Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

Brian the Sun

2014年03月号掲載

いいね!

Member:森 良太 (Vo/Gt) 白山 治輝 (Ba/Cho) 小川 真司 (Gt/Cho) 田中 駿汰 (Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-なるほど。恋愛や嫉妬愛だけではなく、「グラストライフル」や「R25」で描かれているような大きい愛情を感じるようなものまで、様々な観点の"愛"が詰まったものになりました。

森:結局そういうところに落ち着いてしまうんですよね。"愛"を歌うには凄まじい説得力が必要で、端的に歌うとすごく浅はかに聴こえたりするんですけど......本当にそこに行きたくて。そのためには多少遠回りというか、哲学が必要やと思うし、それがないと薄っぺらいものになると思うし。......僕はとんがってしまって、細かいところはわからないし、傷つけている人もいるかもしれない。でも結局は"愛"というところに行きたい。それをどうやったら伝えられるか? と考えたときに"いまの自分やったらこうでしか無理やな"という手段で伝えたのが今回、という感じではありますね。

-これからも愛というものに向かっていきたいということですね。

森:そうですね......ミュージシャンでそれができるようにならんと切ないと思うし。音楽を聴いて何かを感じるということが愛やと思うんで。みんなが僕らからパワーもらってるとか、愛をもらってるとか――そういう存在にはなりたいと思っています。僕らみんな結構人と関わるのは好きなんで。まだ僕らはライヴハウスに来るお客さんの顔が見える距離でライヴをしているから"人と一緒に音楽してるな"というのはすごくあるし、そこを見失わないようにしたいです。そこに自分が存在している、摩擦を生んでるという自覚はみんなひとりひとり持っててほしいし、持ってるもんやし。今のシーンはそこに対して切り込んでいくバンドが少ないようにも思うんで。こういう音楽をやりながら、そういうところも忘れへんようにしたいなとは思ってます。

-アレンジの制作はどういう手順で?

森:メンバー各々に"俺はこの歌詞を聴いてこう思った""この歌ではこうしたい"というのがあるんですよ。ドラムやったら最終的に形にしたいイメージを描いてチューニングしたり、どれぐらいシンバルを鳴るようにするかとかも考えているから、ほぼ丸投げ。みんなアーティストやから想像力も豊かやし、持ってるエネルギーがあるんで。ディレクターさんもそれを理解してくれて、各々のやるままをパッケージングした感はありますね。

白山:全員ほんまめっちゃうるさいからなぁ~、ここがああでこうで......って(笑)。そういうのやらしてもらえない環境では絶対に音楽はできない。

森:この事務所もディレクターさんも俺らのそういうこともわかってくれてるから、俺らが後悔するんじゃないか......と思うポイントだけ"ここはこうじゃない?"と助言してくれる。『Sister』のときはディレクターさんとも初顔合わせやったんで、それぞれの責任もあるし、お互いの間を取りましょうという時期もあったんですけど......それが結局よくないことはみんな薄々気付いてて。

小川:いまは自分らのやりたいことを、いちばんやりやすい形でできる環境ではあると思います。

森:最低限それをやって。それで評価されるかされないかは別の話、って感じですよね。

田中:アルバム出して、ツアーを終えて、RADIO CRAZY(※2013年12月28、29日開催)が終わった後に録ったから、ストイックさがあるかなぁ(笑)。それが音には出てると思います。いろんな気持ちが湧き上がって......。

森:なんせ悔しかったよね、去年1年は。そのラストがRADIO CRAZYで。いちばんちっちゃいステージに出て、演奏して......自分らに満足する日は一生来ないと思うんですけど、客観的に見ても"こんなもんすか俺ら!?"って(笑)。でもみんなストイックさで失うものがあることもわかってるから、そこまでピリピリしてるわけでもなくて。みんな遊ぶの好きやし。もともと音楽はハッピーなものやし、楽しいものやし。そこに無理矢理メッセージ性をつけるんやなくて、普通に出てくるものをそのまま収めてるだけなんで。それがわかりやすく伝えられるように、最低限弾けるようにしましょう(笑)、いい音で鳴らしましょう、気持ち良くなれるようにしましょうとか――それぐらいの話なんで。

-そういう皆さんの想いがちゃんとこの5曲には通っています。

森:あとは売れてほしいですね(笑)。

-ベスト盤みたいなフル・アルバムをリリースして、ツアーを回って、出し切って。メンバー・チェンジを繰り返しながらもバンド7年目で辿り着いた、新しい第一歩のアルバムですから。いろんな人に聴いていただきたいですね。

森:今回は本当にそう思います。いま思えば正直な話、いままでは我慢をすることも多かったと思うんですね。けど今回はハッピーな環境で録れて、メンバーみんながいいと思うものが作れた。本当にいろんな人に聴いてほしいですね。