAMOTO'S。学園祭で話題をさらっていたキッズ達は、瞬く間にその名を全国、そして全米にまで轟かせた。なんとも末恐ろしい才能である。OKAMOTO' S のロックには、綺麗な女の子と眩く輝くネオンのぎらつきがぎゅうぎゅうに詰められている。圧倒的な熱量が駆け巡るサウンドは、文字通り世代を超えて、エネルギッシュな奔放さで私たちを翻弄する。彼らのライヴさながらのスピードでリリースされた本作では、街の空気に漂う酒臭い裏通りの匂いやざわめきを感じさせながらも、向こう見ずなエネルギーが更に増幅されている。"人間大嫌い" と叫んでいながら、そこにあるのは愛と焦燥なのだ。悔しいけれど、彼らの思惑通り、すでに私たちはオカモトズに夢中。そう、全ては"ここから始まる" のです。
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OKAMOTO'S
10'S
メンバー全員が岡本太郎好きだというOKAMOTO'Sの2ndアルバム。成長期には1年間で10センチ以上も背が伸びることがあるというが、まさに10代の成長は目覚ましく、それはこの子供たちにおいても、例外ではないようだ。前作から1年、確実にバンドは変化している。高校生とは思えないクオリティの直球ガレージ・ロックを鳴らした1stアルバム。しかし、その中には、"ロックン・ロールに夢中な少年" が見え隠れしていた。幼さが垣間見える瞬間が何度もあり、そのサウンドと不釣り合いな"青さ"には、思わずくすりと笑ってしまうような愛嬌があった。それがどうだ、この頼もしさは。前作よりも、さらにシンプルになっているのにもかかわらず、全てがより力強く、より豪快に振りきれている。一つ大人になったからこそ、本当の意味でやんちゃになったのかもしれない。
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RADWIMPS
記号として /'I' Novel
これまでバンドを支えてくれたファンに対する感謝の気持ちを込め、RADWIMPSがリリースしたメジャー・デビュー10周年記念の両A面シングル。持ち前のミクスチャー・ロック感覚を、とことんアグレッシヴ且つトリッキーに、そしてスピーディに表現した「記号として」とフォーキー且つメロディアスに、この10年間を振り返った「'I' Novel」。後者はヒップホップを生バンドで演奏したようなダンサブルな魅力もある。その2曲に加え、歌と演奏を同時に一発録りした「お風呂あがりの」も収録。マンドリンとウッドベースを使ったドラムレスの正調フォーク・ナンバー。そんなイレギュラーとも言える曲も含め、バンドの懐の深さを改めて印象づける3曲。こういう感謝の表現のしかたがファンには1番嬉しい。
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RADWIMPS
ピクニック
1年8ヶ月ぶりのニュー・シングルは、バンドのフロントマンである野田洋次郎が主演を務める映画"トイレのピエタ"の主題歌。その1曲のみ収録したところにこの曲に対する誠実な想いがうかがえる。余命3ヶ月を宣告された主人公が死を目前にして、ついに感じることができた生きることへの想いを詩的に歌い上げたバラード。ギターの弾き語りと思わせ、想いを吐き出しながら高ぶっていく主人公の気持ちを表現するようにストリングス、ピアノが加わり、最後はバンドの演奏とひとつになってドラマチックに盛り上がる。それにもかかわらず、聴き終わったあと、深い感動とともに残るのは静謐という印象。生と死を歌った壮絶なバラード。アンビエントな音響を意識したと思しきサウンド・メイキングも聴きどころだ。
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RADWIMPS
×と○と罪と
恋愛を歌い続けていた『RADWIMPS4~おかずのごはん~』までの4作品、よりバンドの音像を強度にし、人が目を逸らしがちな闇と向かい合い言葉を紡いだ『アルトコロニーの定理』と『絶体絶命』。その6つを経て作り上げられた『×と○と罪と』は、過去最高に切実で痛烈、そして何より素直で自由だ。自然体な音と言葉からは喜怒哀楽が生々しく滲み、ひとつひとつが心臓の中心を抉るように突き刺さる。その痛みの正体は"真実"。こんなことを言えば嫌われるかもしれない、気持ち悪がられてしまうかもしれない――綺麗な嘘の防御だらけの世の中で、彼らは傷つくことを恐れることなく"本音"を鳴らす。その勇敢な姿は美しく、偽りの世界に溺れる我々の救世主のようだ。RADWIMPSはまた新たな地を開拓した。
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RADWIMPS
五月の蝿/ラストバージン
現在、アルバムに向け、新曲を作っているというRADWIMPSから届いた約7ヶ月ぶりとなる両A 面扱いのNEWシングル。ともにミッド・テンポのロック・ナンバーながら、激しい「五月の蝿」と穏やかな「ラストバージン」それぞれに正反対と言える曲調。究極のラブ・ソングらしい。愛の終わりと始まりを歌ったと考えれば、曲調の差も頷ける。「五月の蝿」の歌詞は、話題になっているように確かに衝撃的。気分が悪いという感想も理解できる。しかし恋愛っていうのは本来、これぐらい激しく感情が揺さぶられるものだろう。それを思えば、世の中にあふれている、きれいごとだらけのラブ・ソングのほうがよっぽど気持ちが悪い。歌詞を云々するよりもこれをメジャーからシングルとしてリリースする意味を考えるべきでは?
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illion
UBU
日英独仏にてリリース、初ライヴはロンドンにて開催など、海外進出が大きなトピックとなっているRADWIMPS野田洋次郎のソロ・プロジェクト"illion"。初作品『UBU』は野田洋次郎というひとりのアーティストの音楽的才能がとめどなく溢れる荘厳なアルバムだ。生楽器と打ち込みは歌声と共に丁寧に音を編み込み、国やジャンル、理論や制約など、枠組みや既成概念を消してしまうように解き放たれてゆく。冷ややかでありながらぬくもりが滲み、哀しくも優しく、無機質でありながらも肉体的で、時に牙を剥いて襲い掛かり、時に人懐こく懐に潜り込む。そんな奔放さは捉え方によって様々な印象を得られるが、一貫しているのは揺るぎない自身の音楽への信念と挑戦。その姿勢はどこまでも勇敢で美しい。
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THE BAWDIES
Section #11
デビュー10周年、結成15周年というアニバーサリー・イヤーを締めくくるのは、新たな幕開けへの祝砲ともなるニュー・アルバム。全12曲、どの曲がシングルになってもいい、最高に踊れて笑顔になって、甘酸っぱくて、エキサイティングな、喜怒哀楽を総動員するロックンロールが次々と放たれる。彼らがルーツ・ミュージックから啓示のごとく受け取ったロックンロールの持つプリミティヴな力を継承する核は変わらず。その使命感をより強固に、ソウルフルで華のあるプレイで聴かせる。中でも、ポピュラー・ミュージックの歴史をモダンにマッシュアップしたような「THE BEAT」は面白く、またキャリアを積んだ今だからこそ歌えるバラード「STARS」も洗練された深みがある。この1枚でどんな旅もできそうなアルバムだ。
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OKAMOTO'S
VXV
CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。
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THE BAWDIES
LEMONADE
小さい頃から音楽が大好きで、英国や米国のリズム&ブルースやロックンロールを聴き続けてきたのだろう。彼らの楽曲を聴いたらそう思わない人はいないのではないか。それ程トラディショナルなロックンロールを追求し続け、今作もそこからは一瞬たりともぶれてはいない。シンプルでパワフルなサウンド、渋いヴォーカル、全部英語の歌詞。しかし、ただの模倣とは違うのである。古き良き音楽を昇華することにより純度を高め、現代に再構築したのが彼らだ。そして、ファンキー・ビートなTrack.2には驚かされる。ROYの歌声が日本人離れした稀有なものであることを改めて感じずにはいられない。また、Etta Jamesへの愛と尊敬の念に溢れた「TOUGH LOVER」は彼女を知らない人でも楽しめる1曲に仕上がっている。
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THE BAWDIES
LOVE YOU NEED YOU feat. AI
異色コラボ? いやいや寧ろ合いすぎちゃってどうしましょう! THE BAWDIESのトレード・マークとも言えるスーツを脱いで臨んだ、ソウル・シンガーAIとのコラボ曲「LOVE YOU NEED YOU」はハンズ・クラップやメロディアスなギター・リフなどがモダンな空気を醸し出す伝統的なロックンロール。ROYとAIのパワフルなツイン・ヴォーカルは息ピッタリ。5人がのびのびと楽しんで音を出しているのが伝わってくるので、聴いてるこっちもウキウキでスキップでもしたくなってくる。Ray Charlesの名曲「HIT THE ROAD JACK」のカヴァーも秀逸。THE BAWDIESの持つエンタテインメント性、AIのシンガーとしての力量をこれでもかと見せ付ける、エネルギッシュなシングルだ。
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THE BAWDIES
JUST BE COOL
THE BAWDIESの勢いは留まることを知らない。現在バンドは怒涛のツアー中、にもかかわらずまさかのニューシングルのリリース。さらにHOT、HOTと言って来たバンドがまさかの"JUST BE COOL"というタイトル。いったいどうなっているんだ!?と思いながら音源を聴いてみると、なるほど納得。ソウル・ミュージックのループ感をTHE BAWDIES流に解釈した素晴らしい楽曲に仕上がっていた。Track.2には7月5日下北沢SHELTERで行われた「THERE'S NO TURNING BACK」TOUR FINALのプレミア音源を収録。これがまたベスト盤か!?というようなTHE BAWDIESの代表曲が収録されている。どちらにせよ、内容、ヴォリュームともに申し分のない一枚。
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THE BAWDIES
THERE'S NO TURNIN' BACK
前作『THIS IS MY STORY』でTHE BAWDIESがただのルーツ・バンドなどではないと提示した後で、彼らがどう進むのかと思っていたが、ここまで幅広い音楽性をパッケージしたアルバムになるとは思っていなかった。痛快なシングル「HOT DOG」のようなロックンロールから、「I WANT YOU TO THANK YOU」といった驚くほどのポップ・ソングまで、これまでのTHE BAWDIESとは違う振れ幅を披露している。しかし、インタビューでも語ってくれたように、そこには変な力みなどなく、あくまで自然体で楽しんだ結果生まれたフレッシュな感覚が詰まっている。ROY のシャウトも凄まじく、これまでのTHE BAWDIESのロックンロールというイメージをさらに強固に塗り替える一枚。
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THE BAWDIES
IT'S TOO LATE
『THIS IS MY STORY』で、それまでのルーツ・ミュージックからさらに前進したTHE BAWDIES 独自のサウンドを鳴らした彼等が、メジャー・ファーストシングルとなる『IT'S TOO LATE』をリリースする。音の質感は『THIS IS MY STORY』と同じくモダンなもの。その音は、うねりをあげるギター・フレーズが印象的な痛快なロックンロール。まさに、インタビューでも語られる通り、ルーツ・ミュージックの枠組みでは説明することのできない、独自のスタイルを獲得したことをはっきりと示す楽曲だ。カップリングは、今年のツアー・ファイナルの模様を収録したライヴ・ヴァージョン。そのエネルギッシュなライヴを疑似体験できる内容となっている。
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THE BAWDIES
This Is My Story
50~60'sのロックンロールへの憧れだけでは到底太刀打ちできない、「本物」のグルーヴに満ちたTHE BAWDIESの登場は、黒船来航さながらだった。当時のレコードから飛び出してきたかのような、ソウルフルなヴォーカルや跳ね回るリズムは、海外からスタイルだけを拝借するような日本のバンドが持つ、ある種のカッコ悪さを炙り出した。 真の意味での1stアルバムだ、とメンバーが口を揃えて語る本作は、ルーツ・ミュージックの飽くなき探求を進めてきたTHE BAWDIESが、いよいよ本格的にオリジナリティーを開拓した傑作である。モータウン的だったりモダンR&B的だったり、多様さを増した楽曲の中に見え隠れするのは、THE BAWDIESならではのポップ感覚。懐古主義なんて言葉から遠く離れた未来のポップ・シーンに、この音は鳴っている。
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くるり
感覚は道標
今回、オリジナル・メンバーで制作したのは90年代オルタナティヴ・ロックをひとつのモチーフとしていたからで、森 信行が戻った、というのはニュアンスが違うと本作を聴いて感じた。オルタナ、60年代英国のロックンロールやブギーからラテンまで、3人のセッションを起点に完成していった13曲には当時の焼き切れるような試行錯誤は感じない。でも当時よりカオスも一発鳴らせば吹き飛ぶようなエネルギーもある。特に「世界はこのまま変わらない」(のあとに"君が居なければ"と続くのだけれど)の多言は不要なパワー、「ばらの花」の構造とアレンジがモロに下敷きになっている「朝顔」など、単にいい曲以上の現在の迫力を自らの歴史を使って証明しているんじゃないか? 加えて先人への愛も随所に聴こえるのでぜひ耳を澄ませてみて。
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くるり
天才の愛
コロナ禍以前から、生活者として怒り心頭なことも呆れてしまうこともある。しかし、ストレートにそれを表現するには、キャリアも居場所も(くるりと京都という土地はやはり分かち難い)違うんじゃないかと作用したのだろう。まるで老獪な噺家のそれのようなユーモアだ。音楽的にはこれまでの彼らの持ち味をベースにしながら、ゲーム・ミュージックのようなニュアンスのSEが、いわゆる名曲感溢れるナンバーにも登場するし、円谷プロが今、特撮モノを作ったらこんな劇伴になるかもしれない「大阪万博」など、インストが並ぶのも面白いし、楽器の音は本物らしさが溢れつつ、音の配置が新しいアートのようでもある「I Love You」など、一流食材と道具を使った名前のない料理を出された感じ。味わえるかは我々次第だ。
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くるり
コトコトことでん / 赤い電車 (ver. 追憶の赤い電車)
「益荒男さん」、「大阪万博」と仰天の実験作を配信リリースしてきたくるり。久々のCDは、"ことでん"の愛称で親しまれている、香川県の高松琴平電気鉄道をモチーフに制作した楽曲と、2005年リリースの「赤い電車」をリアレンジした別バージョン。Homecomingsの畳野彩加(Vo/Gt)をフィーチャーした歌あり「コトコトことでん」は、ミニマムな打ち込みボサノヴァといったニュアンスで、界隈の魅力を昇華。同曲のインストや、出発メロディに、遠くへ行けない今、普段以上に旅情をかき立てられる。またホーンやローズを加え、フューチャー・ファンク調にリアレンジされた「赤い電車」は細部の音の抜き差しに注目。鉄道も音楽もまだ見ぬ世界を見せてくれるが、岸田 繁の両者に込めた愛情、バンドの遊び心に唸らされる。
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くるり
その線は水平線
10,000枚限定リリースのシングルは、表題曲を異なるアレンジで2パターン収録。BPM100、譜面に起こせばそれほど変わった曲ではない。しかし今のくるりが演奏すると、"今、必要なマインドセットはこういうことなんじゃないだろうか"と心揺さぶられる音像になる。テンポやコード感は「HOW TO GO」(2003年)を思わせ、最初のバージョンでの生の歪みが印象的でベースも含め重心の低さは通底する部分も。こちらのドラムは初顔合わせの屋敷豪太。Ver.2はシューゲイザーに近い音像で、ドラムはCliff Almond。15年近い歳月の末にもたらされたものはと言えば、慟哭や焦燥のアンサンブルが澄み渡る前進のエネルギーに変換されたことなのではないか。なおCDには昨年の"京都音楽博覧会"ライヴ音源も収録。
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くるり
THE PIER
何度リピートしても現実の情景とリンクすることのない世界観である。クラシカルなオーケストレーションをフィーチャーしながら、アジア、東欧、時に中東など国や宗教を越えて人々が自由に行き来するイメージの冒頭の「2034」から、すでにくるり版"スチーム・パンク"は始まっている。しかも「Liberty&Gravity」のように1曲の中で時空を飛び越える壮大な音楽絵巻も登場するダイナミズムは劇中劇のよう。が、"最初のリバティ それは あなたと暮らした その暮らしで"というヴァースには、例えば「東京」から確かに続く岸田繁の人生と、ここまでの過程で鍛えられた精神を垣間見ることもできる。音楽的引用や思わず記憶の扉が開くメロディに溢れているこのアルバムは、存在そのものが音楽の未来を議論できる玉手箱だ。
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くるり
奇跡/オリジナル・サウンドトラック
一介のチンケな物書きの極私的な心情を交えレビューする。想像を遥かに超えた事態に思考は追いつかない。3.11以降の音楽の在り方を考え続けても答えを見出せない。音楽の救いなんてただの美談じゃないかと諦観してしまう瞬間もある。なんだか悶々としてしまうし、空虚感を懐いてしまう。しかし、それでも僕は音楽を欲している。あなたもそうだろう。"3.11"が歴史的な転換点と位置づけられるのは間違いない。そして表現者には、それ以前以降では明確に違う切実な命題を突きつけられたはずだ。それぞれ、あらゆる葛藤が延々続いていくと思うが、くるりの本作はそれ以降にあるべきひとつの指標を、図らずも提示してしまったように感じる。3.11以前に作られた楽曲集だが、感動的な旋律は優しく寄り添ってくれるから。
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くるり
言葉にならない笑顔を見せてくれよ
今年6月にリリースされ初のオリコン1位 を獲得したカップリング・ベスト『僕の住んでいた街』は アバンギャルドなくるりの魅力はもちろん、カップリング曲にも関わらずこんなに素晴らしい曲がたくさんあるという、彼らの偉大さを改めて見せつけられた作品だった。今までのアルバムはそれぞれムードを決定づけるサウンド・コンセプトがあったが、今作にはそれがないシンプルなプロダクションと飾らないストレートな歌詞という形になっている。言うならば素顔のままのア ルバムだ。ストレートになった歌詞は今までよりもさらに人と向き合った言葉が並び、とても考えさせられる。彼らにしか表現出来ない感情が溢れた素晴らしい曲が詰まった作品に仕上がっている。
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くるり
僕の住んでいた街
あぁーっ、よいよい!いきなりの祭ばやし的合いの手にまずビックリ(笑)。そんな新曲「東京レレレのレ」で幕を開ける、くるり初のカップリング・コンプリート・ベストアルバム。アコギ、厳かなピアノ、ささやくような歌声が印象的な「りんご飴」などの初期曲から、名曲「ワンダーフォーゲル」のシンセ・ポップなアレンジとの好対照ぶりに驚いた、「サマースナイパー」のホームメイド感たっぷりなサウンド。さらに、「すけべな女の子」はビートが疾走したかと思えば「さよなら春の日」は空を舞う花びらのように音色が揺れ・・・。アコースティック、轟音、エレクトロニカからジャズチックまでアプローチのレンジの広さにあらためて驚きつつ、それに軸を通す"歌ごころ"はやっぱりくるりだなと、あらためて感服!
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くるりとユーミン
シャツを洗えば
GAPの40周年記念シングルとして発表されたこのシングル。A4の雑誌サイズという形態でCDショップだけでなく、書店やコンビニにまで置いてあるという展開も凄いが、この二組でシンプルなロックンロールに取り組むという何とも贅沢な選択の結果産まれた楽曲がとにかく素晴らしい。リズミカルなマーチング・ソングのようなポップ・ソングは、GAPというブランド・イメージから喚起された瑞々しさを放っている。力強いベースとギター・リフが引っ張るミドル・テンポは、青空の下を歩く力強さそのもの。ただただ聴けば、また一日を始めるフレッシュな活力となる最高のポップ・ソング。どれほどの意味があるのか分からないけれど、松任谷由実ではなくユーミンというポップ・アイコンに降りてきているところも、やっぱりいい。
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V.A.
くるり鶏びゅ~と
錚々たるメンバーが集結し、くるりの名曲をカヴァーした鶏びゅ~と・アルバム。それぞれが趣向をこらしたカヴァーを披露しているが、その中でも別次元の名演を披露しているのが松任谷由実「春風」。いっそのこと、シングル・カットしたらいいのに。トラディショナルなメロディ解釈が新鮮なハンバート・ハンバート「虹」も素晴らしい。9mm Parabellum Bullet の「青い空」は、原曲を知らなければ彼らのオリジナルだと言われても納得してしまいそうな出来映えだし、Andymori「 ロックンロール」もカッコイイ。曽我部恵一「さよならストレンジャー」の渋いフォーク・カヴァーも流石の味わい。あと、「言葉はさんかく こころは四角」での木村カエラの素朴な歌声が好きです。
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ドレスコーズ
式日散花
前作『戀愛大全』が架空の夏の若いおバカな恋を描出していたことと対になるように、この『式日散花』はそのあとに遭遇する様々な別れを1曲ごとに封じ込めている。しかも、1曲ごとにかなりJ-POPやJ-ROCKのある時代の象徴的なサウンドを伴って。モータウン調のリズムを持った「少年セゾン」で振り返る刹那の恋、ネオアコの煌めきに閉じ込めた逃避的な恋の終わりを歌う「若葉のころ」、悲劇的な結末を迎えそうな共犯関係を思わせる「襲撃」はREBECCAなどの90年代バンド・サウンドを想起させるし、「最低なともだち」は"きみとぼくだけに なるような"無敵感を抱ける誰かを失う不安をフレンチ・ポップ歌謡っぽいメロディとサウンドで。誰かを失って気づくことという意味で、2023年に必然的に生まれた作品でもある。
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ドレスコーズ
戀愛大全
暑すぎてめまいが起きるような夏の光、それを映像的に見ているような感覚、ディストピアそのものの現実と別の位相で起きている様々なラヴ・ストーリーが、儚くも強く息づく全10曲。1曲目の「ナイトクロールライダー」では、アルバムのテーマを貫通するような、"この夏をどう生きるのか"が提示されている印象はあるが、MVも素晴らしい「聖者」はTHE SMITHSを思わせる美しいアルペジオとリバーブが、世界なんてどうでもいい、この恋だけが本当なのだという気持ちの鮮度を上げる。ドレスコーズ流シティ・ポップ再解釈と言えそうな「夏の調べ」も新鮮だし、ドリーム・ポップにトロピカルなビートが混ざり込んだ「ラストナイト」もとびきりスイートだ。架空の物語を創造するためのシンセ・サウンドも効果的すぎるほど幻惑する。
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ドレスコーズ
ドレスコーズの音楽劇《海王星》
寺山修司が演劇実験室"天井棧敷"を結成する以前の1963年に執筆し、未上演だった"海王星"の音楽を、おそらく現在の表現者で最も影響を受けているであろう志磨遼平が担当したことは、必然以外の何物でもない。舞台の時代設定は明確ではないが、様々な事情を抱え、船の底のホテルに閉じ込められた人々の人間模様を彩るのには、やはり60年代当時のポップスに影響された歌謡曲的な音楽が似合う。ドレスコーズの前々作オリジナル・アルバム『ジャズ』に漂うロマ音楽や昭和歌謡に散見されるラテンの要素、ブルース、時に毛皮のマリーズを彷彿させるロックンロールが寺山の歌詞に違和感なくハマっている。そもそもは俳優が歌うためのデモ音源を改めて録音したという本作。舞台のための音楽だがドレスコーズの在り方がよく理解できる作品でもある。
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ドレスコーズ
バイエル(変奏)
コロナ禍のひとりの時間から生まれたメロディと言葉が、枝葉を伸ばしていく試行そのものが『バイエル』という作品の唯一無二の性質だとすれば、この"変奏"のために初めましてのメンバーが組み上げていったツアーは最も純度が高いものだったのではないだろうか。客席からステージに向かうメンバーの緊張した背中に始まり、おのおのが楽曲に向かう表情や演奏、この変奏のためのアンサンブルが主役の映像作品である。ピュアネスだけで志磨遼平が今回の"バイエル"一連の作品を創作したとは思わない。だが、この未曾有の時代を自分がどう生きたか? をどう遺すのか。その表現方法はアーティストの真髄を映す。今も続く不安な日々の中で絶対譲れないものは何か。あなたにとってのそれを確認できる演奏や瞬間がきっとある。
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ドレスコーズ
ID10+ TOUR
やりたい音楽が毎回変化するからどれもドレスコーズ――言うは易し行うは難しな努力を、おくびにも出さずにやってのけた志磨遼平のアートが凝縮された。越川和磨(Gt)、菅 大智(Dr)、有島コレスケ(Ba)らいわゆる基本メンバーも含めTHE BAWDIES、おとぎ話らバンドごとまるっとドレスコーズに"なってしまう、してしまう"志磨の引きの強さと、愛される楽曲とパーソナリティが証明されるライヴでもある。お祭り騒ぎに見えて志磨の周到な計画であることはラスト、ひとりっきりの「ピーター・アイヴァース」に明らか。同時に最高なR&Rミュージシャンが大挙する映像でもある。DISC2の陰鬱なまでに世界の終わりを感じさせる選曲と編成の1部と、爆音とそれを鳴らす人間そのものがアートな2部の落差も凄まじい。
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ドレスコーズ
バイエル
ピアノ・インストの『バイエルⅠ.』~歌とピアノ伴奏の『バイエル(Ⅱ.)』~エレクトリック・ギターやドラムが加わった『バイエル(Ⅲ.)』と、次にこの子たち(もともとの練習曲)はどう成長していくのだろうか? と、リスナー各々が想像していたいったんの完成は意外にもバンド・サウンドとも異なる最低限の楽器やSEが加わり素直なミックスで仕上げられ、手法は斬新だが音も世界観も実は核心のようなフォーキーさが心に優しく響く。コロナ禍を逆手にとると愛する人には会えないし、遠くで無事を祈るしかない――という歌詞の構造になるのだが、それもまた沁みる。なお初回盤"全訳バイエル"にはもうサブスクリプションで聴けない"Ⅰ."、そして他のプロセスで成長した5つ目のバイエルと言える子どもの合唱による音源が付帯する。
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志磨遼平
ID10+
毛皮のマリーズ時代を含め、メジャー・デビューから10周年となるドレスコーズ志磨遼平の、両バンド(現在ドレスコーズは志磨のひとりプロジェクト)のキャリアを跨いだベスト盤。千両役者かペテン師かカメレオンか、その多彩な音楽性やコンセプチュアルなセンスと豊かな表現力から、彼へのイメージはその時々で変わる。とはいえ、単に身のこなしの軽い奇天烈な才人かとなると、そうは割り切れない。色とりどりなパフォーマンスの真ん中を一筋貫く圧倒的シンボルとしての強さは、私とあなたを繋ぎ、まったく新しい世界へと導いてくれるポップの道そのもの。これは単なるベストではない。2020年4月現在、ここで多くは語らないが、今最も聴かれるべき作品だ。
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ジャズ
前作『平凡』から約2年。ドレスコーズが平成の終わりに"ジプシー(ロマ)"ミュージックを基調としたアルバム『ジャズ』を完成させた。新元号への改元の日にリリースされる本作には、『平凡』とはまた違う悲壮感と希望、そして新時代へ向かう人類に対する愛や祈りが込められた12曲を収録している。壮大なテーマに華やかさを加える梅津和時のブラス・アレンジが志磨遼平の世界観や妖艶な歌声をより引き立たせ、"志磨は新たな時代の幕開けをこう感じるのか"と彼の独特な感性に改めて圧倒される。"人類が滅ぶ時は一瞬ではなく、穏やかなものなのかもしれない"という、制作のきっかけとなった志磨の気づきに共感したくて何度も再生してしまう中毒性に、ドレスコーズらしさを感じる。
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ドレスコーズ
1
9月24日、"ぼくらドレスコーズは4人での活動を終了します。"という衝撃の発表から3ヶ月弱。志磨遼平(Vo)ひとりで作り上げた3rdアルバム『1』がついに解禁される。そもそも、4人で作り上げた最後の作品となった前作『Hippies E.P.』では"ダンス・ミュージックの開放"を標榜し、今までにないドレスコーズを見せてくれたことも印象的だっただけに今作ではどんな変異を見せてくれるのか大きな期待を抱いているかたも多いだろう。そんな様々な期待が込められた今作は伸びやかで、今まで以上に歌を聴かせてくれる作品だった。それはどんな期待にも左右されない確固たる音楽への愛が志磨の中にあるからだろう。その特徴的な声を持って自由に歌うその姿はどこまでも不敵だ。
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ドレスコーズ
the dresscodes
今年7月11日に1stシングル『Trash』でデビューしたばかりのドレスコーズが早くも1stアルバム『the dresscodes』をリリース。再生ボタンを押した瞬間、毛皮のマリーズというバンドを知る人ならばフロントマンは志磨遼平だとわかるだろう。そして、特筆すべきは丸山康太(Gt)、菅大智(Dr)、山中治雄(Ba)、それぞれの演奏力の高さである。ソリッドな弦楽器隊と爆発力のあるドラム。紙資料の"新人バンド"という文字が白々しく見える。新たな頼もしいメンバーと共に新しく歩き始めた志磨。独特な気だるい彼のヴォーカルは健在どころか更に艶を増し伸びやかに響き渡る。バンドは始まったばかり。まだまだ化学変化の途中だ。これからの更なる飛躍が期待される作品である。
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