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INTERVIEW

Japanese

BURNOUT SYNDROMES

2016年03月号掲載

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Member:熊谷 和海(Gt/Vo) 石川 大裕(Ba/Cho) 廣瀬 拓哉(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-カップリングのTrack.2「エアギターガール」。こちらはとてもこのバンドらしい曲でもありますね。頭に出てきたパートが最後の最後にまた出てきたり。構成も面白い感じで。

熊谷:そうですね(笑)。やりたいことをやった曲です。

廣瀬:まさに、さっきも言っていた、自分の手癖をとにかく入れられた曲なんですよ。だから完成も早かったんですよね。

石川:10分くらいでできましたからね、僕も。これやろ、みたいな(笑)。

熊谷:まあ、最初の俺が作った段階では、結構時間がかかっていますけどね。もともとこれは、以前、川崎のホテルに泊まったことがあったんですけど、そこがすごくボロくて隣の部屋の衣擦れが聞こえるくらいの、うっすい壁で(笑)。俺と廣瀬が泊まりだったんですけど――

廣瀬:しかも、ツインベッドという(笑)。

熊谷:とんでもないところで。

廣瀬:到着した瞬間、ふたりで凍るという(笑)。

熊谷:壁に穴空いてるし。それでもう"暗い部屋にGoodbye"してるんですよね(笑)。こんなところで寝れるか!と思って、朝散歩をしていて、港の見える丘公園というのがあるんですけど、そこのベンチに乗って作ったみたいな(笑)。

-それで曲の頭に"公園のベンチに乗って掻き鳴らすエア・ギター"と出てくる、まさに心の叫びですね。

熊谷:むしゃくしゃしてたんでしょうね(笑)。

石川:そういうことだったのか(笑)。

熊谷:まあで、今思うとそうだったのかなと。別に、そのことだけを思い出しながら書いていたわけじゃなかったんですけど、いろんな体験が組み合わされたものが、1曲になるという感じで。あとで振り返ると、ここはあの部分だったのかなと思うんですよね。フィクションではあるんですけども、言葉が嘘にならないようにしたいんですよね。

-先ほどこの曲はほとんど手癖でと言っていましたが、この曲については自由にやっちゃっていいよというのがあったんですか?

石川:ありましたね。レコーディングも楽しく録れたんですよ。"楽しい! 録れた!"っていうくらい(笑)。

-疾走感もあって、間奏のギターも弾きまくっているし、いいスピード感がありますね。

熊谷:フォーマット自体はスタンダードだと思うんです。いわゆる、Aメロ~Bメロ~サビみたいな。その中で、個性が出せれば1番聴きやすいし面白いことになるんだと思うんですよね。

-定型でいかに遊ぶか、ですね。

熊谷:っていう実験でもあるのかな。変なオチのメロもなく、A~B~サビ~間奏みたいな形で(笑)。それでどこまでやれるのかって思ったんですけど。意外と聴きやすくなっているし、でも、フォーマット通りでも個性っていうのは出せるんだなというのは、ひとつ気づきましたね。

-今までって、そのいわゆるフォーマットに逆らおうとしてました?

熊谷:特にそんな気持ちはなかったんですけどね。ある程度自然に作っていると、はみ出ちゃうんですよね。ある種、フォーマット通りの方が、しんどいことではあるんですけど。これはこれでやれるなっていうことがわかったので。

-はみ出てしまうのは、自分がそういう曲の聴き方をしてなかったからなんですかね。

熊谷:うーん、好みなのかな(笑)。やっぱり、A~B~サビみたいな定型通りの曲をあまり聴いてこなかったんですよね。途中でどこかにぶっ飛んじゃうようなものとか、エレクトロ系のものがすごく好みなので。定番とかこの王道感はあまりしっくりくるわけではないんですけど、それはそれでありでいいのかなっていう(笑)。でも、そういう人間が作った方が、ある種、新しいことになるのかなと。

-概念がないだけにそうですね。そしてもう1曲がTrack.3「サクラカノン」。これはとても美しい、いいメロディで貫かれた曲ですね。

熊谷:やっぱり僕は、メロディの良さは曲の前提だと思うんです。この曲はちょっと、昭和っぽい感じにしたいなと思っていて。昭和歌謡っぽいというか。特に今回は3曲入りということで、前半2曲があんな感じですっ飛ばしていくので、シングルではありますけどアルバムと考えたら、ここにくるのは締めなのかなっていうか。居酒屋のお茶漬けのような。

-そんなことさらっと言っちゃっていいの(笑)?

石川:はははは。

熊谷:締めがほしかったんですよ(笑)。