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INTERVIEW

Japanese

ミソッカス

2017年03月号掲載

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Member:デストロイはるきち(Vo/Gt) ノブリル(Gt/Cho) マイケルTHEドリーム(Key) ジャンボリー加藤(Dr/Cho)

Interviewer:荒金 良介

-なるほど。ほかにアレンジ面で意識したことは?

はるきち:BPMはちょっと速くしました。いつもより5~10は上げましたね。10代、20代、30代で、気持ちよく感じるBPMは違うと思うんですよ。ライヴハウスに来る人たちは10代後半から20代前半の人が多いから、そうなると、僕らが"この感じ気持ちいいなぁ"と思っても、10代の人は野暮ったく感じるのかなと。もっとグイグイ来いよ! と思われているかもしれない。僕も10代のころはメロコアが大好きで、心臓がドキドキして、テンションがアガる曲が好きだったんです。初期の自分たちの曲は、そういう意識で書いてましたからね。だから、僕らが演奏しながら、心臓がドキドキするようなBPMがいいなと。

-「名城線」(Track.2)、「おぼろ月」(Track.9)、「タイムトラベラー」(Track.10)とか疾走感のある楽曲も多いですもんね。で、「セニョリータ」(Track.4)はミュージカルちっくな曲調で新鮮でした。

はるきち:俺は好きな曲ですね。こういうことをずっとやりたかったんですよ。ヘヴィなロックを軸にオーケストラで無駄に派手にするという(笑)。サビのメロもマイケルが考えたものだけど、個人的にはもっと仰々しくしたくて。

マイケル:この曲はJAM ProjectSound Horizonを参考にしました。この3人(はるきち、ノブリル、マイケル)の中では曲作りの歴が浅いので、勉強していた時期だったんですよ。川田まみさんが所属しているI'veもそうだけど、アニソン、同人系のユニットを作ってる人はオタクちっくというか。明らかに複雑な曲を作るので、その職人感をマネしたら「セニョリータ」ができました(笑)。

はるきち:僕には絶対こういう曲は作れないですね。キャッチーだけど、意外と凝ってる。そのバランスがいいと思います。

ノブリル:聴き心地はマニアックになっていないから、そこはすごいなと。

-今作に限らずですけど、楽曲にはどこか哀愁が漂ってますよね。

はるきち:僕は曲を聴いて、切ない気持ちになりたいことが多くて。それはマイケルにも言ってたよね?

マイケル:言ってましたねぇ。

はるきち:僕が思う哀愁について語ったんですよ。

マイケル:"キャッチーなメロディって何ですか?"とはるきちさんに聞いたら、"わかりやすいメロディでも哀愁があるか、ないかが大事なんだ"って。

はるきち:僕の琴線にグッと触れるのが哀愁なんでしょうね。やっぱり日本人だから、哀愁がないとダメなんですよ。それをマイケルに言ったけど、わかったような、わからないような反応で(笑)。

マイケル:いままではそういう話し合いもしなかったですからね。この3人で話し合うことがあまりなかったんですよ。

ノブリル:そうだね。

-「夜に潜む鬼」(Track.12)は哀愁寄りですね。

はるきち:縦ノリにしたりBPMを速くしたりするなか、その反動で最後の方にできた曲なんですよ。ちょっとバラードちっくなものがあった方が、作品が締まるかなと。これは自分の好みで作りました。こういう曲が好きなんですよ。でも、伝わらないかなって。

-いやいや、伝わりますよ! いい曲じゃないですか。だからこそ、CDのみの形態の方に収録されている「放課後ねじまきダンス」のハチャメチャ感もまた映えるわけで。

はるきち:そうですね、その曲ははっちゃけてますからね。歌詞も3人で考えたんですよ。自分の中にある狂気を言葉にしようと。深読みすると、いろいろ考えさせられる歌詞になってます。社畜のことを書いているように取れるところもありますからね。

-歌詞も哀愁が漂ってますからね。

はるきち:作品を出すペースが半年とかだと、伝えたいこともひとつぐらいしか出てこないんですよ。前作は自分なりに思った悩みを歌詞にしたけど......「ダンシングモンスター」の歌詞はどうせ何を言っても聴いてないんでしょ? みたいな皮肉めいたところはありますね。

-歌詞に過剰な意味を込めずに?

はるきち:そうです。だから、ほかの曲もあまり歌詞に意味はないというか。

-あえて余白を残した歌詞にしたと。

はるきち:はい、それを「ダンシングモンスター」で歌ってます。"言葉なんて通り過ぎてく"、"僕の声が滲んでく"という歌詞に集約されてますね。踊ることは実際のテーマではなくて......寓話ちっくというか、教訓めいたものは歌詞に入れてるつもりです。ひとつひとつの曲に物語があって、情景はあるけど......今回は、その主人公になりきったら感じるものはたくさんありますよ、というスタンスですね。