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INTERVIEW

Japanese

DOES

2014年08月号掲載

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Member:氏原 ワタル (Vo/Gt) 赤塚 ヤスシ (Ba) 森田 ケーサク (Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-今までも何曲かテーマ曲などやってきましたが、制作側からこうして欲しいとか、DOESらしさは求められたりしていたんですか。

ワタル:いや、逆なんですよね。どの曲をシングル・カットするかってなって、例えば「修羅」とか「曇天」とか「バクチ・ダンサー」もそうだけど、あれが1番かっこいいっていうので、必然的にその曲がシングルになって、それがたまたまアニメとマッチングしただけの話なんですよね。みなさんだいたい依頼があってから曲を作るみたいなんですけど。

ヤス:うちらはそんなことも知らなくて(笑)。

-できた曲で1番いいものが、シングルになっただけと(笑)。でもそういった曲たちが、実際にはDOESのリスナーのすそ野を広げた曲たちですもんね。

ワタル:嬉しいですよね。俺が小学生とか、15歳だった頃に、どういうふうに音楽を聴いたかを思い出すと、ただかっこいいとか、なんか聴いたことねえとか面白いとか、それだけだったから。そのへんは意識して作るんですよね。もともと福岡とかでアンダーグラウンドでやっていた頃は、マジでマニアックなものばかり聴いて、どこにも行けない感じで(笑)。それはそれで楽しかったんだけど、それはもうやってきたことだったから。何がいいのかもすごく知ってるし。だから敢えて、メジャーとしてのDOESでやるなら、やっぱりある程度伝わるものっていうのかな。ロックを好きになってほしいとか、全然死んでねえよっていう感覚っていうのかな。いつまでたってもサッカーが面白いように、ロックもいつまでたっても面白いんだよっていうのを、少しだけでも伝えることができたらいいのかなって思うし。

-アルバム後半の「わすれもの」はフォーキーな曲ですが、これはとてもシンプルでグッとくる曲ですね。

ワタル:これは2年間のなかで前半の頃、いろいろ個人的に迷っていたり考えていたりしていたときの曲なので、思いは強いですね。ほんとシンプルで、90年代のただギターをかき鳴らしてるだけみたいなあの感じをやりたいなと思って。ただギター持って歌ってるっていう、その簡単さの中にある美学みたいなね。1番最初に作った曲なんですけど、ミックスを1番最後にやって。ほんとに「わすれもの」を取りに帰って(笑)。感動的でしたね、ミックスが終わったときは。

-そんな曲から最後の「終わりのない歌」へと続いていきますが、こちらは制作時期のどういう段階で作った曲なんですか。

ワタル:「終わりのない歌」もだいたい「わすれもの」と同じ時期ですね。

-ああ、最初の頃なんですね。まだ迷いもありながら、いろんな道を探っている時期で?

ワタル:ですね、それで見つけたのがDOESという道。

-「終わりのない歌」はものすごくヒリヒリと乾いた曲ですが、1番最後の曲としてこのアルバムの頭からのストーリーを含んでいる曲でもある。とてもいい余韻がありますね。

ワタル:うん、カタルシスはありますね。すべてのことに終わりはくるから、それに抗おうとするのは不可能だけど、でも終わりたくないなっていう、そういうのって儚いですよね。そこらへんの感情の揺らぎがある。まだ先に行こうよっていう感じの思いがこもってますね。どこにも行けないかもしれないけど、何かを思ってやるなら、何か残るだろうという。その見えないものを見ようとするっていうのは、いいなあと。夢がある。

-以前からDOESの歌の肝である、刹那の良さもあり、これから先への匂いもある。今だからこういうような曲も書けるんでしょうね。

ワタル:そうですね。今回は、鼻唄的に出てきたものをぱぱっと曲にするっていうことに取り組んだアルバムでもあるんですよね。昔は、こんな感じにしようとかいろいろ考えて考えてやっていたけど、そんなのもやめて。即興的にポッと出てきたやつがほとんどなんですよね。それはコンセプトを先に決めてるから、それが逆説的にやりやすかったんですけどね。だからもし、自分は何なのかとか、そういうことで悩んでいる人とかがいたら、1回、何もしないとか、自分を忘れるとか。そしたら逆に自分がわかるのかなって思う。思いつめても答えが出ないなら、忘れちまいなっていう。大丈夫だよ、自分は自分だからって。