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INTERVIEW

Japanese

2015年09月号掲載

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Member:秋野温(うたギター) 神田雄一朗(ウキウキベース) 笠井快樹(テンパリドラム)

Interviewer:岡本 貴之

-僕は初日の渋谷CLUB QUATTRO公演(※2015年3月14日)が初めて観る鶴のライヴだったんです。

笠井:ああ、あのアクシデントがあった日が。

秋野:なんかもう、バンドの歴史を全部観てもらったようなワンマンでしたけど(笑)。

-でもアクシデントがあった分、特に後半はバンドの結束力を感じましたし、本当に素晴らしいライヴだったと思います。ツアー中はセットリストを変えたりもしてきたんでしょうか?

秋野:芯の部分はあまり変えていないですけど、その場所に合う曲というかこの曲はこの場所に合うな、ということを考えて選曲していましたね。

-機材の変化などはありましたか?

神田:機材はこのツアー中、ず~っと変わってましたよ彼は。コロコロと。

秋野:地方でも楽器屋があったら行っちゃいますね。いろいろ試して、あれがいいんじゃないかこれがいいんじゃないかって考えると、もう止まらなくなっちゃって。最終的にはわからなくなるんですけど(笑)。

神田:ツアーの初日と途中くらいからギターが変わってますからね。ツアー中に入手してるんですよ。

秋野:ギターを持ち替えたりアンプを変えたりいろいろしたんですけど。やればやるほどわからなくなって自分の下手さ加減が浮き彫りになるという。

神田:ははははは!

-いやいや、演奏の上手さも鶴のライヴの魅力だと思います。秋野さんはギター・キッズっぽく常に楽しんでいるんですね。

秋野:楽しいですよ。でも俺が楽しみすぎているせいで周りを振り回しているんですけど。"お前もうちょっとちゃんとやれよ"みたいな(笑)。

神田:そっちに夢中になりすぎて、全然リハーサルしてくれないという。いつまでいじってんだよって(笑)。

笠井:秋野君の音が決まって、じゃあドラムをセッティングしようかなと思ったら"あと残り3分で~す"て(笑)。"マジか!?"みたいな。

秋野:ははははは!

神田:いろいろありましたね。

-いろいろあったツアーのエピソードがあったら教えていただけますか?

秋野:ツアー前にSkream!でインタビューしてもらったときに"全県行くんで、いろんな街を走りたい"って言ってたんですけど、ぜんっぜん走らなかったです(笑)。

一同:あははははは!

秋野:それもここで謝罪します!

神田:一度も?

秋野:ほぼほぼ、ホテルでグッタリとバッタリだったと思うんで。その代わりにうちのマネージャーが全県走ってたんじゃないかと思います。

マネージャー:はい、雨の日以外は走りました。

神田:ご飯屋さんないかな~って街をフラフラしてたら、前から完全なアスリート姿で颯爽とした人が来るのでよく見たらマネージャーでした(笑)。

一同:(笑)

-ツアーの会場とオンライン・ショップで販売されていたミニ・アルバム『Live&Soul』が全国発売されましたが、どんな理由で改めて発売になったのでしょうか。

秋野:会場先行販売という感じだったんですけど、ライヴと連動した作品でお客さんにもすごく評判が良かったので、せっかくだから全国発売しておこうと思いまして。今、次のアルバムの制作に向けて動いているんですけど、その間にも世の中に"鶴はここにいますよ!"ということをちゃんとわかってもらうためにも、出しておこうかと(笑)。

-ジャケットがこれまでにないシンプルなものですが、デザインは神田さんが担当しているんですか?

神田:そうです。普段はデザイナーさんに頼んだりするんですけど、今回は47都道府県ツアーとして自主レーベルで俺らで全県会いに行くというコンセプトもあり、自分たちでやることにしました。最初からジャケット案はシンプルな感じにしようというのがあって。あのタイトル・ロゴはレコーディングしているときに俺とマネージャーでパソコンいじりながら"あ、これカッコイイね"って言って生まれたロゴです(笑)。家で頭を抱えて考えているときよりもみんなでワイワイやっているときに良いものが生まれたりするんですよ。

-内容もライヴと連動したものになっているということですが、ハードロック、ファンク、パンク・ロックあり、弾き語りもありという、鶴のライヴにある要素を全部入れているような作品ですね。

秋野:本当にいろいろあるね、という感じで(笑)。なんかもうずっといろんな曲をやってるんで、全部あるのが当たり前なんですよね。でもたしかに外から見ると"いろいろあってすごいな"というバンドですね(笑)。

-まだやっていない新しい何かを探そう、ということじゃなくて自然に出てきた音楽をやっている感じですか?

秋野:自分が好きで聴いてきた音楽を自然にブレンドしたらこうなった、という感じです。でも土台はやっぱりロックとソウルが僕は好きなんで。それを3ピースでやるということにある種の快感みたいなものを最近感じてるんですよ。"なんか物足りないな"と感じる自分がいた時代もあったんですけど、そこも乗り越えて。歳を取れば取るほど3ピースの美学が自分の中で磨かれていますね。