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"New Acoustic Camp 2022"、第2弾出演アーティストでHY、キュウソ、TRI4TH、ハナレグミ、真心ブラザーズ、片平里菜、怒髪天、LOW IQ 01、チャランポ、MIZ発表
2022.06.17 18:00
9月17日から19日の3日間、群馬県利根郡みなかみ町水上高原リゾート200 ゴルフコースにて行われる"New Acoustic Camp 2022 ~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~"より、第2弾となる出演者が発表された。
新たに出演が決定したのは、以下の10組。
HY
ハナレグミ
怒髪天
真心ブラザーズ
チャラン・ポ・ランタン
LOW IQ 01
キュウソネコカミ
TRI4TH
片平里菜
MIZ
既報の奥田民生、GLIM SPANKY、SHISHAMO、OAUらとあわせて合計21組がラインナップ。一面の芝生と木々に囲まれる高原でのキャンプ・イベントには、様々な音楽性のアーティストが生楽器を使って演奏するというルールのもと、自らの楽曲をアレンジしてアコースティック編成でのみ登場する。出演者はまだまだ発表されるので、個性的な飲食やワークショップなどの告知とあわせて、今後も期待しよう。
また明日6月18日より、チケット・オフィシャル先行がスタートする。人気のオートキャンプや新たに設けられたエリアのチケットを手に入れられるチャンスだ。注意事項とあわせてチェックしてこの機会に申し込もう。
▼イベント情報
"New Acoustic Camp 2022 ~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~"
9月17日(土)、18日(日)、19日(月・祝)群馬 水上高原リゾート200
[第1弾出演者]
ACIDMAN / EGO-WRAPPIN' / GLIM SPANKY / ハンバート ハンバート / OAU / 奥田民生 / 大森靖子 / 崎山蒼志 / SHISHAMO / ストレイテナー / yonige
[第2弾出演者] [NEW]
HY / ハナレグミ / 怒髪天 / 真心ブラザーズ / チャラン・ポ・ランタン / LOW IQ 01 / キュウソネコカミ / TRI4TH / 片平里菜 / MIZ
and more
[チケット]
■オフィシャル先行:6月18日(土)12:00~6月26日(日)23:59
■公式サイト:https://newacousticcamp.com/
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音楽に対する誠実さと温かで陽気なキャラクターは不変だが、こんなに新しい音楽要素にアプローチしているとは嬉しい驚き。結成20周年プロジェクトの第1弾は、アルバムのみをリリースしてきたHYのバンドとしての矜持が詰まった快作だ。ソングライターが3人いる強みも発揮している。名嘉 俊(Dr)作のピアノ・ポップなTrack.1やEDM以降のポップスのスケール感溢れるTrack.7。ラヴ・ソングの女王、仲宗根 泉(Key/Vo)のエヴァーグリーンなバラードのTrack.6では、彼女の歌い手としての深化や奥行きの深さにも胸打たれた。さらに新里英之(Vo/Gt)による、四つ打ち且つ彼らならではの開放感があるTrack.3やプリミティヴなビートのTrack.13と、進化を止めない5人を讃えたくなる。(石角 友香)
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沖縄の5人組が1年8ヶ月ぶりにリリースする12thアルバム。出会い、運命、転機という意味合いを"CHANCE"というタイトルに込め、バンドとファンの繋がりを歌った曲の数々を収録。80~90年代のJ-POPが持っていた豊かさを、男女ヴォーカルそれぞれの持ち味を生かしながら時にロッキンに、時にダンサブルに蘇らせる天真爛漫なサウンドが彼らの魅力。曲の数々を、より味わい深いものにしているファンキー~ブラック・ミュージックからの影響も聴きどころだ。このアルバムを引っ提げ、3月26日から全国を回るツアーでは、新たな出会いが生まれるに違いない。ちなみに初回限定盤のみに付く特典CDの収録曲「DEBUと言われて」は、本格派のR&Bバラード。このままレア・トラックで終わらせるには惜しい珠玉の1曲だ。(山口 智男)
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結成15周年を迎えたHY、メンバー全員の出身地である沖縄を全面に打ち出している11枚目のニュー・アルバム『LIFE』が到着した。15年の月日が経ったとはいえ、デビュー当時のポジティヴなイメージは変わらない前向きな作品となっている。友達と一緒に騒げるパーティー・チューンから幕開ける今作で注目すべきは、仲宗根 泉(Key/Vo)がヴォーカルをとる珠玉バラード、「愛しあって許しあって」。単なる失恋ソングではなく、"許しあう"をキーワードに一歩先をいく壮大な失恋ソングは必聴。そして、再会を約束してくれているようなTrack.10「さよならまたね」に続き、まだ見ぬ世界へと背中を押してくれるメッセージ・ソング「スマイル」で今作は締めくくられている。起承転結がはっきりとした今作は、朝から晩まで夏のビーチで1日中一緒に過ごす気分にさせてくれる1枚だ。(白崎 未穂)
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言わずと知れた音楽界のエンターテイナーLOW IQ 01のニュー・シングル。今作はなんとソロとしては初の日本語詞での楽曲を含んだ作品。Track.1の「き(正式な表記は漢字の七が3つ)」からキレッキレのギター・サウンドと違和感がないどころか前からそうだったっけ?と思わせるほど日本語詞を巧みに操る。リード・トラックとしての位置づけのTrack.2の「a room with a view」は"イッチャン"のメロディ・センスが存分に活かされたミドル・チューン、そしてTrack.3の「KI-KI-SU-GO-SU」では日本語で韻を踏んだ言葉遊びを見せる。リラックスした大人の遊びに少しのセンチメントを加えたメロディと言葉が非常に際立ったシングルだ。(伊藤 啓太)
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今年ソロ活動10 周年を迎えたLOW IQ 01。記念すべきこの年を祝うように、豪華アーティストによるトリビュート・アルバムが発売される。メロコア、パンク、スカ、トロピカルなラテンなど、様々なジャンルを混在させる特異な音楽性を持つLOW IQ 01。盟友とも言えるKEN YOKOYAMA やDACK DROP BOMB 、BRAH MAN から、THE BAWDIES、MO'SOME TONEBENDER、SPECIAL OTHERS といったちょっと意外なバンドまで、それぞれが独自の解釈で彼の楽曲をカヴァーしている。どんなアレンジにおいても消えることの無い原曲の良さと、各バンドの個性が光る。何よりも、各アーティストのLOW IQ 01 という自由な表現者に対するリスペクトが詰め込まれている。(佐々木 健治)
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結成14年目のアカデミックなジャズのバックボーンを持つバンドが、メンタリティでも実際の曲調でもロックやパンク、スカを消化する新鮮さが溢れ出た1枚。どの曲もほぼ3分以内で美味しいフレーズやリフを凝縮し、ホーンやピアノのメロディも覚えやすいうえ、アジテーター 伊藤隆郎(Dr)は歌も歌う。アルバム全体の流れも時間を感じさせるもので、1曲目の「Wake up」で文字通り目覚め、RANCIDのカバー「Time Bomb」でスカのビートに乗り、ロカビリー調の「Go Your Way」、夕暮れに向かうようなメロウな「Landscape」、高速ホーン・リフが盛り上がる「Hasty Rag」、そしてアイリッシュ・テイストな「Sing Along Tonight」の大団円。生身の人間の気迫や笑顔がジャンルを超越する。 (石角 友香)
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10年前、"ビクター"への所属を発表し、当時の音楽シーンを揶揄した「ビビった」では"メジャーに行って1、2年で消えるバンド多過ぎクソワロタ"なんて歌っていたキュウソも、メジャー・デビュー10周年。随所に出てくる同曲へのセルフ・オマージュに思わずニヤリとしながらも、共に歩んできたファンへ向けたやけに素直な歌詞にうるっとくる「ネコカミたい」を筆頭に10曲が収録された。世相を斬る「わや」や「正義マン」の秀逸な皮肉には痺れるが、「一喜一憂」や「やってみようぜヒーロー」の心を救うような温かなポジティヴィティも印象的。同棲相手やペットとの別れの描き方もあまりにまっすぐだ。鋭い着眼点はそのままに、ひねくれたシニカルさよりも大切なものへの愛が際立つ。(中尾 佳奈)
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前作『ハリネズミズム』と一対のミニ・アルバムとなる今作。オープニングを飾る「3minutes」はこの時代ならではな"三密"をテーマにしており、どんな状況でもプラスに転換して音楽を続けていく確固たる意志を感じる。バンド結成10周年を迎えた2020年はライヴが思うようにできない歯痒さがあったと思うが、それをサウンドで跳ね返すようなキュウソ節が鳴り響く。また、情報が溢れるインターネット社会に喝を入れる、オカザワ カズマ(Gt)プロデュースの「囚」や、センチメンタルなメロディが印象的なカワクボ タクロウ(Ba)作詞/プロデュースのミドル・ナンバー「薄皮」も収録。"挑戦"と"実験"を絶やさず、バンドのスケールを拡大させ続ける彼らに2021年も期待をせずにはいられない。(伊藤 美咲)
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結成10周年&ねずみ年という、キュウソにとってWメモリアル・イヤーの幕開けとなる1枚が到着した。今作には新曲に加え、現在は手に入らない1stデモ収録のレアな2曲の再録版も収録。"10年経っても世界は継続"(「適当には生きていけない」)という言葉の重みが増しているものの、スピリットは当時のままであることを示している。そしてリード曲「冷めない夢」からは、彼らにとっての冷めない夢が"キュウソネコカミ"なのだろうと実感。この曲をラストに置くことは、どうしても周囲と比べてしまいがちなSNS世代の心を震わせることに奏功するだろう。今年は"SXSW"出演も発表されているが、ジャケットのハリネズミのように、バチバチと火花を散らし、アメリカでの刺激と戦う姿が目に浮かぶ。(稲垣 遥)
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愚直に自らを振り返り、キュウソというバンドの生き様を曝け出した前シングルの2曲や、"クボタ LOVE米プロジェクト"への書き下ろし曲「米米米米」を含む新アルバム。お馴染みの"こういう人いるよね"とディスを吐くナンバーもあるが、変拍子も挟むスタイリッシュな音像の「遊泳」、青春パンク感のある「真面目に」などは、サウンド面ではキーボードの使い方がこれまでとは違って新鮮でありつつ、歌詞の方はヤマサキセイヤ(Vo/Gt)個人の心の内を映す叫びにも聴こえて、より血が滾った要素が増えていると感じた。その流れを汲むと「推しのいる生活」も"推される"側のバンドマンからのメッセージにも聴こえてくる。リアリティの路線が少しずつ変わってきている過渡期の作品ではないだろうか。(稲垣 遥)
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新曲発表のたびに、今回は世の中のどこに焦点を当てて噛みつくのだろう、と思うのもキュウソの魅力のひとつだが、この新作はこれまでとはひと味違う一面が窺えるものだった。アニメ"メジャーセカンド"OP曲の「越えていけ」は、世の中に噛みつくのではなく、自分自身と戦い今の自分を"越えていこう"という、かつてないほどにシンプルな応援歌。そして「The band」では、"楽しさだけ"を求められることが多いキュウソというロック・バンドの生き様をその鋭い目線から描いている。過去最高にストレートにバンドの苦悩や本当にやりたいことを曝け出すからこそ、真に迫る凄まじさがそこにある。5人と"リアルタイムで出会えた"からこそ、彼らの音楽に笑った人は今こそ共に"楽しい"の先へ行くときだ。(稲垣 遥)
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すっかり邦ロック・シーンに欠かせない存在となったキュウソの新作。これまで数々のエッジーでダンサブルな楽曲に不平不満を乗せてボヤき散らしてきた彼らだが、まだまだ言いたいことは収まらず、今作では"詐欺写真"、"メンヘラ"、"おじさん好き女子"などに現実を突きつける。そんななか、ぽつりと収録されていた「TOSHI-LOWさん」には笑ってしまった(もちろんあの"鬼"への愛が込められた楽曲)。だが、ただ現代を俯瞰的に面白おかしく皮肉るだけではなく、「5RATS」、「わかってんだよ」では彼らの中に今沸々と湧く闘争心や野心をむき出しにする。結成から8年、"バズらせ系バンド"先駆者として邦ロック界における確固たる地位を築いてきたと言えるキュウソ。5人が目指す、さらなる高みに期待。(稲垣 遥)
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"2ndフル・アルバム『大事なお知らせ』をブラッシュアップさせたもの"というコンセプトで作られた今作は、この3年でバンドがスキル・アップし、許容範囲が拡大したことを感じさせる。エッジーなギターとシンセが疾走する"THEキュウソ"な楽曲はもちろん、キュートで人懐っこいリフも印象的な「NEKOSAMA」、ピアノの音色とエフェクティヴなギターが和メロを引き立てる「春になっても」など、フル・アルバムだからこそ収録できる楽曲の存在は作中で大きなアクセントだ。歌詞も単なるディスではなく、成長や味わいを感じさせるものが多いが、「ヤブ医者」は"うるせぇバーカ!!"と初期のように全力で不平不満をまき散らす。今も過去も全部詰めこんだエネルギッシュな作品、非常に痛快だ。(沖 さやこ)
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今年1月24日のライヴを早くも映像化。成長期真っ盛りなバンドの記録をリアルタイムなものにするために極短スパンでリリースする必要があったのだろう。この作品は言うなれば成長痛の記録だ。フロアの人波に揉まれるスタッフ目線やクレーン・カメラによるカットなど、20台超のカメラによる映像は会場の熱狂をダイナミックに映し出すと同時に、葛藤の最中でもがくバンドの姿をも浮き彫りにした。"楽しみながら多くの人を巻き込んでいきたい""でもファン全員に楽しんでもらうためにはやりたい放題では済まない"――つんざくような葛藤の中から手を伸ばし、キュウソは如何にして歓喜を掴んでいくのか。どんなエンターテインメントを描いていくのか。泣き笑いに満ちた過程の熱さがヒシヒシと伝わってくる。(蜂須賀 ちなみ)
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前作『10代で出したかった』が一部のインディー・ロック好きの間で話題になり、最近ではライヴの動員も急上昇中。共感できるような気もするし、そんなこともないような、知らんがなとツッコミたくなるような歌詞とやたらとキャッチーなダンス・ロック、衝撃的なライヴ・パフォーマンスで今やネクスト・ブレイカーの一角に挙げられることも多い彼らの2ndアルバム。前作から曲の構成力は格段に増し、各パートの輪郭が顕著になり、メリハリのついたサウンドに悔しいけど体が揺れる。ツイン・ヴォーカルの必然性も一段と増し、しっかりとキャラクター分けができており、お互いが曲のアクセントとなっている。もっと、見るからにストイックに魂を削ってます感溢れるバンドが売れるシーンが望ましいのかもしれないが仕方ない、彼らは面白い。(伊藤 啓太)
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約束しよう、この音源を聴き終え、特に予定も無く街を歩いている時にふと"ヤーンキーこーわいー"と口ずさんでしまう事を。日本のインディー・ロック・シーンにありがちなダンス・ロック・サウンドと彼らは全く違う、彼らは段違いに"面白い"。コミカルな詞の世界観、凄まじい熱量でそれを体現するライヴ・パフォーマンス、そしてMC、全てが1つのエンターテイメントとなって笑えるのは間違いないのだが、彼らは決してコミック・バンドに収まらない音楽的IQの高さを持っている。全てが計算なのか偶然の産物なのかは正直わからない。しかし多様な音楽を吸収するというよりは貪り食っているかの如く超展開していく彼らの音が非凡であるという事は、このアルバムを聴いていただければ伝わるはずだ。(伊藤 啓太)
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PINK FLOYDのギタリストDavid GilmourやTwitterの会長JackDorseyに気に入られているという逸話を持つ、チャラン・ポ・ランタン。もも(Vo)と小春(Accordion)の姉妹による2ndシングル『貴方の国のメリーゴーランド』は、夢の中に引きずり込む気満々の1枚。表題曲となるTrack.1は、映画"飛べないコトリとメリーゴーランド"の主題歌となっており、理想と現実のギャップにもがき苦しむ主人公に、悪魔と天使かの如く美しいワルツで現実逃避をそそのかす。映画を観ずとも、そんな場面を思い浮かべさせる世界観が広がる楽曲だ。とび跳ねているかと思ったらいつの間にかホロリと泣いていたりと、愛くるしいチャランポの一面はそのままに、嬉しいことや悲しいことすべてが収録されている、めくるめく4曲だ。(白崎 未穂)
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EGO-WRAPPIN'の中納良恵とハナレグミが参加した東京スカパラダイスオーケストラ通算17枚目のアルバム。ヨーロッパ・ツアーの合間を縫って1週間という短期間でレコーディングされたというエピソードからも分かるとおり、衝動がそのまま切り取られてパッケージされている。Track.1の「黄昏を遊ぶ猫」を聴いた瞬間から、顔面に熱風を吹きかけられたような熱さと勢いに呑み込まれそうになる。もちろんそこには長くに渡って音楽シーンを牽引してきた彼らだからこその楽曲の深みと質の高さがしっかり存在しているのだが、それよりも音楽への歓喜の叫びが聴こえてきそうな作品に仕上がっているのが印象的だ。誰よりも音楽を楽しみ、音楽への欲を追求する、衰え知らずの攻めの姿勢は、最高にロックなのではないだろうか。(石井 理紗子)
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ハナレグミの4枚目のフル・アルバムが届けられた。温かく力強い永積タカシの声は、まるですぐ側で彼が歌っているかのように響いてくる。「People Get Ready」「光と影」での柔らかで哀愁漂うソウルフルな歌唱は相変わらず素晴らしい。そして、マダムギターをフィーチャーした「・・・がしかしの女」での騒々しくも笑顔に満ちた掛け合い、BOSEとAFRAを迎えた「Peace Tree」のオーガニックなグルーヴからは、人と音楽を奏でることを思い切り楽しんでいる彼の様子が伝わってくる。この作品には、音楽と共にある喜びが目一杯に表現されている。音楽は楽しい。そして、優しい。この素晴らしいソウル・アルバムはそんな言葉さえも信じさせてくれる。ただ甘ったるいだけのポップ・ソングじゃこうはいかない。(佐々木 健治)
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1年ぶりのリリースとなるシングルは、片平里菜が自分自身のこと、家族のこと、ルーツとなる"なまえ"について綴られた、とてもプライベートで、彼女の故郷の風景や記憶が描かれた曲である。それでも、この歌からは懐かしく甘酸っぱく、またセンチメンタルな、自分の記憶も引っ張りだされる曲となった。自身のアルバムをめくるような感覚だ。フォーク・ソング的な素朴さと、鼻歌のような軽やかさを持ったメロディと、控えめながら歌の景色をほんのり照らすアレンジが、心地よい。今回はトレードマークのアコギを封印し、鍵盤やストリングス、エレキ・ギターを中心にしたサウンドという、挑戦もある。これから自分が何を歌えばいいか。そんな問いの中で立ち上がってきた曲だけに、ここから生まれていく作品も楽しみになる。(吉羽 さおり)
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ひとりになったときに、ぷつっと緊張の糸が途切れて、心の声がため息と一緒にこぼれてしまったような、囁くようなヴォーカルと爪弾くアコースティック・ギターで始まる「結露」。強がったり、斜に構えるばかりで、自分の本当の心の在り処すらも見失ってしまう、そんな本当の孤独に触れたときに上げる悲鳴が、ぽつりぽつりとした言葉と音になった曲だ。アコギ、あたたかみのあるオルガンの音色、ささやかだけれど確かなバンド・サウンドの鼓動感、そんな最小限のアンサンブルから成る曲は、華やかな派手さはないけれど、心に深く浸透してその余韻がいつまでもリフレインする。ときによっては鋭くえぐるように響き、あるときには涙を拭ってくれるあたたかさがある。淡々とした音と言葉とシンプルな歌の中から、じわりと様々な温度が立ち上ってくる滋味溢れる1曲だ。(吉羽 さおり)
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数年前によく一緒に酔っ払っていた友人が真心ブラザーズを大好きだったので、その友人から真心のベスト的CDRを作って貰い、よく聴いていた時期があった。今でも、真心ブラザーズを聴くと、その頃のことを思い出す。ただ酔っ払っていただけの、今と特に変わらない日々だけど。自分達のスタンスで飄々と活動を続ける真心ブラザーズ20周年の集大成となるベスト・アルバム。僕が貰ったCDRにも、この2枚組ベスト・アルバムに入っている曲が結構あった。「ひこうきぐも」が入ってないのは残念だが、それを言い出せばきりがない。過去の代表曲、名曲から、最新アルバム『俺たちは真心だ!』収録曲までを網羅した充実の内容。真心ブラザーズは、どうしようもない日常の風景を豊かにしてくれる。そんな音楽を探しているなら、まずは聴いてもらいたい。 (佐々木 健治)