Japanese
Brian the Sun
2014年03月号掲載
Member:森 良太 (Vo/Gt) 白山 治輝 (Ba/Cho) 小川 真司 (Gt/Cho) 田中 駿汰 (Dr/Cho)
Interviewer:沖 さやこ
-"そういうこと"?
白山:去年KANA-BOONと回った東名阪や、地方でもグッドモーニングアメリカと一緒にやったときとかはすごく盛り上がったんですけど、僕らメインで地元バンドがふたつくらい出るものになると、あー全然盛り上がらへんな......てなったりして。実際僕らのことを聴いてくれてライヴに来てくれてるんかな、バンド名の並びで来てくれてるのかな......とか、そういう葛藤はあって。
森:全力出して作ったものを持って回って、ハード・パンチを食らって。伝える難しさを感じたんですよね。......まあね、そこでしょげても仕方ないんで。でも38ヶ所、ライヴ・ツアーは全ヶ所最高のライヴはしたし、楽しかったし。それでも、アルバムで"こっからやな"って感じはしたんです。やっとスタート・ラインに立ったのかもしれん。
小川:アルバムを出すことで初めて回れる土地もあったんで。初めて行って、そんなに人もおらへんかもしれへんけど、次出してもう1回行けるときには――という期待感とか、やったるで感はすごくあった。
白山:どの土地にも俺らのお客さんが2桁は入ってたんで。それは超嬉しかった。
森:うん。そこに可能性も感じたし。音楽真面目にやってれば海も渡れるんか、と思って。じゃあ次は何しよっか? ......っていろいろ考えたんですけど、考えてできるんやったら音楽なんかやってない(笑)。結局やれることをやるしかないから"曲作ろう!""どうやっていいライヴしよう?"とか、そういう話をして。
白山:ツアー中にリハ入って曲を作ったりもしてたし、ツアーをして感じたこととかも踏まえて曲を作り直したりして、そこから大分変わったよね。
-それが今作『彼女はゼロフィリア』。ツアーでの経験や感じたことが落とし込まれた作品になったんですね。
森:そうですね、むちゃくちゃ色濃く入ってると思います。ツアーを重ねると、どうしても気合いで乗り切らなあかんところとかがむちゃくちゃ多くなってくるんですよ。そうなっていくと気持ちもすごくソリッドになって、研ぎ澄まされてきて。今僕らがおる立ち位置から見える景色が......窮屈に見えて。(自分たちが)こんなところにおるべきじゃないとも思うし、もっと上も目指せると思うし。そういうイライラやジレンマも持ちながら各箇所ライヴを回って――"こんなはずでいいわけがない、もっといけるでしょ!?"と、自分ら自身にも世間に対しても思うことはあるし。じゃあそれを曲にしようと。ライヴハウスに来る人が何を求めてるんかとか、意識せずとも感じるじゃないですか。別に変に媚びるわけでもなく、思うことをそのまま曲にした。そういう意味ではいい影響は出てると思います。
-そうですね。キャッチーだけど、音からちょっとした苛立ちみたいなものはそこはかとなく感じるから。
小川:それよく言われるやつや(笑)。"ライヴが怖い"とかな?
白山:タイトル・トラックのサビ頭"うるせぇー"やしな(笑)。
森:(笑)僕らも23歳やないですか。年齢的にも音楽やめていく友達も多いし......すごく寂しいなと思うし。無責任なことを言うようですけど、(他のバンドマンは)みんな真面目やなと思うんですよ。与えられたものをどううまく使うかとか、与えられた場所をどううまく使うかとか、そういうことはすごく上手やけど、ちょっとイレギュラーなことになると体が動かんかったりとか、困ってしまったりとか......自分が過去に発した発言に縛られたりとか、そういうことがすごく多いように感じてて。もっと自由に喜怒哀楽を出してったらいいんじゃない? という気持ちで曲を作っていったら怒った感じになりました(笑)。
-(笑)「ロックンロールポップギャング」の歌詞では何度も"気に入らない事ばっかりだ"とおっしゃってますしね。
森:ツアーで気に入らないことばっかりやったんですよ(笑)。それでライヴで"気に入らない事ばっかりだ"と歌ってると、ほんまに気に入らないことばっかりになってくるんです......それが良くなくて! だからライヴする前に一言"気に入らんことがあるのは己のせいで、それを壊すために曲を聴いたり歌ったりするね""そこに甘んじるな、という意味があるんですよ"というのを(観客に)伝えるようにしてて。それで心持ちが変わるし、自分にもいい影響は出るから、言葉はすごいなと思います。
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