Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

ラックライフ

2015年08月号掲載

いいね!

Member:PON (Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

-へええ。

で、ぼーっと8時間みたいな(笑)。だから、周りの人がいてくれてほんまに良かったなって、すごく思いますよ。

-人が周りにいると、自分も盛り上げなきゃっていう気持ちが芽生えるんですか?

盛り上げなきゃっていうか、盛り上げたいと思ってしまう。義務感じゃなくて、希望みたいな感じはありますよね。あの人をどうにか、みたいな。だから曲を書いているときも、ひとりで書いてるんじゃないんだなと――ひとりで書いてるんですけどね。そう思うときがたくさんありますね。

-曲の向こうに、誰かがちゃんと見えている。

うん、それを曲げたらイヤやなってすごく思う。妄想で曲も書けるけど、歌ってて面白くないんちゃうかなと思って。この先歌っていきたい曲を書いているのに、やっぱそういうところ曲げたらあかんなっていうのは、すごいありますけどね。

-なるほど。この「変わらない空」では、思いをちゃんと言葉にしようということを歌ってますね。

そうですね。恋人や友達でもそうですし、僕やったらメンバーもそうなんですけど。なかなかいつも、ありがとうって言えないなっていう。

-たしかに、近しいほど言えなくなってしまうものですね。

そういうのがあるので。ちゃんと言わなあかんねんけど、俺なかなか言えへんからとりあえず先に曲にしようかなと(笑)。好きも嫌いも、ありがとうという気持ちも、やっぱり言わなわからんし。こんだけライヴやってても、言いたいこといっぱいあるじゃないですか。ライヴだけ、音楽だけで伝えようと思っても伝わらないし、MCでなんぼ喋っても伝わらへんときは伝わらへんし。っていうことは、近くにいる人でも同じやなと思ったんですよね。自分も言ってないし、向こうも言わないじゃないですか。メンバーにしてもそうで。そういうのって不安になるんですよね。自分ってどう思われてんねやろ?って。当たり前にこういう関係が続いてるけど、ほんまは内心、辞めたいなとか思ってんちゃうかなとか思うときがふとあって。ってことは、向こうもそう思ってるのか?と。ちょうどそのとき、どう思われてるのかわからんっていう不安があって、しんどいなと思ってたときで。っていうことは、相手も同じことを思っているんだとしたら、相手もしんどいわけで――。

-そうですね。

Win-Winの関係を作らなあかん中で、しんどいとしんどいでは、マイナスじゃないですか。それやったら、伝えなきゃいけないことがたくさんあるなあ、みたいな(笑)。

-そういうこともあって、この曲を書いたんですね。

そうなんです、何書こうかなと思っていたときに。ラヴ・ソングでどこまでをラヴと捉えようかというのがすごくあって。恋人も友達もそうですけど、"全部、ラヴにしてしまえ!"って思ったんです。ってことは、何を書いても大丈夫だなと。結局、そうやって捉えると自分の中で今まで書いてきた曲が全部、ラヴ・ソングに該当してしまうことになって。"ああ、愛の戦士やな俺"みたいなのは、すごく思った(笑)。

-ポジティヴだ(笑)。それでラヴ・ソングというお題に対して、気楽になれたわけですね。メンバーとは、何かそのあと話はしたんですか?

してないですね(笑)。

-で、もやっとした思いは解消されたんですか。

まあ、いいかなみたいな。大丈夫、大丈夫って、メンバーに関しては思いました。難しいですよね。言われへんから音楽やってるみたいなところもあるし(笑)。恥ずかしくて言えへんから曲にしてるっていう。まあ、より恥ずかしい方を選んでいるっていう謎の行動ですけど(笑)。

-全国のみなさんにお披露目してますからね(笑)。でもこの疾走感とサウンドとで、とてもさわやかな曲になっていると思います。

そのバランスはめちゃ考えましたね。オーダーをもらって曲を書いてみて――といってもアップテンポとラヴ・ソングのふたつですけど(笑)。すごく面白かったなと思って。めちゃしんどかったけど、満足のいく曲ができたと思ってるので。次またそういうのやってみたいな、とまで思えるようになりましたね。

-ラックライフはどの曲もキャッチーですけど、「変わらない空」はよりコンパクトにそのうまみが詰まってると思います。

そうですね。自分らしくいたいなっていうのは、たしかにありますね。

-ええ、ラックライフに話がきたのに、らしくなくなってしまうのは根本的に違ってしまいますからね。

そうなんです。で、そうやって悩んでいるときに書いたのが、カップリング曲の「メイキング」なんです。