Japanese
グッドモーニングアメリカ × Skream! × バイトル
2018年05月号掲載
Member:金廣 真悟(Vo/Gt) 渡邊 幸一(Gt/Cho) たなしん(Ba/Cho) ペギ(Dr/Cho)
Interviewer:吉羽 さおり Photo by 石崎祥子
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-金廣さんのバイトでの面白い話というと?
金廣:さっきのラーメン屋さんなんですけど、そこがお化けが出るというラーメン屋さんだったんです。あまりお客さんがいないようなラーメン屋さんで、あるときすごく怖かったのが、お客さんがひとりラーメンを食べていて、他に誰もいないのに、トイレの水がジャーって流れて、トイレット・ペーパーのカラカラカラっていう音がして──
渡邊:ヤバいじゃん。
金廣:そのときは本気で怖かったですね。
たなしん:当時もそんなこと言ってたよね。
金廣:あとは、ラーメンの寸胴を他のスタッフとふたりで持ち上げて、下に置いたときに、"すいません"って声がしたからふたりで"はい!"って顔をあげるんだけど、誰もいないっていう。そういうのがしょっちゅうあるところでしたね。でも何か見えるわけではないし、それくらいのいたずらしかされないので、面白いねっていう感じで過ごしてましたね。
渡邊:僕は、面白いというか良かったのが、立体駐車場のボタンを押す人、っていうバイトがあって。車が来たらオーライオーライって案内をして。車を取りに来たら、その場所の番号を押すとかで。時給900円なんですけど、1時間に1台、車が来るか来ないかなんです。レジ締めとかやると、自分が夜働いて貰うお金の方が絶対多いんですよ。案の定、そこは潰れてしまったんですけど(笑)。でも良かったですね、ずっと座ってるだけで。
金廣:遊びに行ったことがあったね。
渡邊:テレビもあったからね。
-ペギさんは、記憶に残っているバイトはありますか。
ペギ:面白エピソードはそんなにないんですけどね。僕は地元が岡山県で、岡山で組んでいたバンドで東京にライヴに来たとき、1週間くらい東京に滞在したんですけど、そのうちライヴが2、3回しかなかったから、じゃあバイトしようとなったんです。で、冷凍庫に入れられて、冷凍庫の中でひたすらシールを貼るっていうバイトをしたのは覚えてますね。
金廣:さみーなぁ。3日間日雇いでバイトしたら、結構儲かるんじゃない?
ペギ:1日1万円くらいですかね。手数料が引かれて9,000円くらいになるんですけど。20、21歳くらいで、しかもバンドで出てきたから、お金もなくて。毎日何食べようっていう感じだったんですけど。まかないは、安いけどお金がかかるんですよ。ちょっとでもお金をかけたくなくて、これはメニューに載ってないから値段がつけられないだろうっていうようなオリジナルのメニューを作ったりしましたね。
-今、これは役に立っているなという、経験や得たものはありますか。
金廣:料理は好きになりましたね。居酒屋でバイトしたこともあって、マスターとママと、あとはバイトがひとりっていう店だったので。刺身を切るとか、大根をおろしたり、ネギを切ったり、天ぷらの衣を作ったりしていたんです。そういう細かい作業は、意外と身になってますね。あと、パン屋ではサンドイッチを作っていたので、サンドイッチはめっちゃ得意です。パンをまっすぐに切るのって、意外と難しいんですよ。それを覚えてるから、店で売られてるようなサンドイッチを作るのは得意ですね。ラーメン屋さんでも、チャーハンを作ったりしていたのも覚えているので、そういうのは役に立っていると思います。
ペギ:俺も、居酒屋でバイトしたときに覚えた野菜の切り方とかは、今でもその方法でやってますね。今もそんなに料理はしないんですけど、焼きそばとか焼うどんを作るとなったら、人参の切り方も、普通に考えたら"あれ、どう切るんだろう"ってなるじゃないですか。
渡邊:めちゃめちゃ気になる。切り方とかあるの?
ペギ:そうでしょ? この料理にはこの切り方っていうのを大まかに勉強したので、今もそれはやってます。切った野菜も、当時の方法でストックしてる。
金廣:なるほどね。
ペギ:時短の方法も、ちゃんと理にかなったことなので。今でも自然にやっているし、ちょっとお手本のようにやれるようなスキルは身につきましたね。まぁ、創作料理も作ってるくらいですからね(笑)。
-工夫をしたことが役立ってますね。たなしんさんはどうですか。
たなしん:僕はいろんな種類のバイトをやっていたので、自分の得意不得意がわかったんじゃないかなって思いますね。例えば、単純作業みたいなものは苦手だとか。工場で卵をひたすら入れていくっていうバイトがあったんですけど、そういうのは眠くなっちゃうんです。テレアポとかの、ひたすら電話を受けるとか、かけるというバイトも苦手でしたし。でも、弁当屋さんの配達のバイトでは、今日はこの道が混んでるからこっちに行こうとか、自分でルートを考えられるから楽しいんですよ。そういう方が好きなんだなっていうのは、いろんなバイトをしていくなかでわかったことですね。塾の先生も、自分でいろいろ準備をして好きにできたので。今振り返ると、そういうバイトは楽しかったですね。
-塾の先生としての人気度はどうだったんでしょう。
たなしん:小中学生を教えていたんですけど。テンションは高かったので(笑)。他の先生よりは元気いっぱいですね、って感じには言ってもらえてましたね。楽しんでいた子もいたのかなと思います。
-たなしんさんのこの明るいキャラクターというのは、学生時代からだったんですか。
たなしん:そうですね、基本的には。それを生かしたバイトの方が合ってますよね。いろんなバイトをして、自分はこういう仕事、こういう職場の雰囲気が合っているんだなっていうのが確かめられたのは良かったかなと思いますね。
渡邊:僕もいろんなバイトをやりましたけど、向き不向きってあるんですよね。僕は接客が苦手だなっていうのは、いろんなバイトをやって思ったので。接客をしないような深夜のビルの清掃とか、ひとりでやる作業の方が向いているなっていうのは、いろんなバイトをして気づきました。後半には、パソコンを使うバイトもしたんですけど、タイピングは速くなりました。それは、今も生きてますし、やって良かったなと思いますね。
-では最後に、今夢に向かって、バイトをしている人にグッドモーニングアメリカからメッセージやアドバイスをお願いします。
たなしん:これは僕の経験だけの話ではあるんですけど、僕の場合はバンドをやりたいという夢があって、そのためにバイトをしていたんです。そういうときは、どんなバイトでもいいなと思うんです。バイトの楽しさとかを優先しなくてもいいというか。でも、小遣いが欲しいとか、なんとなくバイトをする感じだったら、楽しいバイトを選んだ方がいいなって思いますね。バイトは選べるんですよ。自分に合った、楽しい環境を選んだ方がいいんじゃないかなって思いました。バイト先の人がうざいんだよねとか、イヤなんだよねっていうことがあっても、辞めづらいことは多いと思うんですけど。僕は、そういうときはパッと辞めちゃってました──もちろんバックレたらダメですよ。その代わりに、何か夢があってバイトをするときは、夢の実現のためにも、時給やシフトを選ぶことに振り切った方がいいと思うんです。
ペギ:でも、仕事で寝ちゃったりしてたんでしょ?
渡邊:よく、"また怒られたよ"って言ってたもんね(笑)。
たなしん:つらかったなぁ。でもその代わり、バンドを頑張ろうって気持ちにはなるんですよ。
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