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INTERVIEW

Japanese

ab initio

2015年09月号掲載

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Member:宮崎優人(Vo/Gt) 乃村Nolan(Gt/Key) ナガハタショウタ(Ba/Cho) SHIMBASHI熊田(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

東京都内を中心に活動する4ピース、ab initioが初の全国流通盤となるアルバム『もしもし、奇跡ですか』をリリースする。捻りの効いた、それでいて感情をダイレクトに揺さぶるビートとメロディを肝にしたギター・ロック。そんな破天荒さを持つ一方、心の奥底、記憶の琴線にそっと触れるビターな曲も聴かせる。日常のいろいろなシーンに寄り添い、笑顔を願う7編が揃った。今回がバンド初のインタビュー。曲に透けて見える、キャラクターやバンド・アンサンブルに練り込まれたいい呼吸感や4人の雰囲気が伝わると嬉しい。

-この『もしもし、奇跡ですか』がab initioにとっての初の全国流通盤となります。バンドをスタートして約6年となりますが、その中でここはポイントだったなということはありましたか。

宮崎:もともと結成が高校3年のときで、でも受験にとりかかったんです。それでみんなが大学に受かって、やり始めたバンドなんです。最初のポイントになったのは、大学2年のときで、当時よく出ていたライヴハウスの人に、"お前たち就職するのか、フリーターしながらバンドやるのか、どっちにするんだ"って言われて。多少、悩んで。結局、こういう形になって。というのがまずありましたね。

-こういうバンドになろう、こういう音楽をやろうっていうのはあったんですか。

SHIMBASHI:最初はコピー・バンドから始めたんですよね。それが面白くなって徐々にオリジナルの曲をやるようになった感じで。最初はACIDMANのコピーをしたり。

宮崎:高校時代、流行ってたんですよね。THE BACK HORNとか。

ナガハタ:BUMP OF CHICKENもみんな好きだったし。

Nolan:でも、こういうバンドになろうっていうのはなかったかなあ。

ナガハタ:好きなことをやっていったら、こういう道になったという感じですね。

宮崎:"こういうの面白いんじゃない?"っていうのをやっていった結果、今のようになったんです。

-今回の7曲を聴いても、幅広い内容だなと思いますが、曲作りはどんなふうにやっているんですか。

宮崎:曲は僕と乃村が作ってるんですけど、ふたりともやり方は違っていて。僕は、生活をしている中で"あ!"っていう瞬間にできることが多いんです。そこで歌メロを録って、コードをつけて、弾き語りで持っていくんですけど。彼は――。

Nolan:寝る前が1番多いですね、寝る直前とか。

-1日のまとめみたいな感じで、出てくるんですかね。

Nolan:それで、いいなと思ったら起きて書くし、これはダメだなと思ったらそのまま寝ちゃうし。歌詞は書かずに、曲だけなんですけど。

宮崎:歌詞は僕か、SHIMBASHIかですね。今回のアルバムではほとんど僕ですね。

-ソングライターがふたりで、それぞれのカラーだったり、その人ならではの感じが出るなっていうのはあるんですか。

ナガハタ:うん、全然違うよね。

宮崎:僕はすごく言葉をのせたいんですよね。言葉をまず詰め込むっていう作業をするので、ちょっとメロディはどうでもいいところもあるんですよね。ララララ~に対して、ラララララでもいけちゃうんです。でも乃村は、メロディがきれいだっていうのを大事にしている。

Nolan:歌詞が書けないからこそだと思うんです。メロディだけで、どう雰囲気を作るかっていうのを優先していて。

ナガハタ:今回で言うとTrack.2「サーチライト」とTrack.5「エンドロール」がNolanの曲で。それ以外は宮崎ですね。

宮崎:珍しいよね。これまでは半々が多かったんですけど、最近は僕が多くなりました。

-それは、より自覚的に書こうという思いが出てきたんですか。

宮崎:今までの曲作りのスタンスが、できたらやる、それをCDにするっていう感じだったんですけど、期限があってそこに向かってどんどん作っていくというものになって。そういうやり方に対しては、僕が特化してるというか。ずっと考えていたり、24時間ずっと何か受信してるようなこともあるから。そういう意味で、持ってくる曲の数が多いんです。

ナガハタ:ワンコーラスだけのものを30曲くらい作ってきたんだよね(笑)。それをまず4人で会議をして、レーベルの人とも話をして。それで選別していった曲なんです。

-選りすぐりの7曲じゃないですか。

ナガハタ:ほんとそうなんです。もったいないよね、ボツにしたのが。

宮崎:また発表できる機会があればやりたいなと思うんですけど、それよりいい曲作らなきゃいけないからね。