Japanese
オワリカラ
2014年02月号掲載
Member:タカハシ ヒョウリ (Vo/Gt)
Interviewer:沖 さやこ
-ヒョウリ少年がNIRVANAやノイズ・ミュージックに感じた想いを、いまの若者にも感じてもらいたいと。
その通りですね。ずーっと割とインドアな人間だったし......音楽だけでなく文化というものに救われてきたんで、すごく感動したことに対する恩返しみたいな気持ちもあって。"こういう側面がすごく好きだ"というのを伝えたいというのはある。
-ヒョウリさんもSkream!で連載中のコラム"火星から来た漫読家"でも書いてらっしゃいましたが、『サイハテ・ソングス』はとても強い意志を持ったアルバムになっていると感じました。
まずあの3作を経た集大成、最高傑作を作ろうという気概はすごくあって。あと、ロック色の強いもの、というのかな。ライヴでもすごく強くて、聴いたときにインパクトや強さがあるものが作りたくて"そういうものってなんなのかな?"と考えたときに......"渇望"ということなのかなと思って。"求めていく気持ち"――それは多分ポジティヴな意味もネガティヴな意味もあって。何かを求めていくのは動いているエネルギーというのかな。そういうのが多分いちばん......強さがあるんじゃないかなって。動き出すときのこのエネルギー、それがロック。だから自分のロック・アルバムもそういうものにしたかったし、どこかへ向かっていくというのはどこでもいいんですよ。人によって違うと思うし。最早どこに向かっているのかもわからないのになぜか走っている――そういう感じのエネルギーがいいなと思ったんだよね。
-"死に場所"や"最果て""ガンダーラ"などの言葉が曲のなかには出てきますが、そこには明確な場所は意味されていないんですね。
"最果て"とか"シェルター"とか"死に場所"とか出てくるんだけど、それが果たして一体どこなのか?ということに関しては、"皆さんのご想像にお任せする"感じというか。要するに、最果ててないからね。物事にも果ても答えもないと思ってるから。......いま、答えをみんなすごく知りたいと思うんだよね。気分とか、答えのないものに答えを求めることを求めていて。それは音楽の大事な仕事なんだけど、答えがないこともあるんだよね。それは答えがないから続くこととか、答えがないから生きていくということ――孤独を100%埋めるものはないから、寂しいから生きる。それはある種のイコールだと思っていて。だから"果て"というのはなくて。それを求めること自体が生とイコールというか。そういうイメージがありますね。
-どの曲にも終わりを思わせる箇所がある気がしたんですよね。そういう意味でもシリアスさと、もともとオワリカラが持っているユーモアのぎりぎりのせめぎ合いが4作のなかでいちばん強い。ユーモアとシリアスは紙一重なのかもしれないなとも思いました。
あー、それはそうかもしれないですね。基本的に50と50で100になっているものより、100と100で200になってしまっている感じというのかな。零れちゃってる、それが好きなんですよね。僕の好きなものもそうだし。ユーモラスなものとシリアスなものが僕のなかではすごく大事で。それが両方入っているものはいつも求めている。
-「SINIBASYO A GO! GO!」はそれが顕著に表れている曲ではないでしょうか。でもそのなかにある"生きてくための秘訣なんてバカ、あるわけがないだろう/何度でも明日が来るまで今日を行くしつこさただそれだけだろう"というフレーズなど、明確なメッセージが多いのも今作の特徴だと思います。
今回すごいメッセージ強いですね。伝えたいことがすごくあって、しかもそれが言葉でというのは、アルバム全体を通してもそうだし、全曲にメッセージがあって。全曲について言いたいことがあるんですよね。空白の良さもあると思うんだけど、今回はそこが全部詰まってる。濃度、強度、密度が高いというのは......時間を掛けたというのもあって。1曲1曲に対する思い入れも強いし、ライヴでもやっているからそれがどんどん増していって、アルバム全体が1枚分はなく、何枚分ものエネルギーが入った感じかなー......。
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