Japanese
DOES
2016年05月号掲載
Member:氏原 ワタル(Vo/Gt) 赤塚 ヤスシ(Ba) 森田 ケーサク(Dr)
Interviewer:石角 友香
メジャー・デビュー10周年の今年、シングル『KNOW KNOW KNOW』をリリースした3月2日に開催されたライヴを観たときから、気負いなく、しかしアップデートされたロックを鳴らしているDOESに目から鱗が落ちた。それは、ときにロックにこだわりすぎてるんじゃないのか?と思えた彼らが、明らかに次のステージにいたからだ。その思いはニュー・アルバム『INNOCENCE』で確信に変わった。笑顔の最新アーティスト写真の理由もわかる(!?)今のDOESの言葉を届けたい。
-今回のアルバムを制作しようと思った発端を教えてください。
ワタル:前作『DOES』(2014年リリースの6thフル・アルバム)が確認のアルバムというか。僕たちのルーツ――ロックの中でもいろんなジャンルが好きだし、ジャズやボサノヴァ、ポップなども好きなので、そういうものを一緒くたにして整列させたのが前作って感じだったんだけど。セルフ・タイトルらしいアルバムを出したので、もう次のアイディアがなかったんです。でもアルバム作ったあとって、だいたい余白時間ができるので、そのときに結構いい曲ができるんですね、シングルっぽい曲とか作りたくもなるし。そこでできたのが「KNOW KNOW KNOW」(2016年3月リリースの15thシングル表題曲)で、"こんなのを作ろう"というより、ただ"シングルっぽい"、"かっこいい"とかそれぐらいのことしか考えてなくて、"なんとかしなきゃ"という気持ちもなく、とにかくまっさらな状態で作っていくという方法をずっと続けちゃったんですね。"どんなアルバムにしよう?"とかもアイディアなく。今この瞬間だって"これはこういうアルバムです"、"こういう意志を持って作りました"と言えるものがないんです。でもそれが逆に良かったんですよ。
ヤス&ケーサク:うん。
ワタル:意図せず、そういう状態になっていて。それが、あとから思うと良かったなって。ある程度曲ができた状態で並べていって"結構いいかも"って見えてきたときに、"このアルバムのコンセプトは一体何なんだろうね?"、"あ、何もないわ"って、純粋な感じで作ってたことに気づいて、"INNOCENCE"ってタイトルにしたんです。10周年を"DECADE OF INNOCENCE"と冠してるんですけど、"純粋に無垢に頑張ってきた10年"というイメージ。ま、ホントは苦労ばっかりなんだけど、でもその中でピュアにやってきたのかなと。
-デビューしてからしばらく経つとテーマ性が必要だったりしますね。
ワタル:作品を作っていくごとに減っていくわけですよね、アイディアというか、ネタが。だからテーマを作って、それに対して取り組むという方向にアーティストは流れていくと思うんですけど、やっぱ1st-2ndあたりは単なる衝動なんですよね。そこらへんのネイキッドな自分を今回出せたな、と。邪念がまったくないっていう意味で、すごくいいなと思うんですよね。
-DOESですら他のバンドや、世の中の動向などを気にしなかったわけではないし。
ワタル:うん、そうですね。"他のバンドはこんなことしてるんだよ"とか、"メンバー同士めちゃめちゃ話し合うみたいだよ"とか(笑)。俺らはそれはないですね。もうしょうがないこれは。
-そう思えたからこういうアルバムになったと?
ワタル:ですね。このアルバムがいいのははっきり言って、俺の開き直りですね。一時期"アレンジはバンドでしなきゃいけない"って聞いて取り組んだこともあるし、それが普通のことなんだけど。でも俺はデビューする前からずっと、すべて自分だけで曲を作ってきたんですよ。だからそれが標準だし、DOESはそういうバンドだし。今ならプリプロぐらいのレベルまで作り上げて、あとは演奏するだけってバンドも多いけど。まぁこのふたりは"別にいいんじゃねえの?"ってそれが楽しいって言ってくれるメンバーだったりするし。たぶん考えんの嫌いなんだよね。
ヤス:(笑)だから曲の純度が、デビュー前のころに戻ったというか。なんか、ただ作りたいから、邪念が微塵も感じられないというか。邪念も含めて純粋というか、そういうの感じましたけどね、。
-今回のアルバムって、ラクをするのとは違うけど、聴いてラクになれたんですね。重い荷物を一度置いて、また前に進むためにその荷物の中からやらないといけないことと、すごく好きなものを探す感じというか。
ワタル:うん、そうかも。「ヘイヘイヘイ」(Track.5)で歌った"そんなに考え込むな"、"そんなに悪くはないぜ"って歌詞は言いたいことだし、考えすぎて失敗することがたくさんあるので、自分にも言い聞かせたいことだったりするんです。"大丈夫。別に悪くねえじゃん"というぐらいの感じでやってた方が、たぶん快活になれるし、そこでその人のエネルギーはより出るだろうし。そういう息抜きっていうのはラクすることじゃなくて、精神的に解放されることの方が大きいですからね。
LIVE INFO
- 2024.12.01
- 2024.12.02
- 2024.12.03
- 2024.12.04
- 2024.12.05
- 2024.12.06
- 2024.12.07
- 2024.12.08
- 2024.12.09
RELEASE INFO
- 2024.12.04
- 2024.12.25
- 2025.01.08
- 2025.01.22
- 2025.03.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号