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INTERVIEW

Japanese

植田真梨恵

2015年08月号掲載

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Member:植田真梨恵

Interviewer:石角 友香

-(笑)アルバムっていろんなアレンジがあるからいろんな衣装を着てるように聴こえます。

そう聴こえますか? やっぱりまだ客観的に私は聴けてなくて。今の私にとっては、色鉛筆12色で描きましたみたいな統一感を持った13曲入りのアルバムを作ったっていう感覚で。

-アルバムを経て、今回のシングルでやりたかったことというのは?

歌っていくあいだに別に何があるっていうんでなく、聴いてて楽しくなるような曲にしたいなっていうのがあって。"だから元気出してー!"っていう感じではなくて、聴いてたら勝手に元気になったっていう感覚になれたらいいなと思ってて。で、それをすごくあっと言う間の速度でというか(笑)、パーッと聴き流せるぐらいの曲をすごいエネルギーで出したいなと思って作った曲ですね。

-"わかんないのはいやだ"っていうタイトルがまず気になる曲で。

でもこれは最終的には逆説的というか、日本語変かな?"わかんなくていい"ってことなんですけど。うん。それで付けてる"わかんないのはいやだ"っていうタイトルです。

-そもそもどういうことからできた曲なんですか。

制作をしなきゃなって頭のどっかで思いながら曲を書いてたときに、すごく仲良しの友達の家に住んでる猫が出て行っちゃって。6年ぐらい飼ってる猫なんですけど、引っ越ししたてで帰り道もわからないだろうからずっと探してるんだけど、見つからないって言うんですよ。私は連絡を受けたとき、たまたま東京にいたので、すぐ探しに行けなくて。"すぐ探しに行きたいな。どうしよ"と思ってて。でも帰ってすぐ曲書かなきゃなと思いながらも、気になったんで探しに行ったんですよ。結局、その子と合流して、"見つけたら電話ください"っていう張り紙を作って、貼ってもらって。

-そこまで大掛かりに?

そう、めっちゃ探したんですよ。でも出てこなくて。私も猫飼ってるから気持ちはわかるんだけど、実際にいなくなったら?と考えるとなんて言っていいか全然わからなくて。どうしようもないので"事件だからいい曲書けるわぁ"とか"書けたころに見つかるわ"みたいなことを2人で話してたんです。で!この曲を書いたんですけど、ほんとに"そのときに自分がかけたい言葉がわかんなかった"っていうことをとにかく歌詞にしたくて。で、ワンコーラス書きあがったところで、猫がいなくなって2週間ぐらい経ってたんですけど、その日に急に自分で帰ってきたんですって、猫が。

-そんなことあるんですね!

そう。で、びっくりして。それですごく嬉しい気持ちのままフルコーラス書き終わって。何かのために、新しい夏のシングルのために書いたっていうよりは、ほんとに今私が抱えてる気持ちであって――それは"わかること"とか"わからないくせに"とかっていう、常々ずっと歌ってきたことだったんですけど。新たに考えた部分も今回結構あって。ぽとっと生まれた曲だったので、これで夏のシングル出せたらめっちゃいいなと思ったんです(笑)。あのー......フェス用とか、踊れるとかいうことは関係なく、ほんとに単純に聴いて元気になる1曲で、ちゃんと内容のある曲にしたいと思っていたので。そういう気持ちで作りました。

-猫が行方不明になったことがベースにありますけど、この歌詞は書きたかったことが書けた実感はありますか?

そうですね......別にそんなに大げさに、ことを荒立てなくても普通にずっと好きな人のそばにいたいなと思ってるので。デビューのときも考えてたんですけど、私自身が信じられない部分とか疑いたい部分とかをなるべく置いておいて、"わからないけど信じよう"とか"やってみよう"と思うことを歌っていたいんですよ。それは私自身がそこに向かうためでもあるし、私みたいに全然、信じたくない/信じられないと思ってるような人に対して、私が歌ってるあいだは信じられているなら、その人も信じられるのかなって。そうでありたいなと思ってて。それをある程度テーマに歌ってるんですけど、「わかんないのはいやだ」に関してもそうで、わざわざ慌てふためかず(笑)、うん。変わらずにいるっていうところが歌いたかったところなんですね。

-信じられないっていうのは何をもってなんですか?

私が今ほんとに信じたいなと思ってるのは、ひとつの夢が始まって、それを見続けることとか。ひとつの恋愛が始まってそれを"守る!"って決めたときに細かいこと抜きにして最終的に守るっていうこととか。そういうとこは私の中ですごく信じたいんだけど、未知のことなので追いかけていたい部分なんですよ。