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INTERVIEW

Japanese

BURNOUT SYNDROMES

2016年03月号掲載

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Member:熊谷 和海(Gt/Vo) 石川 大裕(Ba/Cho) 廣瀬 拓哉(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

2015年5月に2ndアルバム『文學少女』をリリースし、揺れる心情や言い知れない気持ちを、詩情のある歌や鮮やかなギター・サウンドに託しバーストさせた3ピース、BURNOUT SYNDROMES。彼らがシングル『FLY HIGH!!』でメジャー・デビューを果たす。表題曲は現在放送中のTVアニメ"ハイキュー!! セカンドシーズン"第2クールのオープニング・テーマとしてもオンエアされ、爽快な青春の汗を感じる曲になった。それだけでなく、カップリングでは、3人ならではの絶妙なアンサンブルやクラシックをベースにした壮大で多幸感のある曲までを響かせる。シングルながら充実感のある内容だ。

-今回のシングル『FLY HIGH!!』は、アニメの主題歌でもありますが、これは内容的にもアニメとすり合わせるようにして書いていった感じですか。

熊谷:そうですね。というよりは、もうアニメのために書いたと言えるくらいの曲ですね。"ハイキュー!!"というマンガは読んでいて。この話をいただいたとき、ありがたいなと思って。もともと好きなマンガでしたし、何かに対して曲を書くような作り方は得意で。ゼロから作り上げるよりも、何かモチーフがあった方がやりやすいので、すごく楽しんでやれましたね。

-とはいえ、サウンドの爽快感や突き抜けた感触は、今までにない曲にもなっていますよね。今までに描かれた青春のもやっとした、鬱屈したような心境とは違う感情の広がりや爆発感がある曲だと思います。

熊谷:そうですね。僕ら自身もそういう段階にあったのかなって思うんです。ちょうど作っていた時期は、インディーズとメジャーの間の汽水域で、ここからどうやって自分たちの殻を破り捨てて一歩踏み出していくのかっていうところと、うまくマッチしたのかなと思うんです。

-前作となるアルバム『文學少女』の制作も、汽水域にいる感覚でしたね。曲の在り方や伝える方法論、歌詞についても、苦悶しながら作り上げていったもの。

熊谷:そうですね。そこから始まったものがようやく今、ひとつ形になったのかなと。

-熊谷さんがまず曲の形を作って、そこからバンド・サウンドへ練り上げていくということについては今回はどんなプロセスだったんですか?

熊谷:「FLY HIGH!!」はほとんどがひとりでガーッと作って、リズムをなんとなく打ち込んだデモを作ったという感じでしたね。そこからスタジオに入って、残り1割くらいをみんなで詰めるっていう作業で。

廣瀬:だいたい楽曲のイメージは熊谷が作り上げてくれていたので、あとはもう自分の感覚とか、アニメに合いそうなちょっと若い荒々しさとか、そういうところを音楽的に表現できたらということで取り組んでいましたね。

-何か具体的なイメージを熊谷さんは伝えていたんですか。

熊谷:特になかったです。というより、もう俺が欲しいのはメンバーの手癖みたいなものなんですよ(笑)。

廣瀬:手癖(笑)。

熊谷:俺は、手癖を入れてほしいんですよ。もう好きにしてほしいというか。そうやって作っていくと、勝手にBURNOUT SYNDROMESの曲になるんですよね。

石川:うん、たしかにそう。

-今回も前作に続いていしわたり淳治さんが編曲で入っていますが、どんなふうに関わっていったんですか。

熊谷:いしわたりさんの場合は、手癖をさらにもうワンステップ上に昇華させてくれるというか。もっと音の並びをこうした方が、楽曲には合ってるよっていう話をしていただいて。そうやって、ひとつひとつのフレーズに真剣に取り組めたかなと。手癖だからそれでOKってことじゃなくて、もっといいのがあるんじゃないかと詰めていく。そういう考えを前提に、スタジオで一緒に入ってやっていくんです。

-アルバム時よりもさらにシンプルさに磨きがっていますよね。3人の音もどんどん、ソリッドになっていると思います。

熊谷:今回は特に、アニメの主題歌というのも心のどこかで意識していたと思うので。変に小難しいことをするのも、このアニメでは違うだろうという考えもあって。そこは、自己中心的にならずに作れたのかなと思います。

-"飛べFLY HIGH!!"という印象的なサビから始まるんですが、サビ始まりも最初からですか。

熊谷:そうです、やっぱ少年マンガはサビ始まりだろうっていうのが頭にありましたね(笑)。それも聴いて一発目で、"おお!"って圧倒されてほしいという狙いがあったんですよね。

-こうして「FLY HIGH!!」のようなキャッチーでポップ性の高い曲ができたことは、バンドにどのような影響がありますか?

熊谷:それはライヴの方にあるかなと思いますね。この曲を楽しみに来てくれるお客さんも増えているような気がするので。だから、結構やっていることはハンパじゃない曲なんですけど、お客さんの期待を裏切らないように(笑)。いっぱい練習しないとなという意識はあるし。おかげで他の曲もうまくなっていってますね。

石川:ライヴでは新しいお客さんも増えているのは感じますね。この曲やりますって言うと、ウォー!って沸くんですよ。僕らもわざわざセットリストの後半に持ってきたりして、出し惜しみして(笑)。引っ張って引っ張ってやると、ウォー!って盛り上がってくれるので。ありがたいなと思いますね。