Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

 

いいね!

Member:秋野 温(うたギター) 神田 雄一朗(ウキウキベース) 笠井“どん”快樹(ドラム)

Interviewer:岡本 貴之

-秋野さんは、ライヴ前のサウンド・チェックで、音決めにものすごく時間をかけていたんですよね。

笠井:そこは変わっていないです。

一同:ははははは!

神田:そこは捨てられないところですね。

秋野:こだわりなんだろうなぁ。"なんか気持ち良くないんだよね"って、ずっとやっちゃうんですよ。最終的には全部試してみて、"もうなんでもいいや"ってなるんですけど、そこに至るまでが長いんですよね。

神田:まぁでも、いいところでもあると思うんですよね。こだわって集中すると彼の場合、どんどん視野が狭くなるんですよね。でもそれが、マニアックなものだったり追及するものだったりして、結果こういう曲が出てくるので。基本的にはいいところだと思うんですよ。

-「歩く this way」は、そういう秋野さんが如実に出た曲なんですね。

秋野:そうですね。

-秋野さんの歌詞の特徴って、歌詞の中でネガティヴなことを言っても自分で解決させて終わるみたいなところだと思うんですけど、今回はモヤモヤ感をそのまま出している感じというか。

秋野:解決してないですもんね、もう。歩き続けることがきっと解決なのかなって思うので。それは本当に、バンドを初めて2~3年では出てこない答えかなって思います。

-今回もプロデューサーに磯貝サイモンさんを迎えて制作されていますね。展開が凝った曲だと思いますが、サイモンさんが関わることで得られたことってどんなところでしょうか。

秋野:第三者がいてくれることで、すごく助かる部分があって。自分たちだけだと、正解というか、こねくり回して何がいいのかわからなくなっちゃうこともあるんですけど、サイモン君みたいな全体を見てくれる人がいるといいですし、『僕ナリ』(2017年リリースの9thアルバム)で一緒にやったときからの信頼関係もあるので、彼のアイディアにこっちもサラっと"OK、じゃあそれやってみるよ"って乗ることもあって。いろいろ決まっていくのは早いよね?

神田&笠井:うんうん。

秋野:それで、今までの僕らからすると、サイモン君のアレンジって難しいアレンジじゃないんですよ。でも、面白く聴こえるところがたくさんあるっていう。その感覚を、もうちょっと前の俺たちにも欲しかったなって(笑)。3人だとどうしても、味をどんどん足していっちゃって。"3ピース・バンドはシンプル・イズ・ベストがカッコいいぜ!"って言いながらすげぇいろいろ混ぜてやってたのを、外の人が入って本当にシンプルにしてもらったっていう感じはありますね。

-曲の構成自体は凝った感じを受けますけども。

神田:そこは逆に俺らが凝り固まっていたところを、サイモン君が入ってくれることによってほぐしてくれたところはあるんですよね。細かいところは、味をブーストしていく方向なんですけど、アレンジとか構成とかになるとクセがついているところがあるので。そういうのを全部フラットに、第1案からアイデアをくれるので。そういう意味ではそこは普通じゃないかもしれないですね。パッと聴いてひと癖ある感じには聴こえないんですけど、ちょっとスタンダードっぽくないというか。

-何度か聴いていると、いろんなことに気づくような感じがあるんですよね。期待どおりに「Walk This Way」のリフが出てきますし。しかも1拍ぐらいしかやらないっていう奥ゆかしさで。

神田:奥ゆかしい(笑)。でもあれは最初なかったんだよね?

秋野:サウンド・チェックでふざけて弾いたやつをサイモン君がデータで持っていて、それをいろんな場所に移動して遊んでて(笑)。最終的にどこかに入れようということでこうなりました。

-聴いてる方も、どこかに出てくるんじゃないかっていう気で聴いてました(笑)。それにタイトルを初めて見たときに、『僕ナリ』の「低気圧ボーイ」もそうですけど、若干"ダジャレ脳"が働いているような気が......。

一同:ははははは(笑)。

神田:そうですね~(笑)。

秋野:だんだんネタがおっさんになってきた(笑)。

-曲としては、コール&レスポンスが入っていて。こういうところは本当にライヴのお客さんを想定して作っているんだなって思わされます。

秋野:お客さんに歌ってもらう場所は大量にありますね。

神田:なんかさ、サビがあって、サビ後に別サビがある、みたいなのが好きだよね?

秋野:「踊れないtoフィーバー」(2008年リリースの2ndシングル『夏の魔物』収録曲)的なやつでしょ? 「ソウルメイト今夜」とか。

神田:そのスタイルはソウル・マナー的な。

秋野:ソウル・マナーなのかな? 秋野マナー的なのかもわからないけど、だって楽しいじゃん、あれ(笑)。

神田:うん、いいと思う。どっちもキャッチーなサビみたいな感じで。

笠井:ライヴで確実に盛り上がるもんね。