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INTERVIEW

Japanese

ラックライフ

2016年11月号掲載

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Member:PON(Vo/Gt)

Interviewer:秦 理絵

-サウンド的には、8ビートでギターのリフがかっこいい衝動的なロック・サウンドになりましたけども。どういうふうに作っていったんですか?

今回も同じアニメのエンディング曲なので、「名前を呼ぶよ」で知ってくれてた人に"ラックライフはバラードだけじゃないんやで"ってアピールできる部分は出したかったんです。あとは1st(『名前を呼ぶよ』)と2nd(『初めの一歩』)でバラードとポップな曲をやって、どうやったら"ラックライフ、攻めてるな"って思ってもらえるかを考えながらですね。でも、制作中は半信半疑だったんですよ。"アニメのエンディングになるけど、大丈夫か?"、"前作とギャップありすぎやけど、いける?"って、メンバーとも話しながら。1番の終盤の間奏なんて、"こんなにガシャガシャやっていいんかな"って。でも、自分らが好きなことをやってダメって言われたら、そのときに考えようかって感じでしたね。

-これまでにも「そんな世界になればいい」(2011年リリースの1stアルバム『World is you』収録曲)とか「フールズ」(2014年リリースの4thアルバム『正しい僕の作り方。』収録曲)とか、ライヴの定番になるようなロックな曲はありましたけど、今回はさらに攻めてる感じがしました。

そうかもしれないですね。あんまり自分ではそこまでは意識してないし、やりたいことをやってるだけなのでよくわからないですけど(笑)。やっぱりこういう曲は"ラックライフらしいですよね"とは言われますね。"へー、これがラックライフらしいのか"って受け取ってます。自分たちではどの曲もラックライフらしいと思って作ってるんですけど。

-それを言ったら、バラードでもミディアム・ポップでも、ラックライフって"ラックライフらしい"って言われ続けてるんじゃないですか? "らしい"の守備範囲が広いというか。

そう言われたらそうかもしれないです。でも得してますよね、それ。"自分らしさとは?"、"ラックライフらしさとは?"って、"らしさ"について考えてた時期があったんですけど、面倒くさくなって(笑)。結局、俺らがラックライフやから、それで100点じゃない? っていうところに落ち着いたんです。4人でやったらどんな曲でもラックライフらしくなるんやろうなって。

-なるほど。

だから、今回も多少は攻めようと思いましたけど、そんなに深くは考えてないんですよ。速い方が良さそうじゃない? ぐらいですね。スロー、ミドルときたから、ほな次はアップじゃない? みたいな。その時々で思いついたものを、"これ、かっこよくない?"、"面白くない?"ってすごく感覚的に掘り下げてきたバンドやと思うんです。考えるタイプではないですね。

-でも、みんなを楽しませたいってことはすごく考えてますよね?

そうですね、たしかに。

-だから、カップリングのTrack.2「journey」とTrack.3「デイルニハ」は、表題曲の「風が吹く街」とはまったく違うテイストになったんだと思いますし。

ザ・J-POPですよね。(「journey」は)風味堂と(「デイルニハ」は)ミスチル(Mr.Children)をイメージして作り始めたんです。次、どんな曲を作ろうかなと考えながら、鼻歌を歌ってたらこの2曲が出てきたんですよ。で、「journey」の曲のイメージは、絶対にこう(横に揺れる)。それが風味堂みたいだなって。だから、仮タイトルは、"ふうみん"だったんです(笑)。ふとしたときに、ラックライフの曲って全部一生懸命やなと思ったんですね。"俺、マジこうでさぁ!"みたいなのが全部やから、重たぁ......って(笑)。暑苦しいな、と思ったんですよね。それで、もっとサクッといけるスナック菓子みたいな軽い感じで、でもちゃんと心はこもってる――「journey」はそういう曲を作れたらいいなぁと思いながら取り掛かった曲ですね。

-曲を作るときに"誰っぽい"っていうテーマを掲げることが多いんですか?

全然ないです。

-どうして今回はそういうことを考えたんですか?

やっぱり自分の中で幅を広げようと努力してる部分はあるんですよね。

-ですよね。それは今回すごく感じました。全部が一生懸命な曲だったから、今回はライトな曲を作ってみようっていう発想も振り幅のひとつだし。

そうですね。


ルフィとかナルトみたいな少年漫画の主人公に憧れてるけど、全然違う だからしゃあない、俺は俺のペースでいくしかないなと思った


-今改めて自分たちの曲を振り返って、新しいことを探すというか。そういうモードなんですか?

いや、そういうわけではないんですよ。振り返ってどうと言うより、どんどん前に進んでいきたいと思ってるし、今が必死なので。まぁ、振り返るのは好きですけどね。

-「journey」でも"うじうじと過去を想い"って歌ってますもんね。

振り返りがちなんです(笑)。忙しければ忙しくなるほど振り返りたくなるし、過去をうらやみたくなるんですよ。"あぁ、これ楽しかったよなぁ"とか。あのころ、あんなことがしんどかったよなぁとか思い出しては浮き沈みしながら。でも、"一生懸命やるか"みたいな。そういう自分に気づいたときに、"俺、憧れてる人みたいに全然なれてないな"って思ったんですよ。少年漫画によく出てくる主人公のような――ルフィとかナルトみたいに、"我が道を行くぜー!"っていうのにずーっと憧れてるんですけど、全然違うなと。もう28年も生きてきたから、今からそうは絶対になれない。しゃあない、俺は俺のペースでいくしかないっていう曲ですね。