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INTERVIEW

Japanese

チャットモンチー

 

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Member:橋本 絵莉子 福岡 晃子

Interviewer:石角 友香

-(笑)「消えない星」が武道館のアンコールで披露されたときに、大げさなものじゃないんですけど、すでにその先を見せてくれたんだなと思いました。肩に力が入ってない感じで。力の抜け加減とか、どうですか?

福岡:このときは(映画主題歌の)お話がきて、今できることの中で何が作れるか? って考えて作ったんです。そのあとに武道館と"こなそんフェス"が終わってからの気持ちの変化がほんとに大きくて。もうやりたいこと全部やっちゃって、次に同じことはできないって気持ちがあったので、今の体制に至るんです。この曲を作ったころは、映画に合うもので、なおかつ自分たちが好きなものということを考えていて、まだその後のことはあんまり考えてなかった気はしますね。

-今回はトリプル・タイアップなので、どんなタイミングで聴くかは人によって違いそうですね。そして「とまらん」は楽しい曲です。友達に話すような感じがするというか。

橋本:地元感満載ですね。方言だとタメ口になるので、それで友達感が出てるんやと思います。

-マラソンのテーマ・ソングとは思えない雰囲気があります(※2016年4月に徳島市で開催されたとくしまマラソンの公式テーマ・ソング)。このお話はどういう経緯できたんですか?

福岡:フェスを開催する前に徳島に行く機会がよくあって。とくしまマラソンもすごく盛り上がってきてたので、テーマ・ソングを書いたら使ってもらえるかな? と思って先にある程度書いちゃったんですよ。

-なんと(笑)。

福岡:それで試しにマラソン実行委員会へお話ししたら採用してくれたんです(笑)。徳島だったら好きなことやらせてくれそう、みたいなノリで(笑)。

橋本:徳島で暴れてるからな(笑)。こなそんの日、(会場近隣の)道路の電光掲示板に"渋滞の可能性あり"みたいなことが書かれてて、めっちゃ嬉しかったですもん。"やった!"って(笑)。

-「とまらん」はマラソン大会のテーマ・ソングなんですけど、その中にもグッとくるパンチラインがあって。"何にもできん赤子(ひと)から/こんなんできる大人(ひと)になって/こんなんできる大人(ひと)からまた/何にもできん赤子(ひと)に戻って"っていう歌詞には、なんなんだろう? と思ったんですが。

橋本:これは"老い"ですね。

-"老い"ですか(笑)?

橋本:(笑)ひとことで言うと"老い"ですね。地元に帰ると親戚とか親もやし、どうしてもそういう場面を見ることがあるから。でもその反面、地元の友達に子供が生まれたとか、そういうのも多くあって。地元で起こることを書いた感じですね。

ほっといたら変な曲ばかりできるから(笑)
ちょっと世の中に修正してもらってる感じ

-これからのチャットモンチーは、人間のいろんな過程をインクルードしていきそうですね。年齢を重ねていくうえで書くことが変わっていったり。制作中はどこに行くんだろうと思っていたかもしれないですが、今、シングルを客観的に見てどうですか?

福岡:どうですかね。なんかいい曲ができたなっていう感触があるんですよ。どの曲もそうなんですけど、オファーをいただいて曲を作って、それをすっごく挑戦的な球で投げて、(挑戦的すぎて)返ってきて。でも、その挑戦をあんまり曲げずにどこまでやれるかみたいな楽しさが最近出てきたんです。本当に、ほっといたらすっごく変な曲がいっぱいできるから、世の中にちょっと修正してもらってる感じがあります(笑)。

橋本:(笑)みんなで一緒に作らせてもらってる感がすごいです。

-いわゆる、ふたりになったばかりのころのパワフルな突き抜け方とは違って、"え? これもチャットモンチーなの?"っていう意外性に富んでますね。

福岡:"あ、これもそうなんや"みたいな(笑)。ただ"思ってたのと違う"っていうものだけは避けないかんなと思って。思っとったチャットやし、またちゃうとこ見せてくれたんやなっていうぐらいにとどめようと(笑)。

-"世間の人はどう思うだろう"ってことを汲むからこそ、よりらしさが出るのかもしれない。

福岡:特に大衆に向けてというよりは、やっぱりライヴに来てくれるお客さんの顔をリアルに考えてるっていうのが大きいかもしれないですね。(曲の良さが)わからない人に対しては――もちろん、一聴したときにいいなと思ってもらえるように音を作るんですけど、イベントにしても曲にしても、今までチャットについて来てくれた人に対しては、敬意を払いたいなという思いはありますね。