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INTERVIEW

Japanese

アルカラ

2016年11月号掲載

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Member:稲村 太佑(Vo/Gt) 田原 和憲(Gt) 下上 貴弘(Ba) 疋田 武史(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-何かを省くことなく、おいしいところを凝縮しようと。ドラムに関してはどうやっていこうとしましたか?

疋田:60秒で作ったときに、"暴れ出せリビドー"っていうところはもうちょっと単純に叩いていたんですけど。制作の段階で、もっと派手にならへんかなっていうところで、試行錯誤して。僕の中にはない感覚を、周りから"こんなのどう? こんなのどう?"ってアイディアをもらって詰め込んだ形になってますね。太佑が言ってるように、普通に4、5分の曲やとシンプルに安定させてしまうところを、短いからこそ全部にいろんなことを散りばめていった部分はあります。

-ギターのフレーズはどんなところがポイントですか。

田原:この曲は、あまりギターっぽいことをやっても合わないなと思って。弾きまくるというよりは、空間をうまいこと作っていければいいかなっていう視点でフレーズを考えましたね。雰囲気重視というか。

-曲の後半部分――もうここはアニメでオンエアされない部分ですが、間奏のパートがまた相当面白いことになってますね。

田原:入り乱れてますね(笑)。

下上:あれ、なんであんなふうになったんだ? あのシンセ・ベースはなんで入れようってなったんやっけ?

稲村:Michael Jacksonみたいになりたいなって。

下上:そうだ。たまたま友達から借りたシンセ・ベースがあったので、それを鳴らしたいって言ったら、いやそれはないって空気が漂ってたんですけど。借りたし、やってみたらええんちゃう? っていう。

稲村:アルカラはそうやって、現場で思ってた青写真からどんどん外していくので。「炒飯MUSIC」に関しては、ベースもやたらとスラップしてますし。ほんまにスラップなんて、今までほとんどやったことないのに。

下上:(スラップは)昨年始めて、楽しくて仕方がないから入れられるだけ入れて。今回の3曲には全部、ちょっとずつ入ってるんです。"それはやめて"って言われるまでやりました。弾いてみたら、意外と何も言われないので。

稲村:スラップありきのところもあるしな。それがあったおかげでギターをより上に持っていけるし、ドラムが攻めまくれるというか。今回、逆再生が入ったり、銅鑼が入ったりっていう、テーマに沿ったアイテムはあるんですけど。ライヴで再現性が薄いものとか、この4人の範囲を超えてくるものは、あまり入れないのがアルカラのキャラクターやと思うんですよね。足し算ができないからこそ、誰かが1塁を守ってくれたら誰かが3塁を守れるなとか。誰かが2塁、3塁を同時に守ってくれるおかげで、ピッチャーがふたりとかもできるなというのもあって。

下上:野球好きやな。

稲村:銅羅が入ったり逆再生が入ったりした時点で、全員のスイッチが落ち着いた曲を書こうというよりは、違うことをやっていこうってなってました。"こんなドラム叩いたことないやん"とか、"こんなギターの音使うことないやん"とか。作りながらそうなっていきましたね、これは。

-いい遊び方をした曲だなということはわかりますね。アルカラとしては、新鮮な制作方法だったんですか?

稲村:やり方はわりと同じなんですけど、みんなが見てるゴール地点が、"とりあえずあの感じでいこうよ"って感じじゃなかったんです。いつものこういう感じでいこうとか、こうきたらいつもこのドラムでくるよねとかの予定調和は基本的にはなかったかな。最初60秒にまとめて1回これでやってみようってときに、全員テンパッてできなくて(笑)。それくらい、頭でわかってても身体が慣れてないから。この前ライヴでやったんですけど、まだえらい硬かったですねぇ。でもいい感じにはできてます。

下上:からぶってたしね、銅羅。

稲村:からぶった。銅羅のフチ叩いてたからな。

-そのライヴを観ていたんですが、意外と低い位置に銅羅を置くんだなと思いました(笑)。

稲村:そうですね、もう高くなりました。いきなり反省を活かしまして。

-それでは、Track.2「怪盗ミラクル少年ボーイ2」。これはアニメ"怪盗ジョーカー シーズン3&4"のオープニング・テーマで、前回の"怪盗ミラクル少年ボーイ"のテーマ(2014年リリースの1stシングル『怪盗ミラクル少年ボーイ』表題曲)はアルカライダーが手掛けていました。今回は冒頭で、"ツー!"という掛け声から始まっていますが、前回の曲を踏まえて作ろうというのがあったんですか?

稲村:そうですね。前回のアルカライダーというアーティストが作った曲を──

下上:パクッたんですか?

稲村:もう、サビ一緒やからね(笑)。サビを一緒にしようという発想は面白いなと思って。同じというか、クラシックで言う第2楽章という感覚。最初は前回のものに寄せないで作ろうと思っていたんですよ。で、サビをどんなふうにしようかなとずっと考えていたときに、もう頭の片隅にあったんですよね。"あれと同じやったら絶対おもろいな"っていうのが。でもそれをいきなり出すのは禁じ手やなって思うので、1、2時間、みんなで"こんなサビやったらどうかな"とかを出していって。うーん、どうやろうなってなったときに、"ちょっと提案があんねんけど"って。"前のサビの感じで、ここだけ変えてみようかと思うんだけど"と言ったときに、みんなが"おぉ!"ってなったんですよ。それでこれはアリなんかなって感じになっていって。アニメの"怪盗ジョーカー"のテーマ的な部分を今から塗り替えるか、継承するかのどちらかだと思うんです。ただ塗り替えると言っても、最初の曲のインパクトがまぁまぁあったので。継承する方が第2楽章、第3楽章みたいなイメージで、面白い手法になるかなと。2から入って、最初の曲に行く人もいるかもしれないし、あるいはその逆で、あぁこれまたきたやんっていう感動があったら面白いし。