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INTERVIEW

Japanese

ASIAN KUNG-FU GENERATION

2012年09月号掲載

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Member:山田 貴洋 (Ba/Vo) 後藤 正文 (Vo/Gt) 伊地知 潔 (Dr) 喜多 建介 (Gt/Vo)

Interviewer:石角 友香


-山田さんはいかがでしたか? 曲作ろうっていう気持ちになれましたか?

山田:震災から1ヶ月も経ってないぐらいだったんで、落ち込むより前にいろいろ整理がついてなかったんで、すぐ音楽に気持ちを切り替えられたか?っていうと全然そうではなかったんだけど……でもやっぱりバンドで鳴らすとすごくホッとしたというか(笑)。一時的でも安心感みたいなものはあって。でも作業してるあいだにも建物がガンガン揺れてたんで、そういう怖さとの戦いがあったりとか。でも、その分ポンポン、いいものがわかりやすくできていったから、あの時スタジオ入ってよかったなと思ってますけど。

後藤:計画停電の話はずっとあったような気はするけど、少しは町の機能は回復してきてたよね? なので、俺は物資とかを買い、送りながら、メンバーにもレコーディングの時に“リスト渡しとくので、今度スタジオに集まる時、持ってきて”って頼んだり、そんなことしてましたけど(笑)。めちゃくちゃなこといっぱいしてたな。普段ならしないようなこと。どっかの物資集めてる所に電話したりとか。

-後藤さんはツイートだけじゃなくて、行動が伴って今に繋がる動きが大きく回転し始めた頃じゃないですか?

後藤:うん。言ってることはやんなきゃいけないんだってことはね、ここ1年で思いました、肌身で。“言うのは誰でもできるわ”って。“じゃ、あなた物資持ってどこそこまで運転していけますか?”っていったらやれないでしょ? そこはちゃんと気づけてよかったなっていう。何かを考える時に身体性というか肉体性を伴ってないと、形になっていかないんだなっていうのは。

-身体使って支援することを自分が本心からやろうと思ってるのか? 突き詰めてやらなかったロック・ミュージシャンももちろんいて。

後藤:うん。人それぞれだと思うんですよね。僕はちゃんとあたふたしようと思ったんですよ。オロオロすりゃいいんだと思って。そんな、どこかの町では代弁するのもおこがましいような、いろんな体験があるわけじゃないですか。で、俺は俺で暮らしてる町でもオロオロして、“なんかしなきゃ”ってもがいて、それが偽善だろうがなんだろうが、迷いながらやるしかないなっていうのはあったんですけどね。

-そしてミュージシャンとしてはリリースの予定はなかろうが、曲を作ることを止めるわけにはいかなかった?

後藤:でも役割だからやったわけではなくて、自分たちが絶望しないためっていうか、生きる活力を失わないためにやってたというのがあると思うんですよ。だからNANO-MUGEN FES.はそういうもののひとつで、開催できて生き返った心地でしたからね。

-曲はそんなに早い時期にできていたわけですけど、歌詞を書くこと自体はどうでしたか?

後藤:う~ん……タフな作業でしたね。やっぱり“どうしよう?”みたいな気持ちはもちろんあったし、どこまで書くべきか、あるいは何を書くべきか、書きたいのか……いちいち考えながら。でもちゃんとそれがロック・ミュージシャンとしての言葉遣いであるってのは意識しました。“THE FUTURE TIMES”には書けないけど、曲だったら歌えることがあるなっていうのを意識してたかな。はっきり言うともっと乱暴でもいいし、残酷さがあってもいいんじゃないかっていう気があって。何より歌詞は表現だし。“THE FUTURE TIMES”も表現だけど、主旨が全く違うので。

-ちなみに最初に歌詞が付いた曲は?

後藤:「All right part2」じゃないですか? 先にできてもう上がってましたから。