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INTERVIEW

Japanese

RONDONRATS。 × ナカヤマアキラ(Plastic Tree)

 

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広島出身の紅一点メロディック・ロック・バンド、RONDONRATS。が、2年振りの新作となる6thミニ・アルバム『FEVER』を完成させた。彼女たちはこの2年の間にメンバー・チェンジや、慣れ親しんだ広島を離れて上京するなど、環境の変化があった。そんな死に物狂いで作った楽曲を、Plastic Treeのギタリストであるナカヤマアキラがプロデュース。ゲスト・ドラマーとして高橋宏貴(ELLEGARDEN/THE PREDATORS/Scars Borough)も参加している。今回Skream!ではナカヤマとRONDONRATS。の対談が実現。制作秘話や今後のバンドのヴィジョンについて語ってもらった。

RONDONRATS。:MAMIKO(Vo) KOUTA(Gt) TETSU(Gt) KJ(Ba)
プロデューサー:ナカヤマアキラ(Plastic Tree)
インタビュアー:沖 さやこ

-6thミニ・アルバム『FEVER』は紙資料に"壊れた心も溜め込んだ涙も全部まとめて大放出"との記載がありましたが、前作『eat sorrow and happiness』(2014年リリースの5thミニ・アルバム)からの2年間はRONDONRATS。にとってどんな時期でしたか?

MAMIKO:いろいろあった2年間でした。私よりも他のメンバーの方が大変だったんじゃないかな。

KOUTA:もうちょっと早くリリースしたかったんですけど、なかなか制作が追いつかず。そういう状況の中でメンバー・チェンジや上京が重なったので......やっぱり広島での活動と東京での活動はまったく違うので、慣れていくのにも時間がかかったし。制作にかける時間や考え方も含め、いろんなことがこの2年間で変わってきたと思います。

-『FEVER』の曲たちはその2年間で生まれたものなんですね。

MAMIKO:出てきた音をどんどん曲にしていって......という作業をずっとしていました。そこから自分たちの中にちゃんと残るものを厳選していって。でもこだわりだしたら止まらなくなるんで、期限を決めてやっていたんです。それがなかったら永遠とやり続けてしまうくらい、本当にそれしかないというくらい、遊んだり飲みに行ったりすることもなくみんな狂ったように曲作りをしてました。だから途中ちょっとノイローゼになりそうでした(笑)。そうやって死に物狂い、無我夢中で作った曲たちで。だから(ナカヤマ)アキラさんにプロデュースしてもらって、本当に良かったです。

-今回ナカヤマアキラさんをプロデューサーに招いた経緯は?

MAMIKO:事務所の社長がアキラさんとお知り合いで、社長から"RONDONRATS。の楽曲はアキラさんにプロデュースしてもらったら絶対良くなる!"と言われていて。だからどんなふうになるのかなと楽しみで。

ナカヤマ:デモ音源を聴かせてもらったら"僕は何をしたらいいんでしょうね?"と思うくらい完成していて。それまでキチッとしたお仕事としてプロデュースをしたことがなかったんですけど、今回プロデュースさせていただくにあたって"メンバーがきちんとやりたいことをやれるようにしよう"と心掛けていましたね。"ここが違う!"と言ってどんどん手直ししていくようなプロデュース方法もあるんでしょうけど、そういうのは僕自身が嫌なので。みんなが自由にやれるようにやってくれたらなって。

-ナカヤマさんはRONDONRATS。のデモ音源を聴いてどのような印象を持たれましたか?

ナカヤマ:どんなバンドも音源はちゃんとしてるので、デモ音源だけではわからないな......と思って。それでメンバーと会って、どういう人となりかをわかったうえでライヴを観に行って、そのうえでどうしようかと考える必要があるなと。でもなかなか会う時間がなかったので、ちょっとアレンジしてデータを送ったりしてから......というイレギュラーなスタートになってしまって。申し訳ないことをしたなと反省しながら(笑)。

RONDONRATS。:(笑)

ナカヤマ:デモを聴いて思ったのは"ちゃんとしすぎてるな"というところで。ロック・バンドだし、もっと"えっ!?"と思うようなどっちらけなところがあってもいいのかなと思いましたね。

-作業はどのように進んでいったのでしょうか。

ナカヤマ:結果的にデータのやり取りでアレンジをしていくことが多かったかな? "これをもとにメンバーみんなで1回やってみて"と送って、それに対してメンバーみんなが自由にアレンジをするという流れで。メンバーの作りたい曲のヴィジョンはあるし、彼らが満足しないものになることだけは避けたかったから、僕がどうこうというよりは、みんなが困ってるときにポツッと(アドバイスを)言うくらいでいいのかなって。音楽作りで必ずあるんですよね、"今完全に困ってるな!"みたいなときが(笑)。煮詰まることも大事なので、自分たちで解決できることは自分たちで解決していった方がいいと思うし。

MAMIKO:(ナカヤマが察知する)"困ってるとき"というのはだいたい当たっているんです。アドバイスをもらって"おぉ~!!"と思いますね。自分が先に作ってたメロディ・ラインがあったんですけど、アキラさんから返ってきたデータを聴いたら1ヶ所メロの音が変わっていたところがあって"あ、ここに音を持っていくんだ!"と新鮮だったし、それでメロがすごく良くなったんです。「蜃気楼」(Track.5)はもともと鍵盤が入ってない曲だったんですけど、一発目に上がってきたデモの時点ですごく良かったからこのアレンジは絶対にやりたいなと思いました。その曲に関してはすんなりできあがったんですけど、もう1曲の「MONSTER」(Track.6)はギターが複雑なので、ギターのふたりは(バランスを取るのに)悩んだのかも。

-KOUTAさんとTETSUさんはいかがでしょうか?

KOUTA:誰かにここまで密にアレンジしてもらう、プロデュースしてもらうという経験が初めてだったので、今まで自分たちがやっていた全部の作業をやってもらったときに――ギター・アレンジは特に自分の中にはないアプローチを提示してもらえたし、その理由を聞いたら全部答えてもらえたので、すごく納得して弾けるというか。だからすごく勉強になりましたね。いろいろお話もさせてもらえたし、レコーディングのミックス作業中もいてくださったので、悩んだときにはアキラさんに聞いて、それで納得できたり安心できたりしましたね。

TETSU:自分たちだけで作ってると客観的に考えることはないから、それを(プロデューサーには)客観的な視点で"こういうアレンジがあるよ"と出してもらえる。それはすごくありがたいなと思いました。だからやっぱり"この曲がこうなるんだ、こんなに変わるんだ"と思ったし。でもアキラさんがさっきもおっしゃっていたように"全然自分たちのやりたいように変えてくれていいよ"と言ってくれて、そのアキラさんのアレンジから良いところを取り入れながら作ることができたので、すごくいいものになったなと思います。

-頂いたアレンジ案をもとにまた自分たちでアレンジを組むことができたんですね。

TETSU:そうですね。それをまたアキラさんに送って"これでいいですか?"と聞いたら、"全然いいよ"と言ってくれて(笑)。そういうやり取りで作っていけました。とはいっても、自分は常にアキラさんに質問攻めでした(笑)。いろいろ教えてもらえましたね。

ナカヤマ:ギタリストがふたりいて、ふたりとも実力がちゃんとある、弾ける技術があるというのはすごくアレンジの幅も広がりますよね。だからといって難しいことばかりするのは違うので、RONDONRATS。がどういうライヴをしているのかを知ったうえで"ここまでのことは余裕でできるんだな"というのも把握しました。"ここまではいける"というハードルがふたりともすごく高いので、提案を出しやすかったですね。そういうギタリストがふたりもいるのはすごいし、いいなぁと。